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2008年01月31日
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カテゴリ: 日本文学
内容(「BOOK」データベースより)
存在しない犯人。それは鬼神だ。京極堂、「鳥の城」へ。

「おお!そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼一郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ―。嫁いだ花嫁の命を次々と奪っていく、白樺湖畔に聳える洋館「鳥の城」。その主「伯爵」こと、由良昂允(ゆらこういん)とはいかなる人物か?一方、京極堂も、呪われた由良家のことを、元刑事・伊庭から耳にする。シリーズ第八弾。



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最終更新日  2009年06月21日 21時40分51秒
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京極堂シリーズ第八弾




前作の『塗仏の宴』から5年後に刊行されたシリーズ第7作目です。今回のキーワードは、 生と死、儒教 。京極堂による憑き物落としの哀しい結末に、初めてこのシリーズで泣いてしまいました。


あいかわらずの弁当箱本。中盤あたりで、犯人はこの人しかいないだろう、と、見当がついちゃいましたが。。これまでの作風と違って、いくつもの縦軸や横軸が張り巡らされた伏線や仕掛けや事件が複数起こるわけではありません。ひとつの屋敷の中で終始する事件でシンプルです。ただし、その事件の背景と土台はシンプルではないですね。一軒の屋敷内の事件という構成は 『姑獲鳥の夏 』 以来ですね。

前作 『塗仏の宴』 が、住人ごと消えうせた幻の村や、記憶を操る妖しげな宗教、不老不死の妙薬、メインキャストにサブキャストが総出演と、てんこ盛り。 あげくは、関口は、殺人事件の容疑者としてつかまり、その被害者は、あの話のあの人。京極堂の妹:敦子や木場が襲われたり怪我したり、木場にいたってはもしや死んでしまったのかとかなり心配しました。~、あらゆる意味で、読者を引きずり回し、かつ『宴の支度』『宴の始末』と二作に分けて、ファンをジリジリさせたと比べると、きわめてシンプルですね。


ですが、感想をネットサーフィンしてみたところ、がっかりした、落胆、という感想も多かったです。5年ぶりの新刊だったことから、ファンの期待も大きかったのでしょう。でも『塗仏の宴』では、これ以上広げられないくらいの大風呂敷を広げ、少々収まり悪かったっという感もあったので、今回はこのシンプルさでバランスとれたんではないでしょうか。


毎度のことですがはじめは、難解で、意味不明な内面吐露(関口や、今回は伯爵)、会話形式のウンチク。これらは、作品世界に入りこむための通過儀礼、基礎知識ですし、そのあとに 退屈の吹き飛ぶ物語があるわけです。ただ設定にはちょっと無理があり、人の記憶が視える力の持ち主榎木津が失明中。そうでなければ一発で犯人がわかるでしょーに。京極堂がほとんど何もせずに何故真相に至るのかも、やはり?で、通常のミステリーとは違いますね。でも、『魍魎』や『狂骨』のような、オドロドロしさはなく、哀しい結末ですが、後味は悪くないです。


今回おもしろかった妖怪談議では『異類婚譚』
鶴の恩返しや、覗き見などについてのはなし。村という共同体の外部と内部とまたがって婚姻が行われる時。嫁に来る場合と婿にとる場合。地方によりいろんな形に変わっているが、財をもたらした嫁は覗き見されて出て行ってしまう。財をもたらした婿は殺されてしまう、パターンがあるそう。 今では失われてしまった、村という共同体、境界の内と外では、同じ<鶴>でも凶時にもなるし慶事ともなる。「鳥の城」の伯爵家花嫁連続殺害事件も、そうした話の前振りに基づいていました。


本筋には関わりないですが、 横溝正史 江戸川乱歩 の名前や作品名が登場し、うれしい気持ちになりました。 


あらすじ

『貴方にとって生きて居ることと云うのはどのような意味を持つのです――』

この小説の舞台は、白樺湖畔に威風堂々と聳える豪華な洋館『鳥の館』であり、鳥の館の主人はかつての爵位制度において伯爵位を授与されていた由良昂允(ゆらこういん)です。

何故、鳥の館と呼ばれているのか、それは広大な邸内一杯に無数の鳥の剥製が置かれているから。。今は亡き昂允の父・由良行房(ゆらつらふさ)伯爵は、高名な本草学者であり博物学者で、特に鳥類の熱心な研究者で、研究標本として世界中の鳥の剥製をコレクションする事が趣味であった。

行房伯爵は、博物学者であると同時に儒学者であり哲学者でもあって、その知的好奇心は留まる事を知らず、昂允にとって常に尊敬と敬愛の対象であり、目指すべき理想的な紳士、学者であった。

由良家当主が治める広大な『鳥の館』の空間には、物言わぬ静寂な剥製の鳥が異常なまでに多すぎる……玄関の左右にはコウノトリ、弓手にハシヒロコウ、クロスキハシコウ、灰色朱鷺、シュモクコウ、馬手にはハゲコウ、大紅鶴(フラミンゴ)、箆鷺(ヘラサギ)、朱鷺、壁にはハゲワシ、ヒゲワシ、クマタカ、ノスリ、チュウヒ、トビ、隼などの猛禽類がいる、大広間、食堂、書斎、客室、寝室、何処にでも様々な種類の鳥達が静かに居住者や来客者たちを見つめ続けている……それは尊敬すべき父親が残した大切な可愛い鳥達であり、既に昂允にとって家族の一員でさえもありました。

由良昂允元伯爵が抱えている絶望的な苦悩と恐怖は、『鳥の館』に昂允の配偶者として嫁いでくる花嫁は、全て初夜の明け方にその生命を間違いなく奪われてしまうという事であり、その花嫁殺人事件は四度繰り返し行われたのでした。

由良昂允は、今度の薫子との婚礼だけは何としてでも無事平穏に済ませたいと願い、新婚初夜の惨劇を未然に防止する為に、探偵・榎木津礼二郎に花嫁の生命の保護を依頼する事にし、高熱で一時的に失明している榎木津の介添人として、重度の鬱病と対人恐怖の作家・関口巽が同行してきました。

由良昂允は、作家としての関口巽の独特な感性に強い魅力を感じ、その著作『目眩』を何度も再読しています。由良昂允は、自らの生きて居る事の意味を否定し、絶望的な憂うつ感と対人恐怖に打ち沈む関口巽に対して、何度も同じ質問を、実存主義哲学者マルティン・ハイデガーのように執拗に投げ掛けるのでした。



■京極夏彦 著作 感想

『姑獲鳥の夏』 『 魍魎の匣』 『狂骨の夢』  『鉄鼠の檻』 『絡新婦の理』 
『塗仏の宴 宴の支度』 『塗仏の宴 宴の始末』 『陰摩羅鬼の瑕』  『邪魅の雫』 
『巷説百物語』 『続巷説百物語』 『後巷説百物語』  『前巷説百物語』 『嗤う伊右衛門』















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