samiadoさん、TB&コメントありがとうございます。

ひっさびさにじんわりきた作品でした。
ユーゴについても、うっすら覚えてるだけで、実は全然知らなかったってことを思い知らされましたし。
う~ん、世界史選択してたはずなのに、あの頃の自分は何をやってたんだか。そういや、漫画しか読んでなかったかも(爆)
(2006年06月28日 07時26分38秒)

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2006年06月27日
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カテゴリ: 読書感想
ユーゴスラヴィアの紛争、毎日流れる凄惨なニュースから目を背けてばかりでした。
見たくない。知りたくない。ただただ、そんな気持ちで。
ゲームの画面のようだと割り切るには、何かを捨てきれなかった。でも、直視する勇気はなかった。
ただただ、目を瞑って耳をふさぐだけ。

そんな十数年前の自分を思い出しました。

さよなら妖精
「哲学的意味がありますか?」


主人公、守屋が出会った、ユーゴスラヴィアからきた少女、マーヤ。彼女が帰国した後、始まる謎解き。出会いと祈りの物語です。

冒頭語られる謎がはっきりせず、ひたすら紅白饅頭や、傘や、名前の由来やそういった些細な日常の謎しか出てこないので、正直これってミステリか?と思わないでもなかったんですが、成る程、そう来るか!
最後、ものすごい勢いで主人公がマーヤについて推理するくだりはぞくぞく来ました。惜しむらくは、このゾクゾク感をもっと早いうちに出してくれたら良かったかなあ。日常の謎話ばかりなので、途中で他の本に浮気しそうになったよ。
でも、終盤はページをめくる手が止まりませんでした。米澤氏の代表作と言うだけありますね。まさしく清新なミステリ。

登場人物の設定にはそれなりの必然があるってことですね。ああゆう じじむさい 達観した人物設定だからこそ、終盤の謎解きに胸震えたのかもしれません。
(とはいえ、あんな物知りな高校生って実在するのか?という疑問はどうしても頭から離れない…。で、あんなに雑駁な知識があるくせにユーゴスラヴィアに限ってはろくに知らないってのも、どうなんでしょねえ。)


少年と少女が出会うことで、今まで非日常だった世界が日常へと変化する。
どんな結末が待っていようとも、出会わなければ良かったのに、とは思わない。


最期に語られる手紙ですが、冒頭の2行ばかり何度も読み返しました。そこから先にはどうしても進めない。そこに何が書かれてあるのか、予想がつくだけに怖くて怖くて、結末を知りたくなくて・・・・・・
確かに、深く忘れがたい余韻を残す、そんな作品でした。


ところで、ライトノベルではお馴染みの「セカイ系」という言葉があります。

キミとボクの閉ざされた世界。彼らの物語は、世界の命運に直結する。主人公達の意思が世界の運命や未来を決定していく。セカイ系で描かれるのはそんな世界。

ライトノベルの「ボーイ・ミーツ・ガール」と言うと、真っ先に「セカイ系」を思い浮かべてしまうんですが、米澤さんのこの作品はセカイ系に対するアンチテーゼという印象を持ちました。主人公達がどれだけ悩み傷ついたとしても、世界の行方を左右することはできません。あまりにも無力です。

そんな無力さを正面から描いて、そして、その後は、読者一人一人の手に委ねられたんでしょう。


ちなみに、セカイ系のボーイミーツガールがダメだという気は全くありません。
だって、 「イリヤの空、UFOの夏」 で笑って泣いて、 「ほしのこえ」 に感動したのは、確かだから。


さて、世間の注目はワールドカップ。惜しくも日本は予選突破できませんでしたが、今回、セルビア・モンテネグロの代表が出場してます。

セルビア・モンテネグロの試合結果を聞きつつ、もう、これが彼らにとって、「セルビア・モンテネグロ」としての最初で最後のワールドカップかあ、としみじみしてしまいました。残念ながら日本同様予選落ちしてしまいましたが、4年後、新たな国の新たな代表として、ワールドカップで試合を見られる日を楽しみにしようと思います。
たとえユーゴスラヴィアが、セルビア・モンテネグロがなくなったとしても、選手達の活躍はワールドカップの歴史の中に残る。歴史はどんな形でも、残っていくと信じたい。

