最初に少しだけお知らせです。
TOPでも告知しましたが、流星社の<あの馬は今・ガイド2004-2005>が7月15日に発売になります。私が原稿を書かせていただいたのは、
アルーリングアクト/クリスザブレイヴ/シャコーテスコ/シルクライトニング/スガノオージ/タヤスアゲイン/ナリタタイシン/ニホンピロウイナー/フジノマッケンオー/フラワーパーク/フレッシュボイス/ホッカイルソー/ユウトウセイ。
そして、マックスビューティの3兄弟(チョウカイライジン、アーサーズフェイム、グッドタイミング)に関してはちょっと長い記事を書かせていただきました。
詳しくはトップのバナーから流星社のサイトに飛んでみてください。たくさんの名馬の近況が掲載されるようです。
このページを見にきてくださる方は圧倒的に「馬券派」の方ばかりと思いますが(笑)、面白いと思いますのでぜひ一度手にとってご覧ください。馬券勝った方はぜひお買い求めを(笑)
過去の傾向からは、明らかに<4角好位から押し切り>が1着馬の勝ちパターン。
ラップを見ると、超ハイペースの年があったり平均ペースの年があったりして毎年まちまちなんだけど、ハッキリした傾向は、<どんなペースだろうと最後は4角で好位にいる馬が粘りこむ>ということなんです。
たいていの年で、前後半のラップにかなり差があって、レースはほぼ「ばて合い・しのぎ合い」の様相を呈することになるんだけど、そうした展開の中、最後の1ハロンは「前の馬も後ろの馬も同じ脚いろ」というのが、毎年のパターン。
逆に言うと、中団につけて差す馬に迫力がないレース、ということだよね(笑)。
中団につけてバシッとした決め脚でレースを制するタイプ、というのは、たいてい今の時期夏休みに入ってます(笑)。このレースに出てくる差し馬は、ちょっと力量に疑問符かもしれない。
あとは、道中どんな位置にいようと、少なくとも3角からまくって4角では好位にいる、という器用さも必要かもしれないね。
今年は少頭数が確定的で、しかも逃げ馬候補が一頭だけ。軸にするならやはり、<あらかじめ前のほうを走ってる馬>かな?
| wrote:2004/7/7 |
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<**危険な人気馬/2004年 七夕賞ほか**> |
| 競馬に出るというのは馬にとってかなり大きな負担になることらしくて、レースをつぶさに見ていると、<すぐに楽をして走りたがるタイプの馬>がいることに、気づいたりする。 そもそも「闘争心」だとか、パドックを周回しているときの「気合い」だとか、レースでの「根性」だとかというのは、全部人間が都合のいいように考えているだけのことで、実際馬にそういうものがあるのかどうかは、ひどく微妙だ。「前の馬をなんとしても抜き去ろう」と思う動機など、どんな馬にもなさそうだと考える方が、はるかに自然だと思う。 だからこそ、調教で「前の馬を抜く」事を教え込むのだ。「合図があるまで馬群の後ろでじっとしている」ということも、調教で教え込む。 でも、どんなに調教で教え込んでも、レースで楽することを覚えてしまうと、なかなかたいへんだ。よほど騎手がガチッとしっかり乗らないと、「ずっと楽をしたままゴール」という馬になる場合がある。そりゃそうだよね、同じ2000mを走るなら楽にくるっと回ってきたほうがいいもんね(笑)。 そういう馬は、レース中のフットワークを見ていると、わりと分かる場合があるんですよ。言葉で説明するのはなかなか難しいんだけど、端的に言ってしまうと、「背中の伸縮と腰の弾力を使わないで走る」という感じなのだ。弾力(バネ)を効かさずに走るのは、馬にとっては「楽にレースを終えるノウハウその1」だ(笑)。こういう馬は、フォームが少し伸びて見える。 今週の競馬で言うと、そのタイプの代表格がまずヤマノブリード。函館ではウインシュナイト。シェルゲームもちょっとヤバイ。OH!全部藤沢厩舎の馬! ウインシュナイトは去年の巴賞の勝ち馬で、コース得意だけど、休みに入る前の2戦があまりに「やる気ナシ」な負け方だった。休養を挟んでどれぐらい気分的にリフレッシュして、競馬に対して前向きになってるかがカギだと思う。 