穴馬発見☆資料置き場(倉庫)

京王杯SCほか

2004年/京王杯SC・新潟大賞典


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  京王杯SC・新潟大賞典       ※タイトルをクリックしてください





展望府中の1400、4角5番手以内を買おう

<**レース展望/2004年 京王杯SC**>

 東京競馬場の芝1400mと芝1600mは、わずか200mしか違わないのに、レースの様相が全く異なるから不思議だ。 良馬場のマイルでは、先週見たとおり、57秒台後半の平均ペースでも「差し・追い込みが絶対有利」。最後に求められるのは、軽かるのスピードではなくて重厚な底力、ということになる。しかし芝1400mは、がらりとレースの性格が変わって、「スピードの絶対値比べ」という争いだ。

 京王杯SCの過去のラップを見て驚いたのが、ペースと位置取りにほとんどなんの関連性もないこと。普通のレースであれば「後方から一気の差し・追い込み馬はハイペースで台頭」というのがパターンだが、このレースに関してはそういう関連性が全くない。
 下の表を見て分かるとおり、勝ち馬で最も際立った追い込みを見せたのが2000年のスティンガーだが、この年は前半の3ハロンが34秒8のスロー。かと思うと、2002年のゴッドオブチャンスのように、最初の3ハロンを33秒8のハイペースで飛ばしながら、逃げ切ってしまった例もある。 競馬の古いことわざに「府中の1800展開いらず」というのがあるが、そうじゃなくて「府中の1400展開いらず」と言い換えたくなるほどだ。要は、「1400を最も速く走れるのはどれだ」という、スピード最優先のレースだと思った方がいい。


 しかし1400の場合、基本は「4角5番手以内」なのだ。差して勝つ馬ももちろんいるが、下の表で明らかなとおり、ほとんどの年で「4角5番手以内」の馬が連対している。(位置取りの欄に色を入れた馬が、4角5番手以内)
 <差し-差し>で決まったのは、1996年の1回のみ。しかしこの年は先行馬が全く手薄な年で、逃げたのがエイシンミズリー、2番手がヤマショウキロクとナムラコクオー、その後ろにいたのがオギティファニー。はっきり前が低レベルだった年で、勝ったハートレイクも2着のタイキブリザードも、「4角8番手」と表記されるが、実は4角で全馬がもう団子だった年だ。

◇京王杯SC1993年以降のラップ◇
年度
ラップ
1着
人気
位置
タイム
前3F
2着
1993良
(12頭)
12.6-10.8-11.3-11.6-11.7-11.3-11.7
ヤマニンゼファー
2
04-03
1:21.0
34.7
シンコウラブリイ
1
02-02
1994良
(16頭)
12.6-10.8-11.3-11.8-11.7-11.4-11.8
スキーパラダイス
1
04-04
1:21.4
34.7
ザイーテン
4
02-02
1995良
(18頭)
12.5-10.7-10.9-11.4-12.1-11.5-12.2
ドゥマーニ
17
02-02
1:21.3
34.1
ビコーアルファー
15
05-04
1996良
(15頭)
12.5-10.9-11.1-11.7-12.1-11.3-11.5
ハートレイク
5
08-08
1:21.1
34.5
タイキブリザード
1
08-08
1997良
(16頭)
12.6-11.1-10.9-11.0-11.5-11.0-12.4
タイキブリザード
1
02-02
1:20.5
34.6
オースミマックス
12
02-03
1998良
(16頭)
12.3-10.7-10.8-11.3-12.0-11.1-11.9
タイキシャトル
1
03-02
1:20.1
33.8
オースミタイクーン
8
08-06
1999良
(18頭)
12.6-11.2-11.1-11.5-11.8-10.8-11.5
グラスワンダー
1
09-09
1:20.5
34.9
エアジハード
4
02-02
2000良
(18頭)
12.5-11.1-11.2-11.6-11.8-11.2-11.6
スティンガー
5
17-17
1:21.0
34.8
ブラックホーク
2
02-02
2001良
(18頭)
12.2-10.4-11.0-11.3-11.8-11.2-12.2
スティンガー
2
10-10
1:20.1
33.6
スカイアンドリュウ
7
06-04
2002良
(18頭)
12.4-10.5-10.9-11.4-11.3-11.4-12.4
ゴッドオブチャンス
11
01-01
1:20.3
33.8
グラスワールド
6
08-09
2003良
(13頭)
12.3-11.2-11.4-11.7-11.2-11.5-11.7
テレグノシス
5
10-10
1:21.0
34.9
キスミーテンダー
6
05-04

 表の一番右側が、「最初の3ハロンのラップ」だが、思ったほど速くならないのもこのレースの大きな特徴かもしれない。完成された古馬の争いだから、先行馬が揃ってもみんなしっかり自分のリズムで行って、無理な競り合いはないのだ。
 今年もおそらく、先行争いでひどい競り合いになることはない。各馬のこれまでのレースキャリアをチェックすれば、どれが最初の3ハロンを一番速く走るのかも明らかだ。無用な競り合いはなく、並び順はけっこうすんなりだろう。 テレグノシスやサニングデールなどの差しタイプを本命にしたい場合は、相手にはぜひ「4角5番手以内」がオススメだ。そしてもう一つは、騎手の問題。このレースに関しては、「馬なり派」じゃなくて「積極的にポジションを取りに行く」タイプの騎手の方が、たぶん好走確率は高い。
 今回は表の中に連対馬の人気も入れたが、2ケタの人気で連対した馬は、全部先行馬だ。穴党は、気合いを入れて先行馬を買おう。

