坂を上がってからの平坦部分が300mも続く新・東京競馬場は、なにしろレコードのオンパレードだ。今週も、良馬場ならまずレコード更新だろう。
そして今週からAコース使用で、内側から6mの部分が、微妙にグリーンベルトの可能性がある。 こりゃー、穴は前だな。前の馬は全部「速い時計に対応」も可能だから、たぶんこの中に穴がいるんじゃないか?・・・と思って、逃げ候補・先行候補、実際どれが速いのか、ちょっと調べてみた。
まずは、前半3ハロンの速さ比べ。
・・・と思って、もう少し詳しくラップを見てみたんだが、3Fで見てもサッパリ分からなかったことが、2Fで見るとかなりよく分かって面白かった。ちょっと見てみてクダサイ。
うーん、これで少し面白くなってきたかな?
この中で、「何が何でも逃げたい」のはおそらくメジロマイヤーではないかと思うのだ。鞍上の幸四郎君も最近絶妙の逃げを何度か見せてるし、ここはぜひ行ってしまいたいところなんじゃないだろうか。メイショウボーラーは、もしここに出走してきても福永Jが(NHKマイルCのときのように)ある程度控えるだろうし、ミデオンビットの岡部が「何が何でも」と逃げるとも考えにくい。横山典は思い切った騎乗をするジョッキーだが、府中のマイルを逃げの手に出るとも思えない。やはりマイヤーだ、行きたいのは。 すると、どういうことになる?
つまり、「最初の2ハロンでややスピードの見劣るメジロマイヤーが、前にいるミデオンビットとメイショウボーラーを交わして先頭に立つために、スタートしてしばらくはかなり手綱をしごく」ということになってしまう。
さてそれで、安田記念過去10年のラップをまとめてみましたよ。
※ 安田記念のラップこちら (別ウインドウが開きます)※
だいたいの傾向としては差し・追い込みが有利なんだけど、ラップをつらつらと見ていて感じるのは、府中のマイルを一気に突っ走るレースだから、「道中の位置取りに関係なく、スムーズに流れに乗ること」が何よりも重要だ、ということ。どこかで変に競り合ったり、無理をしたりする馬は、ほぼ確実に、最後まで力を残しておけない。
| wrote:2004/6/2 |
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<**危険な人気馬/2004年 安田記念**> |
| ダービーでマイネルブルックが予後不良、コスモサンビームが種子骨の骨折で再起が微妙な状態だったのに加えて、アドマイヤビッグも骨折していたことが明らかになった。さすがにこれはちょっと「異常事態」と言うべきで、関係者の方々はどうとらえてるんだろう? あまりに極端なオーバーペースがもたらした悲劇のような気がするんだけど・・・。 さて、気を取り直して安田記念。今回は幸い、逃げ・先行型に乗る騎手に無謀なペースを刻むタイプがいないので、少しは安心してレース見てても大丈夫かな? 昨日もちょっと書いたんだけど、今年の安田記念、ポイントはたぶん「Aコース使用」だと思う。差すタイプは、ここを通ってこれないと、ちょっと苦しいんじゃないかな? 去年も仮柵の移動が同じローテーションで、安田記念の週からAコース使用。アグネスデジタル、アドマイヤマックス、ローエングリン、と、インを通った馬ばかり上位だった。 安田記念は過去の傾向から「差し馬が比較的有利」ははっきりしているんだけど、去年と今年のように「この週からAコース使用」の場合、外差し一辺倒の馬はやや微妙かもしれない。 言葉を換えて言うと、「馬群を割ってこれないタイプ」は、おそらく外を回されて苦しくなる。 そして、300mも平坦部分があるということは、もう発想を変えて、馬券的にはほとんど「直線平坦」と考えて検討した方がいいような気がする。極端な位置取りから追い込んで来る馬は、よほどの乱ペースにならない限り、見込みが薄いのではないだろうか。直線入り口で「大外・最後方」というタイプは、エンジンがかかった頃にはもうレースが終わってる可能性が高い。 あとは、言うまでもないことかもしれないけど、東京コースだから「鋭い脚一瞬」のタイプでは勝負にならない。末脚が持続しない馬は、一瞬「おっ!」と思わせて掲示板という場合が多いから要注意。 今週の危険な人気馬、ちょっとまとめてみるとこんな感じかなー? (1)馬群に入れない差し馬は微妙かも?
