紺洲堂の文化的生活

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mrtk@jp @ 素晴らしい建物でしたね。 コンドル展も観てきましたが、本当、昔の…
mrtk@jp @ お久しぶりです&あけましておめでとうございます この展覧会、私も行ってきましたよ♪ 本当…
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カテゴリ: デザイン
2010年も残すところ、あと少しですね。

で、今回は六本木の 21_21 DESIGN SIGHT で開催されておりました、
「REALITY LAB ― 再生・再創造」展 に行ってきました。

この展覧会は素晴らしいですよ。

日本でモノづくりをし、世界で勝負をするとはどういうことか。あるいは、これからモノを作るというのは、どういうことなのかを考えさせられる、とてつもない内容でした。

IMG_0482.jpg

このポスターに写っているのは何か分かりますか?

これが今回出展されていたISSEY MIYAKEの新作「132 5.」という作品です。
平たく言えば、「折り紙を服にした物」です。



「132 5.」が出来るまでの試行錯誤

1.筑波大准教授の三谷純という先生が開発したコンピュータのプログラムを使って、一枚の布を折り曲げて作るデザインを作る
2.帝人ファイバーが開発した再生ポリエステルの糸を選ぶ
3.国内の機屋さんで、柔らかく布を織る
4.国内の染屋さんで染色する
5.国内の工房で形にする

その一つ一つが試行錯誤なのですが、どれにも日本国内でしか作れない「要素」が含まれているのです。

たとえば、折り紙を服にするという発想は日本に折り紙という文化があるからですが、それを実際に研究している研究者の方がいなければ成り立たず、エコな先進素材を作る技術を持っている企業や、布を織ったり染めたりする際の細かなニュアンスを実現する職人さんが日本になければ、実際に形にならない。

これからは細やかでクイックなモノづくり?

各段階において、よりよいものを創りだすために細かな擦り合わせや調整が繰り返されます。こうした作り込みは、近い距離で美意識を共有しながら仕事を進められるプロフェッショナルがいなければ実現できないものだと、見ていて実感しました。

この場合、いくら海外が安いからといって海外の拠点などを入れてしまうと「細かすぎて伝わらない」ことが多くなるでしょうし、スピードを早くしなければ、他の人にアイデアで先を越されるかもしれない。
また、おそらく発注側にもノウハウは溜まらないでしょう。こうした現場の生産プロフェッショナルと直にやりとりしていくことで、創りだす工房側も学び様々な素材の知識が溜まっていくのでしょう。

それに、こうした細やかなモノづくりだけではなく、世界に向かって伝え発表していく発信力がある。それを作品として販売する力がある。これも重要なことです。自分たちのクリエーションを、ちゃんと値付けし、海外のファッション関係者を驚かせ、最先端のものだとして価値にしていく部分。おそらく、こうした部分にも「日本ならでは」ということが付加価値となっていくのでしょう。



で、服として成立しているの?

さて、こんなに複雑な構造をしているのであれば、畳むのが難しそうです。

でも、実物が触れるように展示してありましたが、手にとってみると構造がとても理にかなっていることが分かりました。

つまり、泊で押して色が付いている面を集めていけば、思ったほど平面に戻すのは困難ではありません。しかも、しっかりと平面になるように作られているので、畳んでしまえばほとんど厚さはありません。若干、ポリエステルなので布のシャリ感は残りますが、実際には柔らかく素材の個性として残したほうがいいと思うぐらいのレベルに抑えられています。

この作品には恐れ入ります。きっと服で言うF1のようなものですが、こういったテクノロジーは新しい服飾の世界をつくっていく可能性もあるのでしょう。

あと、振り返ってみたら今年は21_21の展覧会に全て行っていたことに気がついたので、今回から会員になりました。1回1000円なので、年4回行けば元が取れますので。





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Last updated  2011.01.02 13:48:16
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お久しぶりです&あけましておめでとうございます  
mrtk@jp  さん
この展覧会、私も行ってきましたよ♪
本当は、この展覧会の前にやっていた佐藤雅彦展に行きたかったのですが(苦笑)

私的には、鉱物の写真がツボでした。
本物の小ささと、引き延ばした時の美しさのギャップが良かったですね。

この服と立体折紙が並べて展示されていたのも印象的でした。
(2011.01.04 23:02:17)

Re:お久しぶりです&あけましておめでとうございます(12/30)  
紺洲堂主人  さん
mrtk@jpさん
>この展覧会、私も行ってきましたよ♪
>本当は、この展覧会の前にやっていた佐藤雅彦展に行きたかったのですが(苦笑)

おっと。東京にいらしていたんですね。また上京される際には、ぜひご一報ください!

>私的には、鉱物の写真がツボでした。
>本物の小ささと、引き延ばした時の美しさのギャップが良かったですね。

隕石の写真は良かったですねえ。実際に見るよりも、ポスターになって印刷されたほうがよく見えるのは、やはり写真家の腕なのかと思ったりしました。

佐藤雅彦展は、かなりシャレが効いた展覧会でしたけど、それも今年ブログに書こうかと思っております。Moritaさんも、ボチボチ更新してみてください・・・ (2011.01.05 09:23:35)

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