| wrote:2003/11/18 |
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マイルのG1、問われるのはマイル適性よりも総合力 <**レース展望/2003年 マイルCS**> |
| 2003年のマイルCS、登録馬見ただけでもう「イヤー馬券難しいなあ」って
感じで、いったい何をポイントに考えればいいのだろう、という印象じゃな
いですか? ポイントを、絞らなくちゃね。 ポイントを絞ったからといって当たるとは限らないのが馬券のいいところ だけど、やみくもに考えて馬券の点数がやたらに増えていくよりは、絞った 方が納得の馬券を買える。 ♪♪よぉ~~く考えよぉ~~♪ ♪♪お金は大事だよぉ~♪ って歌ってくれなくても、はい、ちゃんと考えますよ(笑) 考えるヒントとしては、 「圧倒的に強いマイラーが いない場合、中距離での総合能力が求められる」 という点が、わりと イイ線いくかもしれない。 例えば、去年このレースを11番人気で勝ったトウカイポイントは、春の中山
記念(別定G2)を凄い切れ味でレコード勝ちした馬だった。夏の札幌記念でも、
(位置取り後ろ過ぎて届かなかったが)鋭く伸びてテイエムオーシャンの2着。
晩成型なので気づきにくかったが、中距離でAクラスの資質を示しはじめてい
た馬だった。 実はこの「中距離での総合能力が求められる」というのは、レース創設以来
の伝統なのだ。 府中のマイルG1・安田記念は、よく「中距離での総合能力がポイント」と言 われるが、秋のマイルCSも、負けず劣らずそのような傾向なのだった。 過去10年のラップをつらつら見ていて思ったんだが、中距離での総合力を求
められる理由は、おそらくこうだ。つまり、勝ち馬も2着の馬も、 マイルの競馬っていうよりは、2000の競馬と思って予想した方が、いいのか もよ? 【ワンポイント】 ならば狙いは、スワンS圧勝のギャラントアローか?(←コラッ!なんでやねん・笑) |
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◎本日の話題その(1)・・・珍しく、武豊が未勝利のG1ですね◎
武兄様がいまだに勝ってないG1があるとは驚きだったけど、今週のマイ ルCSと、あと朝日杯FSだけはなぜか縁がないんですね。
調べてみたら、第一回のマイルチャンピオンシップが行われた1984年に は、なんと武パパの武邦彦(現調教師)がまだ騎手として出場! OH! タ イムリーヒットという馬に乗って16着(最下位)という記録が残っている。 そのときに勝ったのが、河内洋のニホンピロウイナーで、2着が田原成貴 のハッピープログレス。そして、第一回にニホンピロウイナーが圧勝した ことによって、このレースはスタート当初から一気に「格調の高いレース」 になったのでした。 さて、それからレースは19年の歴史を重ねてきたわけだけど、豊は第4回 (1987年)にダイナフェアリーで5着だったのを皮切りに、第6回(1989年) と第7回(1990年)の2着が最高という記録が残っている。このときの馬は、 両方ともバンブーメモリー、厩舎は武邦厩舎だ。いまでは、重賞で武パパ 厩舎の馬に乗るなんて、あんまり見かけないよね?
| ○第04回 ○第05回 ○第06回 ○第07回 ○第09回 ○第10回 ○第11回 ○第12回 ○第13回 ○第14回 ○第16回 ○第18回 ○第19回 |
1987年 1988年 1989年 1990年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1999年 2001年 2002年 |
ダイナフェアリー シンウインド バンブーメモリー バンブーメモリー ムービースター ヤマニングローバル フジノマッケンオー ビコーペガサス フジノマッケンオー スピードワールド ブラックホーク ダンツフレーム モノポライザー |
5着 4着 2着 2着 8着 10着 3着 4着 14着 12着 3着 5着 8着 |
出走しそうなメンバー見ると、後ろから行きたい馬(←つまりレースの流れ がどうしても他人任せになりがちな馬)ばかり、ずいぶん揃ったもんだね~!