この3つの条件を考え合わせると、自動的に「7枠8枠の差し馬は苦しいかも」ということが言えるかもしれない。今年の安田記念は、馬券検討のファクターとして、枠順もかなりウエイト大きいように思う。 外国の馬に関しては評価のしようがないんだけど、「キニナル場合は買おう」としか言いようがないよね(笑) |
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| wrote:2004/6/3 |
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<**血統で読む/2004年 安田記念**> |
| アメリカの土着血統に「Teddy(テディ)系」というのがある。 ところが、安田記念は、過去10年の1着馬・2着馬の血統を調べてみたら、なんと一頭もTeddy系の血を引く馬がいないのだ。こんなことは滅多にないから、調べていてすぐに「あれ?」と気づくほどの特記事項だ。 ※この場合の「一頭もTeddy系の血を引く馬がいない」ということは、ここ10年間の連対馬は、すべて、過去4代にわたってTeddy系の馬を一切配合されていないという意味です。※ 一本調子のスピードを伝えるアメリカ在来血統のTeddy系は、東京マイルのメリハリの効いたレースには、うまく対応できないのかもしれない。確かに、Teddy系は直線の短いコースが向くイメージもある。 過去10年のあいだ、「Teddy系の血を引く馬が連対したことない」というのは、もちろん偶然に過ぎないんだけどさ、でもそういう偶然は今年も続くかもしれないヨ(笑)。 今年、不運にもTeddy系の血を引いてしまってる馬は、以下のとおり。
え? 人気薄ばかりだから関係ない? いやごもっとも(笑) というわけで、もう少し馬券に役立ちそうなオハナシを2つだけしておきます^^ (1)4代の配合がファラリス系ばかりの馬は例によって大苦戦
こんどはグッと脂っこいところが出てきたでしょ?過去の傾向からは、この4頭のうち2頭がワンツーフィニッシュということは、あまり考えられないパターンなのだ。テレグノシスとかファインモーションから買いたい人は、上記のTeddy系も嫌いつつ、なるべくほかの馬に厚めに流しておいたほうがいいかもしれないよ? (2)「父」または「母の父」がノーザンダンサー系、そして母系に底力系というが傾向 安田記念では、なにしろノーザンダンサー系が強い!2000年から去年までの4年間、連対馬はすべて「父」か「母の父」がノーザンダンサー系の馬なのだ。過去10年の連対馬20頭のうち、この条件に当てはまるのがなんと13頭も。とくにここ4年の傾向は、馬場の維持管理が徹底して、よりいっそうスピード化してる中での傾向なので、ちょっと注目かもしれない。 そして、母系に底力系の異系種牡馬が2回ぐらい配合されている、というのが過去の安田記念連対馬の顕著な特徴だ。Hyperion(ハイペリオン)系、Blandford(ブランドフォード)系、Ribot(リボー)系、Matchem(マッチェム)系が、毎年入れ替わり立ち代り、母系に登場している。この、「ノーザンダンサー」+「母系に上記4つの底力いずれか」というパターンで、過去10年間の連対馬がほとんど網羅できるからすごい。 で、今年いかにも安田記念的な配合になってるのが、下記の馬たち。
◎は過去の傾向を見る限りだと、「完全に安田記念向き」の配合になっている馬だ。○は、完全仕様じゃないけどまあまあオッケー、という感じの馬。 言及できなかった馬では、ツルマルボーイとメジロマイヤーが「父」も「母の父」もノーザンダンサー系ではないというのがマイナス。ローエングリンは、母系にハイペリオンもブランドフォードもリボーもマッチェムもいない。 ウインラディウスは願ったりかなったりの内側の枠で、かなり有望なような気がする。 |
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| wrote:2004/6/6 |
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<**レース回顧/2004年 安田記念**>Race・2004/6/6 |
