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ウクライナの内戦でキエフ政権が勝利する見込みはないと見られています。ウラジーミル・ゼレンスキー政権が6月4日に始めた「反転攻勢」も予想通りに失敗、その事実をアメリカの有力紙も受け入れざるをえなくなっています。
ゼレンスキー政権に残された選択肢は無条件降伏するか、停戦交渉するか、膠着状態にしてロシアを疲弊させるかだと考える人もいるようですが、いずれも実現しそうにありません。無条件降伏はゼレンスキーを動かしているアメリカやイギリスが認めないでしょうし、停戦交渉はアメリカ政府とイギリス政府が破壊した過去があります。また膠着状態にしようとしてもウクライナは武器弾薬がすでに枯渇、兵士の補充もできない情勢です。NATO軍を投入することも難しく、もし実現できればロシアとの全面戦争になるでしょう。
イギリスやアメリカは2021年9月にオーストラリアと「AUKUS」なる軍事同盟を組織、日本、台湾、韓国を巻き込んで東アジアの軍事的な緊張を高めました。ロシアと中国は連携を強め、イランや朝鮮とも関係を強化しています。また、ニジェールの反植民地クーデターで米英仏のアフリカ利権が揺らぎ始めました。
アメリカを中心とする支配システムが崩壊しそうです。以前からアメリカ帝国の衰退は予想されていましたが、その予想以上に早く壊れ始めているようです。そうした展開になった理由はNATOの強引な拡大、そしてウクライナでのクーデターにあるでしょう。
こうした政策を推進してきた勢力はネオコンと呼ばれています。ソ連消滅直後に世界制覇プランを国防総省の「DPG草案」という形で作成したのもネオコン。1992年2月のことです。この時の国防長官はディック・チェイニー、次官はポール・ウォルフォウィッツ。このウォルフォウィッツが中心になって作成されたことから「ウォフロウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれています。2001年9月11日の出来事以降、彼らは暴走を始めました。
2014年2月にウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除したオバマ政権のメンバーは副大統領だったジョー・バイデン、国務次官補のビクトリア・ヌランド、そして副大統領の国家安全保障補佐官を務めていたジェイク・サリバン。バイデンが大統領に就任した後、この3名にアントニー・ブリンケン国務長官が加わります。
バイデンは大統領に就任して間もない段階でウラジミル・プーチン露大統領を「人殺し」扱い、軍事的な挑発を繰り返し、ルビコンを渡りました。シーモア・ハーシュによりますと、ネオコンはロシアを無条件降伏に追い込めると信じていたようで、プーチンを「戦争犯罪人」として裁くつもりだったようです。
しかし、アメリカではネオコンが台頭した1970年代から製造業を破壊して金融マジックを軸に据えました。兵器開発は性能ではなく価格の高さを重視、今ではロシアの兵器に太刀打ちできません。しかも戦略物資を外国に依存、中国やロシアから資源が手に入らなければ、アメリカは破綻するのです。教育やメディアを利用して人びとの心理を操作し、自分たちに都合の良いイメージを植え付けていますが、現実と虚像の乖離が大きくなり、心理操作は限界に達しつつあるようです。
心理操作の仕組みを維持しようとアメリカやイギリスの支配層は言論統制を強化していますが、そうした政策に対抗するためにも事実を知ることは重要です。
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櫻井 春彦
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