東京競馬場の芝1400mと芝1600mは、わずか200mしか違わないのに、レースの様相が全く異なるから不思議だ。 良馬場のマイルでは、先週見たとおり、57秒台後半の平均ペースでも「差し・追い込みが絶対有利」。最後に求められるのは、軽かるのスピードではなくて重厚な底力、ということになる。しかし芝1400mは、がらりとレースの性格が変わって、「スピードの絶対値比べ」という争いだ。
京王杯SCの過去のラップを見て驚いたのが、ペースと位置取りにほとんどなんの関連性もないこと。普通のレースであれば「後方から一気の差し・追い込み馬はハイペースで台頭」というのがパターンだが、このレースに関してはそういう関連性が全くない。
下の表を見て分かるとおり、勝ち馬で最も際立った追い込みを見せたのが2000年のスティンガーだが、この年は前半の3ハロンが34秒8のスロー。かと思うと、2002年のゴッドオブチャンスのように、最初の3ハロンを33秒8のハイペースで飛ばしながら、逃げ切ってしまった例もある。 競馬の古いことわざに「府中の1800展開いらず」というのがあるが、そうじゃなくて「府中の1400展開いらず」と言い換えたくなるほどだ。要は、「1400を最も速く走れるのはどれだ」という、スピード最優先のレースだと思った方がいい。
表の一番右側が、「最初の3ハロンのラップ」だが、思ったほど速くならないのもこのレースの大きな特徴かもしれない。完成された古馬の争いだから、先行馬が揃ってもみんなしっかり自分のリズムで行って、無理な競り合いはないのだ。
今年もおそらく、先行争いでひどい競り合いになることはない。各馬のこれまでのレースキャリアをチェックすれば、どれが最初の3ハロンを一番速く走るのかも明らかだ。無用な競り合いはなく、並び順はけっこうすんなりだろう。 テレグノシスやサニングデールなどの差しタイプを本命にしたい場合は、相手にはぜひ「4角5番手以内」がオススメだ。そしてもう一つは、騎手の問題。このレースに関しては、「馬なり派」じゃなくて「積極的にポジションを取りに行く」タイプの騎手の方が、たぶん好走確率は高い。
今回は表の中に連対馬の人気も入れたが、2ケタの人気で連対した馬は、全部先行馬だ。穴党は、気合いを入れて先行馬を買おう。
★2ケタ人気の連対馬と、4角の位置取り★
○1995年 1着 ドゥマーニ(17番人気)・・・4角2番手
○1995年 2着 ビコーアルファー(15番人気)・・・4角4番手
○1997年 2着 オースミマックス(12番人気)・・・4角3番手
○2002年 1着 ゴッドオブチャンス(11番人気)・・・4角先頭
| wrote:2004/5/12 |
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<**危険な人気馬/2004年 新潟大賞典**> |
| レースを予想するときに、僕は「その馬の個性」ということをかなり重視する。 予想というのは「印象」だけじゃなくて、「その印象をいかに事実で裏付けていけるか」が勝負だから、「馬の個性」は客観的なデータではないにしても、「目安」としては、役立つ場合がけっこう多い。 で、その「個性」は一頭一頭レースをつぶさに見て把握していくしかないんだが、そんなことをしなくても比較的簡単に分かるのが、 「この馬、得意なのはコーナー4回かコーナー2回か」 ということだ。これは過去の戦歴をチェックするだけで、だいたいなんとなく見当がつく。つまり「コーナー4回の1800」とかで鋭い勝ち方をする馬は、どちらかと言うと「コーナー2回」の競馬はあまり得意ではない場合が多い。逆に、京都の1800など「コーナー2回の競馬」で好走する馬は、「福島の1800・コーナー4回」などはたいていニガテだ。 ものすごく簡単に言うと、小回りが得意なのか、広い競馬場が好きなのか、ということかもしれない。あるいは、コーナーワークで加速できるタイプか、まっすぐ走ると速いのか、という違いだ。 さてそれで、今週の新潟大賞典は、日本で唯一「コーナー2回の2000m」という競馬となる。(ほかの競馬場の2000m戦は、東京競馬場がコーナー3回、その他のコースはすべてコーナー4回の競馬。)