全身に張り巡らされた血管から酸素や栄養素、ホルモンなどを体中の組織に送り込み、二酸化炭素や老廃物を受け取り体外へ排出させるために各種臓器へ受け渡します。
また、暖かい血液を循環させることで体温を一定に保たせる役割もあります。そして白血球を中心とした免疫機能を持つことで生体防御にも重要な役割を果たしています。
血液は赤血球などの 血球成分 と液体の 血漿成分 から成ります。
血球成分は次の項目で説明するので省略します。
血漿はカリウムやナトリウムなどの電解質、アルブミン・フィブリノゲン・免疫グロブリンなどの蛋白質(血漿タンパク質といいます)、糖、脂質などが含まれています。血液の役割のほとんどをこの血漿が担っています。液体の血漿は血管外へ染み出すことができ、そうすることにより各細胞に栄養分を送り届けることが出来ます。
犬における血球成分と血漿成分の割合はちょっと分からなかったです。
ヒトでは血球成分が約45%、血漿成分が約55%です。
参考までに、各血球成分の標準値を表にしてみました。
| 犬 | ヒト | 単位 | |
|---|---|---|---|
|
ヘマトクリット値
(血液における赤血球 の体積の割合) |
37~55 | 女 37~47
男 42~52 |
% |
|
赤血球
|
550~850 | 女 380~480
男 410~530 |
万/μl |
|
白血球
|
6000~17000 | 4000~9000 | /μl |
|
血小板
|
17~51 | 12~38 | 万/μl |
|
血漿たん白
|
6~8 | 6.5~8.0 | g/dl |
これを見る限りは犬の血液もヒトの血液も全然違うというほどではないようですね。
血液の成分には赤血球や白血球などいくつかありますが、そういった血液細胞は骨髄にある多能性幹細胞と呼ばれる細胞からそれぞれ 造血因子 と呼ばれるものに作用されるよって分化し成熟して血液として送り出されます。
多能性幹細胞とは、今再生医療で話題のES細胞の血液版みたいな
もので血液細胞にならどんな細胞にも分化できる細胞のことです。
血液細胞はこんな段階を経て分化していきます。

各血液成分について簡単に説明します。






