ダートの競馬は適性を類推しやすくて、たとえば「D1400を一気に走りきって 強い馬」は、「コーナー4回のローカルD1700」もかなり上手に走れる場合が多 い。逆に、中央開催のD1800で強いタイプは、小回りのD1700になると、(各馬 がもう3角から動き出すから)とたんに苦しくなったりする場合がある。だから 中央開催のD1800で強い、たとえばスマートボーイのようなタイプがローカルの D1700に出てくると、よほど2番手の馬が後続をガードしてくれる展開にならな い限り、出馬表の中に名前見つけただけでアッサリ消せたりする。
しかし、府中のダートのマイル戦だけは、どの競馬にも似てないんだよねー。 ダートで「コーナー2回の1マイル」というコースを取れるのはJRAでは東京競 馬場だけで、これは他の競馬場で行なわれるダートの競馬とはかなり異質なレー スになるのだ。「こういう能力があるからここも走れるだろう」という類推がき かない。
類推できないうえにこのコースで行われるレースが極端に少ないので、予想は きわめて難しいが、ヒントとしては、馬群はほぼ決まって縦長。そして直線では かなりバラけてしまうことかな? つまり、武蔵野Sを推理する鍵は、
(1)その馬の能力
(2)現在の調子 (3)左回りへの適性
(4)騎手の能力
というファクターを重視すればよいような気がする。
要するに、展開不問なのだ。最後は、強くて調子のいい馬が上位に来る。なに
しろ府中のD1600はとてもハードなコースだから、ハンパな仕上げの馬や能力の
足りていない馬、調子が下降気味の馬ではかなり苦しい競馬になる。まず、ごま
かしがきかない。
相手筆頭には、ブリリアントロードを抜擢してみたい。この馬のダート適性は
本物だし、左回りはフットワーク実にスムーズ。4角手前から加速していけば、
どこまでも伸びて来る。展開によっては単勝まであるかもしれないとさえ思う。
もう終わったかに思えるプリエミネンスだが、前走まくった競馬で3着ならい
いカンフル剤になったかもしれない。このコース得意で、人気もがた落ちなので
ここは押さえておきたい。
| ◎ディーエスサンダー | ○ブリリアントロード | ▲プリエミネンス |
| △ビワシンセイキ | △グラスエイコウオー | △ストロングブラッド |
| wrote:2003/11/3 |
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サイレントディール一番人気の怪?? <**レース回顧/2003年 武蔵野S**>Race/2004.11.1 |
| アドマイヤドンをはじめとするAクラスは当然11/3に行なわれた大井のJBC・G1に
参戦で、この武蔵野Sを使えば圧勝するんじゃないだろうかとひそかに期待していた
スターキングマンもJBC行き。(結果2着で陣営の選択はさすがだった)。2003年の
武蔵野Sは、「もう少しで一線級に仲間入り」な馬と「もしかしてやや落ち目」な馬
が入り乱れて大混戦、どれが人気になるのだろうと思っていたが・・・。 ところで皆さんは、勝ち馬推理におけるプロセスの中で、「予想」と「希望」を しっかりわけて考えることが、できてますか?(笑) 例えば、今回の天皇賞のメルマガで、僕は枠順を見て、「パッと出た時はローエ ンの方が速いから2コーナーではローエングリンがやや前。そこを、調教師から逃 げるように指示されてる吉田豊が外からかぶせていくので、ローエンは燃えちゃっ て掛かってしまうかも」というようなことを書きましたが、これはほぼそうなるだ ろうと確信して書いていて、実際にローエンはビタ一文も買わず。これは、ちゃん と「予想」なわけです(笑) で、その結果として「エイシンプレストンに向く流れになるだろう」というのは、 文章としては「予想」の体裁ですが、これははっきり言って「希望」でしかない (笑) 多かれ少なかれ、実際に日々厩舎を取材して調教の時計を取って・・・という専門
家たちでさえ、最終的に、「予想」というのはその大半が「希望」となってしまう
のが、競馬の面白さだ。だからよく競馬を知っている人は、 ということをわきまえている。そのプロセスでどれぐらい「ちゃんと予想」を 積み重ねていけるかどうかが、プロとしての見せ場になる。 さてそれでサイレントディールですが。 ダービーが終わった時点で「これは思ったよりも強い馬だし、秋にはさらに飛躍」 と、僕も思っていたのだが・・・。 しかし、ダートを走るとなれば、話は別だ。だってここを好走できそうな根拠が、 ●全姉のトゥザヴィクトリーはダート緒戦のフェブラリーSをあわやの3着だった。 これぐらいしか、根拠が見当たらないのだ。そしてこの根拠は、「予想」なんかでは なくて、「希望」でしかない(笑) だって、実際のところは「やってみないとわからない」のだ。 芝から路線転換してダメな馬だって、たくさんいる。姉にできたことを、弟も同じよう にできる保証なんかどこにもなくて、この「トゥザヴィクトリーはダートをこなしたか ら弟も」という発想、実は「この馬はダービー馬だったから、弟のこれこれもダービー 馬になるだろう」というのと、本質的な部分ではあまり差がない(笑) しかしペリエ・サイレントディール、みんなの「希望」をのせて、しっかりダート
を走りきりましたね~!先行してさらに伸びるなんて、まるで姉ソックリのレースぶ