「さよなら妖精」を読んだせいか、ワールドカップの報道をみながら、こんなことをつらつらと考えてしまいました。



いい加減、私は米澤穂信はライトノベル作家という思いこみを改めねばいけない。



感想を読ませていただいた素敵サイトさまはこちらです。
booklines.net 今日何読んだ?どうだった?? ナナメモ 本のある生活
本を読んだら・・・by ゆうき 未定の予定~ラビ的非日常生活~ まみむメモ
ミステリの部屋 サニーデイ [本ナビ]ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
まあぼの交差点 ホンノシアワセ





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最終更新日  2006年06月27日 21時38分14秒
コメント(17) | コメントを書く


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TBありがとうございます  
june さん
かずはさん、こんばんわ。
私もユーゴ紛争のニュースの凄惨さは未だに覚えています。ついこの間サラエボで冬季五輪をやったのに、何でこうなったの??と衝撃を受けました。
そして私も今回のワールドカップで、かずはさんと同じことを考えました。
あ、なんだか「さよなら妖精」から離れてしまいましたが、こういうニュースをみると、この本とマーヤの辿った道を思い出します。こういう形でこの本は私の中で残っていくのかなぁと思います。 (2006年06月27日 22時56分06秒)

Re:「さよなら妖精」米澤穂信(06/27)  
samiado  さん
こんばんは!

私は主人公よりずっと無知なので、はらはらして読むだけでした。
世界のことまで考えさせてくれた素敵な作品でした。

こちらからもTBさせていただきます♪
(2006年06月27日 23時20分34秒)

Re:「さよなら妖精」米澤穂信(06/27)  
みっつ君  さん
TBありがとうございます♪

今回のW杯にもクロアチアとセルビア・モンテネグロが参加していましたが、最初は日本と対戦するからという理由だけでもクロアチアという国やユーゴという地域に対する理解を深めて欲しいですよね。
そういう意味で、この作品は少し前の紛争事情を勉強できる社会派的なテーマを含んでいて入門書としても最適な気がします。
最早、ライトノベル作家やミステリ作家という枠組みでは括れない作家さんなのかも知れないですね~。 (2006年06月28日 00時03分42秒)

Re:「さよなら妖精」米澤穂信(06/27)  
@かぼちゃ  さん
米澤さんのことはこの小説で知ったのですが、みなさんの評判はいいみたいですね。
ミステリとしてはどうかな?と思わないでもないですが、最後まで読んでみて、心に残るものがありましたね~。

こちらからもTBさせていただきます! (2006年06月28日 01時18分21秒)

Re:TBありがとうございます(06/27)  
juneさん、コメントありがとうございました♪
やっぱり、この本を読んでたら、ワールドカップに思いをはせずにはいられないですよね。

>こういうニュースをみると、この本とマーヤの辿った道を思い出します。こういう形でこの本は私の中で残っていくのかなぁと思います。

そうそれ!それが私の言いたかったことでして。代弁していただいてありがとうございます(笑)
今のところ、米澤さんの作品の中では一番、心にのこるんじゃないかと思いました。
(2006年06月28日 07時24分28秒)

Re[1]:「さよなら妖精」米澤穂信(06/27)  

Re[1]:「さよなら妖精」米澤穂信(06/27)  
みっつ君さん、こんにちは♪

華やかなW杯の陰には、各国のいろんな事情も潜んでる。ついつい忘れがちになりますよね。
確かに、入門書としてはちょうどいいかも。
入門書にしては、ちょっとテーマが重いかもしれませんが(笑)←別に笑い事じゃないですね、すみませんm(_ _)m
>最早、ライトノベル作家やミステリ作家という枠組みでは括れない作家さんなのかも知れないですね~。
この本読んで、すごくそう思いました。伊坂さんがもうミステリ作家とはいいにくいのと同じように、米沢さんも、もうライトノベル作家なんて言いにくい気がしますね。
(2006年06月28日 07時31分14秒)

Re[1]:「さよなら妖精」米澤穂信(06/27)  
@かぼちゃさん、コメントありがとうございます。
>米澤さんのことはこの小説で知ったのですが、みなさんの評判はいいみたいですね。
そうですね。それと同時にこんな物知りな主人公はいるのか?って感想もあちこちでみかけますが(笑)
>ミステリとしてはどうかな?と思わないでもないですが、最後まで読んでみて、心に残るものがありましたね~。
この作品以外にも、ミステリ・フロンティアってミステリとして微妙なのが多い気がします。
ハッΣ(゚ロ゚〃)、そうか、その辺がミステリの「フロンティア」なのか!