 ★2ケタ人気の連対馬と、4角の位置取り★
  ○1995年 1着 ドゥマーニ(17番人気)・・・4角2番手
  ○1995年 2着 ビコーアルファー(15番人気)・・・4角4番手
  ○1997年 2着 オースミマックス(12番人気)・・・4角3番手
  ○2002年 1着 ゴッドオブチャンス(11番人気)・・・4角先頭


wrote:2004/5/12

人気馬新潟大賞典、コーナー4回が好きな馬は微妙

<**危険な人気馬/2004年 新潟大賞典**>

 レースを予想するときに、僕は「その馬の個性」ということをかなり重視する。
 とは言ってももちろん、日々調教をつける厩舎の人や、レースで乗る騎手の目線で「馬の個性」を語れるわけがないから、当然ながら「レースを見ていて分かること」だけ。だから情報はかなり限定的だが、しかしこれが馬券を買うときには意外と役に立つのだ。
 たとえば、「馬群に入ったら負けん気ムキ出しで伸びてくる」という個性の馬なら、多頭数のダンゴのレースで買える。
 あるいは、「スローの溜め逃げは持ち味生きない」という個性の馬なら、平均ペース以上でレースを作れる騎手が乗ってきたら買う。
 つまり、「買うか消すかの判断材料」に使える場合が多いのだ。(←ただし馬券が当たるか外れるかは別問題・笑)
 「ものすごく強いが1200限定」のビリーヴなどは、そういう個性を把握していたら、京王杯SCに出てきたときには黙って消す。(昨年はそこまで把握しきれてなくて少し買った覚えがあるけど・笑)

 予想というのは「印象」だけじゃなくて、「その印象をいかに事実で裏付けていけるか」が勝負だから、「馬の個性」は客観的なデータではないにしても、「目安」としては、役立つ場合がけっこう多い。


 で、その「個性」は一頭一頭レースをつぶさに見て把握していくしかないんだが、そんなことをしなくても比較的簡単に分かるのが、
「この馬、得意なのはコーナー4回かコーナー2回か」
 ということだ。これは過去の戦歴をチェックするだけで、だいたいなんとなく見当がつく。つまり「コーナー4回の1800」とかで鋭い勝ち方をする馬は、どちらかと言うと「コーナー2回」の競馬はあまり得意ではない場合が多い。逆に、京都の1800など「コーナー2回の競馬」で好走する馬は、「福島の1800・コーナー4回」などはたいていニガテだ。
 ものすごく簡単に言うと、小回りが得意なのか、広い競馬場が好きなのか、ということかもしれない。あるいは、コーナーワークで加速できるタイプか、まっすぐ走ると速いのか、という違いだ。


 さてそれで、今週の新潟大賞典は、日本で唯一「コーナー2回の2000m」という競馬となる。(ほかの競馬場の2000m戦は、東京競馬場がコーナー3回、その他のコースはすべてコーナー4回の競馬。)もしも「コーナー2回の専門家」ゴーステディが出てくるようなら59キロのハンデでも本命にしたいほどで、ここは「コーナー2回への適性」がかなり厳しく問われるレースになりそうだ。
 そして今年は、人気どころが「コーナー4回得意」な馬ばかりなのだ。

 まず、藤沢ブランドで1番人気かもしれないヤマノブリザード。これは札幌2歳Sをほぼ最後方から一気に差し切った馬で、本調子に戻ればその切れ味は抜群。しかしこの馬は私の見る限り、「鋭い脚2ハロン限定、適性はコーナー4回の1800~2000」という馬だ。新潟の長い長い直線をじっくり追い込んでくる姿は、ちょっと想像つかない。(ただし鞍上の北村宏ジョッキー、最近はかなり乗れてるからその点では要注意。)
 2番人気かもしれないアサカディフィートも、コーナー4回の2000mを上手に走るタイプで、新潟の2000を最後までしっかり追い上げてこられるかどうかは微妙な気がする。しかもこの馬、オープンで勝ったときはハンデが55キロまでだ。57キロを背負った前走エイプリルSは、もっとも得意な中山の2000だったが、ヤマノブリザードに競り負けてしまった。あれは勝ったヤマノブリザードが「凄く強かった!」わけではなくて、アサカディフィートが「斤量にちょっと参りました」という形になったレース(に見えた)。今年は、ハンデが57キロ。昨年のこのレースが55キロで直線ヨレて降着だし、今年57キロでそれ以上のレースができるのかどうか。 3番人気はもしかしてブルーイレヴン? でもあの長い直線をヨレたりもたれたりせずに、しっかりまっすぐ走ってこられるんだろうか?