シェルゲームはもしかしたら一番人気かもしれないけど、しかし同年代同士でさえオープンでは結果を出せていない馬が、いきなり古馬のオープンに入ると、普通は苦しい。 ハンデ戦並の別定重量51キロで、どれぐらい古馬に迫れるだろうか。ミツアキサイレンスはまた60キロだ。別定で9キロ差というのは凄いもんだけど、1キロ=1馬身差と考えると、この斤量差はかなり悩ましいよね(笑) 阪神では、すこし穴人気しそうなシアリアスバイオが、前走まったく弾力性を効かせないで「脚だけで走ってる」というフォームだった。ただ、四肢の運びのバランスはかなりよかったので、アンカツ騎乗でどこまで楽をしないで走れるか、ちょっと見ものだと思う。一般的には、楽を覚えた馬には、アンカツのようにガチッと乗って馬を遊ばせないタイプのジョッキーが向く。 |
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| wrote:2004/7/9 |
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並び順スンナリで、パワーの先行型が有利 <**展開を読む/2004年 灘S**> |
| 先週は急に身辺がワサワサして血統コラム書けなかったんですが、いちおうラジオたんぱ賞の過去の傾向を調べてはいたんですよ。で、今週も七夕賞の過去の傾向を調べてみると、ラジオたんぱ賞と共通することがあって、<福島のオープンはもしかしてこれか?>という傾向が、ちょっとあるんです。でも、あんまり決定的じゃないんですよね~(笑) それは、<ノーザンダンサー系の父or母父に、母系の奥に底力型>というタイプが、福島ではけっこう連対している、ということ。福島の重賞の6割以上が大体こういう馬なんですが、6割ちょいじゃデータとしてはあんまりたいしたことない(笑) さてそれで、土曜日阪神のメインはダート1800のオープン特別、灘S。 これはポジショニングの難しいレースで、夏の小倉に向けて身体をほぐしに来た馬がいれば、この程度のメンバーなら、と踏んで格上挑戦してきた馬もいて、10頭立てながらかなり微妙な一戦。ハンデもいい感じに微妙ですね~(笑)。 ダートの1800の競馬を考えるとき、ワタクシにとって基本的なスタンスとなるのが、「ダート中距離路線は、実はけっこう層が厚い」ということ。端的に言うと<準オープンを勝ち上がってきて即通用>というケースはかなり少ないのが、この路線の特徴だと思います。 そしてこのレースは、単純に<阪神ダート1800を良馬場なら1分50~51秒ぐらいで走りきれる先行力>が求められるレース。ダートのコーナー4回は、いったん道中の位置取りが決まってしまうと、ワンペースで流れてほとんどハンデの影響がない、という展開になりやすいものです。よほどハイペースになって前がバテてくれない限り、差す馬はちょい届かないのが、いつものパターン。 少頭数で並びスンナリのここは、格下から挑戦の差し馬よりも、オープンで実績のある先行馬が上と思います。仮に<夏に向けてのウォームアップ>だとしても、良馬場ならパワーの差がはっきり出る一戦と見ました。 ホーマンベルウィンに期待します。 休み明けは<0・0・1・5>で、成績だけ見ると「あまり動けない」という印象ですが、実際はそうじゃなくて「動き抜群だったのに騎手がヘタクソだった」とか「動き抜群だけどレースの性格が向かなかった」というケースが多いんです。 裂蹄で半年休んでいた馬だけに、体重が大幅に増加してるようだと買えませんが、プラス10キロ以内ならばなんとか辛抱できるメンバー構成と思います。この馬のセールスポイントは、フットワークが実にリズミカルで、バランスがいいこと。無駄のないフォームで走るので、体重増さえなければ、という条件付ですが、本命に期待しました。 対抗は、このコースでこの頭数ならオースミステイヤー。多頭数だとダメですが、少頭数をスンナリ先行ならば、これぐらいの相手だと自動的に上位と思います。 -------------------------- ホーマンベルウィンがもしも10キロ以上体重増だったら、ロングカイソウとホーマンベルウィンのシルシを入れ替えます。オースミステイヤーはどっちにしても対抗扱いかな? 【単勝】 |
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| wrote:2004/7/12 |
