安らぎのクレヨン画

安らぎのクレヨン画

2007/01/26
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テーマ: 心の病(7259)
カテゴリ: エッセイ
湿度、湿気。あんまりいいイメージはないと思う。


けど僕は湿度って結構大事なんだな、と思っている。

僕はニュージーランドに三ヶ月住んでいたことがある。
大人になってからホームステイしに行ったのだ。日本の冬、南半球のニュージーランドは真夏だった。

夕食を終えてぶらっと散歩に行った。入り組んだ湾と丘ののどかな町なので、程よい間隔で立っている住宅を眺めながらゆっくりと歩いていく。

初めは気付かなかったのだけど、何回か散歩に行って気付いたことがあった。
よその家から夕食の匂いがしてこないのだ。
日本の住宅地なら、夕食時いろんな匂いがしてくる。みそ汁の匂い、魚を焼く匂い、カレー、中華かな?…など様々だ。



確かにニュージーランドは日本人のように世界中の料理をアレンジして家庭で食べる習慣はほとんどない。
牛肉かチキン、それにポテトという毎日だ。それでも夕食の香りがしてきてもいいと思う。

それは湿度がないからだ、そう気付いた。
僕がホームステイしていた町は、海のすぐそばなのだけど、湿度が低い。洗濯物を南に干す習慣もなく、北側の裏庭に干している。
それでもちゃんと乾くのだ。ついでに言うと布団も干さない。
浜や磯に行ってみても、海の香りがしない。何か物足りない気がした。

ニュージーランドから帰国してすぐに僕は沖縄に引っ越した。
空港に着き、飛行機から飛行場への通路に入った途端、むわっとするぐらいの湿気を感じた。

「これだ」
僕はにんまりした。

町に出ると食べ物の匂い、果物の香り、生活の匂い、色んな匂いがしてくる。なんだか生きているっていう実感がしてくるのだ。


人工的に精製された香りは、湿度の低い場所の人が考えた文化だと思う。

それよりも海の香りや森の香り、土の香り、雨の香り、そういう自然の豊かな匂いを感じるのが好きだ。
身近な香りを感じれることが、生活を楽しむことのひとつじゃないだろうか。そう思ったりする。




「あなたの色と形、描きます」
お好きな色と形を選んで、あなただけのクレヨン画を描きます。






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Last updated  2007/01/26 10:06:55 AM
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