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あらすじ1930年代の中国。北部で栄える八卦拳の宗師ゴン・パオセンは後継者に一番弟子のマーサンと、南部に広まっていた詠春拳の宗師イップ・マン/葉問(トニー・レオン)を指名する。ゴン・パオセンの技を継ぐもうひとりは娘のルオメイ(チャン・ツィイー)。八極拳の宗師・カミソリ(チャン・チェン)の存在も。カンフーの技の継承と流派、それぞれの思いと運命が交錯し激動の中国史に重なりながら、ブルース・リーの師匠であるイップ・マンの知られざる物語が明らかになる。ウォン・カーウァイ監督作品。(以下、映画の核心に触れる部分もございます)梅林茂の音楽のほかにエンニオ・モリコーネの音楽も使われていて音楽から想起したのはロバート・デ・ニーロ主演『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』。時代に翻弄される主人公という共通点も。日中戦争と抗日運動、国民党×共産党の内戦に大陸とは切り離された香港で、ある意味軟禁されたかのように生き別れ激動の時代を送る。その中で詠春拳・八極拳・八卦掌などの型と流派が接近しぶつかり合う。妓楼がカンフーの闘場で色(もしくは美)と力が集約する場、という世界観が流麗。ツイ・ハーク監督、清朝末期の洪家拳の達人・黄飛鴻/ウォン・フェイフォン(ジェット・リー)を描いた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』も思い出させる。闘いのシーン等スローモーションにクローズアップのカットも多く、ジェット・リー、ユン・ピョウ、ドニー・イェンが競演した『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』のリアルなマーシャル・アーツとは当然異なる趣。もちろんドニー・イェンが演じた『葉問/イップ・マン』シリーズとも相違する描き方。イップ・マンとルオメイの闘いはむしろイ・ミョンセ監督の『デュエリスト』を思わせる。主人公ふたりカン・ドンウォンとハ・ジウォンの闘いが舞も表現し、ふたりの心と想いのやりとりでその昇華でもあったように。言葉に尽くせない思い等が『デュエリスト』ではタンゴのような剣技で、『一代宗師』では一手や一撃となって空気をふるわせ伝わり往復していく。 雨の中の闘いはおなじくイ・ミョンセ監督の『情け容赦なし』や『マトリックス』、ジョニー・トー監督作品等も想起。アクション設計は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱』、『グリーン・デスティニー』の武術指導担当ユエン・ウーピン。ジャッキー・チェン主演の『スネーキーモンキー/蛇拳』や『マトリックス』シリーズのアクションも担当、『グリーン・デスティニー続編』は監督もしている。映画の中の言語もなかなか興味深かった。北部の北京語(普通語)と南部の広東語の間で会話が成立し、異なる言語が自然に行き交うスタイル。朝鮮半島の南と北では一部の語彙・表現や抑揚が異なるだけだが広大な中国の南と北、広東語と北京語の間ではボキャブラリーもかなり異なっている。そんな言語の違いを無視して映画を成立させているのがおもしろい。北と南の北京語と広東語、流派の相違に男と女...二者の間にある裂け目を超えて一手や一撃が往来し行き交ったことの象徴かも。ソン・ヘギョが寡黙な、イップ・マンの妻を演じる。チャン・ツィイーのクローズアップを多く観ていると『危険な関係』も公開してほしいと思う...1930年代の上海が舞台。ホ・ジノ監督にしてはめずらしく細かいカットをつないで、ウォン・カーウァイ作品に匹敵する美しさ。余談ですが文学の話が出た時北京語で「紅楼夢」と発音しているように聴こえたのですが...(韓国語の発音から類推)字幕は「愛の夢」と訳されていたのがなぞ...「愛の夢」と言えばリストのピアノ曲で「紅楼夢」は中国四大名著...to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
May 31, 2013
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あらすじ同じ病院で働く同僚ミンス(キム・ドンユン)はゲイ、ヒョジン(リュ・ヒョンギョン)はレズビアン。ミンスの両親の目を欺くため偽装結婚したふたり。やがてミンスはソク(ソン・ヨンジン)と運命的な出会いを果たし新しい恋を育みはじめる一方、鍾路のゲイバーに夜な夜な集まるメンバーで結成した合唱グループG-Voice公演に出演するかどうか悩み続けていた...それはカミングアウトすることにほかならないから。キムジョ・グァンス監督『2度の結婚式と1度の葬式/두 번의 결혼식과 한 번의 장례식/Two Weddings And A Funeral』オムニバス・ドキュメンタリー『鍾路の奇跡』のエピソードのひとつ、G-Voiceヨンスへのオマージュも感じられる。ティナ(パク・チョンピョ)の姿はヨンスにオーヴァーラップする。「いなかゲイ」と愛情をこめて呼ばれていたヨンス。田舎ではカミングアウトできなかった仲間に会うこともなかった地方のゲイが鍾路で仲間に出会って幸せな思いに満たされる。ドキュメンタリーの中でヨンスが「今が人生最高の時」と吐露していたように映画の中でもティナは「今が人生最高の時と思うの」とミンスに微笑む。(以下核心に触れる部分もございます)葬式の場面で赤裸々にエロス(愛)について語られた時は2008年に釜山国際映画祭で観た『葬式のメンバー』をすこしだけ想起したりも。死(タナトス)と生を最も感じさせる愛(エロス)は本来隣り合わせ。タナトスの場でエロスが語られる、それはヘテロにもある光景かもしれないけれどゲイの場合もっと生々しくその性と生を照射するから。死がエロスを死者のエロスも生者のエロスも炙り出す感触も。通夜の葬式場という舞台装置が効果的だった。そして死者がゲイと知ってしまっていた肉親が通夜話ならぬ艶話すべてを聞いているその場面は喜劇と悲劇がないまぜになっている。悲劇の中の喜劇、喜劇の中の悲劇。それが人生、それが結婚式と葬式で人生の裏表を映し出す秀逸な舞台装置だった。韓国映画は甘くて辛いコチュジャンのように悲劇の中の喜劇を描くのが巧い気もする。『浮気な家族』とか『豊山犬』とか。(ちなみにペク・スンビン監督『葬式のメンバー』は...両親と娘ひとりの一家がヒジュンという男子学生の葬式でそれぞれ彼との関わりに思いをめぐらせる。家族に向けた内の顔ではなく、家族の外に向けた顔、ヒジュンにだけ見せた、それぞれの秘められたエピソードが枝葉のようにつながっていく。ゲイ・ピープルもその中にいる。枝葉は末節に、ミニマムに広がりながらそれぞれのエピソードが塗り重ねられ最後には家族の肖像がまとめられ、描き上げられる。葬式に集まったメンバーという、一つの閉じられた場所を舞台にした法廷劇のようでもある設定がヒジュンを中心に拡散しやがて収束するスタイルにヒジュンの書く小説が虚実を追って家族像を立体化している。2007年記)ミュージカル『シャーロック・ホームズ』『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』演劇『チルスとマンス』などに出演するソン・ヨンジンはじめ、ティナ役パク・チョンピョ、「ワン=王オン二」パク・スヨンとミュージカル俳優が何人か出演しているのでクライマックスのステージ・シーンが際立つしミュージカル俳優の面目躍如といった趣も。もちろん、キムジョ・グァンス監督作品は『少年、少年に会う』も『友だちなの?』もミュージカル仕立てで、作風は変わらないのだけれど。ミュージカルで、音楽でカタルシスを生む。(以下核心に触れる部分もございます)クライマックスでカミングアウトしたミンスが同性結婚をし舞台でかわいらしいピンクの衣装で歌う姿を当惑したような複雑な表情で見つめる父親の顔が何度かクローズアップされるが...このクローズアップはもしかしたら父親も実は...と深読み。もしそうなら二世代にわたる、そして世代によって時代が環境が変わったということも内包されている気も。ともあれキムジョ・グァンス監督作品も人生のステージ、10代思春期のゲイ『少年、少年に会う』から20代兵役にぶつかるゲイ『友だちなの?』今回30代結婚適齢期のゲイ...と徐々に階段を人生のステージをのぼって来ている。次は老壮期がテーマになるかも。アン・リーの1993年の『喜宴/The Wedding Banquet』は未見ですがゲイであるとカミングアウトできない息子がビザが必要な女性と偽装結婚する、というストーリーで機会があったら観てみたい。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
May 26, 2013
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2年に1度開催のアジアンクィア映画祭/AQFFで『鍾路の奇跡』ソ・ジュンムン監督の短編『REC』。(AQFFセレクション ソ・ジュンムンプログラム) 付き合って5周年のゲイ・カップルがモテルでアニバーサリーを祝う。ヘテロなカップル同様、すねたり、からかったり5年を振り返ったりシリアスな想いになったり... 30歳の兄貴ヨンジュン(ソン・サムドン)が今日の記念にビデオを撮ろうというところから始まる。最初は嫌がる26歳の恋人ジュンソク(チョ・ヘフン)だがやがてジュンソク(愛称でジュンと呼ばれている)もカメラを手にお互いを撮影していく。 (以下映画の核心に触れる部分もございます) エンド・クレジットにも記載がありましたが...主演俳優ふたりともがビデオ・カメラを手に撮影も担当。上映後のQ&Aによるとせまいホテルでの撮影ゆえゲイとしての演技に加えて撮影まで担当となったそう。演技と撮影の二役はなかなかハードだったことでしょう。ソウルにいるソン・サムドンと地方のチョ・ヘフンは遠距離だったため撮影前は毎日朝9時から夕方6時くらいまでNateのメッセンジャーをつかって練習、リハーサルをしていたとか。一夜の話、夜から朝まで、ホテルでの一室の話で室内劇のようだが感情の起伏がよくとらえられていてふつうのカップルの話でありながらドラマチックだった。 ヨンジュンは恋人をジュンと呼びながらも時折ふざけて「ファン・ジョンミンさん!」「ベテラン俳優のファン・ジョンミン!」と呼ぶのがおもしろかった。(アドリブかどうか気になる!英語字幕ではブラッド・ピットになっていた)たしかにチョ・ヘフンはファン・ジョンミンに少し似ている...笑顔が。ジュンソクはそれを聴くと不満気で不機嫌にもなるが...カップルだけが知るあだ名で呼ぶのも5年という歳月を感じさせる。ヘテロもゲイも変わらないカップルの風景。Q&Aにて。左がファン・ジョンミン若旦那!なチョ・へフン、右は『昼間から呑む』でおなじみソン・サムドン。LGBTな映画はそれほど多く観ていないので(たぶん20本位!?)あまり比較できないのだが...ラブシーンは特に態勢がヘテロとさして変わらないアングルで目から鱗。