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<**レース回顧/2004年 七夕賞ほか**>Race・2004/7/4 |
| 競馬って、<ほとんどの馬が負ける>ことによって成り立ってるゲームだ、ということに、なんとなく最近改めて気がついたのだ。 七夕賞は惜しくも外したけど、○に抜擢した9番人気のストロングブラッドが2着、▲のマーベラスダンス(5人気)が3着、◎のメイショウキオウがハナ差の4着で、これは各馬の個性を見極める、という点ではいいセンだったような気がする。 勝ったチアズブライトリーは、これまでの好走が「4角先頭、スンナリ逃げ込み」という、本田ジョッキーの強気のパターンにはまったケースがほとんどで、「後方から行って一気に差し切る場合もある」という能力を、まったく把握できていなかった。これが馬券的には、大きな敗因。道悪得意よりはむしろ「4角先頭で逃げ込み」が本質だと思ってたんだけど、七夕賞でハッキリしたのが「なにしろ道悪なら黙って買い」という馬場適性で、こっちが本筋だったというわけだ。 ・・・と、いうようなことを、レースをつぶさに見て、なにしろ一頭ずつ把握していくと、かなり馬券に強くなる気がするんだけどなあ(笑)。 ただ、勝ちパターンの「まったくない」馬というのもいるから少し要注意だ。つまりは「能力が下」というタイプ。JRAは入着賞金もかなりのものだし、出走手当だって出るわけだし、実際問題、<出走手当で預託料を>と考える馬主さんも、いないわけではないらしい。あらかじめ「まったく勝負にはならないけれども、出走手当(もしくは入着賞金)ほしさ」で出てくる馬も、間違いなく何頭かはいると思ったほうがいい。 ある牧場で実際に聞いた話だが、「あの馬主さんはパンクしかかってて、それで勝ち目のない馬を中1週ぐらいでガンガン使うんだよね。その出走手当で預託料払ってるって噂だよ」ということを、オフレコでちらりと聞いたことがある。 さてそれで、そのようなことを考えつつ買う馬券を絞っていくわけなんだけど、いろんな<勝ちパターン>の中でも、分かりやすいのは<4角先頭じゃなきゃダメ>という馬。これはちょっと覚えておくと便利かもしれない。 サラブレッドの能力は大別すると2種類で、「ワンペースで最後まで走りきる馬」がまずひとつ、そしてもうひとつが「メリハリのある脚を使うタイプ」。 G1馬を例を取ると、安田記念を勝ったツルマルボーイは「メリハリ型」の代表だし、春の天皇賞を勝ったイングランディーレは「ワンペース」の代表だ。タップダンスシチーも、ダイワメジャーもワンペース型。 ワンペースの競馬をして強い馬は、レースのパターンとして「好位から抜け出す」という形になる場合が多い。どんなレースもほとんど最後の1ハロンはガクッとラップが落ちるから、そこを本当にワンペースで走りきる馬は、「最後グイッと抜け出した」という形になる。キングカメハメハみたいに、ワンペースで走りきって最後ものすごく爆発力もある、というのは、超Aクラス。 それで話は戻るけど、<4角先頭が勝ちパターン>というのは、つまり<普通のワンペースな馬>で、こういうタイプは、「道中のポジションのままゴールイン」という場合が、ものすごく多いのだ。4番手追走して、ゴールでも4着、というタイプ。 シェルゲームも、メイショウキオウも、典型的なこのタイプだよねきっと。 シェルゲームは、藤田がまんまとうまく逃げた。逃げられたらイヤだなあと思ってただけに、目をつぶっちゃいました(笑)。シェルゲームは3~4番手から追走だろうと見ての△だったんだけど、逃げそうかどうかは騎手を見て判断したほうがいいかも(笑)。 でもシェルゲーム、次走、逃げられないメンバー構成ならば、ちょっと危険かもしれないよ。いつも通り、3番手から追走して3着ぐらいかもしれない。 4角先頭が絶対の好走パターンだったのに、それを克服して<別に4角先頭じゃなくても大丈夫>になったのが、函館スプリントSを3着だったカルストンライトオ。今年の夏は、あの馬かなりやりそうな感じがする。 |
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