最 近 の 読 書 の 記 録
2009年9月~の読書記録。2009年 9月
生きる勇気、死ぬ元気(平凡社) | 五木 寛之 | ☆ | 作家・五木寛之とホリスティック医学の旗手・帯津良一が、語る覚悟ある生きかた、理想の死にかたなど。死後の世界、死の壁を超える養生法などを語り合う。 |
事実の素顔 (文芸春秋) | 柳田 邦男 | ☆ | マスコミで日々接する洪水のような情報の中からテーマを選び、「事実」から何を読み取るかを具体的に示す。確かな読み取り方はなかなか難しいと感じた。 |
六歳の見た戦争(角川学芸出版 | 榎本 好宏 | ☆☆ | アッツ島で父を失った少年は、母や兄弟とともに米軍機の爆撃に曝されながら、やっと生きのびてきた-。少年の日の辛い記憶に刻まれた家族の戦記をつづる |
北門の狼 (講談社) | 山本 兼一 | ☆☆☆ | 蝦夷地巡見の一行の近藤重蔵。クナシリからさらなる果ての地、エトロフへの渡海の苦難の旅を追う恐るべき女の影。歴史的にも物語としても、とても面白い。 |
大河の一滴 (幻冬舎) | 五木 寛之 | ☆ | 人生は苦しみと絶望の連続。その覚悟が定まったとき、真の希望と生きる喜びが訪れる。作家のメッセージは良く分かるけど、少々抹香臭い? |
天国への階段(上) (幻冬舎) | 白川 道 | ☆☆☆☆ | 牧場をだまし取られた父の自殺。孤独と絶望の青年は、ある汚れた金を元手に財界の若手実業家となり復讐へと歩む。裏切られた初恋の人の娘との出会い |
天国への階段(下) (幻冬舎) | 白川 道 | ☆☆☆☆ | 着々と進む復讐に影を差す老練な刑事の執念、養父を殺されたと狙う若者は、誰も知らない実子だった。思いがけない展開と結末に涙が溢れる。 感動の推理小説 |
2009年 10月
眼の奥の森 (影書房) | 目取真俊 | ☆☆ | 米軍に占領された沖縄での出来事。閉ざされた証言と、秘められた胸の想いが明らかになる。60年の時を超えて、繰り返す事件が起きた。交錯する記憶は、あまりにもいたましい。 |
悪党 (角川書店) | 薬丸 岳 | ☆☆☆☆ | 息子を殺し、社会復帰している男を捜し出してという依頼が探偵事務所に。時効を終えても、犯罪者と被害者遺族の心の葛藤を描く社会派ミステリ。元警官の探偵自身も少年の時、受けた心の傷を抱えている。同じ苦しみを与えたい。復讐をして癒されるのか? |
きなこ (小学館) | 百瀬 しのぶ | ☆☆☆ | 見習いずっこけ警察犬「きなこ」と見習い訓練士の杏子が織りなす心温まる感動のキズナ。2010年公開映画の原作。 |
天才の時間(NTT出版) | 竹内 薫 | ☆☆☆☆ | 科学者、数学者、哲学者、芸術家など、「天才」といわれる人物には共通するものがある。13人の「天才」ができたきっかけは休暇?それぞれエピソードの紹介がとても面白い~! |
辞世の言葉で知る日本史人物事典(東京堂出版) | 西沢 正史 | ☆☆☆☆☆ | 日本史に登場する古代からの82人の辞世の言葉、現代語訳、詠まれた状況を解説。その人物像・生きざまを浮き彫りに。知られていない事実の検証など興味深く読みだしたら止まらない |
シベリア抑留 (岩波書店) | 栗原 俊雄 | ☆☆ | 極寒、飢餓、重労働、吊し上げ、墓掘りなど、発見された史料を交えながら60万人を襲った悲惨の全体像に迫り、帰還者らのその後の人生と闘いの記録。 |
毛沢東のバレエダンサー(徳間書店) | リー ツンシン | ☆☆☆☆☆ | 毛沢東政権下、中国の貧しい村に生まれた少年が選ばれしバレエダンサーへ。パールバックの大地を思わせる序章から素晴らしい物語が始まる。とても面白い。 |