りで、姉ほどの大物感はまだないけど、先が楽しみになった! そういえばペリエは、かつて条件戦を勝ったばかりのノボトゥルーに乗って、根岸S (東京D1400・G3)とフェブラリーS(東京D1600・G1)を連勝させた張本人なのでした。 東京のダートはめちゃくちゃうまい!JCDは、アンカツのアドマイヤドンからペリエの 乗る馬に一点で買うかな、こうなったら(笑) ・・・と、全体に負け犬の遠吠えになりました(笑) もちろん、馬券取ってたら「サイレントディールがダート走るのは、血統見たらス グにわかること」という勢いの文章になってたかもしれません(笑) 【ワンポイント】 ところでJCDのときにペリエはまだ日本にいるのかな? |
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| wrote:2003/11/3 |
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別定のG2をぶっちぎる馬はかなり強い <**レース回顧/2003年 スワンS**>Race/2004.11.1 |
| マイルCSの前哨戦として、もうずいぶん前から現在と同じ条件で行なわれている
スワンS。京都の1400で単純なスピード比べというイメージだが、歴代の優勝馬の
名前を並べると、実はかなり格の高い重賞であることがわかる。 2003年のスワンSはなんとなく抜けた馬がいなくて混戦模様。単勝の人気も割れて いて、1番人気がナンダカンダ言ってもこういうときの頼みの綱、ユタカ様のロイヤ ルキャンサーだった。しかしオッズは3.7倍だったから、押し出されての1番人気と いう感じでもある。 2番人気は、スプリンターズSでの好走を買われて、横山典・テンシノキセキが3.9 倍。3番人気が、前走マイルのオープン特別を弾けるように追い込んで勝ってきたマ イネルモルゲン。これはユタカから四位に手替わりで7.7倍。 ギャラントアローは、16頭中11番人気だった。これはもう伏兵中の伏兵で、ほぼ ノーマークといった扱いだ。しかしゲート開いての反応が抜群に速く、すぐにさっ と先手を奪って逃げの態勢に入っている。 前々に行くと思われたテンシノキセキは距離を考慮してかあまり行く気がないし、 これも行くだろうと思われていたゴッドオブチャンスはやや出遅れ気味。ギャラン トアローは、スッとハナに立ってからは実にリズミカルなストライドで、フットワ ークのバランスも抜群、軽快に逃げ脚を伸ばしている。 4角手前でいったん後続をひきつけたが、最後の3ハロンのラップが コーナーワークをまったく無駄なくインベタからトップスピードで抜けて、しか も、こうきれいに11秒台を並べられては、もう追いつける馬などいなかった。 気分よく、抜群のストライドを保ったままゴールした時は、2馬身と1/2差。これ は、圧勝だ。 豊のロイヤルキャンサーは最後方から大外を物凄い脚で追い込んできたが、とて も間に合わず、4着。前半溜めたテンシノキセキはうまく脚を残せて、わずかに2着 だった。 ギャラントアローはぜひともハナに立ってレース進めたい馬で、春のレースでも、 気分良く走らせた時には実にしぶとい馬だった。幸は、この馬の個性と能力をちゃ んと把握してレースをさせていて、本当にうまくなったものだ。最近、ビッグレー スを勝ってこれほど大変身した騎手も珍しい。 この馬は夏に中京のファルコンSなんかを勝ってしまったために、「パワー型の先
行馬」という印象があった。春に未完成だった頃のレースぶりを思い出しても、
「時計のかかるレースを逃げてしぶとい」というイメージだった。 過去にスワンSを1馬身以上差をつけて勝った馬は、そのあとことごとくG1を勝っ た、という記録が残っている。 古くはニホンピロウイナーの7馬身差圧勝を筆頭に、ニッポーテイオーが2馬身 1/2差、バンブーメモリーが3馬身1/2差。ここ10年では、1994年にサクラバクシン オーが1馬身1/4差。その翌年1995年には、圧倒的に強かった頃のヒシアケボノが 4馬身差。そして1999年にはブラックホークが2馬身差だ。全馬、このあとにG1を 勝つことになる。 そして去年、2002年のショウナンカンプが3馬身差。スワンSをちぎって勝って、 そのあとにG1を勝てなかったのはショウナンカンプだけだが、カンプはその前にす でにG1ウィナーになっていた。 ギャラントアローははたしてどうだろうか。今回は甘く見た他馬の油断か、それ とも・・・? 答の出るマイルCSがとても楽しみになった。でもマークも厳しくなりそうだね~。 【ワンポイント】 ギャラントアローは血統的には母系の底力に注目。3代父のGallant Manは、ベルモン トS(12F)の勝ち馬。 【参考/スワンSを2着馬と馬体合わせずに勝った馬】 ●1984年 ニホンピロウイナー(7馬身差)・・・次走マイルCS優勝、翌年安田記念、マイルCS連覇。 ●1986年 ニッポーテイオー(2馬身1/2差)・・・翌年天皇賞(秋)、マイルCS優勝 ●1989年 バンブーメモリー(3馬身1/2差)・・・翌年スプリンターズS優勝 ●1994年 サクラバクシンオー(1馬身1/4差)・・・同年スプリンターズS優勝 ●1995年 ヒシアケボノ(4馬身差)・・・同年スプリンターズS優勝 ●1999年 ブラックホーク(2馬身差)・・・同年スプリンターズS優勝、翌々年安田記念優勝 ●2002年 ショウナンカンプ(3馬身差)・・・春に高松宮記念を優勝済み なお、海外遠征に行ったショウナンカンプ以外の全馬が次走にマイルCSを選んでいて、 その着順は1着(ニホンピロウイナー)、2着(ニッポーテイオー)、 2着(バンブーメモリー)、2着(サクラバクシンオー)、 3着(ヒシアケボノ)、3着(ブラックホーク)となっている。 |
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