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草食伝
マイケル戦
プライベートレッスン。
マイケルという、30代後半のアメリカ人だった。
長い話になった。
英会話のレッスンなどそっちのけである。
柔道や剣道の試合でいうと、中堅戦というところか。
かなりの山場だったような気がする。
マイケルのほうから、口を開いた。
「“アンタッチャブル”という映画を見たことがあるか?」
「ああ、テレビだったと思うけど、見たことあるよ」
マイケルは、やっぱりとでもいうように、不敵な笑いをうかべながら
「アメリカには、アルカポネもいたけど、エリオットネスもいたんだ。これはどうだ」
これはどうだって、まいたかってこと?
ああ、たしかに、アルカポネの悪がはびこっていたシカゴに、敢然と立ち向かったエリオットネスは、りっぱな人だよ。
日本の水戸黄門みたいな人だからな。
でも、水戸黄門は実在したりっぱな紳士だったけど、ドラマの内容はフィクションだからなぁ。実在した黄門様は、印籠を出してかたをつけるなんていう、権威を振りかざすような人じゃなかったからな。
そこがいいとこなんだけど、実際の問題解決にはむいていなかったひとなんだよなぁ。
そこいくと、エリオットネスは実際にアルカポネに負けなかったどころか、知恵と度胸と人情で完全勝利してるからな。
ここは、潔く
「負けたよ。日本には、エリオットネスのような人はいないから」
マイケルが驚いている。
なんで?俺があっさり負けを認めたから?俺だって負けるよ。
だって、疲れちゃうもん。
「おまえが、日本のエリオットネスか?」
おいおい。頭ずれてきちゃったの?
「ちがうよ」
マイケルは、腕組みをして、じっと俺を見ている。
「アメリカ人の間でついた、あんたのニックネームを知ってるか?」
「知らない」
「デビルモンスターだ!」
まぁ、おっかない顔して、激しく言うこと。
デビルモンスターねぇ。
悪魔の怪物か。
こりゃまた、最上級の悪者にしたもんだねぇ。
「それで、デビルモンスターとダースベーダーでは、どっちが強い?」
「ダースベーダーはフィクションだ!。デビルモンスターは実在する!」
あれ? それって、俺の存在を認めてるってことじゃないの?
「俺は、デビルモンスターというニックネームが好きだよ」
マイケルは、がっくりと肩をおとし、ため息をついて言った。
「もう、アメリカ人を攻撃するのは、やめてくれないか。若いアメリカ人があんたを恐がっている」
やはり、アメリカ人の間で俺の噂が流れているらしい。
でも、なんで俺がそんなに恐いの。けっこう、甘いマスクなのに。
「アメリカ人は、いつからそんなに弱くなったんだ?」
アメリカ人は、バカでもチョンでも気が強いと聞いていた。自分の意見はなにがなんでも押し通すとも。
マイケルは、ちょっと考えていたが、静かに話しだした。
「“いちご白書”という映画を知っているか?」
「ああ、知ってるよ。学生運動が舞台のアメリカ映画だろ?」
マイケルは、なぜか大きくうなずいた。
「それじゃ、ベトナム戦争は知ってるな?」
「ああ、知ってるよ。黄色人種殺しの戦争だろ」
マイケルは、がっくりと首をたれた。
少したって、横を向きながら顔を上げ、手のひらで、顔の脂汗をぬぐうようにして言った。
「その時代から、もう何年も経っている。アメリカは変わったんだ」
今度は、俺が下を向いて考える番だ。
たしかに、アメリカ人は変わってきていると思う。
ひとりのアメリカ人が、箸を使う日本人をこきおろしたからといって、アメリカ人全部がそうだと決め付けるのはよくないと思う。
日本人の男は料理をしないと批判されたからといって、むきになるのはよくないと思う。
男女平等の時代、民主主義の国で、男も女も料理をするのは、あたりまえのことだ。
だけど、日本人が批判されたら、それを守るのも、日本人として、あたりまえのことだ。
負けるわけにはいかない。
「アメリカが変わったのはわかった。でも、日本も変わったんだ。俺が、生まれてきたからな」
マイケルは、椅子から飛び上がるようにして、体を後ろにひいた。
なんてオーバーリアクションなんだ。
俺が言ったのは、ハッタリだよ。
マイケルは、あきれたように聞いてきた。
「なんで、おまえはそうなんだ。なにが、原因なんだ?」
なんでって、聞かれてもなぁ。
俺が俺のようである理由?
「子供の頃からの育ち方と日本の歴史のせいだよ」
「育ち方・・・と歴史・・・か?」
「そうだよ」
「どんな育ち方をした?」
「自然に育った」
「自然の中で育ったということか?」
「俺が育ったのは田舎だったから、自然が多かった。でも、それより、自分は動物の1種 だから、自分が自然に育ったということだ」
マイケルは、驚いたように
「おまえは、動物か?」と言った。
違うよ。
あっ、違わないか。人間も動物の1種、大脳が異常にでかいだけの哺乳類だよ。
と、言いたかったんだけど、どういったらいいの?えーい、めんどくさい。
「ああ、動物だよ。頭の中がすごくでかい動物だよ」
マイケルは、俺の頭を見ながら、うーんとうなっている。
「では、歴史のせいとはなんだ?歴史って、まさか、あのカミカゼのことか」
アメリカ人が“カミカゼ”というのは、特攻隊のことをさしている。
太平洋戦争中、ちいさな飛行機に片道だけの燃料を積んで、アメリカの艦船につっこんだ、あの特攻隊である。
アメリカ人には、俺が、特攻隊のように見えるってこと?
「うーん、違うと思うけど」
「いいや、違わない。おまえは、カミカゼだ」
でたよ。ひとの話もよく聞かないで、ごりおしのアメリカ人。
こうなると、アメリカ人は強気でたたみかけてくる。
「おまえは、“インディペンデンスディ”という映画を見たろう。それで、“カミカゼ”を思 い出したな」
ばかやろう。
そう思ってるのは、おまえだろう。
日本人は、なんでもアメリカの影響を受けると思ってやがる。
“インディペンデンスディ”とは、地球に小惑星がつっこんでくるのを、アメリカの石油発掘チームがスペースシャトルでつっこみ、地球の危機を救うというストーリーのアメリカ映画だったと記憶している。
「“インディペンデンスディ”は見てない。テレビで予告編は見たことがあるから、内容は わかってるけど。“カミカゼ”は、50年以上前の日本だけのものだ」
マイケルは、これは、勝ちにいけそうだという目つきで言ってきた。
「では、あの映画の内容はどう思う?」
「俺たちには、英雄が必要だと思う。だけど・・・」
「だけど・・・なんだ?」
「だけど、俺たちは、英雄に死んで欲しくない」
俺を、にらみつけていたマイケルが、目をふせた。
「俺もそう思う」
マイケルは下を向いたままだ。
俺は耳の穴が痒かったので、ゴソゴソかいていた。
おもむろに、マイケルは顔をあげて、かすれた声で言った。
「おまえのニックネームが変わった。“ゴッズエンジェル”だ」
“神の天使”か。変わりすぎだよ。
「いいよ。デビルモンスターで。俺は、そのニックネームが好きだから」
「おまえがいいって言うなら、それでいいよ」
一戦終わったかなという感じで、ここちよい余韻にひたろうかな・・・と思ったら、マイケルはまだ続けるつもりだ。
「では、おまえを作った日本の歴史とはなんなんだ?」
ふぇーん。
いつになったら、英会話の授業が始まるんだ。
授業料はもう払ってるのに。
簡単な英単語しか使わないけど、英語で会話をしているから、これもレッスンのうち?
「それは、任侠と判官びいきだ」
「NINKYOU・・・HOUGANBIIKI・・・」
復唱している。
「任侠とはなんだ?教えてくれ」
教えてくれ・・・か。
態度が変わってきてるな。さては、日本に来て、“太陽にほえろ”の“おとしの山さん”に学んだか?んっ?少し古いか。まっいいか。
「任侠と書かれた文字は、いまは、ヤクザのオフィスにしかない・・・」
「おまえは、ヤクザか?」
「違うよ!俺が話してるときは、最後まで聞け!」
「わかった」
「任侠とは、もともとサムライの考え方だったと思う。弱いものを助け、強いものと戦う」
「弱いものを助け、強いものと戦う・・・か?」
復唱している。ちゃんと覚えられるかな?アメリカ人の生徒君。
「覚えたか?」
「覚えた。おまえは、サムライか?」
「違うよ!!」
「ごめん。・・・なんで怒ってるんだ?」
「・・・わかんない」
「では、判官・・・を教えてくれ」
「判官びいきか。判官びいきは、すこしむずかしい」
「ホウガンビイキ・・・」
「むずかしいのは読み方じゃない!内容だ」
「OK、その内容を教えてくれ」
こいつは、マジボケなのか、人をオチョクッテルのかわからないな。
けど、顔は真剣そうだから、話はしてみるか。
「昔、義経というサムライがいた。義経は強かった。義経には、兄がいた。彼らは“源氏”というチームだった。彼らよりもっと強い力をもっていたのは、“平家”というチームだった。平家は平家チーム以外は人間ではないと言っていた」
「人間じゃないって?」
“平家にあらずば人にあらず”というのを伝えたのだが、よく反応したな。
「義経は平家と戦った。兄のために。兄は、日本製の城の中にいた。義経は、外で戦った。関東の騎馬軍団をひきつれて、よく戦った。そして、平家を、全滅に追い込んだ」
「それを、判官びいきというのか?」
「違う」
「違う?」
「その後、義経は兄に殺されそうになる」
「なぜだ?兄が弟を殺そうとするって?」
よく、疑問をもったな。
「義経は、強いし、民衆から人気があった。兄は、義経が恐くなった。だから、義経を消 そうとした」
「なんてこった。信じられない」
「おまえも、そう思うか」
「もちろんだ。おかしいじゃないか」
「民衆もそう思った。民衆は義経に味方した。それが、判官びいきだ。」
「・・・なるほど、わかった。それで、おまえが、義経か?」
「違うよ!」
「違う?」
こいつは、頭が悪いのか。それとも、俺が、わからなくなってるのか。
「義経は、フランスのジャンヌダルクに似てると思う」
「ジャンヌダルクって、あのフランス革命のか?」
「そうだ、ジャンヌダルクは、民衆のために戦った。その後、どうなった?」
「彼女は殺された、力の強い奴らに」
「そう。ジャンヌダルクは革命。義経はクーデター。だけど、ジャンヌダルクは民衆のために、義経は兄のために、戦った。同じなのは、ハートで人のために戦ったというところだ」
「・・・なるほど、わかった。おまえは、ハートで人のために戦ったということか?」
「・・・そうだ」
「そうか。わかったぞ。そうだったんだ」
マイケルは、激しく喜んでいる。
ガッツポーズまでしている。
なんで?
あっ、レッスン終了の時間だ。
なんだか、今日は、妙に疲れた。対照的に、マイケルはいきいきとしているようだ。
「このあと、まだ、レッスンがあるのか?」
「ない。今日は疲れたから、帰って寝る」
「OK。おまえは、帰ってゆっくり休め。あとは、俺にまかせろ」
なにをまかせるんだよ?
だいたい、ひとがぐったり疲れてるのに、なんで、おまえだけ、はしゃいでるんだよ。
まあ、気持ちいい疲れだからいいけど。
なぜなのか、その日は、帰りの電車のゴトンゴトンという音が、心地よかった。
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