幸田文しつけ帖 (平凡社) | 幸田 文 | ☆☆☆ | 幸田露伴は娘・文に、家事から人としてのあり方まで、あらゆる事を一切の妥協を排して仕込んだ。真剣勝負の親子関係を、文の文章と露伴の言葉で綴る。 |
不毛地帯 1 (新潮社) | 山崎豊子 | ☆☆☆ | 第二次世界大戦の終戦、日本とロシアの折衝、シベリアで過ごしたエリート軍人の壱岐。人間の尊厳を問う暮らしを経て今は商社に。もう1度生きる意味を模索し始める |
2009年 11月
閉鎖病棟 (新潮社) | 帚木 蓬生 | ☆☆☆☆ | 異常の烙印を捺され社会から切り離されたまま過ごす精神病棟。殺人事件の解明、患者?の心の謎。医師が書く感涙の結末を迎える長編ミステリー小説 |
最後の宦官秘聞(日本放送出版協会) | 賈 英華 | ☆☆ | ラストエンペラーに仕えた最後の宦官、孫耀庭が語る、清朝末期から日本の傀儡として建国された満州国動乱の時代の、愛憎渦巻く宮廷秘史。 |
女帝 (早川書房) | シャンハーユー | ☆☆☆ | 唐王朝滅亡後、皇帝が謎の死を遂げ、美貌の王妃は新たに皇帝の座につく亡き夫の弟リーと結婚、かって想いあった義理の息子は、父の復讐に。映画としてもベストヒット |
使命と魂のリミット (新潮社) | 東野 圭吾 | ☆☆☆☆ | 父は手術ミス?亡き父への思いを秘めて心臓外科医になった由紀。父を執刀した医師の補助の手術の日、病院を襲う危機に瀕して医師の壮絶な闘い。感動のミステリー。 |
シロは死なない (小学館) | 北方 謙三 | ☆☆ | ハードボイルド作家とは思われない作品。拾った子犬を救うため、ひたすらがんばる少年。浦沢直樹のあたたかいタッチで描かれる挿絵が素敵な絵本 |
チョッちゃん (草思社) | 石井 宏 | ☆☆☆☆ | 都心近くの廃屋で、ボロボロの捨て犬が命がけで子犬を育てる。人間を凌ぐ知恵深さ。犬好きの夫婦を巻き込む愛と感動の素敵な物語。泣いてしまった。 |
血涙 (上) (PHP研究所) | 北方 謙三 | ☆☆☆☆ | 宋建国の英雄・楊業の死から2年。楊家軍再興、筆者は中国歴史ものを書いたら最高かも。 悲しいさだめの男たちの波乱万丈の運命 |
血涙 (上) (PHP研究所) | 北方 謙三 | ☆☆☆☆ | 乱世の終わりを彩る壮絶な物語が、静かに幕をおろす。北方楊家将、ついに完結。 読み応えがある長編だが一気に読んだ。 |
雪冤(せつえん) (角川書店) | 大門 剛明 | ☆ | 時効直前、死刑が確定した男の父親にかかってきた真犯人からの電話。死刑制度と冤罪に挑んだ社会派ミステリ。新人話題作だがゴチャ付いてイマイチ。 |
かあちゃん(講談社) | 重松 清 | ☆☆☆ | いじめていた親友が自殺を図り、、学校を去った。子どもたちは罪を背負い、一人の年老いた「かあちゃん」に出会った-。許しは償いは?と問いかける。 |
望郷の道 (上 ) (幻冬舎) | 北方 謙三 | ☆☆☆☆ | 緋鯉の彫り物を背負い、賭場を守る藤家の女将の婿養子となった正太は、賭場の改革を進め、才覚を表していく。稼業を拡大。だが、その隆盛を妬む者たちの陰謀が背後に忍び寄っていた。 |
望郷の道 (下 ) (幻冬舎) | 北方 謙三 | ☆☆☆☆ | 愛する家族を守るため凶行に出た正太は、九州を追放され台湾へ。愛と真実・正義のサクセスストーリだが、波乱万丈の中に、カッコイイ男たちとカッコイイ女の話が面白い。 |
鬼哭青山遥かなり(日本放送出版協会) | 北上 秋彦 | ☆☆☆☆ | 60年前に花岡鉱山で何が起きたのか-。中国人強制連行労働者による一斉蜂起事件を現代に問う。長編ミステリーだが、重い歴史的史実もあり、読み応えあり。。 |
2009年 12月
天使の眠り (徳間書店) | 岸田 るり子 | ☆☆☆☆ | 医学部大学院に勤務する秋沢は、13年前に突然消えた愛した女性に偶然出会うが、同人物とと思えないほど変貌していた。かかわる男性の次々の変死の理由は?長編ミステリー |