………って解釈でいいんでしょうか?(笑)
(2006年06月28日 07時33分29秒)

こんにチワワ^^  
しぅ さん
あちらにもコメントいただきましてありがとうございます☆
返信は短めでしたが、どうかご勘弁を^^;;

それにしてもこの本は読後感が良かったです。
やはり手紙は涙腺にとって卑怯です(つД`)

守屋が色々知ってるのは…あとがきでも断ってるので
「あり」としましょうw
ここは展開優先でw
お時間があればhttp://saodake.at.webry.info/200504/article_9.htmlも読んでみると
テーマの理解に役立つ…かも?

昨今、本格ミステリ以外でミステリと謳うジャンルは
富士ミスに見られるような傾向があるような。
ミステリがただのアクセントとなっている、というか。
まァ富士ミスは…もうよく判りませんが…^^;;
(2006年06月28日 12時05分48秒)

Re:こんにチワワ^^(06/27)  
しぅさん、こんにちは♪
>やはり手紙は涙腺にとって卑怯です(つД`)
ホント!そう思います!年取ると涙腺がゆるくなってダメですよう……
>守屋が色々知ってるのは…あとがきでも断ってるので「あり」としましょうw
ええっ?あとがきがあるんですか?それって単行本ですか?文庫には解説しかないんですけど、これは立ち読みに行かねば!

ご紹介いただいた、サイト様、さっそく見に行きました。成る程!
素敵なサイト、教えていただいてありがとうございました♪ (2006年06月28日 22時33分44秒)

TBありがとうございました  
なな さん
確かに知識豊富な高校生でしたね。後半部分は目が話せませんでした。
ユーゴスラビア、6つの国になったんですか…この本を読んだ時、「無知は恥」って思ってたはずなのに、また知らない事が一つ増えていました。 (2006年06月29日 00時22分40秒)

Re[1]:こんにチワワ^^(06/27)  
しぅ さん
なんとっ
文庫版にはあとがきが無いのですかー( ゚Д゚)
単行本にはあとがきありますですよー。
解説だけなら買ってなくてよかった^^;;
(2006年06月29日 01時13分42秒)

Re:TBありがとうございました(06/27)  
ななさん、こんにちは♪
ワールドカップはこの本を読んだせいか、しみじみしちゃいました。
今までのほほんとしか見てなかったんですけどねえ。
米澤さんの代表作っていうのも頷ける、いいお話でした\(o⌒∇⌒o)/


(2006年06月29日 07時49分13秒)

Re[2]:こんにチワワ^^(06/27)  
しぅさん、やっぱり?やっぱりそうですか?
くっそう、是非とも単行本、立ち読みに行きます!
あとがきもちゃんと文庫に入れといてよ~(泣)
(2006年06月29日 07時50分25秒)

Re:「さよなら妖精」米澤穂信(06/27)  
BCNR33-6604  さん
こんにちわ。
米澤作品では「氷菓」とともに好きな作品です。
なにしろマーヤという時点で、坂本真綾ファンとしては
正常な判断が下せません。
(本編とはまったく関係ありませんが・・・)
文庫化されたようですので、取り回しのいい文庫でもう一度読んでみようかな、などと思っておりますよ。 (2006年07月02日 16時08分40秒)

Re[1]:「さよなら妖精」米澤穂信(06/27)  
BCNR33-6604さん、こんにちは♪
ホント、いい作品でしたね~。私的には米澤作品の中では一番かも。
文庫化を待ちに待ってたんですが、これなら単行本買っても公開しなかったかもって思いました\(o⌒∇⌒o)/
(文庫にはあとがき入ってないしね。ちぇーっ)
(2006年07月03日 07時49分22秒)

こんばんわ。  
苗坊 さん
こんばんわ。TBさせていただきました。
今更ながら読みました。
切ない話でしたね。
でも、この作品を読んで良かったと思いました。
世界情勢について、何だか勉強したくなりましたし・・・。
ユーゴ紛争について、無知でしたので。
読了後にずしっとくる作品ですよね。 (2008年05月26日 21時02分36秒)

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