いろはかるた江戸
い
出しゃばると思いがけないひどい目に遭ったり、出歩くと思いがけない幸運に出くわすことがある。
ろ
物事の理非を明らかにするには、口先で議論するよりも証拠を示すほうが、ずっとはっきりする。
は
見た目の美しい花よりも、たべて腹がふくれる団子のほうがよい。
風流よりも実利のほうが大切である。
に
世間から憎まれているような者が、かえって世間では幅をきかせる。
ほ
いくら苦労を重ねても効果がなく、ただ疲れが残るだけで、少しも利益がないこと。
へ
人の前でおならをしてから、もじもじと尻をすぼめるように、過ちを犯してから、人前を繕うこと。
と
老人が年にふさわしくない危険なことや無茶なことをするのを、冷やかしたり戒めたりすることば。
ち
どんなに小さいものでも、たくさん積み重なると、山のように大きくなるということ。
り
義理がたく生真面目な人は、女遊びをすることもなく、夫婦が円満で、子供に恵まれるということ。
ぬ
盗人の昼寝は、夜働くための準備ということから、
何事をするにもそれなりの準備が必要だということ。
る
青い宝石や水晶も、光を当てれば光ることから、
優れた者は機会を得たら、真価を発揮するということ。
を
年とってからは、なまじ意地をはらず、
何事も子にまかせて、その意見に従ったほうがよい。
わ
ひびの入った鍋と繕い直した蓋のように、
どんなことでも似合いの者同士がふさわしいということ。
よ
葦の茎の細い管を通して天井を見ても、全体を見わたせない。
狭い見聞では大局を判断できないこと。
た
旅行するときは同道者がいると楽しくて心強いものである。
世の中を渡るのも互いの思いやりが大切。
れ
良い薬は苦いが病気によく効くことから、
自分の身になるためになる注告は、聞きづらいということ。
そ
長男長女は、甘やかされて育つことが多いので、
弟妹にくらべて、おっとりしていてにぶい者が多い。
つ
明るい月夜に釜を盗まれるということから、油断の甚だしいことをいう。
ね
注意の上に注意をせよ。
こと細かに注意して、わずかな手落ちもないようにせよ。
な
泣いてむくんだ顔を蜂がさすように、不幸の上に不幸が重なること。
ら
楽しいことがあれば、後に必ず苦しいことがある。
また、その逆もある。
む
道理に合わないことがこの世で横行すれば、道理にかなったことが行われなくなる。
う
初めは嘘だったことが、偶然に本当の事になること。
また、かりそめの言葉が本当の事になること。
ゑ
芋の煮えたのも区別がつかないほど、
世の中のことに疎い世間知らずの人に対するからかい。
の
どんな苦しいことも、過ぎ去ってしまえばすぐ忘れる。
困ったときに受けた恩も、時が経つと忘れる。
お
強い鬼が金棒を持つとより強くなることから、
強い者がより条件を得るといっそう強くなること。
く
不正な行為などを、根本的に正すのではなく、
ただ世間体を繕うために、間に合わせの方法で隠すこと。
や
安価な物には粗雑な物が多くて、長持ちしない。結局、安く買っても、損をすることになる。
ま
無理して争うよりも、相手に勝ちを譲っておくほうが、よい結果が得られるということ。
ま
身につけた芸が、落ちぶれた時に生計を助けるということ。
ふ
恋文をやりたいが字が書けず、他人に頼むのも気が引けるという無筆な女のなげき。
こ
親は子を思うため、一生自由を束縛されるということ。
え
好機が到来したら、逃さずに調子に乗ること、
自分の得意な領域に喜び勇んで進むこと。
て
亭主の好みとあらば、たとえ人から笑われようとも、家族はそれに従わねばならない。
あ
雉は草むらに頭を隠せば尾が丸見えでも平気なことから、
悪事も一部を隠して、全部隠したと思うこと。
さ
夜回りが三度見回ってから急啓しようということから、
与えられた責任を果たしてから休もうという意。
き
聞いただけでは極楽のようでも、実際に見てみると地獄のようだ。
聞くと見るのは大違いの意。
ゆ
油断は自分のどんな敵よりも恐ろしいということ。
気を許して注意を怠ると失敗や災害を招くということ。
め
自分より地位や実力が上で、何かにつけて自分の行動の邪魔になる存在をいう。
み
自分自身の悪い行いや過失が、将来、それが原因で苦しみや災難を受けること。
し
知れば気にかかるが、
知らなければ気にやむことなく、仏のような穏やかな心でいられるということ。
ゑ
男女の縁はまことに不思議なもので、
常識では判断できない微妙な結び付きがあるものである。
ひ
貧乏人は生活に追われて、娯楽や趣味など他のことにあてる時間がないということ。
も
寺の前に住んでいる子供は、
毎日僧の読経を聞いて育つので、自然に経を覚えてしまうということ。
せ
当面している重大事のために、他をかまっておられないこと。
す
遊びの世界で、粋といわれてもてはやされていると、
やがて、その道におぼれ身を滅ぼすということ。
京
夢の中なら、京都や大阪も気のままに見物できることから、
夢では願いや望みがかなうということ。
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