禁断のパンダ (宝島社) | 拓未 司 | ☆☆ | 神戸でフレンチスタイルのビストロを営む新進気鋭の料理人が出あう謎の味覚の老人。素晴らしいグルメミステリーだが、後半は衝撃、後味悪く最後まで読まければ良かった。 |
幼な子われらにまれ (角川書店) | 重松 清 | ☆☆☆ | バツイチ同志の再婚。実の娘と年に4回しか会えない彼を中心に、妻とその子供との葛藤、幾つもの哀しみ、切れない絆。相変わらずテンポのいい作者の語り口がいい。 |
メナムの濁流 (双葉社) | 鬼島 紘一 | ☆☆☆ | 企業など経済社会の裏面を描く社会派作家の作品。シャム湾のガス田開発に単身赴任した彼が巻き込まれた軍事クーテター、巨大利権をめぐって権力に翻弄される藤堂と美貌のタイ・ダンサーの悲劇など読み物としても面白い。、 |
カシオペアの丘で 上(講談社) | 重松 清 | ☆☆☆☆ | 40歳を目前にして悪性腫瘍で余命宣告。仕事は、守ってきた家族は?子どもの頃の幼馴染数人のそれぞれのドラマを交えながら話は進む。支える人支えられる人それぞれに、秘密があった。 |
カシオペアの丘で 上(講談社) | 重松 清 | ☆☆☆☆ | 限られた生の時間のなかで、ふるさとへ帰ってきた。幼なじみとの再会を果たし、過去の痛みを受けとめた俊介は、最後の旅に出る。 北海道の雄大な自然を背景に、人生の素晴らしさを渾身の魂を込めて描ききる長編小説 。 |
遺品整理屋は見た!!(扶桑社) | 吉田 太一 | ☆ | 日本初の遺品整理屋・吉田太一が体験した、壮絶な34のエピソードを掲載。孤独死、身内の自殺、負の遺産問題…。話題作なので読んでみたが、人ごとではない?(苦笑) |
運命の人 1(文藝春秋) | 山崎 豊子 | ☆☆☆☆ | 昭和46年春、大詰めを迎えた沖縄返還交渉の取材の中で、日本とアメリカの間で、ある密約が結ばれようとしていることに気づいた敏腕記者。あれから、40年経った最近、新たな証言で、この事件が再び脚光を浴びているので読み始めたが・・・ |
運命の人 2(文藝春秋) | 山崎 豊子 | ☆☆☆☆ | 密約の事実は、記者と公務員との不倫騒動へ。争点はすり替えられ、ペンを折られ苦悩する記者、スキャンダル記事に心を乱す妻。夫婦の溝は深まり、子どもたちも動揺を見せ始めた時、弁護団の真摯な励ましがふたりを支えた。そしてついに、初公判の朝が訪れ…。 |
タイ中進国の模索(岩波書店) | 末広 昭 | ☆ | 1990年代以降、激変を遂げたタイ。「中進国」となったこの国の民主主義と王制との調和、グローバル化への対応に揺れる社会の実像。経済専門語が多く私には難しすぎた。 |
定年ゴジラ(講談社) | 重松 清 | ☆☆☆ | 開発から30年。年老いたニュータウンで、日本を支えてきた男たちが、いっせいに定年を迎え始める。団塊の世代が迎えた生き方をユーモアと一抹の哀愁を交えながら優しい語りに共感。。 |
馬を追う女(朱鳥社) | 津島 彪 | ☆☆☆☆ | 拓けつつある北海道の小さな村・黒松内で8人の子どもたちと生きたおんな馬追・ヱツの愛と絆の生涯を描く。私にはとても懐かしい昔の暮らしが描かれ、物語も面白かった |
覇天の歌(講談社) | 岩井 三四二 | ☆☆☆ | 連歌で天下を取ってやる! 戦国の世に、連歌の力だけで名だたる権力者に近づいた、天下一の連歌師・里村紹巴のしたたかな生き様を描く 。 |
われらの獲物は、一滴の光り(ロングセラーズ) | 開高 健 | ☆☆ | ノンフィクションの領域でも瞠目すべき傑作を残した、開高健のエッセイ集。単行本初収録の18篇と厳選された47篇の計65篇あるが、読みやすいものと難しいものがある。 |