血液とは


+++  血液とは  +++


はじめに

以降の説明はヒトの血液に関する本・サイトをまとめたものです。
同じ哺乳類としてほぼ同じ働きをするものとして掲載していますがヒトと犬と違う部分もあると思います。
また素人ですので理解度の不足等により事実と異なる記述もあると思います。
そういったことをご了解の上ご覧下さい。

 血液の役割 

全身に張り巡らされた血管から酸素や栄養素、ホルモンなどを体中の組織に送り込み、二酸化炭素や老廃物を受け取り体外へ排出させるために各種臓器へ受け渡します。
また、暖かい血液を循環させることで体温を一定に保たせる役割もあります。そして白血球を中心とした免疫機能を持つことで生体防御にも重要な役割を果たしています。

 血液の成分 

血液は赤血球などの 血球成分 と液体の 血漿成分 から成ります。
血球成分は次の項目で説明するので省略します。
血漿はカリウムやナトリウムなどの電解質、アルブミン・フィブリノゲン・免疫グロブリンなどの蛋白質(血漿タンパク質といいます)、糖、脂質などが含まれています。血液の役割のほとんどをこの血漿が担っています。液体の血漿は血管外へ染み出すことができ、そうすることにより各細胞に栄養分を送り届けることが出来ます。

血液成分

犬における血球成分と血漿成分の割合はちょっと分からなかったです。
ヒトでは血球成分が約45%、血漿成分が約55%です。

参考までに、各血球成分の標準値を表にしてみました。
ヒト 単位
ヘマトクリット値
(血液における赤血球
の体積の割合)
37~55 女 37~47
男 42~52
赤血球
550~850 女 380~480
男 410~530
万/μl
白血球
6000~17000 4000~9000 /μl
血小板
17~51 12~38 万/μl
血漿たん白
6~8 6.5~8.0 g/dl
これを見る限りは犬の血液もヒトの血液も全然違うというほどではないようですね。 

 血液細胞の分化 

血液の成分には赤血球や白血球などいくつかありますが、そういった血液細胞は骨髄にある多能性幹細胞と呼ばれる細胞からそれぞれ 造血因子 と呼ばれるものに作用されるよって分化し成熟して血液として送り出されます。

多能性幹細胞とは、今再生医療で話題のES細胞の血液版みたいな
  もので血液細胞にならどんな細胞にも分化できる細胞のことです。

血液細胞はこんな段階を経て分化していきます。

血液細胞の分化


 血液細胞のいろいろ 

各血液成分について簡単に説明します。

赤血球

赤血球
細胞内に含まれるヘモグロビンと酸素が結びつくことで血管を通して全身の細胞に酸素を送り込み、排出された二酸化炭素の一部を受け取っています。

血液細胞の中では群を抜いて多く存在していて、血液が赤いのは赤血球中のヘモグロビンが酸素と結びつくことで赤く発色しているからです。

白血球
多能性幹細胞から作られる細胞のうち、赤血球と血小板以外の細胞は全てまとめて白血球と呼ばれています。

その中でも顆粒球(好中球・好酸球・好塩基球)と無顆粒球(リンパ球・単球)に分けられています。

好中球

好中球
特殊顆粒とアズール顆粒をもつ細胞で白血球の中でもっとも多い細胞です。 好中球は自然免疫を担う細胞で、細菌などを貪食し殺菌、自身も死滅します。 この死骸が「膿」と呼ばれるものです。

好酸球

好酸球
酸好性顆粒を特徴とする白血球で弱いながらも貪食作用を持っています。顆粒より塩基性タンパクやヒスタミナーゼを放出することにより抗寄生虫作用や抗ヒスタミン作用を示しアレルギー反応を抑制するよう働きます。

好塩基球

好塩基球
ヘパリンやヒスタミンなどを含む顆粒をもち、アレルギー反応に関わる細胞です。 脱顆粒によりヒスタミンを放出することでアナフィラキシーショックや蕁麻疹を引き起こすとされています。

単球

単球
 白血球細胞の中でもっとも大きく好中球の数倍の貪食能と数ヶ月にもなる長い寿命を特徴とします。体内で炎症があると血管外へ遊走しマクロファージへと分化します。

 獲得免疫に大きく関わる細胞で、細菌やウイルス、死んだ細胞などを取り込むと 好中球が数日で死滅するのに対しマクロファージは取り込んだ抗原情報をTリンパ球に伝えるという抗原提示細胞としても働きます。

B・T細胞

リンパ球
B細胞・T細胞・NK細胞に分けられ免疫に深く関わっている細胞です。
この説明は別に詳しくします。

血小板

血小板
骨髄の中で作られる巨核球の細胞質の一部がちぎれて血管へ出てきたものです。
止血と血液凝固に関わる血液成分です。



2007年10月20日初稿
2007年10月21日修正


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