 コーナー4回の競馬が得意な馬は、おおむね「爆発力・切れ味は鋭いが、その脚を2ハロンしか使えない」というタイプが多い。これはメリハリのあるギアチェンジを一気にできる馬だ。逆にコーナー2回の競馬が上手な馬は、「爆発力自体はたいしたことないけど、追われれば追われるほどちゃんと伸びる」というタイプ。ギアチェンジがどうというよりも、むしろワンペース型と言った方がいいかもしれない。大雑把に分類すると、「瞬発力系」の馬と「持久力系」の馬という感じだろう。
 この両方を兼ね備えたAクラスはだいたい新潟大賞典なんていうレースに出てこないから、これはいい目安になるような気がする。
 力量的には人気馬がやはり上位だから、力だけで2着3着というケースはあるかもしれないが、しかし今年の新潟大賞典、勝つ馬はもしかしてほかにいるんじゃないかな?
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wrote:2004/5/13

血統コラム府中は「ナスルーラ系」+「底力系」で攻略か?

<**血統で読む/2004年 京王杯SC**>

 京王杯SCは血統調べてみてもそれほどはっきりした傾向はないかも・・・、という予感があったんだが、意外にそうでもなくて、眠い目をこすりこすり血統表見るのは、相変らず楽しい作業だった(←やっぱりビョーキ^^)。 その中で、もしかしたら馬券に役立つかもしれないものだけ、さっそく、いくつかご報告を。

(1)ここ10年間、連対馬の2頭に1頭は「父」または「母の父」がナスルーラ系。

 ここ10年というよりも、レースのスピード化が顕著になってきた1990年以降、ほぼ毎年「父」または「母の父」がナスルーラ系、という馬が連対している。 例外は2000年の一度のみ。この年はスティンガーが信じられないような追い込みを決めて、2着のブラックホークが前々から粘った年だ。ナスルーラ関連ではいちおうタイキブライドル(母の父ナスルーラ系)が7番人気で3着。馬連こそクビ差で逃したものの、ワイド゙・3連複の馬券圏内にはしっかり突っ込んできている。ほかにはウメノファイバー(父ナスルーラ系)が12番人気でハナ差の4着。そしてシンボリインディ(父ナスルーラ系)が8番人気で5着。ナンダカンダ言ってもナスルーラ系関連が掲示板をにぎわしている。

 ナスルーラ系といえば、大雑把なイメージとしては<持久力のあるスピード>が売り。トニービンがナスルーラ系だから、あれをイメージすると分かりやすいかもしれない。府中とは相性がいいのだ。
 1990年以降、「父」もしくは「母の父」ナスルーラ系の馬が必ず上位に顔を出しているのは、もちろんある意味「偶然」だが(笑)、こういう偶然は今年も続くかもしれないよ(笑)。
 今年の出走馬で、「父」または「母の父」がナスルーラ系なのは意外に少なくて、6頭しかいない。

  ○オーゴンサンデー(母の父がミルジョージ)
  ○ゴッドオブチャンス(父がコジーン)
  ○サニングデール(母の父がダルシャーン)
  ○ジョウテンブレーヴ(母の父がロイヤルスキー)
  ○テレグノシス(父がトニービン)
  ○ネイティヴハート(父がスターオブコジーン)

 これまでの傾向から考えると、この6頭は少し注目しておいたほうがいいかもしれないね。

(2)連対したナスルーラ系関連の馬は、母系に「底力型」が配合されてる。

 これまでに連対した「父」「母の父」いずれかがナスルーラ系の馬は、ほとんどが母系に「底力・スタミナ供給型」の種牡馬を配合されてきている。古馬の格調高いG2、軽かるのスピード配合だと府中はやはり乗り切れないのだ。
 具体的に言うと、母系の中で、Hyperion(ハイペリオン)系、Blandford(ブランドフォード)系、Ribot(リボー)系、Hurry On(ハリーオン系)の4タイプが目立つ。これらの種牡馬から広がる系統は、あまりにもスタミナ色が濃くて「父系」としてはほぼ途絶えてしまったり、あまり芳しくなかったりするが、母系に入ったときのスパイスとしては絶品だ。
 上で紹介したナスルーラ系関連の6頭のうち、母系に底力型が配合されてきたのは、3頭。

  ○ゴッドオブチャンス(3代母の父がリボー系)
  ○サニングデール(3代母の父がハリーオン系)
  ○ジョウテンブレーヴ(3代母の父がハイペリオン系)

 ・・・消去法で2つのキーで消していっただけなんだけど、なんというか、見事に「それっぽい」馬が残るもんだよね(笑)。

 「父」も「母の父」もナスルーラ系ではなくて、母系の奥のほうに底力タイプが配合されてるのは、今年の出走馬ではマチカネアカツキ(2代母の父がブランドフォード系)、リキアイタイカン(3代母の父がハイペリオン系)の2頭だけだ。

 京都だとナンダカンダ言ってもノーザンダンサー系が突っ込んでくるように(イングランディーレはノーザンダンサー系)、府中ではナンダカンダ言ってもナスルーラ系が突っ込んでくるかもしれないから、いちおう少しは気にしたほうがいいかもね?

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