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涼しい風が汗のしたたる体を冷たく冷やす

その中すらすらと技が決まっていく


            春風



屋上の一番高いところでいつものように昼寝をしている
肩書きだけの恋人
そばに座っていると一定の寝息が聞こえて可愛らしい寝顔が少し見える

「・・・俺らって何なんだろうな」

目にかかっている髪の毛をさらっとさわった
軽く声を漏らして俺に背中を向けるようにして寝返りを打った

「なんかただ一緒にいる友達みてぇじゃんか」

コロンと寝っ転がってそんな事を漏らしてみた
咢に聞こえているかどうか知らないけど
そんな事でちょっとだけふて腐れている自分がちょっと惨めに感じた

「せめて・・・・・キス位させろよな」

そういってうとうとと眠りについてしまった
春の風が静かにふいて少し肌寒かった





「・・・・・ん」




少し視界が暗くなって
意識がはっきりしてゆっくり目を開けると
咢が目の前にいた

「・・・・はよ」
「よー。目が覚めたか豆電球」

相変わらずの口調で何も変わらない
ように見えた

立ち上がって体をのびのびとのばしていると
咢も立ち上がって俺の背中に体を寄せた

「・・・?」

咢は少し恥ずかしがりながら口を開いた

「・・・・キス位なら・・・・」

俺から顔が見えないように下を向いていた
でも、耳は見えていてその耳は真っ赤になっていた

「顔あげて。咢」

少し嫌そうにしてゆっくりと顔を上げたその顔は
本当に真っ赤でその真っ赤な顔に手を添えて優しくキスをした
まだ最初だから触れるだけのキスで
その先にも行きたいけれどきっとそれは咢が怒ると思ったから
徐々に徐々に行きたいと思った

「行くか」
「・・・・ぅん」

頭を軽く撫でて練習に行くためにホイールを走らせた
手をつないでゆっくりゆっくりと

なか静かに春風がふいている





        end


コメント

初エアギア小説
やっぱりカズアギで・・・。
何か私が書く小説はキスが多いなぁ。
好きなんですよ。キスが。うん。
これからゆっくりのんびりとしたものを書いていきたいな
いっきとかあきととかもとうじょうさせたいですなー。


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