先週開幕した東京競馬は、なにしろ好時計の連発。芝のレースが土日で合計13Rあったが、なんとその大半が、上がり3ハロンで連続<11秒台-11秒台-11秒台>というラップを計時している。3歳の未勝利戦でも上がりの3ハロンが全部11秒台だったりする馬場で、まるで新潟競馬場のような軽かるのスピード決着だ。もちろん今週のNHKマイルC、ポイントはその辺だろう。
・・・と言っても、上がり3ハロンに切れるスピードタイプを買おう、ということではない。むしろその逆ではないかと思うのだ。
先週の天皇賞(春)は「4強ムードに流されてはまずい」というところまでは良かったが、選んだ馬が、うーん、失敗。こういう場合、惜しくもなんともないのに「惜しかった」と密かに思えるところがまた、競馬のいいところだ(笑)。しかもイングランディーレは去年の本命馬だからなおさら「惜しかった」気分で、個人的にはかなり競馬の醍醐味を堪能してると言っていいかもしれない(笑)。
さてそれで今週のNHKマイルC。前評判がどうなのか実はよく知らないが、しかし、少なくとも実績組(すなわちおそらく人気の中心組)は、かなり強い。レースが荒れるかどうかで言うと、たぶん馬連は荒れない。人気がある程度分散して、馬単の配当が思いがけずつくというパターンか、3連複のヒモが狂うという程度だろう。
弥生賞の頃からメルマガ読んでくださってる方はご存知と思うが、ワタクシ的にはこのメイショウボーラーの評価は常に高くて、「ストライドのバランスがアイネスフウジンそっくりだから、ダービーに出てもかなり上位」というようなことを言い続けてきた。つまりワタクシ的な評価は「どっちかと言うと中距離型の可能性もある」。
メイショウボーラーのバランスよいフットワークから生み出されるスピードは並外れたもので、主戦の福永騎手が「スプリント戦でも馬なりでハナに行けるほどのスピードがある」と、皐月賞前にどこかのメディアで発言していた。それほどのスピードがあって、なおかつ皐月賞を逃げて3着に粘るスタミナがあるのだから、当然マイルの流れにもしっかり対応できておかしくない。将来マイル路線を歩んでいくなら、相当なところまでいける素質馬だとも思う。
しかし今回だけは厳しいかもしれないのだ。なぜなら、「できれば控えたいタイキバカラ」と「スピードに任せて押し切ってやろうというメイショウボーラー」の利害が一致して、多分逃げるのはメイショウボーラーだと思えるからだ。
府中のマイルは追い込み天国。逃げ馬にとっては地獄のコースだ。
↑↑↑1000mのラップや勝ち馬の位置取り、勝ちタイムも入ってますので、意外に府中のマイル重賞攻略のいい手引きかも(笑)
NHKマイルCはほぼ毎年、57秒台後半という流れ。メイショウボーラーが逃げるなら、たぶん今年もそれぐらいの流れになるのではないか。 もしもそうなるのならば、ワタクシ的には4角で9~10番手ぐらいにいて、直線を<11秒台-11秒台-11秒台>でまとめられるスケールのある馬から入りたい、と、現時点では思っている。最後の1ハロンを<自身11秒台>でまとめた実績のない馬の単勝は、やや買いにくいかもしれない。
| wrote:2004/5/6 |
|---|
<**血統で読む/2004年 NHKマイルC**> |
| NHKマイルCは「3歳の5月の時点での完成度を競い合うレース」というニュアンスが強くて、後にG1を勝つような強豪に育った馬が、このレースではあっさりと負けたりしている。 それを血統で見ると、ヨーロピアンよりもアメリカンな雰囲気丸出しな血統構成の方が、おそらくいいはずだ。具体的に言うと、いかにもアメリカンなのはミスプロ系。そして早い時期から活躍できるのがノーザンダンサー系。 そうアタリをつけて調べてみたら、なんとレース創設以来8年、連対したのは「父または母父」が、「ミスプロ系かノーザンダンサー系」という馬がほとんどだった。しかも特徴としては、サンデー系が一頭も連対していない。 これは大きな特徴を見つけたもんだと思ったが、いや、ちょっと待った(笑)。あまりに歴然としすぎなので、ちょっと不安に思って過去8年間の出走馬全馬の血統表を見てみたのだ。結果はちょっと笑えますよ。↓↓↓ (1)出走馬のほとんどが実は「父または母父」が「ミスプロ系かノーザンダンサー系」だった。 それでやむなく例によって「異系調査」をしてみたところ、通常のG1だと「代々の配合にファラリス系以外の異系がある」馬の比率がだいたい90%なんだが、NHKマイルCの連対馬は、過去16頭中7頭までもが「ファラリス系だけの配合」だった。 