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天の道を往き、総てを司る
第八話 一難去って
上にあがる階段を見つけ、その先にあるドアを開いて外に出る。
「……外だ」
ドアの向こうは山の上だった。
山頂近くで目の前には断崖絶壁、周囲には森が広がっている。
日は傾き始めており、少しばかり肌寒い。
「ん~……ホントに何処なんだろ、此処」
崖の向こうには小さな港町が見え、無人島では無いことは確かなようだ。
とりあえず山を降りて町に出ようと考えリーアは森の中へと足を踏み入れた。
「なんとか勝てましたね」
CDCで戦闘の一部始終を見ていたテッサが安堵の表情で呟く。
フェストゥムを人的被害無しでの撃退に成功したのはかなり大きい。
「ええ、あなた方のご協力に感謝します」
「いえ、対してお役に立てませんでしたし」
公蔵の言葉にテッサが笑顔で返す。
ジークフリードシステムから降りてきた総士もため息をつきながら公蔵の所へと近づく。
「父さん、作戦終了しました」
「うん……蔵前君と真壁君は?」
「医務室へ行くように伝えました……彼女の事は伝えていませんが……」
総士が言う彼女とは医務室で寝かせているリーアの事だ。
最も、今の彼らはリーアがすでに目を覚まし医務室からいなくなっているなど気付いていないが。
「その事は遠見先生に任せておけばいいだろう」
文彦がそう言うと同時、噂をすれば何とやらとばかりに医務室から連絡が入る。
「ん? 検査の結果が出るにはまだ早いが……」
疑問に思いつつ公蔵がスイッチを押し、目の前の小さなモニターに千鶴の顔が映しだされる。
「どうしました遠見先生、検査の結果にしては早いですが……」
『そんな事じゃないんです! 医務室で寝かせていたあの女の子が……っ!』
山を降りている最中……日は完全に堕ち、外灯などあるはずもない山の中は夜の闇に包まれた。
割と早いペースで降りていたのでリーアはすでに山の中腹の少し開けた場所に来ていたがそれでもこれ以上降りるのは危険だ。
上手い具合に見つける事が出来た山小屋でリーアは一晩過ごす為に休んでいる。
「……食べれるのはこれだけかぁ」
適当に小屋の中をあさり食べれそうな物を探した結果、数個のパンを見つけた。
誰かが定期的に管理しているのか比較的新しいパンだ。
ひょっとしたら誰かの家なのかもしれない。
「……まぁ、いいか」
お腹がすいてるし、誰かの家でも事情を話せば解ってくれるだろう。
そう考えリーアはあんパンの袋に手を伸ばした。
「うぅん……このあんこ……駄目ね」
大量生産品のあんこでは所詮この程度かと心の中で呟きながらも腹が減っているのでこの際何でも良い。
あんパンを食しながら、これからの事を考える。此処が何処なのかはまぁ、どうでもいいとして……自分の事を余り思い出せない。
まともに思い出せるのは自分の名前と生活に必要な一通りの知識とこの島で目覚める前の出来事だ。
雪景色に包まれた学校や古びた港……鉈や銃を構えた二人組の少女。その二人組に襲われていたような気がするがどうも記憶がはっきりしない。
「……なぁんか……もっと大事なこと忘れてるような気がするんだけどなぁ……」
他にもっと大事な事があった筈なのだがそれが全く思い出せない。
その部分を思い出そうとしても何も出てこない上に少し気分が悪くなる。
「……焦っても仕方ないかな……ふわぁ……」
なんだかんだで床の上に置いてあったパンを幾つか食べている内に満腹になり瞼が重くなってきた。
非常に眠い。全身の力が抜け重力に従って体が床に倒れる。
その直後、0.1秒の間も開けずリーアは静かに寝息を立て始めた。
リーアが暢気に寝息を立てている一方でアルヴィスは大騒ぎになっていた。
そりゃ、いきなり人が消えれば大騒ぎするのは当たり前だ。それが自分達にとって必要不可欠な情報源ならば尚更である。
テッサは大急ぎで手の空いているダナンのクルーで捜索隊を結成させアルヴィス施設内と島中を創作させている。
「……何事?」
ファフナーを格納していた竜宮島周辺に浮かぶ小島から戻ってきた一騎は慌ただしく動き回る大人達に唖然としていた。
中には島で見かけない顔もいる……というか、何故に銃を携帯している人がいるのですか?