もしも「コーナー2回の専門家」ゴーステディが出てくるようなら59キロのハンデでも本命にしたいほどで、ここは「コーナー2回への適性」がかなり厳しく問われるレースになりそうだ。 そして今年は、人気どころが「コーナー4回得意」な馬ばかりなのだ。 まず、藤沢ブランドで1番人気かもしれないヤマノブリザード。これは札幌2歳Sをほぼ最後方から一気に差し切った馬で、本調子に戻ればその切れ味は抜群。しかしこの馬は私の見る限り、「鋭い脚2ハロン限定、適性はコーナー4回の1800~2000」という馬だ。新潟の長い長い直線をじっくり追い込んでくる姿は、ちょっと想像つかない。(ただし鞍上の北村宏ジョッキー、最近はかなり乗れてるからその点では要注意。) コーナー4回の競馬が得意な馬は、おおむね「爆発力・切れ味は鋭いが、その脚を2ハロンしか使えない」というタイプが多い。これはメリハリのあるギアチェンジを一気にできる馬だ。逆にコーナー2回の競馬が上手な馬は、「爆発力自体はたいしたことないけど、追われれば追われるほどちゃんと伸びる」というタイプ。ギアチェンジがどうというよりも、むしろワンペース型と言った方がいいかもしれない。大雑把に分類すると、「瞬発力系」の馬と「持久力系」の馬という感じだろう。 この両方を兼ね備えたAクラスはだいたい新潟大賞典なんていうレースに出てこないから、これはいい目安になるような気がする。 力量的には人気馬がやはり上位だから、力だけで2着3着というケースはあるかもしれないが、しかし今年の新潟大賞典、勝つ馬はもしかしてほかにいるんじゃないかな? |
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| wrote:2004/5/13 |
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<**血統で読む/2004年 京王杯SC**> |
| 京王杯SCは血統調べてみてもそれほどはっきりした傾向はないかも・・・、という予感があったんだが、意外にそうでもなくて、眠い目をこすりこすり血統表見るのは、相変らず楽しい作業だった(←やっぱりビョーキ^^)。 その中で、もしかしたら馬券に役立つかもしれないものだけ、さっそく、いくつかご報告を。 (1)ここ10年間、連対馬の2頭に1頭は「父」または「母の父」がナスルーラ系。 ここ10年というよりも、レースのスピード化が顕著になってきた1990年以降、ほぼ毎年「父」または「母の父」がナスルーラ系、という馬が連対している。 例外は2000年の一度のみ。この年はスティンガーが信じられないような追い込みを決めて、2着のブラックホークが前々から粘った年だ。ナスルーラ関連ではいちおうタイキブライドル(母の父ナスルーラ系)が7番人気で3着。馬連こそクビ差で逃したものの、ワイド゙・3連複の馬券圏内にはしっかり突っ込んできている。ほかにはウメノファイバー(父ナスルーラ系)が12番人気でハナ差の4着。そしてシンボリインディ(父ナスルーラ系)が8番人気で5着。ナンダカンダ言ってもナスルーラ系関連が掲示板をにぎわしている。 ナスルーラ系といえば、大雑把なイメージとしては<持久力のあるスピード>が売り。トニービンがナスルーラ系だから、あれをイメージすると分かりやすいかもしれない。府中とは相性がいいのだ。 (2)連対したナスルーラ系関連の馬は、母系に「底力型」が配合されてる。 これまでに連対した「父」「母の父」いずれかがナスルーラ系の馬は、ほとんどが母系に「底力・スタミナ供給型」の種牡馬を配合されてきている。古馬の格調高いG2、軽かるのスピード配合だと府中はやはり乗り切れないのだ。 「父」も「母の父」もナスルーラ系ではなくて、母系の奥のほうに底力タイプが配合されてるのは、今年の出走馬ではマチカネアカツキ(2代母の父がブランドフォード系)、リキアイタイカン(3代母の父がハイペリオン系)の2頭だけだ。 京都だとナンダカンダ言ってもノーザンダンサー系が突っ込んでくるように(イングランディーレはノーザンダンサー系)、府中ではナンダカンダ言ってもナスルーラ系が突っ込んでくるかもしれないから、いちおう少しは気にしたほうがいいかもね? |
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