ここでもヘテロもゲイも変わらない風景が感じられた。 別れのシーンはカラーからモノクロームに変わり静謐さを伴って印象的。ふたりのアニバーサリーを収めたビデオカメラからはすでにテープが抜かれているが...(ヨンジュンが持って去った)ジュンソクはとっさにビデオカメラをつかんでホテルのベランダに出て恋人の姿を追う。せつない。それは撮影するためではないかもしれない。恋人の最後の姿を網膜に焼き付けるためのようだった。せつない...デジカメやケータイカメラでもするけれどビデオカメラのズームで遠く小さく見える恋人を拡大して見たのだろう、撮影はできないかもしれないから...と考えながら見ていた。(最近のビデオカメラはSDカードなど入っていなくても内蔵HDで撮影は出来るけれど...旧型のビデオカメラにも見えた)以前『鍾路の奇跡』Reviewでも書いていたけれど...ソウルでは梨泰院や鍾路3街あたりがゲイが集まる街として知られている。ベランダから朝まだき目覚めぬ鍾路を俯瞰する映像も피에타の『피에타』で鳥瞰される鍾路とはまた別の匂いがした。ジュンソクはきっとこの光景を忘れることがないだろう...と伝わり、わかってしまうのがせつない。 一方ヨンジュンはバスでどんどん鍾路から遠ざかって行く。乗車して二つ目の停留所名が「結婚式場」と告げられてどきっとした。今日が結婚式ではないよね、まさかこのまま結婚式場には行かないよね...と考えながら見ていたら下車せずバスはどんどん走って行きさらにジュンソクから遠くなっていっただけだった。同性愛婚が認められている国はまだまだ少数だしゲイへの理解も浸透しているとはいい難い韓国社会ではやはり別れの理由は適齢期になった時の結婚なのだろう。『2度の結婚式と1度の葬式』もそうだった。アニバーサリーのピロートーク、たわいない会話の中でジュンソクが言った「結婚がふたりを別つ」が的中してしまったのだ。 最後の思い出の海のシーンは再びカラーになり幸せだった時を映し出す。モノクロのシーンではそれぞれ別のところにいてそれぞれべつの風景を視ているけれど最後にふたりの脳裏にはきっと同時にあの時の幸せな海辺でのシーンが思い浮かんでいるのだろうと思わせる。ひとりはホテルに残されてひとりはバスで走り去ってでも頭の中はいっしょ、おなじことを考えているはずと...別れても残る思いや記憶。それはその思いは次に上映された同じく短編、老いたゲイ・カップルの話『蛍の光』にもつながっていくようだった。(製作年、ではなく『鍾路の奇跡』でも書いた通り、ライフステージとしてつながる...)韓国のクィア映画は遡るとどこまでかしらと考えて...『馬鹿たちの行進』等のハ・ギルジョン/河吉鍾監督の『花粉』(1972)もそうかも...2009年の釜山国際映画祭 映画の考古学で観てはいたけれど(書いていない)...to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
May 26, 2013
to be continued...??映画?
May 25, 2013
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今日は2013韓国観光の夕べにご招待いただき国民のオッパ!?「江南スタイル」のPSYが出演する日本初披露の韓国観光CMを見てきました~(≧∀≦*)PSY's Wiki Korea CMはこちら!PSYのこのTV CMは6月から世界各国のTVで放送予定、日本では銀座の大型Visionにも登場する予定。CMのテーマはWikipedia(インターネット百科事典)のように韓国の文化やショッピング、食を紹介する「PSY's Wiki KOREA/PSYのウィキコリア」。CMではPSYが6つのキーワードを紹介しています。サムギョプサルとシャンパンのマリアージュ(酒食宮合/クンハプ/궁합)を提案したり、韓国料理につきもののパンチャン(小皿のおかず・常備菜)の良さを伝えたり。トレッキング好きに人気の済州島のオルレ(올레길)、花金ならぬ「プルグム/불금=燃える金曜日、燃え金」の過ごし方としてクラビング、眠らないショッピング・タウン東大門/トンデムンに韓国女性の美肌の秘密がつまったコスメ・ロードの6つ。PSYのCMを通してキーワードの発音と意味がわかり文化への理解、トレンド知識も深まりつつ、次の韓国旅行のヒントももらえる。今年の韓国観光プロモーションは今まで以上により双方向、即ちインタラクティブ/Interactiveな情報交換を目指しているらしい。ユーザーもウィキコリアへ情報を発信して韓国観光の楽しい情報、ステキ☆データがインタラクティブにビッグ・データに変貌していく印象。そのリエゾンとなるのがPSYで、PSYのウィキコリア。今年のキャンペーンやプロモーションについてはドラマ「天国の階段」等にも出演していた李参/イ・チャム韓国観光公社社長がプレゼンテーション。会場からの質問に丁寧に答えていた姿が印象的でした。また日本のPSYこと(祭)DJ HYUKさんらがPSYの新曲「GENTLEMAN」と「江南スタイル」のダンスをメドレーで披露。盛り上がりました~(≧∀≦*)♪帝国ホテルのナムルはパプリカとの取り合わせが粋。おみやげにはPSYの機内用枕とアイマスク、別冊家庭画報「大人の韓国」をいただきました☆イ・チャム社長と今回のプロモーションについて少しお話し名刺交換もさせていただきました。似顔絵が描かれたステキな名刺。観光に携わる人は日韓の人々を最も幸せにする、幸せにできる素晴らしい仕事、といった内容のイ・チャム社長の言葉が心に残りました。東アジアは最近少々難しい時代だからこそ、旅をして人々に出会って国際交流がもっと深まればみんなもっと笑顔で幸せになれるかも!韓国観光公社のプロモーション、マーケティングはなかなかインタラクティブな傾向が...2010年の2010年のVisit Koreaなウェブドラマ 하루/HARUはTwitterやAmebaのIDなどと連携できていました。 PSYとクルチアーニto be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
May 20, 2013
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だれもがだれかの初恋だった...キャッチフレーズがいい♡(≧∀≦*)初恋を思い出す、だれかの初恋だった初恋われ、も思い出す響き。あらすじ大学の建築学科一年のスンミン(イ・ジェフン)は「建築学概論」の授業をとっている音楽学科のソヨン(ペ・スジ)に一目ぼれ。家が近所のふたりは授業の宿題をいっしょにすることになる...15年後。建築士として働いているスンミン(オム・テウン)のもとに家を設計してほしいとソヨン(ハン・ガイン)が訪ねてくるが...イ・ヨンジュ監督作品『建築学概論/건축학개론/Architecture 101』。(以下、映画の核心に触れている部分もございます)20歳の時。スンミンが生まれ育った貞陵(チョンヌン)の町の空き家の場面はスンミンの心をノックもせずに立ち入って来たソヨン、あるいは前触れなしにとつぜん訪れた初恋を象徴しているよう。空き家だからって勝手に入るのはちょっと...と躊躇し戸惑うスンミンの姿は初恋にどぎまぎ、奥手で自信なさそうな彼の恋そのもの。一見、言いたいことは何でも言って自分がしたいようにし、スンミンを従えているように、優位に見えるソヨンだけれど...スンミンが来ないといって何度もポケベルに連絡するソヨンはスンミンだけを想う小心な女の子だった。スンミンは鈍い。ソヨンはソウルの女性ではない、純情な済州島の女の子なのだ。好きでもない男性をひとり暮らしの自分の家に呼ぶ?真っ先に呼ぶ?10代20代の女の子って、どうでもいいことははっきり言えるけれど肝腎なこと大切なことは勇気が出なくて言えない。特に好きな男子には。ソヨンも「重いっ!」と荷物をスンミンに持たせるくらいのことは言えるけれど秘めた想い、もっと奥深い大切なことは言えない小心者、恋する乙女心。あぁっと思いながら切なくなりながら観ていた。ソヨンは15年経って15年かかってやっとスンミンに会いに行く勇気が出たのか...と考えるとせつない。スンミンは初恋の人なのに最後に「視界から消えてくれ!」と大好きなひとに言われてしまったから...それが最後だったから。心の傷が癒えるまで15年かかったのか、とも思える。一方で15年の歳月を経てあの時よりいろいろ言えるようになったソヨン。済州島の家を建て直す、改築する設計についてはスンミンと対等に渡り合っている。あの時言えなかったこと、「初雪が降る日に会おうって言ったじゃない」なんてことも言えるように。15年前、スンミンが生まれ育った地にあるあの小さな空き家はソヨンがひとりで綺麗にしてソヨンがひとりで種を蒔いていた。ひとりでひっそりこっそり家を、愛を育もうとしていた。スンミンを呼んだりもしたけれど。スンミンはスンミンでソヨンが描いた絵をもとに彼女の望む家の模型を作ってあげてはいたけれど...ふたりでひとつの家を作るのではなく、ひとりは古い空き家の手入れ、もうひとりは家の模型をそれぞればらばらに作っていただけ。でも今は違う。済州島の家は最初は意見が合わずスンミンの提案でただスタイリッシュなだけの家になりそうだった。医師の夫とソヨンのための家とスンミンは思っていたから。でもソヨンが今はひとりと知って...ソヨンが子どもの頃過ごした家の思い出、記憶を辿る設計に変更。初恋は過ぎ去ったけれど「記憶の習作」、記憶を習作するように、ピアノで同じ曲を何度も弾くように、建材を運んだり建設作業を手伝って何度も同じ場所を往復し行き交いながらあたかもふたりで一つの家を作っているかのようなそれぞれの心にはあのころの思い出、記憶が何度も去来したことだろう。共同で作業した家、すなわち愛はひとつの完成形を見せた。それぞれこれから生きる道は違うかもしれないけれど...あの時空き家の手入れに勤しみ家の設計模型に注力していたそれぞれが長い時を越えてやっとふたりでひとつの家を作った。そんな感慨が静かに押し寄せて来る。こんなふうに15年以上かけて通じる思い、家をつくりながらふたりでひとつの家を造りながら家という形で成就する初恋、愛もあるのだと...せつないけれど美しい。最後に主演4人の俳優の個人的胸キュンシーンを。イ・ジェフンは何と言っても先輩にソヨンを取られたと思って男泣きする時、親友の肩にもたれながら泣く時の手の演技がすばらしい。赤くなった手を震えるように軽く握ったり開いたりしながら泣き続ける演技がすごい。最近手の演技がよいと思ったのはソ・ヨンジュ。オム・テウンは済州島の海辺で焼酎を飲むシーンでとつぜん悪態をつき始めた酔っぱらいソヨンに対し「え、俺のこと?オレがばかなの...?」と気弱そうに、ソヨンが荒れるのは自分のせい?とばかりにおろおろする、いい人すぎるスンミン。15年経っても変わらずちょっと気弱なスンミンらしさがよく出ていた。ハン・ガインは「私の人生はメウンタン(魚の辛い粗汁)のようなもの」と言い放つシーンがカッコいい。名せりふ。スジはどの場面も愛らしいけれど...バスを待ってスンミンの肩にもたれて眠る時のくちびるが完璧で美しい。愛を待つくちびるを完全に体現している。そして初雪の日に空き家でスンミンを待つ姿も美しい。男の人はわからない、気づかないかもしれないけれどふだん学校に行く時はしないメイクをこの時とばかりにしていっそう美しくなったソヨンは恋する乙女そのものだった。もしメイクしたソヨンにスンミンが会っていればスンミンのためにメイクをしたソヨンの本心に気付くことができたかもしれない...と思うと、またしてもすれ違うふたりの想いにせつなくなったり。スンミンの親友(チョ・ジョンソク)もいい奴だった!90年代の香りに彩られた曲、展覧会の「記憶の習作」(1994年)歌詞で展覧会場を引き継ぐマロニエの「カクテル愛」そして015Bの「新人類の愛」。2010年の釜山国際映画祭前夜祭ではLED Appleのほか、マロニエがカクテル愛を演奏していた!キム・テゴン監督、キム・コッピら出演『1999, 面会』はピンクル/FIN.K.LやS.E.S.の曲が登場、建築学概論から5年くらい後...5年でK-Popはこんなに変わったのか、展覧会の「記憶の習作」からの、K-Popの変遷を感じたりも。80年代は『殺人の追憶』にNIKEならぬNICEが登場していたけれど90年代はGUESSならぬGEUSS!ポケベル等、90年代の思い出を彷彿とさせる音楽や小道具たち。建築、家と恋愛を結びつけた韓国映画は...ちょっとトーンは異なるけれど김기덕の『空き家/うつせみ』も思い出す。韓国ドラマではさまざまな家(建築)が象徴的に登場していたりもする。「冬のソナタ」でユジン(チェ・ジウ)とミニョン(ペ・ヨンジュン)が美しい家で会うシーンが印象的、(今年は「冬ソナ」10周年、韓流10年!)「オールイン」ではイナ(イ・ビョンホン)とスヨン(ソン・ヘギョ)の幸せな未来の象徴としての家が。最近のドラマでは「個人の趣向」で建築デザイナーのチノ(イ・ミンホ)が家にまつわるケイン(ソン・イェジン)のトラウマを解き放ちつつ愛を育むストーリーも。ほかにもいろいろあるかも(^-^)韓国ドラマか映画、愛する人を家に喩えたセリフもどこかで聞いた記憶が...恋愛と数学も、素数は特にせつなさを加速させる。オム・テウンは少女時代スヨン主演でドラマ・リメイクされる映画『シラノ・エージェンシー/シラノ恋愛操作団』でも切ない男心を熱演していた。余談ですが、オッパから聞いた話。90年代オッパがお付き合いしていた人と初雪が降ったら会おうと約束していたけれどケータイもない時代結局すれ違いで会えなかったそう。初雪の日に会うと初恋が実るって...イヤホンをふたりの耳、それぞれ片耳ずつ使っておなじ音楽を聴くのはよくします、今もします(^o^)私が初恋だったと言うひとりは文学部で私と同じ名前のヒロインが登場する小説を書いて一番最初に読んでほしいとおずおずと呼び出されたことが...ちょっとくすぐったい思い出♡(≧∀≦*)to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
May 19, 2013
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May 18, 2013
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ダブリン生まれ英国人画家フランシス・ベーコンの回顧展へ。作品を見ると映画の原点であるマイブリッジの連続写真/Eadweard James Muybridge, Muybridge's The Horse in Motion, 1878を絵画で表現したものもいくつかあり興味深かった。筆の軌跡が連続写真(動画)の残像のよう。苦痛に歪んだような表情ブラックホールのような深い穴のある貌などマゾッホ的/Masochな表現はフランシス・ベーコンが好きと語るデビッド・リンチとどこか相通じるよう。崩れ落ちる顔は自我や意識の崩壊も表しているのか。フランシス・ベーコンが好きな画家は私もだいすきなベラスケス。同時期訪れようとしていたアントニオ・ロペス/Antonio López Garcíaの画風はフランシス・ベーコンとは対照的だがロペスはベラスケスの流れを汲む画家と聞いて不思議な因縁を感じたりも。ベラスケス/Velázquezがベーコンとロペスの間にいる。ベーコンとロペスがベラスケスに繋がって連なっている。偶然に驚く。ロペスの展覧会は行きそびれてしまったけれどビクトル・エリセ/Víctor Erice監督の『マルメロの陽光/El Sol del membrillo』を観た。アントニオ・ロペスがマルメロ(花梨のような果実)に寄り添い、地に朽ち果てるまで寄り添い描く様子をドキュメントした作品。ヨーロッパのマルメロに似た、カリン・花梨は韓国の秋の風物詩。秋になると車のリアウィンドウにいくつかごろっと転がし車内を甘くかぐわしい香りで満たすのだ。これも韓国らしい秋迎え/가을맞이だろうか。個別の作品についてのメモ。Figure Study IIムンクとは異なるが...叫び。Study from the Human Body太い体。ファシストを思わせる。Study for a Portraitサルトルの実存主義。Study for Crouching Nude筋肉の突起が。マイブリッジの連続写真から。Study for a PortraitビジネスマンHead in Grey顔が歪んできた(1955年)。ガラスで対象を(鑑賞者から)引き離したい。二重の対象化。Study for a Running Dogマイブリッジの連続写真から。Study for the Head of a Screaming Pope宗教画。戦艦ポチョムキン。Study for Portrait IV教皇と金の椅子。Figure Seated(The Cardinal)(笑うせえるすまんみたい...)Study for a Pope VIベラスケス「教皇インノケンティウス10世」を元に。緋色と緑の椅子。Study of the Sphinx記号的。Sphinxスーツを着たスフィンクス。骸骨・猿・人間・スフィンクスのカオス。Sphinx-Portrait of Muriel Belcher(上記作品のように)半透明透明でなく肉体のあるスフィンクス。Study for "Portrait of Van Gogh" V農夫で旅人?Three Studies for Portrait of Lucian Freudボクシングのような絵。凹絵筆を蝶の羽のように銀杏の葉のように回して使ったタッチは書道や水墨画っぽい。筆の軌跡は連続写真の残像のよう。黒い穴は黒宇宙、虚無のよう。Lying Figure No.1上げる足と重力に引かれる肉、骨が残る!?Lying Figure No.3 フェンシングの連続写真。Walking Figureバーネット・ニューマンNude左右に広がる胸はふたつに裂けそうな体を表す?Seated Figure低反射のガラス。Man Getting Up from a Chair白いおたまじゃくしは外からの力で投げつけられたもの。Triptych-Three Studies of the Human Body中央の傘がアクロバティックでサドマゾ一体。Three Figures and Portrait一体でない(分裂的?)三位。Study for Self-Portrait身体がイメージに回収されることに抗う不定形な影。中央の白い○はブラックホールならぬホワイトホールのよう。Lying Figure闘牛。偶然性を呼び込む賭けとしての...(自分のメモ字が読めない...)Study from the Human Body扉とその影(鍵?)を回す。頭のない身体=人間に共通な移行=死を招く。朱オレンジ。Three Studies for a Portrait of John Edwards均衡。Triptychガルシア・ロルカの詩をもとにある闘牛士。地に着いた面が湾曲して三幅つながらない不協和音、不連続性。Triptychスフィンクス的に顔と足がつながる。Epilogue: Body after Baconby Peter Welz/William Forsytheベーコンの筆の軌跡にダンスの軌跡が重なる。土方巽の舞踊も。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2025 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
May 12, 2013
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ハングル/한글を発明した名君世宗大王(セジョンデワン)の若かりし頃はヘタレだった!?忠寧/チュンニョン(チュ・ジフン)、後の世宗大王は三男にも関わらず突如父王・太宗(パク・ヨンギュ)から世子(後継ぎ)に指名されおろおろ。宮廷ではシン・イク(ピョン・ヒボン)とファンヒ(ペク・ユンシク)の権力争い、派閥争いにまで発展してしまう。本の虫のチュンニョンは横暴な長兄ヤンニョン(ペク・トビン)と高圧的な父、3か月後に控えた即位式を逃れるため護衛のヘグ=オットセイ(イム・ウォニ)、ファング=黄色い犬(キム・スロ)にもナイショで宮廷の外に出ようとするが...一方、チュンニョンと瓜二つの奴婢トクチル(チュ・ジフン二役)はお嬢様(イ・ハ二)の行方を追って宮廷近くまでやって来ていた...『ぼくらの落第先生/先生キム・ボンドゥ』などのチャン・ギュソン監督作品。韓国公開時も『王になった男』と同じころ公開され似たようなテーマを持っていて...王が王らしくなること、王になるとは、そして真の王とは為政者とは...同じようにビルドゥングスロマン/Bildungsromanである両作品を比較してしまうかもしれないが...宮廷内が主要舞台の『王になった男』は暴君と呼ばれた光海君の葛藤も描いて重くシリアスなトーンの一方、児童文学「王子と少年」の要素も織り込まれた『私は王である!』は軽みが感じられる。偉大すぎる世宗大王の弱さを等身大に描き、その弱気な姿に親近感をおぼえる軽妙さ。また、過去の史劇(時代劇)映画やドラマと異なって(やや)暴力的、暴力ありでコミカルなのが特徴。映画『マイ・ボス マイ・ヒーロー/頭師父一体/두사부일체』をちょっと想起させる。この親にしてこの子あり、とも言うけれど口より先に手、ならぬ足が出る太宗、長兄(そしてチュンニョンも)ら登場人物たち。血は水よりも濃いのか、映画の緩急に合わせて登場する必殺技・飛び蹴りがモチーフとなって作品にリズムを作り、王室物でありながらどこか『ゴッド・ファーザー』的な、血の気も多くヤクザな匂いもさせてユニークな演出。(この場合のモチーフは交響曲などに登場するモチーフの意味)キャッチコピーを作ってみると...四代目はヘタレ暴力教室ならぬ暴力「王」室運命は飛び蹴りから!?(テコンドーの国らしい!?)飛び蹴りは『殺人の追憶』でも印象的、韓国らしい動作ではあるけれど王を描いた作品中こんなにたくさんの飛び蹴りが登場するのは...異色かも。名君世宗大王が主人公の映画で。その分、作品のトーンは軽くなるが破格で個性的ではある。また、『王になった男』よりは、キャラクターのくっきりした男たちが多く登場し群像劇の性格も色濃い。そのあたりも『ゴッド・ファーザー』的、もしくは『マイ・ボス マイ・ヒーロー』な雰囲気も。パク・ヨンギュがどうも(ちょっと上品めな)ヤクザの親分、組長っぽく見えてしまう。そんな軽さ、軽みもある一方で韓国時代劇の永遠のテーマのひとつである(映画やドラマの中でもよく言及される)大国中国(この時代は明国)との関係、小国が選択する道、選択を迫られる立場の苦渋と決断を描写してもいる。潔く決断する王は現代社会から見ても理想的な為政者として描かれちいさなカタルシスをもたらすかもしれない(韓国人の観客には特に)。当時の国際関係が現代の世界情勢にオーヴァーラップし、隠喩にもなり、願わくば小国でも大国に容易に屈しない王を...との庶民の希い、今も昔も変わらぬ庶民の思いも秘かに込められているよう。現代も大国に囲まれた小国として出来る範囲内での決断があるだけだが、もっと大国を撥ね退ける気概があれば、などと...また、宮廷外に出たチュンニョンの出会いのひとつ、少女ソルビ(キム・ソヒョン)が文字を読むことも書くこともできないと知るシーンは後にハングルを発明する世宗大王の動機のひとつとなり得る伏線のようで軽妙な中にも歴史が秘められている趣。『王になった男』と比べると宮廷外の描写が約半分を占めるだけあって煌びやかで原色や華やかな色が多い宮廷の絹の衣装だけでなく、飢えに苦しむ庶民の土気色の綿や麻の織物をはじめ苦役に苦しむ人夫たちの土と泥にまみれた衣、と画面の色は土の色茶色も多い。その中で春の訪れを告げるような山に紫がかったうすピンク色のチンダルレ/진달래(カラムラサキツツジ)が点在しアクセントを添える。最後のシーンでドクチルたちが着る韓服も絹の鮮やかさ華やかさとは対照的なチンダルレのような色合いと草木染のような淡さが美しく、やさしい色遣いにほっこりしたりも。チュンニョンとトクチル、王子と少年(奴婢)の対比シン・イクとファンヒ、権力かネズミ小僧的市井に寄り添うか、コネ入社(宮廷入り)だが世間の荒波に揉まれるヘグと剣の実力は抜群のファングも対比...主役をはじめ、対照的なペアが複数行き交う群像劇と役者たちの演技も見どころ。ペク・ユンシク先生が子息のペク・トビンと父子共演。発明好きなチャン・ヨンシル(イム・ヒョンジュン)はちょっと不思議キャラクター。東莱県サトゥ(地方長官)イ・チョリの演技は佐藤二朗っぽいなぁと思いながら観ていた。東莱/トンネは今の釜山の東莱区かしら、チュンニョンはヘタレなのに結局そんなところまで南下し逃げて行ったのかぁ(当時の足で首都から海岸の村まではちょっと飛躍している気もするけれど...チュンニョンが諸国を視察し民の実際の苦しみに触れた、という設定だから)世子嬪を演じたイ・ミドはソン・イェジン、イ・ミンギ主演『恋は命がけ』でもさばさばした、いい女っぷりだったけれど本作でも気取らず堂々とした姿が良かった。時代劇史上まれに見る!?開けっぴろげ、かつ少々凶暴!?な王妃で女性の描き方もちょっと異色。ちなみに世子嬪までが飛び蹴りを(≧∀≦*)飛び蹴りモチーフに彩られたエンターテインメント。to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2026 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
May 11, 2013
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東ティモールで少年にサッカーをおしえる韓国の元サッカー選手の裸足の夢。2002年、眩しい4強とは落差がある元サッカー選手ウォングァン(パク・ヒスン)は東西の内戦が終わったばかりの東ティモールへ向かった。コーヒーで一山当てて人生をやり直すためだ。詐欺に遭いそうになったところを大使館職員インギ(コ・チャンソク)に助けられ意気消沈して帰国しようとしたところ裸足でサッカーに興じる子どもたちの姿が目にとまる。これだ!サッカーが人気のこの国でone and onlyなサッカー用具店を始めれば今度こそ一山当てられるかも...なりゆきで少年たちにサッカーをおしえはじめたウォングァンのチームが広島での世界大会で勝利を勝ち取るまでの葛藤と軌跡を実話に基づいて描く。『クロッシング』等のキム・テギュン監督作品『裸足の夢/맨발의 꿈/A Barefoot Dream』最初から最後までよく言えばラテン系、悪く言えば無鉄砲なKorean Style、韓国らしいウォングァンの熱~いキャラクターに引っ張られているかのように突き進むハリのある展開。ほんとうに無鉄砲で激しく情熱的なウォングァンが突っ走るそのままにサッカーボールをつま先に引き付けてただただ突っ走るかそのままに映画もテンポよく進行しているかのよう。最初は一山当てよう金儲けしたいし人生リセットしたい、というウォングァンの人生の翳の部分が見え隠れして東ティモールの子どもたちに「一日一ドルでサッカーシューズが君のもの!」と分割払いでシューズを買い取らせる姿が利己的で(うーーん)という感じだったけれど...内戦でお互いの親や親戚が殺し合った記憶が生々しい子どもたち、エースのラモス(Francisco Varela)とモンタビオ(Fernando Pinto)はおなじチームでも親の敵とばかりに一触即発。そんな子どもたちの心の傷や貧しい生活、それでも夢にあふれてきらきら輝く瞳に触れてウォングァンの心はさらに真っ直ぐになっていくようだった。単純で裏表のないウォングァンだからこそその感受性、心動かされる姿は純粋で説得力を持つ。「貧しいからって夢も貧しく小さくなければいけないのかよ!」という啖呵に共感。ただ、子どもたちの姿からは韓国の現代史をなぞるような気も。ウォングァンの世代は直接知らないにしても親たちの世代は例えば朝鮮戦争後の孤児たち、ユンボギの日記にあるように駅前で物売りをする子どもたちもつい50~60年前のことだった。空港の前で観光客に物を売ろうとする東ティモールの子どもたちの姿と重なる。韓国のドキュメンタリー、ムン・ジョンヒョン監督『ハルメ花』で描かれたようにイデオロギー等の対立で祖父を殺したのが母親の親友の父親だった、というような解くことのできない恨はラモスとモンタビオの姿に重なりもする。韓国の現代史も重なるしウォングァンの目の前でも起こっていることだし、もっと普遍的に今も世界のどこかで起こっているかもしれない、という思いにも。日焼けしたパク・ヒスンが良かった。これまでは、色白な時はエンケンっぽい(ちょっと遠藤憲一入った)チョン・ジェヨン!?という感じだったのですが...(失礼!)(≧ω≦*)今回は感情のおもむくままに猪突猛進で行動する、全く裏表のないアホみたいに情熱的な韓国人そのもの、その韓国パワーのテンションが途切れることなく全編を貫くキャラクターと演技が圧倒的。はちゃめちゃなのだけれどその一途さ猛烈さに納得し説得させられる。ウォングァンの純粋さと熱さがとてもエネルギッシュ。最近の韓国映画はこの作品に比べるともっとクールだったりまとまっているからこんな真夏のように破格なパワーの韓国映画は久しぶりかも。あるいは海外では本来の韓国人らしさが出てそのくらいパワフルになってしまうのか...抑えの大使館員インギがいなかったらどうなっていたことか...とハラハラ。子どもたちのひたむきな演技に、輝く黒い瞳も愛らしかった。特に印象的なのが背が低くてやせっぽちのお兄さんトゥア(Junior Da Costa)をいつも絶賛大プッシュ!な気の強い妹ジョセフィン(Marlina Simoes)に妹萌え!(≧∀≦*)お兄さんが小さすぎるから、とサッカーチームに入れないウォングァンに「あほ韓国人!」と思いっきり捨て台詞する姿、気がつよくてお兄さん思いで愛らしい!きゅんきゅん!サッカー好きな清水圭が東ティモールで知り合うウォングァンの知人、東条として登場。海外では東アジア人同士集まっていっしょにごはんを作って食べたりもして、というよくある風景だが日本語英語ちゃんぽんで話すシーンが時々はさまれて海外ではみんな仲良くしている...と思ったり。言語学的には東ティモールの少年チームをおしえる時ウォングァンがいつもインドネシア語英語韓国語と3つの言語をちゃんぽんで話しているのが興味深い。熱くなると韓国語で口角泡を飛ばしているのだが...よく子どもたちに通じるなぁ~でもおもしろい、興味深い。インドネシアのチアチア族はハングルを使っているピジン/Pidgin,クレオール/Creole出演した子どもたちの名前はみなポルトガル風でインドネシアはイスラム教徒が多いけれど東ティモールはクリスチャンが多く、植民地時代の名残をそこここに感じたりも。ただ、音楽はティモールらしさをよく取り入れていて暑く爽やかな島の風のようでとても良かった。東ティモール総理 クスマオ大統領が特別出演。映画を通して東ティモールの歴史や現在にとても興味がわいた。東ティモールに興味を抱かせる、心をつかんで引っ張る力もある映画、という感慨も。ウォングァンのモデルとなったキム・シンファン氏は韓国での映画公開2010年時も東ティモールで少年たちをおしえ続けているとか^^余談ですが映画の中の時間は約10年前だけれど少年サッカーの世界も大人といっしょに激しく競り合う、ラフプレーもあると観て知ってびっくり。約10年前から...「スラムダンク」などでも三井だったか、パスを回さない、チームプレーが出来ない選手が描かれていた気がするけれど...サッカーももちろんチームプレーが大切、ラモスたちのように内戦による心の傷が癒えない少年はパスを回すことができない、回したくないという心理がプレーに影響する、という描写はつよく心に残った。クルド民族、アラブ民族、トルコ民族、アッシリア民族がサッカーをする映画『Kickoff』to be continued...!?buzz KOREAClick...にほんブログ村 韓国映画にほんブログ村 映画にほんブログ村 映画評論・レビューにほんブログ村 韓国情報にほんブログ村 K-POPにほんブログ村Copyright 2003-2026 Dalnara, confuoco. All rights reserved.本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、表現や情報、意見、解釈、考察、解説ロジックや発想(アイデア)・視点(着眼点)、写真・画像等もコピー・利用・流用・盗用することは禁止します。剽窃厳禁。悪質なキュレーション Curation 型剽窃、つまみ食い剽窃もお断り。複製のみならず、ベース下敷きにし、語尾や文体などを変えた剽窃、リライト、切り刻んで翻案等も著作権侵害です。
May 5, 2013
to be continued...??映画?
May 4, 2013
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