日舞と茶道と着物の蔵

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2007年01月16日
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日曜日に行ったオペラの話を今になって日記に書くという...。久々のマチネ(昼公演)でした。歌舞伎に昼の部と違い、オペラ、バレエの類は、断然夜行くのが好きです。昼だと、観客も軽装、演者もなんとなく気を抜いているのではないかと、あらぬ偏見を持っておりまして。でも、久々にマチネ、日曜のランチタイムの後に劇城に入るというのも、なかなか気軽でいいですね。

さて、演目は、ドニゼッティの軽妙なオペラ「連隊の娘」。




親なし子のマリーは、転戦中のフランス軍の部隊に育てられる。兵士達全員を親として、おてんばだけど美しい娘に成長します。そんなマリーに虫がつきそう! というので、隊長以下、部隊は大騒ぎ。地元のチロルの青年トニオがマリーに恋をし、マリーもまんざらでもなさそう。父親代表の隊長は、頭から湯気を出して青年をマリーから遠ざけようとします。そんな中、候爵夫人がマリーの身内だということがわかり、マリーは、貴族のお城にひきとられることに。マリーにおしとやかな貴族の娘の生活が我慢できるはずはなし。公爵の息子と結婚させられそうになったマリーを、今や連隊の一員となったトニオが、兵士達がひき連れて救出にきます。最後はドタバタのうちにハッピーエンドの大団円。

コロラチアソプラノのナタリー・ドッセイが、マリーを熱演。というか、これは絶叫型のオペラではなく、ベルカントのデリケートで美しい歌い方を要求されるオペラなので、熱演に見えないように熱演。すごーく小柄なソプラノで、よくこんな華奢な身体から、あんな声がでるな、とひたすら感心です。それも、不自然な姿勢や、動きながら歌いまくるんですからね。親代りの兵士達やトニオと引き裂かれる時のアリア「さようなら」では、なかなかホロリとさせられました。

青年トニオは、飛ぶ鳥を落す勢いの新星ファン・ディエゴ・フローレス。私は、この人が目当てで行ったのです。何しろ、あのパバロッティが、「君は、僕の後継者だね」と認めたというのですから。高音部の声がすばらしいと、高く評価されているようです。まだ若いですが、これから、3大テナーの後を引き継ぐ大スターになっていくでしょう。

で、彼のトニオはどうだったかというと。まずルックスは申し分ないです。パバロッティの後継と行っても、体形、容貌は全然違います。細長いです。声は、というと、甘く明るく、しかも芯のある、非常に美しい声でした。歌い方も、のびやかで丁寧です。でも、たまたまその日に限ったことなのか、ちょっと声量が...。このドニゼッティなら、丁度よくても、プッチーニは苦しいでしょうね。

公演としては大成功で、マリーもトニオも、アリアが終る度に、いちいち盛大な拍手が長々と続きました。これは、お義理の拍手ではありません。ロイヤルでは、例え超メジャーなアリアの後でも、歌手の調子がバツだと拍手が鳴らないことだってあるんです。(おお、怖..)

コミカルな演出も芸が細かく、(まあ、ちょっとやり過ぎのところもあったけど)、観客が笑いっぱなしのところもいっぱい。台詞だけで歌わない公爵婦人は、人気TVコメディアンをひっぱり出してきたりして、楽しませました。いい日曜の午後でした。





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最終更新日  2007年01月17日 08時09分13秒
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