《櫻井ジャーナル》

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2014.02.14
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イスラエルに対するボイコットが世界的に広がっている

 移住者の居住地区は120を超しているようだが、パレスチナ人の土地を浸食、移住者を守る形で巨大な分離壁(堀、有刺鉄線、電気フェンス、幅60~100メートルの警備道路、コンクリート壁で構成)を建設、アラブ系住民の生活空間を分断している。そのように設計しているのだという。

 かつて、「西側」の国々ではイスラエルが「弱者」と位置づけられ、ナチに弾圧されたユダヤ人が安心して住むことにできる場所であり、周辺は「強者」のアラブ諸国に囲まれて恐怖におびえているように宣伝されていた。つまり、イスラエルでは自分たちが旧約聖書に登場する青年ダビデ、アラブ人は巨人のゴリアテだとされたわけである。

 勿論、実際は違った。まず強力な資金力。ユダヤ人のパレスチナ移住計画は19世紀の後半にスタートしているが、その資金源がフランスを拠点としていたエドモンド・ジェームズ・ド・ロスチャイルドだったことは有名。この人物の孫、エドモンド・アドルフ・ド・ロスチャイルドはイスラエルの核兵器開発に対する最大の資金提供者だ。

 1919年にはイギリスのアーサー・バルフォア外相がウォルター・ロスチャイルドに宛てた書簡(実際に書いたのはアルフレッド・ミルナー)の中で、「イギリス政府はパレスチナにユダヤ人の民族的郷土を設立することに賛成する」と書かれている。

 こうしたパレスチナへ入り込んだシオニストは1948年4月4日に「ダーレット作戦」を発動、9日午前4時半にデイル・ヤシン村を襲撃した。この村が選ばれたのは、仕事の関係で男がいなくなる時間があるからで、実際、そうした時間に襲っている。

 そのとき、村にいた人の大半は女性と子どもで、しかも早朝のため、寝ていた。そうした人びとを惨殺、女性は殺される前にレイプされている。襲撃の直後に村へ入った国際赤十字の人間によると、殺されたのは254名で、そのうち女性は145名で35名は妊娠していた。イスラエルの建国が宣言されたのは5月14日だ。

 そうした経緯があったのだが、「国際社会」はイスラエルの建国を認める。ドワイト・アイゼンハワーやジョン・F・ケネディなどはイスラエルに批判的だったが、親イスラエル派のリンドン・ジョンソンが大統領になり、ジェラルド・フォードの時代に親イスラエル派のネオコンがキリスト教原理主義者と手を組んで台頭、イスラエルのアメリカに対する影響力は強まった。そうした影響力が最も強まったのはジョージ・W・ブッシュ時代、2001年9月11日の出来事が切っ掛けだった。

ハリウッドの大物プロデューサーだったアーノン・ミルシャン 。イスラエルの情報機関LAKAM(科学情報連絡局)の仕事をしていたようだ。1985年にジョナサン・ジェイ・ポラードという男がイスラエルのスパイとしてアメリカで逮捕され、現在もアメリカで服役中だが、このポラードを動かしていたのがLAKAM。

 イスラエルには電子情報機関もある。「8200部隊」だが、そのネットワークは「民間企業」にも及んでいる。この部隊の出身者が会社を興し、アメリカなどに深く食い込んでいるのだが、この会社は「8200部隊」の指揮下にある可能性が高い。イスラエルはハイテク産業が盛んで・・・などと脳天気なことを言っている場合ではない。

 ところで、ミルシャンがプロデュースした作品は多く、例えば「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」、「未来世紀ブラジル」、「ローズ家の戦争」、「プリティ・ウーマン」、「JFK」、「沈黙の艦隊」、「依頼人」、「コピーキャット」、「評決のとき」、「交渉人」、「ザ・センチネル」などが含まれている。

 仕事の関係で、ミルシャンは多くの映画監督や俳優と親しくしていたが、そうした人びとが情報活動に協力していたかどうかは不明。ただ、映画監督のシドニー・ポラックはミルシャンのパートナーとして多くの工作に協力したという。ポラックが監督した作品も多く、「ザ・ヤクザ」、「コンドル」、「トッツィー」、「愛と哀しみの果て」、「ハバナ」、「ザ・ファーム」などがある。

 こうしたコネクション、あるいは「ホロコースト」という強力な盾もあり、イスラエルは守れていた。この防御システムが揺らぎ始めるのは1982年のこと。1月にアリエル・シャロン国防相がベイルートを極秘訪問、キリスト教勢力とイスラエルが軍事侵攻した際のことについて話し合っている。その直後、ペルシャ湾岸産油国の国防相とも秘密裏に会い、石油を武器として使わないことで合意したという。

 6月には、PLOのヤセル・アラファト議長と対立していたアブ・ニダル派がイギリス駐在のイスラエル大使暗殺を試みている。実際はアブ・ニダル派に潜り込んでいたイスラエルのエージェントが仕掛けたものだった。この事件を口実にしてイスラエルはレバノンへ軍事侵攻、1万数千人の市民を殺したという。

 8月がにイスラエル軍は撤退、その直後にPLOもレバノンを離れる。その際、アメリカはパレスチナ難民の安全を保証していたが、PLOの撤退が完了した直後、9月14日にファランジスト党のバシール・ジェマイエル党首が爆殺され、その報復だとしてファランジスト党のメンバーがイスラエル軍の支援を受けながらサブラとシャティーラの難民キャンプを制圧、数百人、あるいは3000人以上の難民が殺されたと言われている。

 その結果、イスラエルの責任を問う声が世界的に高まり、親イスラエル派だったイギリス労働党も例外ではなかった。そうした中、イスラエルの資金を使って影響力を強め、労働党の党首になったのがトニー・ブレア。彼の率いる党は「ニュー・レーバー」と呼ばれた。このニュー・レーバーを支援した団体の中にBAPがある。アメリカとイギリスとの関係強化を目的とした団体で、メディアの人間が多く参加していたことが特徴。そのため、メディアはブレアに対して寛容だった。

 メディアや映画界に張り巡らせたネットワークを使い、政党を乗っ取ってイスラエルへの批判を押さえ込もうとしたわけだが、ジャボチンスキー派の「大イスラエル構想」はアパルトヘイト政策を伴い、ファシスト的な戦術が使われ、パレスチナ人の生存権を完全に否定している。こうしたイスラエルを批判する声は、親イスラエル派の工作でも抑えきれなくなった。

 シオニストは巻き返しを図るため、ユダヤ人社会に大きな影響力を持つJCRC(ユダヤ共同体関係会議)は、イスラエル・ボイコットを行っている団体への資金を絶つためのキャンペーンを始めた。イスラエル政府も警戒を強めている。それだけ孤立しはじめているということだ。





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最終更新日  2014.02.15 13:43:57


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