| 4月5月と馬券がずいぶん好調だったせいもあって、安田記念は「走ってみないと分からない部分が多いかな?」と内心思うところも多々ありながら、ついつい、ガツッと大勝負。ちょっと心がズキズキ痛くなるぐらいの敗戦を喫したんだけど(笑)、それでも、競馬って面白いなあ。本当に競馬って面白い。 今年の安田記念、1000の通過は57秒5。これだけ見ると「やや速め」という程度だが、しかしもう少し詳しくラップを見てみると、驚くほどのハイペースだったことが分かる。 そもそもマイル戦で1000の通過を見ることにはあまり意味がなくて、先行馬が苦しくなるのかどうかは、最初の2ハロン~3ハロンで決まるんだが、2004年の安田記念は ■ 22秒3 (2F)- 33秒7 (3F) これは、安田記念がG1になってから、(たぶん)史上最高のハイペースだ。過去に2番目に速かったのが、ノースフライトが勝った1994年で、その時が ■ 22秒9 (2F)- 33秒8 (3F) この時は馬場がパンパンの良でこのラップだった。そして今年は、かなり緩んだやや重。いくら高速馬場だと言っても、やはりこれはオーバーペースだ。ローエングリンをちょっと過剰に意識しすぎたメジロマイヤー・武幸四郎が、知らず知らず飛ばしすぎてしまったという形だろう。(ちなみに先週のダービー、1000を57秒6というのは、今週の安田記念57秒5と比べても、いかにでたらめなラップだったか改めて再認識してしまう。) これだけペースが速かったのならば、差し-差し馬券も大納得。ちなみに、過去の安田記念の前半2F~3Fのラップの一覧をまとめてみましたので、興味のある方は こちらから どうぞ。(別ウインドウが開きます。) そのハイペースの中、アンカツのペース判断と手綱捌きが本当に見事だった。メルマガで書いたとおり、「中距離の平均ペースをだらっと最後方から行っていた馬が、いきなりマイルのペースに対応できるわけがない」と思って僕は軽視したんだけど、いやいや、アンカツが乗るんなら簡単に対応しちゃうんですね(笑)。 道中は後方3番手ぐらいを抜群のフットワークバランスで追走して、直線はテレグノシスが外に振ってる間に、アンカツは何のためらいもなく馬群に突っ込んで行ってる。あそこがまさに勝負を分けた一瞬だった。 最近はどの騎手も、勝利ジョッキーインタビューで必ず、まるで申し合わせたかのように「馬の気に任せて」という発言をする。でも、アンカツがそういう風に言う場合と、「馬ナリ派の巨頭」四位や横山典が同じ事を言うときとでは、全くニュアンスが違うのだ。 アンカツはわりとハミをしっかりと掛けながら乗るタイプで、「アタリが柔い」のとは反対の、ガチッとした乗り方。「馬を遊ばせない」という騎乗スタイルだから、いきなりのマイルでも、ツルマルボーイはあっさり対応できたのだと思う。 これは、ツルマルボーイの個性に、アンカツの乗り方がピタッとマッチしたとしか言いようがない。単に馬の個性と騎手との相性の問題で、横山典の騎乗法と、「どっちが優れている」というわけではないのだと思う。 そしてその横山典ジョッキー、今回はローエンが5着で残念ではあったが、アンカツの次に上手く乗っていたのが彼だったように、僕には見えた。あの超ハイペースを一瞬もムキになって追いかけようとせず、それこそ「馬の気に任せて」柔らかいタッチで乗っていたからさすがだった。 ブリンカーを付けたユートピアも、四位ジョッキーが実に上手くさばいていて、しっかり力を出し切って素晴らしいレースぶりだった。ずいぶん以前から僕の文章読んでくださってる方は、僕が四位とか横山典とかをほとんど高く評価したことないのをご存知かもしれませんが(笑)、最近この二人は、一時期とは打って変わって、物凄く真剣に勝ち負けにこだわり始めているような気がする。 こういう「馬乗り」の抜群に上手なジョッキーが、きちんと勝負の騎乗をしてくれると、競馬が白熱して、とても面白いのだ。 ところでアンカツさん、宝塚記念ではザッツザプレンティとツルマルボーイ、どっちに乗るんだろうね?当然、アンカツの選んだほうが買いだよね。 |
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