「なぁ、蔵前……これって」
「……私に聞かないで」
隣に立っている蔵前も何がなんだかといった様子だ。
「……とりあえず、医務室に行きましょ。案内するから」
「あ……うん」
前を行く蔵前を一騎は追うように歩く。
此処には良く来ているのか迷うことなく歩いていく。
「そう言えば……」
「どうかした?」
「蔵前……その格好……何?」
「…………事情は後で話すわ」
やはりこのスーツ着るのは未だに慣れない。
蔵前は改めてそう思った。
「こちらウルズ7。P-K98には目標を発見できず。引き続き捜索を続行する」
『ウルズ6、了解。あと30分たったら一度合流するってマオ姉さんからの伝言だ』
「了解した」
通信機をポケットに仕舞い込み、宗介は山の斜面を滑り降りる。
帰還し、ASを停止させた直後にカリーニンからB1のパイロットである少女がいなくなった為に捜索しろと命令が下った。
戦闘を終えた直後で疲労していたパイロットにとっては苦痛。クルツは「労働基準法違反だーっ!」とか叫んでいたが傭兵にも当てはまるのかどうかは疑問だ。
最も、それ以前に宗介は労働基準法を知らなかったりするのだが。
(戦闘の直後で島の外に脱出したとは考えにくい……それにB1のパイロットとはいえ所詮は少女。それ程遠くには行っていない筈だ)
すでに日が落ちた山の中を動き回るのはまず考えにくい。
まだ山にいるのなら何処かで休んでいる筈……そう考えた矢先、斜面の下に明かりのついた山小屋を発見する。
あの山小屋は普段誰も利用していない物だと知っていた宗介は懐から銃を取り出し山小屋へと素早く近づく。
裏手から窓を覗き込む。中には案の定、目標の少女がいた。横になって静かに寝息を立てているのが確認できる。
「……こちらウルズ7。P-K98の山小屋にて目標を発見。これより確保する」
通信機で仲間に報告し、山小屋の正面へとまわる。
ドアの横に背を預け懐からスモークグレネードを取り出し、ドア近くの窓を少し開けピンを外して投げ入れる。
数秒後、室内は煙に包まれる。
「……よし」
小さな山小屋で中にいるのが少女一人とはいえ、油断はならない。
もしかすると侵入者用の罠を仕掛けているかもしれないと宗介はベストの方法を選択したつもりだった。
しかし、それが彼にとって最悪の結果を招くことになるなどこの時……知るよしもなかった。
CDCルームに宗介から通信が入ったのは目標の少女を発見したとの報告を受けてから5分後の事であった。
『こちら……ウルズ7』
「相良軍曹、どうしたんですか?」
『大佐殿、申し訳ありませんが……私は本日をもって戦列を離れることになりそうです』
「……は?」
宗介の言葉に首を傾げた直後、バキッ、ドガッ、グシャッ、ズゴッ……ともの凄く鈍い音が聞こえてきた。
余りにも生々しい音にCDCの空気は一瞬にして絶対零度まで凍り付く。
「さ……相良……軍曹?」
「……惜しい人物を亡くしたな」
背後でマデューカスがさりげなく酷いことを言っている事に気付かずテッサは他の部隊に報告のあったポイントへ向かうよう指示をだす。
その後、山小屋の中で満足げな笑みを浮かべて眠りについているリーアと山小屋の外で完膚無きまでに叩きのめされ白目をむいて気絶している相良宗介が発見された事は言うまでもない。
「……あやうく二階級特進する所だった」
ダナンの医務室にて治療を受けながら宗介は語った。
あの後、山小屋に突入しようとした所で少女……リーア自ら外に出てきた。息苦しさの余り外に飛び出したのかと思ったが直後にそれは間違いだと認識した。
目は虚ろで眠たそうだったが……素人目でも解るほどに凄まじいまでの殺気を宗介に向けていた。
その後、襲いかかってきたリーアをなんとか取り押さえようとしたが持っていた装備は全て破壊され、格闘戦でも抵抗できず一方的に叩きのめされたのだという。
ちなみに決め技は裏拳、膝蹴り、踵落とし、フランケンシュタイナーと繋げる怒濤の四連続コンボだった。
「訓練を積んでいないのか動きは雑だがそれでも下手な兵士では手も足も出まい……出来ることなら大佐殿に進言してSRT要員に進めたい」
「いやぁ……ボロボロの体で力説されると説得力あるな、ホント」
全身痣と内出血だらけの体という実体験の物的証拠があると確かに説得力は増す。
クルツとマオも実際にボロボロの状態で倒れている宗介を発見したときは本気で焦った物だ。
「にしてもまさかソースケが手も足も出せないなんてねぇ……ホントに欲しいかも……テッサに頼んでみようかしら、駄目もとで」
そんな宗介の話を聞き、マオは本気でリーアをSRT要員に組み込みたいと考え始める。
ASパイロットは無理でも生身での白兵戦要員としてならば相当の戦力になるのでは……。
「オイオイ、姉さん。帰ってこーい」
何やらブツブツと唸っているマオにクルツが呼びかける。
「そういえば、あの少女は?」
「ああ……あの後、目覚ましたみたいでな。今、テッサ達が尋問中の筈だ」
目を覚ましたリーアへの尋問はアルヴィス会議室で行われていた。
念のために入り口にはカリーニンとマッカランが立ち、リーアのすぐ側にも銃を携帯した兵が待機している。
「名前はリーア・セラノス、16歳……住所を始めその他の事は全く覚えていない……そういうのね?」
「……うん」
テッサの問いにリーアは少しウンザリしたような表情で答える。
さっきから同じ事ばかり聞いてくる質問を受けていればそうもなるだろう。
「……B1……あなたが乗っていた黒いロボット、マルスについても?」
「覚えてないってばぁ……」
後何回同じ事を聞いてくるんですかといったような表情で机の上に突っ伏す。
テッサ達にしてみれば少しでもリーアから情報を聞き出したかったのだがどうやら本当に何も知らないようだ。
「そう……わかったわ。ありがとう」
これ以上は聞いても無駄だろうと判断しテッサは尋問を此処で切り上げる事にした。
結局何も解らず終いだった事は残念だがそれでも十二神の使者が開発したと思われる機動兵器一体が手に入ったのだしよしとしようと考え直す。
そうなると問題はリーアの処遇だ。このまま自由の身にするのは当然無理……情報源としてはもはや価値は無いも同然ではあるがそれでも貴重な存在であることに違いない。
後ろに控えているマデューカスに小声で声を掛ける。
「このままメリダ島へ連れて行った方がいいのかしら?」
「そうでしょうな……このまま自由の身にするのも危険ですし……フェストゥムの襲撃で予定が狂いましたが明日明後日には出航準備が整います」
「その間、彼女には……」
「監視付きの前提である程度の自由は認めても良いと思います」
マデューカスの言葉にテッサも特に不満は無いのか頷き、リーアに顔を向ける。
「えっと……リーアさん。貴女の今後の事なんだ……けど……あら?」
机に突っ伏したまま身動き一つしないリーアにテッサは首を傾げる。
リーアのすぐ側に控えていた兵士が様子を伺い……呆れたというかどうすればいいのか困った様子で顔をあげる。
「あの……大佐……この子、寝てます」
「「「「……はぁ?」」」」
テッサだけでなくマデューカス、カリーニン、マッカランも間の抜けた声をあげる。
そんな事などつゆ知らずリーアは呑気に寝息を立てていた。
「かなりの強者だな。ある意味で」
後日、カリーニンはリーアの事をそう称したがそれはまた別の話である。
医務室での検査を終えた一騎は教えられた道順に従ってアルヴィスから出て、家路についていた。
服はファフナーコクピットの接続器具が叩きつけられたときに衝撃で破けてしまったのでアルヴィスの制服を貰っている。
外に出た時には町の変わり様に驚いた。あちこちにミサイルや機銃などの砲台があり町の至る所に建物を防護するための壁が突き出している。
「……何がどうなってるんだ、本当に」
状況に流され訳の分からないことだらけだ。
島も巨大な壁があちこちから突き出し、様子が一変している。
「……父さんにでも聞けば何かわかるかもな」
島の大人達は地下の設備やファフナーというロボット、金色の怪物について色々と知っているようだった。
なら詳しい話は大人……自分にとって最も身近な大人である父親に聞けばわかるかもしれないと考える。
「ただいま」
家に帰ると丁度、父親が玄関に顔を出している所だった。
「おかえり」
「父さん、あの……」
「詳しい話は後だ。飯作ったからそれを食べてからな」
「えっ……」
今、父親である真壁文彦は何て言ったんだろう。
飯を作ったと確かに言った。この生活能力皆無で出来損ないの食器しか作れない父親が夕食を作ったと。
せいぜい出来る家事と言えば掃除洗濯程度の父親が作った料理とはいかほどの物か不安と期待が入り交じり居間のちゃぶ台を見る。
「……ああ」
ちゃぶ台には父お手製の不格好な食器の上にたくわんと山盛りのご飯が乗っかっていた。
確かに飯は用意されていた。作ったってのは米を炊いたって事ですかお父さん。
しかし、こういうのは気持ちの問題だ。用意してくれていたのは素直に嬉しい。
「「いただきます」」
向かい合わせにちゃぶ台を囲み、夕食のご飯を口に運ぶ。
「!!?」
直後、一騎の舌は違和感を覚えた。
この違和感の正体は一つしか思い当たらない。
箸と茶碗を置き、父を正面から真っ直ぐ見据える。
「親父……」
「なんだ」
ただならぬ息子の気配を感じ、文彦も箸と茶碗を置く。
「この米……炊いてないだろ!」
炊いてからお茶碗に盛ってくれよ……親父。
「皆城君……訓練も積んでない真壁君をいきなりファフナーに乗せるなんてどういうつもり?」
「判断したのは僕じゃない……父さんだ」
「同じ事でしょ、止めなかった方にも責任あるわよ……全く」
アルヴィス休憩室、備え付けの自販機買ったジュースを飲みながら蔵前が総士を問いつめていた。
事情も知らず訓練も全く行っていない一騎をいきなり実戦へと投入した事はやはり蔵前には納得できなかった。
「だが、君とダナンのパイロットだけではフェストゥムには勝つ見込みは少なかった。それに遅かれ早かれ……一騎には参加してもらう予定だったのは知っているだろう?」
「……それは、そうだけど」
総士の言うとおり、一騎には頃合いを見て全てを説明し、アルヴィスにファフナーのパイロットとして参加して貰う予定ではあった。
最も、フェストゥムさえ襲来しなければ形だけの参加になったかもしれないが。
「フェストゥムに島を発見されたんだ……今後、全てのファフナー頃合いを見て投入することになるかもしれない」
ジュースの空き缶をゴミ箱に捨て、総士は休憩室の出入り口へと足を進める。
「一騎には明日、全て説明する……他のみんなにもな。お前はもうファフナーに長く乗れる体じゃないんだ、負担も軽くなるだろう」
最後にそれだけ言って総士は休憩室を後にする。
蔵前はその後ろ姿を見ながら眼鏡を外して壁にかけられた鏡を見る。
「……言われなくても解ってるわ。それぐらい」
鏡に映った蔵前の目は眼鏡越しに見えた黒では無く透き通って不気味なぐらいの真っ赤な目だった。
夢を見ていた。
液体に満ちたカプセルの中に入れられた私を何人か男の人が手に持った何かを見ながら呟いている。
周りには同じように液体に満ちたカプセルがいくつか並んでいて、同年代の子供達が浮かんでいる。
「……何……は……仕方ない…………で……取り……値……」
かすかに聞こえてくる声は何を言っているのかよく分からないがどうやら他のカプセルの子供の事のようだった。
男の一人が何かのスイッチを入れる。カプセルに満たされていた培養液に別の赤い液体が流し込まれる。
直後、カプセルの中の子供は閉じられていた目を見開き、もがき苦しむ。
数秒もがいた後、その子供の全身から力が抜けた。
