中種を作る

中種を作る

 レモン酵母で中種を作った時の記録です。1度目は見事に失敗。中種を、ただ適当にまとめただけでよくこねなかったのと、エキスをすぐに使ってしまったのが原因だと考えています。


 酵母液を漉し取ったものをエキス、または液種と呼んでいます。本やレシピサイトによって呼び方が違っているようです。
 さて、1回目に強力粉(はるゆたか)だけで中種を仕込んで失敗したので、次には全粒粉で仕込むことにします。密封できるホーローの容器に、水100ccと国産強力粉の全粒粉を100g混ぜ合わせました。少し硬めにしたかったので、はるゆたかを少し加えてよくこねます。大体パン生地より少しやわらかい程度。
 これを密封して更に発泡スチロールに密封し、台所のオーブンの上に乗せておきました。これが夕方の5時頃。
 翌朝9時頃に見ると1.5倍ほどに膨張。午後の2時には2倍になったので、ここで2回目の培養に取り掛かります。
 まず、膨らんだ中種のガス抜きをします。そこにエキスと水を50ccずつ加えて、指先でとろとろに混ぜ合わせます。なめらかになったら全粒粉とはるゆたかを60gずつ加えてしっかりこねました。このような配合にしたのは、全粒粉のほうが発酵しやすいものの、クセのない生地でパンを焼きたかったからでした。
 こね上がりは1度目よりも少しやわらかめでしたが、弾力があっていい感じ。蓋をきっちり閉めて発泡スチロールに密封し、同じくオーブンの上に置きました。
 その約2時間後のこと。「パン!」という音がして何事かと様子をみると、中種が2倍以上に膨らんで容器の蓋が飛んでしまっていたのです。これにはびっくり。急いでパンチを入れて(ガス抜きのこと)、冷蔵庫に移しました。

 というわけで、めでたく中種成功の巻。そして、何より香りが素晴らしい。エキスはもちろん、中種をこねている最中もずっとレモンのさわやかな香りに包まれていました。しかもこの時はもちろん気がつきませんでしたが、この中種はとても元気なものだったのです。そもそもエキスが元気だったようですが。


  中種作りのポイント
①中種はしっかりこねます。粉は全粒粉のほうが発酵しやすいですが、あっさりしたパン生地にしたい時は普通の強力粉だけでも大丈夫。発酵に時間がかかるだけです。グルテンが出来るまでよくこねましょう。
②はじめに中種を作る時は、小さな器に少量だけ作るのがお勧め。エキスが使えるかどうかの不安がある時は、失敗した時の材料の無駄が少なくてすみます。また、小さい器で少量を観察するのは、大きなものでよりも発酵の加減がわかりやすいと思います。私は常に2倍を目安にしています。ガラスの容器を使えば、倍になった時にすぐにわかって便利。
③2回目の培養に入る前に中種の様子をチェックします。エキスの元気度や室内の環境によって(室温、湿度など)、中種の発酵時間にはかなりの差が出てきます。24時間経っても変化がないようでしたら、その中種はあきらめたほうがいいかもしれません。私の経験では、エキスに問題があって発酵が進まなかったものは、24時間経たないうちに中種が腐ってしまいました。エキスが十分に熟成されていない場合、腐りはしないものの発酵もなかなか進みません。中種を指ですくってみて、やわらかくなった餅のように弾力がある場合は元気な種と言えますが、指からするすると落ちてしまったり、粉の粒々が浮いているような感じの時はかなり力のない種と判断していいでしょう。こういう中種は、いざパン生地にした時にもかなり発酵時間がかかってしまい、発酵温度が高いとすぐにだめになってしまうようです。
④エキスの保存にも気をつけて。密封して冷蔵庫で保存してあるエキスも、時々空気の入れ替えをしたり、甘味が減っているようだったら蜂蜜を足したりと可愛がってあげます。また、中種を作り始める時は、エキスにお伺いを立ててみます。漉し取ったエキスを一晩か二晩冷蔵庫で熟成させ、あるこーる度が増した感じだったら使い時。不完全なエキスだったら、この間に水カビのような匂いが出てきますので、潔くあきらめましょう。


© Rakuten Group, Inc.

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: