Coppelia'S Parlor

Coppelia'S Parlor

「霧」



霧の中
君を探す
暗影を落とした
樹々達の
間を通って

一瞬のうちに
君が消えてしまう
君が三日月に
攣れていかれて
しまいそうで
怖い

ただ
見失った次点で
二度と
君とは
逢えない

君は
霧と供に
消えてしまった
三日月の
供物とされ
霧と供に
掠われてしまった

僕は
君を
失ってしまった
もう
どうする事も
出来なかった
ただ
最期に

左様なら…


霧中から
囁く声を
聞くことしか
出来なかった
泣きながら
僕も

左様なら…


呟く事しか
出来なかった

霧を見て
君を思い出す
霧を見て
あの夜を
思い出す


霧は
残酷かつ
美しい
ただ
本当の
奇麗さを
見た者は
未だに
誰ひとりとして
いない…


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: