on the Earth

on the Earth

2009.07.05
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右の本を出されておられる佐々木敏江氏の、
書き下ろしの秀作を見つけちゃいました。
とても素敵なお話なので、読んでみて下さい。
タイトルは最後に。






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ある時、神様は考えました。

 「この星を作ってずいぶんたつ。
  より良い星にするために、ここに住まうものたちにアンケートをとってみよう」

そこで、

 「地球で一番いらない生き物、いたら "害" になると思うもの」

というアンケートを実施しました。


 「うーん、やっぱりゴキブリかな」

 「なんて言ったって蚊だよ蚊」

 「ひとつじゃないといけないの?いらない生き物なんていっぱいいるんだけどな」

人間たちは、大喜びで自由な意見を書きました。

数日後の昼下がり。

 「みんな、アンケートに協力ありがとう」

天上から神様の声が響きました。

 「アンケートの結果、一番いらない生き物は人間と決まった。
  よって人間にはこの星から出て行ってもらう」

驚いた人間たちは大騒ぎを始めました。

 「何だって!ふざけるな!人間がいらないなんて言いだした奴は誰だ!」

 「地球に住むほとんどの生き物たちだ。私はすべての生き物に平等に意見を聞いたのだ」

神様はこたえました。

 「そんなバカな!人間以外の生き物にそんな頭があるもんか!」

 「だいたい生意気だわ!他の生き物が私たち人間を邪魔にするなんて!」

「人間は!」神様は人間の言葉をさえぎって続けました。

 「排気ガスやゴミで地球を汚す。他の生き物たちを虐待する!
  身勝手で汚らわしい生き物だ・・・これがほとんどの生き物の一致した意見だ。
  さあ、もう聞く耳持たぬ。おとなしくこの星から出て行きなさい」



数日後。人間たちは一人残らず神様の用意した宇宙船に乗せられました。

どんなに抵抗しても神様にはかないません。

遠く地球を去っていく宇宙船を見上げて、動物達は大声ではやしたてました。

 「いい気味だ!」「罰があたったんだぞ!」

鹿の子がポツリと言いました。

 「同じ地球に生まれたのに追い出さなくちゃダメだなんて悲しいね」

象が答えました。

 「しょうがないよ・・・」



人間たちの長い旅が始まりました。何年も何百年も。地球を出る時、神様は約束しました。

 「これから先、お前たちは何百年も死ぬことはない。
  いつかこの宇宙船が戻って来た時に
  お前たちがいなくなったこの星がどうなったか見てみなさい」


その言葉通り、人間は食べなくても死なず、暑くも寒くもなくただ宇宙をさまよい続けました・・・。
船が再び地球を通る日まで。



「・・・これが地球!」何百年もたってなつかしい故郷の星を宇宙船の窓から見た人間

たちは驚きの声を上げました。

豊かな緑が茂り、澄んだ川が流れる美しい星・・・!

動物達がゆったりと幸せそうに過ごしています。どこでも自由に暮らすことができるのです。

 「お前たちがこの星にどんなに害をなす生き物か分かっただろう?」

神様の言葉に人間たちは何も言うことができませんでした・・・。

こんなにキレイな故郷なのに自分たちは永久に帰れないのです・・・。



 「さてここで・・・」

神様が懐から手紙を取りだしました。

 「地球の生き物たちがお前たちにあてた手紙を読み上げる・・・」

神様の澄んだ声が響きました。

 「戻っておいで人間たち・・・」

みんなはハッと顔を上げました。

 「もう一度戻っておいで、同じ地球の仲間たち。今度こそ仲良く暮らそうよ」

やっぱり誰も何も言いません。神様は静かに言いました。

 「お前たちが再び地球を排気ガスやゴミで汚すかもしれない、また自分たちをいじめるかもしれない・・。
  だが、彼らはお前たち人間を信じてくれたのだよ」

人間たちの目からハラハラと大粒の涙がこぼれました。

神様は優しく言いました。

 「さあ誓いなさい。今度こそ馬鹿なマネはやめて地球の生き物たちの本当の仲間になると。
  誓えるならこの船をおりるがいい。おりて地球の仲間たちに『ただいま』を言いなさい。」

了          


タイトル:地球でいちばんいらない生き物


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さて、いかがでしたでしょうか?
佐々木先生のご了解を得て、こちらに掲載させて頂きました。
不要ペット犬猫捨て猫捨て犬狩猟猪熊猿殺処分田畑を荒らす害獣





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Last updated  2009.07.07 13:56:56
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