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ジョニー・デップ


2007年02月15日
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カテゴリ: カテゴリ未分類


ある雨の晩、ミセス・ラニラは、道ばたで隣人が死にかけているのに出くわしてしまう。警察の結論は交通事故死。だが、彼女には、隣人の死に際の表情が「なぜ私が殺されなければならないのか」と訴えていたように思えてならなかった。それから二十年後、ミセス・ラニラは殺人の証拠を求め、執念の捜査を開始する。人間の内に潜む邪悪なものを描き出す、ウォルターズの傑作長編。  翻訳6作目






このミステリーがすごい! 2005年版 海外編  第8位

20年前の事件を何故掘り返すのか?
そこまで 彼女がこだわるものはなんなのかな?

はじめは、主人公のミセス・ラリラがどうして一黒人女性アニー・バッツの死にそれほどこだわっているのか、よく分かりません。女性の死が”事故死”とされた事件から20年も経って、それまでイギリスを離れていたのに、帰国すると同時にそれまで貯めに貯めていた調査を、実行に移していく。、事件当時の舞台、アン・バッツやミセス・ラニラの住んでいたグレアム・ロードの住人たち、事件に関わった警察官、アニーの係り付けの医師、夫の親友と元妻。などなどの消息を辿る。 

そして、家族との関係、夫への認識表現がこれまた凄い。夫婦関係や、親子関係の描写が、「凄い!」ですね~。表と裏、善と悪、白と黒、、と、これでもかと、書いてます!物語のスタート時には、悪い奴、あやしいな、っという印象を抱かせる人物がそうではなくなっていたり。その逆もしかりで。 
読み始めは どういう結果が待っているのか、トンと分からないスタートでしたね。

当時のグレアム・ロードでアニー・バッツを標的にしていた悪がき アランとマイケルといった少年らは、劣悪な家庭環境の割に、札付きの悪なのに表現が軟らかいというか、性格や消息に、好感を感じるんですよね。

「暗い内容」なのに、軽やかで明るい雰囲気もありです。
夫への確執を長年抱え続けて表面に出さず、虎視眈々と狙いを定めていく、”おんな”って、”つま”って、、怖いですな~。(^^)でも、愛情がまるで無いのではないのも感じられます。 男って、こんなもの、、という主人公のつぶやきが聞こえるようで、なんだか共感も。


含蓄のある文章がいっぱいありました。




私は何故か、落ち込むどころか解放感を味わっていた。支配権は、それを握っているのが自分である事を顕示したいと思わない者の手にあるのだということが分かったからだ。わたしは冷徹に計算し、なにはともあれ路頭に迷うのを避けるために夫ともう一度やり直すことに同意した。

「あの子達のような育ち方をしたら、あなたが持っているような創造性や、自分が何者であるかを証明しようという強い意志は生まれようがないからよ。人を突き動かすのは、安定や心の安らぎではなく、内なる痛みなの」

「(略)本当は僕を憎んでいるのに。どうしてそんなことができるんだ?どうしたらそこまで欺瞞的になれるんだ?」わたしはドアに手を伸ばしながら「あなたと同じようにして、よ」と軽い口調で言った。「あなたがどんなにひどい夫だったかに目を閉ざし、何もなかったかのようにふるまったの」





20年って、一口に言うと、大層長い年月に思うし、20年前の自分と今の自分では、大きく変わったような、全然変わらないような不思議な感じです。女性で、結婚経験があり、中年以上なら、一筋縄に行かない人生や人間?(と私は解釈したのですが、、)題名の「蛇」の意味がわかるのかもしれません。

**『蛇の形(原題:The Shape of Snakes)』**

タイトルは本書の次の部分からとられているようです。
「蛇にはそれぞれ形がある、毒のあるやつを見分けられなかったら、命はない」。
ある男性登場人物の発言(の伝聞)です。

 この場合の「蛇」は女性一般。そしてストーリーの展開とともに(複数の)女性登場人物が「毒のあるやつ」だという事実が明らかにされてゆきます。




ミネット・ウォルターズの本では4冊目ですが、読み応えは一番かなっと思います。


■著作
『氷の家』 CWA 英国推理作家協会最優秀新人賞(1992)
『昏い部屋』
『女彫刻家』 MWA アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞(1993)
『囁く谺』
『鉄の枷』 CWAゴールドダガー賞(1994)
『蛇の形』 Pelle Rosenkrantz Award(2002 デンマーク)





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最終更新日  2007年02月16日 00時28分52秒


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