イルバチオ、サイドワインダー、テイエムサンデー、デュランダル、ロサー
ド。わはは、レースで「道中最後方にポジション取りそうな候補」が少なくと
もこれだけいるよ。
その少し前がテレグノシスとバランスオブゲーム。ほかのメンバー見ても、
積極的に行きたい馬はあんまりいなくて、これはやる前からもう、ギャラント
アローのマイペース確定ですねえ。ギャラントの後ろがマグナーテン、その次
がウインクリューガーとオースミコスモ、マイソールサウンドで、並びはスン
ナリ。まさかファイモーション、ここを逃げの手に出たりはしないでしょ?
外国馬2騎の出方が微妙といえば微妙だけど、これは意外にマイルのG1とし
ては淡々とした流れで、前がずいぶん楽になる予感じゃありませんか? 昨日
「2000を乗り切れる総合力」って書いたばかりだけど、今年は流れ的にそうい
うレースにはならないかもね??
ギャラントアローで逃げる絶好調・幸が、3角の坂の手前でコンマ何秒かペ
ース落としたら、後ろの馬は届かないケースもある。そのときに「ペースがず
いぶん落ち着いちゃったからね、今日は流れが向かなかったよ」というコメン
ト出しそうな騎手は、あんまり気合入れて買わないほうが身のためかも(笑)
【ワンポイント】
ミレニアムバイオ本命と思ってたけど四位ならちょっとハナシ違うなあ・・・。
| wrote:2003/11/20 |
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恒例の異系調査、結果はなかなか興味深いよ <**血統で読む/2003年 マイルCS**> |
| 当サイトでは、血統を考えるときに、フクザツなことはやめてとにかく
「ファラリス系」と「ファラリス以外」で考えよう、という趣旨でコラム
書いてきました。 それで、過去の調査では、代々配合されてきた種牡馬が のように単調な配合になっている場合、レースぶりが淡白だったりアッサリ 負けたりするケースが多い・・・という仮説でやってると、いきなりシンボ リクリスエスのような圧倒的な例外が、ゴリッとG1を勝ってしまう(笑)。 最強馬シンボリクリスエスはファラリス系を4回重ねた単調な配合だけど、 しかしそういう仮説から見ると、宝塚記念での敗戦がわりと納得できたりも するんです。と言うのは、こういう配合の馬はたいてい、最後のバテ合い・ シノギ合い・競り合いに強いタイプではない場合が多い。天皇賞も、一気に 抜き去ったから、あんなに強かった。 ※ところでこの仮 説は、私のオリジナルではありませんので念のため。オリジナルの理論は、 中島国治氏の、「血とコンプレックス」という著作です。ただこの著作、か なり難解なので私なりのアレンジをして「仮説」としています。 さてそれでマイルチャンピオンシップ。過去19回の1着馬・2着馬の血統
を全部調べてみた。 ●1995年 2着 メイショウテゾロ さてそれで、今年の出走予定馬の中で、ファラリス系ばかりの単調な配合 (←つまり歴史どおりの傾向だと、よくても2着)の馬は、以下の通り。 ●サイドワインダー ●テレグノシス ●ファインモーション ●マイソールサウンド おおっ!ファインモーション! なお、今年の出走予定馬で、異系を2回以上配合されている馬はこんな感 じです。この中に勝ち馬がいるかも? ●イーグルカフェ |
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| wrote:2003/11/24 |
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逃げ馬と追い込み馬にはさまれて金縛り? <**レース回顧/2003年 マイルCS**>Race/2003.11.23 |
