台湾迷(台湾マニアのブログ)
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台湾高速鉄道が年明けにも開業 蘇行政院長も試乗 交通部は12月24日、台湾高速鉄道の台北・板橋駅―高雄・左営駅間について、すでに開業の基準に達したことを明らかにした。交通部は早くて今週中に営業を許可する方針で、台湾の南北経済圏を約90分で結ぶ台湾版新幹線が来年1月にも開業する。同25日には蘇貞昌・行政院長が左営―板橋間を試乗し、台湾の交通における新たな一ページが開かれたことに喜びと期待を示した。 台湾高速鉄道の開業については、事業主体の台湾高速鉄道公司(以下、台湾高鉄)から交通部に提出された申請について、交通部は11月28日、検査委員会の最終会議を招集した。その結果、同月24日に発生した車両事故から1カ月間無事故で試運転を行うことなどを含め、営業運転開始の条件と課題が示された。 その後、早期開業に向けての作業は引き続き進められ、交通部は12月1日から毎週台湾高鉄公司、交通部路政司および高速鉄路工程局(高鉄局)、高鉄局総顧問(中華顧問工程司)など関連機関による会議を招集し、台湾高鉄が行う改善事項の処理状況を定期的に検討した。また、12月20日には台湾高鉄公司と第三者認証の委託先である英国Lloyd’s Register Project Team(LRPT)などによる会議を招集、関連報告と認証文書について討論と分析を行った結果、LRPTは板橋―左営間についてすでに開業の基準に達したとの見解を示した。 さらに12月19、20日、交通部高鉄局の日本人顧問3名により再び実地検査が行われ、高速鉄道システムがすでに開業基準に達していること、10月31日以降何度か発生している事故や問題については、その特性や発生場所などから、検査委員会が求めた「無事故」の規定に抵触しないとの見解が示された。 こうした結果を受け、交通部は12月24日、第四次追跡検討会議を開き、台湾高鉄は要求された改善事項についてすでに処理を完了したと表明した。交通部は今後、鉄路法の関連規定に則り、台湾高鉄に対し早急に台湾高速鉄道の開業を許可する方針で、当初は板橋―高雄・左営間の運行となる。 《交通部 2006年12月24日》 一方、翌25日には蘇貞昌・行政院長が台湾高速鉄道に試乗した。蘇院長は同日高雄で行われた新市長就任式に出席した後、何美行政院政務委員、蔡堆・交通部長、陳瑞隆・経済部長、鄭文燦・新聞局長および施能傑・行政院研究発展考核委員会主任委員らとともに左営―板橋間を試乗した。蘇院長は左営駅で関係者のブリーフィングを受け「高速鉄道が開通後台湾は一日生活圏となる。これは台湾の交通をはじめ、産業や生活環境にとっても新たな時代の到来となるだろう」とコメントし、競争が激化する現代において、その開通が台湾の国家競争力向上に役立つことへの期待を示した。 蘇院長はさらに、高速鉄道はおよそ8年の歳月と総経費4300億元(約1兆5000億円)をかけ、この間交通部長は7人代わり、国際レベルの検査機関と専門家により長期にわたって検査・審査が行われてきた結果、開業に必要な基準をすでにクリアしたと指摘した。その安全性をみずから試乗することで証明し、多くの人々に利用してほしいと呼びかけた。 蘇院長は試乗後「駅も車両も大変すばらしく、車内も広々としていて振動もほとんどなく快適だった」と感想を述べた。また、車両に設けられた障害者用シートや専用トイレなどもみずから視察し、台湾版新幹線の安全性と質を高く評価した。
2007年01月01日
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