「う……ん……」
其処で目が覚めた。
薄暗く周りが見にくいがどうやら何処かの部屋のベットの上らしいとリーアは理解した。
(……変な夢)
夢で見たのは以前から時折見る場所だった。
何処なのかは全く覚えていないが以前は感じなかった妙な嫌悪感を覚える。
夢に出てきたあの子供は恐らく死んだのだろう……理由はよく解らないが夢に出てきた男達にあの子供はいらない存在だったようだ。
「…………」
気分が悪い……寝直そうにも目が冴えて眠る事も出来ない。
ベットから降りてドアを開ける。人影無く、明かりもついていない廊下をリーアは適当に歩き始める。
やがて、上に昇る階段を見つけ其処を上がって外に出る。島の港が目の前に広がる。
なんとなく夜空を見上げる。雲一つ無い夜空いっぱいに星が光っている。
「……綺麗だなぁ」
リーアはその場に仰向けに寝っ転がり暫く夜空を眺めた。
その頃、港の反対側に位置する人気も無く、島の人間でも滅多に近づかない岩礁に数人の人影があった。
「いやはや……これは運が良い。まさかアルヴィスの島を発見できるとはね」
その内の一人が誰にでもなく呟く。
彼らは所属している組織の命令で新商品のテスト場所である無人島に向かっていたのだがその途中でこの島を発見した。
フェストゥムとの戦闘に気を取られている隙に島の裏手から潜入し夜になるのを待っていたのだ。
「此処もいずれは潰す予定だった場所……今やっても問題は無いだろう。お前達、準備はよいか?」
背後の立つ二人の子供に声をかける。
金髪の少年と紫の髪の少女。
「ああ……いつでもいいさ。早く暴れさせろよ」
首を怠そうに傾けながら両手で何度も銃を分解し組み立てている少年が答える。
無表情に星空を眺めている少女も小声で答える。
「……いつでもいいけど」
その答えに男は満足げに頷く。
「では、予定通りに……何かあったら連絡をくださいよ」
「はいはい」
「……気が向いたらね」
そうだけ言って、二人は別方向へと歩き去る。
「ふむ……ベヘモスは、準備出来てます?」
二人の様子に肩を落としながらも男は部下に声をかける。
「は……出来ていますが、武装は使えませんよ?」
「解っています。まぁ、試運転ついでですよ」
男は笑顔を崩さぬまま答える。
この人はどうも何を考えているのか解らないと部下はそう思いながら海中に潜んでいる機体のパイロットへと連絡を繋いだ。
床に填め込まれている電灯で辛うじて明るさを保っている薄暗い部屋。
様々な計器や装置が備え付けられた狭苦しささえ感じる部屋に二人の男がいた。
「では、ガウルン達は失敗ですか……やれやれ、使えない連中だ」
「ナンバー01だけならともかくマルスまで失ったのは痛いけれど諦めましょう」
「そうですな……万が一のためにこうして予備もいるわけですから」
二人の男の視線の先には培養液に満たされたカプセルが設置されている。
そのカプセルの中、腰まで伸びる赤い長髪の少女が蹲った体勢で浮かんでいる。
「保存していた遺伝子情報から此処まで復元するのは骨だったでしょう」
「ええ……少しばかり変動して髪の色などは変わっていますが他には特に何もありません。これといった欠損もありませんよ」
男の内、一人がカプセルに手を触れる。
「あと二日もすれば培養液も必要なくなります。戦闘技術なども睡眠学習で教え込んでいますので……調整など含めても今週末には使い物になりますよ」
「ああ、我々の新しいビジネス……こんな所で潰れては困るからね。君には期待しているよ」
背後の男に声をかけた後、カプセルの中に浮かぶ少女へと男は呟く。
「もうすぐこんな狭いカプセルから出られるからね……楽しみにしていてくれよ」
男の声に答えるように、カプセルの中の少女の口元が笑みを作っていた。
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