うーん、行き詰りましたね、今回は(笑)。 そもそもレース創設の最初の経緯が「外国産馬のための残念ダービー」というようなポジションだったから、しばらくは似たような傾向の血統の馬ばかりが走っていたのだ。 しかしマル外の高馬をそれほど思ったように買えなくなってきたあたりから、血統面でも傾向が少しずつ変わってきているようだ。実際にはその変化は2002年からで、まだ「傾向」というよりは少し様子見の必要もあるんだがが、とにかくそれまで外国の種牡馬一辺倒だった連対馬が、2002年から突如として国内の種牡馬の仔が一気に大奮闘、なのだ。 2002年に勝ったのはトニービンの仔テレグノシスだし、去年は勝ち馬がタイキシャトルの仔、2着馬がサクラバクシンオーの産駒で、なんと両馬共にマル父だ。そして、2001年までは、連対馬12頭のうち1頭しかいなかったナスルーラ系の馬が、いきなりこの2年で2頭も連対しているのも、大きな流れなのかもしれない。 今年の出走馬で、父内国産の馬は、 ----------------------------------------------------------- ○ナイストップボーイ(父タヤスツヨシ) ○ハートランドカフェ(父サクラバクシンオー)※ナスルーラ系 ○ビッグファルコン(父フジキセキ) ○ムーンシャイン(父フジキセキ) ○メイショウボーラー(父タイキシャトル) ○ロードインザスカイ(父サクラバクシンオー)※ナスルーラ系 ----------------------------------------------------------- メイショウボーラー以外はわりと渋い人気薄だが、この中に台風の目となる馬はいるかな? 少し面白い話題としては、過去8年間の全出走馬中、母系にSeattle Slew(シアトルスルー/アメリカの三冠馬)を配合された馬が2頭だけいるんだが、その2頭の名前はなんとシーキングザパールとエルコンドルパサー。言うまでもなく、2頭ともこのレースの勝ち馬だ。 そしてもちろん、シーキングザパールの仔シーキングザダイヤは、母系に配合された種牡馬にSeattle Slew(シアトルスルー)がいるわけだが、はたして連勝記録を伸ばせるかどうか? |
| 血統調べるならPednet ページtop 2004年top home |
NHKマイルCは、勝ち馬が「国際クラスの超Aクラス」か、「その後まったく伸び悩み」に分かれるのが、大きな特徴だ。レースの施行時期が「皐月賞とダービーのあいだ」でメンバーの質がそう高くはならないから、歴史的な名馬(例えばエルコンドルパサーなど)が出走しない場合は、単純に「現時点での完成度比べ」という形になりがちだからだろう。
だから昨年のように、メンバーが手薄で「G1格だが実質はどう見てもG3かG2」という年も、ときにはある。1番人気だったゴールデンキャストは、いまだにオープンだと好走できないというレベルだし、勝ったウインクリューガーも、その後不振を極めている。はっきり「レースレベルそのものがやや疑問」という世代だったと言っていい。
今年のレースレベルが実際はどうだったのか、そして勝ち馬のレベルが本当はどうなのか。そのあたりをしっかりと見極めておこう。
これに関して、「見た目のイメージ」だけではなくて、客観的な判断材料(らしきもの)が、実はある。それは「後半4ハロンのラップタイム」なのだ。
注目は、青い数字(と赤い数字)で示した部分。
ラップの中味をよく見ると、赤数字にした<12秒台>を入れ替えれば、今年のレースは、<1998年>と<2001年>のレースと、ラップの構成が酷似していることに気づく。↓↓↓
かくして、ダービーは予想者全員が「キングカメハメハに反動ありやなしや」の判断を迫られることになった。そして残念ながら、これは誰にとっても「根拠のある予想」じゃなくて、「希望」もしくは「想像」でしかない。どういう馬券を買うにしても、今年のダービー、最終的には「応援馬券」となることを、ちゃんとわきまえて買った方がいい。
突き詰めて考えると、馬券の予想というのは、最後の最後には必ず<走ってみないとわからない部分>が残るのだ。どんなに展開がしっかり読めても、ゴール前100mからゴールまでの出来事をクリアに読めるレースなんて、ほとんどない。そういう意味で、最終的にすべての馬券は<応援>でしかない、というあたりが、実は馬券の真実だったりする。
馬券なんか、当たっても外れてもどっちも<たまたま>でしかない。だからギャンブルなんだし、だからこそ、競馬は楽しい。
![]()
![]()