| 今年のマイルCSは外国から初の参戦があったり、「能力全開なら桁違い」の ファインモーションが路線変更してコチラに回ってきたり・・・と、G1にふさ わしく戦前の話題が豊富だった。予想もいったい何をポイントにしていいもの なのかみんな悩みに悩んで、まさに馬券的興味の尽きない一戦。 フタを開けてみると、なんと一番人気がサイドワインダーだった。富士Sを 圧勝したミレニアムバイオか、能力断然のファインモーションが一番人気なら まだ話は分かるんだが、これは「みんなよっぽど迷ったんだね」というオッズ だ。 さて、レースは予想されたとおりギャラントアローがパッとハナを奪って逃
げる展開。そして初ブリンカーのマグナーテンが後ろからつつき気味に、1000
の通過が57秒6。まあ、ほぼ予想されたとおりに、ややハイペースといったとこ
ろだ。 たとえば前走毎日王冠の圧勝が支持されて、4番人気に評価されたバランス オブゲーム。京都はあまり合わないと思って僕は軽視したが、それにしてもた だ漫然と先行して直線追っただけ、前を交わしそうな勢いはまったくなくて、 なんとなくなだれ込んでの4着だった。しかしこの馬、実は道中シビレルほど のフットワークバランスで走っていて、あの乗り方で本当に能力全開だったの だろうか? あるいは、富士S圧勝のミレニアムバイオ。これは本馬場入場で落馬したり、 枠入りが不良でそもそも走るのを嫌がっていた可能性もあるが、それにしても、 単純に「ゲート出たなりのポジション」を道中キープして、これも漫然と直線 に入って追っただけ。 「ゲート出たなりであとは馬の気に任せて行って、直線だけ追う」という騎
乗スタイルが一部ジョッキーで大流行しているが(笑)、本当に勝つ気がある
のかなこの人たちは、といつも思ってしまう。「出たなりで馬の気に任せてい
く」のは、確かに馬のリズムを損ねないという意味では「上手な馬乗り」だが、
馬券を買う立場から見ると、これほど頼りにならない乗り方もない。 勝ったデュランダル、相変らず池添Jは度胸抜群で、見事なG1・2連覇だった と思う。しかしこの勝ち方は王者の勝ち方ではなくて、スプリンターズSもマイ ルCSも、こう言ってはやや失礼だが「ハマッタ」というレース。確かに切れ味 抜群で見ていて「強い!」とうなりたくなるが、しかしいくら上がりが33秒5で も、ペースが遅いとまったく届かないのだ。レースぶりがあまりに他力本願す ぎて、いつも必ず勝つチャンピオンというわけではない。 事実、今年の勝ちタイムが1分33秒3(上がり推定33秒5)。実はこれ、デュラ ンダル自身の、去年の走破タイムと全く同じなのだ(去年は上がり推定34秒1で 10着)。 上がりが去年は34秒1で今年が33秒5、これは今年のほうが道中楽をしているか らで、これは馬自身が「去年よりも大幅パワーアップ」という内容ではない。今 年のレースのレベルは、はたしてどうだったのだろう、という数字だ。 来年の安田記念が本当に力を試されるレースで、ここで胸のすくような圧勝劇 を演じるようだと、ようやく初めて、文句のつけようがないチャンピオンという 形かもしれない。(G1を2連勝してこんなこと言われる馬は珍しいよね・笑) でもラップを比べてみると、今年そういうレースになってしまったマジックの 部分が、なくもない。 ◇2002年のラップ 12.3-10.6-11.3-11.8-11.8- 11.6 -11.5-11.9◇2003年のラップ 12.4-10.7-11.3-11.6-11.6- 11.2 -12.1-12.4 去年のミデオンビット(鞍上は幸)と、道中ほとんど同じペースで行ってるの
が一目瞭然だ。でも大きく違う部分が、青数字にした部分。今年は、4角をカーブ
しながら一気に後続を突き放した、というラップになっている。ここでこう、逃
げ馬にグワッと動かれると、漫然と好位から中団につけてる組は何もできない、と
いうことになる。これは、かつて大西騎手がサニーブライアンの皐月賞でやっての
けたのと同じ必殺マジック。 |
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