温かい毛布と一杯の水


温かい毛布と 一杯の水
差し出してくれたきみにどうもありがとう
心からどうもありがとう

だけど翌朝 僕はもう
温かい毛布と一杯の水だけじゃ満足できなくなっていた

素敵な音楽が聞きたいな
面白い小説が読みたいな
おいしいものが食べたいな
窓辺に綺麗な花があったらいいな

一つ願いが叶えば 更に願いが生まれて
僕はどんどん欲張りになって行く
どんどん感謝の気持ちを忘れてく

温かい毛布と一杯の水をもらった時の気持ちをなくした僕は
きっといつか また
心から温かい毛布と一杯の水を求める日々に逆戻りするはめになるのだろう


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