chocoolique の世界あちこち日記

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Dec 27, 2003
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カテゴリ: 事件




いつも通りの夜だった。それは、平和な夜だった。いや、平和な夜のはず、だった。

相棒の 「火事デスヨ!」 という声で目を覚ました私は、寝ぼけ眼で、ふぅん、大変だね、などと相槌を打ちながら夢うつつでいた。年の瀬の草木も眠る丑三つ時。私は体温に暖められたベッドの中でうつうつとしている。耳元にはフカフカの羽毛枕。辺りは真っ暗。しんと静まり返っている。

と、一瞬、どこからか、ジーンズの衣擦れが聞こえたような気がした。私は寝返りを打った。ドアがバタンと音を立てた。私は目を開いた。

煙い。煙臭い。突如として、何かを燻したようなにおいが部屋の空気に漂っているのを感じた。私は瞬く間に覚醒し、バルコニーに飛び出した。すると――。

消防車が! 消防自動車が!! 何台もとまっている!!!

飛び出た両目をかろうじて押し戻すと、私は、即座にジャケットを着込み、脱兎の勢いで階下に急いだ。四階から一階まで、ものの十秒ほどであっただろうか。私は力任せにドアを開けると、いつもの駐車場に飛び出し、そして、驚倒するのだった。

ゴウゴウと燃えさかる隣の建物――。隣接したアパートの隣の棟が、まるで、予算かけてます! といったハリウッド映画のワンシーンのように炎上しているのであった!

この騒ぎの中、我ながらよく熟睡していたものである。消防車のウーウー唸る音、消防隊員の叫ぶ声、そして、野次馬のざわめきが、いつもの見慣れた場所を混沌としたものに変えていた。私は炎に包まれた隣棟を見上げた。よし。私たちの建物には火の手は回っていないぞ――。

消火活動はすでに始まっている。燃えている棟と私たちの棟との距離は充分あいている。答えを出すのに一秒とかからなかった。私は再び、逃げ出す兎のごとく、部屋へと踵を返そうとした、と、その時だった。見慣れた顔が頬を蒸気させながらこちらに向かってくるのが見えた。相棒だ。私を置いて逃げた相棒の奴だ。しかし、今はそれをなじっている暇はない――。

私は、野次馬のひとりと化した相棒を促すと、部屋へと駆け上った。勢い余って五階まで行ってしまったが、そういうことはなかったことにした。そして、努めて冷静に、かつ、あれよあれよという間に、スーツケースいっぱいに衣類を詰め込んだ。次に、大きな旅行鞄に、ラップトップを始めとする金目のものをほうり込んだ。準備万端。さぁ! 行くよ! 私は相棒に号令をかけた。見ると相棒は、自転車2台を運び出そうとしているところだった――。

そっちがその気なら! ふたつの鉄の塊を両脇に抱えた相棒を目にした途端、私は、なぜか、悔しくなってしまったのだった。急遽キッチンの戸棚を開けると、鉄鍋2個をスーパーのビニール袋に入れようと試みた。鉄鍋は自転車より素敵だ。結構、高かったんだ――。しかし。相棒がそれを制止する。気を確かに持て、というようなことを言っている。それもそうか。私は、あえなく断念すると、スーツケースと旅行鞄でヨロヨロしながら階下へと向かった。

その間5分足らずであった。そうして私たちが逃げ出すやいなや、消防士たちが、火事だ! 避難しろ! と叫んでまわり、建物は全面立ち入り禁止となった。私たちの棟には火がついていないが、隣の棟はまさに全焼しようとしており、危険と背中合わせなのであった。

ひとまず、運び出した家財道具を車に入れ、火事現場を呆然と眺める。漆黒の闇を打ち破る猛炎。次々と消防車が到着するも、一向に衰える気配がない。私は身震いした。消防車のホースから噴射される水が、氷となって地面を覆っている。

まんじりともせず、車中で夜明けを迎えた。







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Last updated  Nov 4, 2004 06:15:50 AM


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