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2007年02月09日
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カテゴリ: 読書感想
B級映画的な筋立てなのに、読み終わった後に迫ってくるこの思いを何と表現すればいいものか。




だが、そこにはある秘密があった。
村を統べるマカトオバァ、チヨオバァ、樹王ら三人の老人とその三人の孫たち(雄太、博志、美奈)は、村の開発を企む謎の美女や、怪しげなアメリカ人と対決する。
戦争の記憶を、奔放なストーリーに乗せて希望に満ちた未来へと託す、マジックリアリズムの傑作。




-ここが俺の村、俺はここで生まれたんだ-


やっぱり池上永一作品は面白いです。途中で止まらず一気読みしてしまいました。
私の睡眠時間を返せ!


戦争を知らない世代だけれど、同じように知らない世代の雄太や博志や美奈や泰典や麗華達が前向きに生きていこうとする姿が愛しいです。
扱っているのは暗いテーマなはずなのに、登場人物が無駄に元気よすぎて、暗さを感じません。
沖縄が舞台なだけに、池上作品には欠かすことの出来ないオバァもちゃんと出てきます。遠目で眺めてる分にはいいけど身近には絶対いてほしくない、勘弁してください的な破天荒っぷりは「ぼくのキャノン」でも、ちゃんと健在でした。

そして、B級さをかもし出す最たるものは、お色気で男を惑わす寿隊に仕置き人的性格を持つ秘密結社の男衆です。戦隊ものを思い出さずにはいられないノリの良さが楽しすぎ。
あ、寿隊に限っては、戦隊もののほかに マジンガーZ に出てくるアフロダイA、もしくは グレートマジンガー
池永さんと世代が近いせいか、この辺、こども心にワクワクした要素を全部詰め込んでくれてありがとう、と声を大にして言いたいです♪

そして、帝国陸軍の961式15センチカノン砲を「キャノン様」と呼ぶ村人達の信仰の純粋さに胸を打たれました。
カノン砲が何故キャノン様になったのか。一人の男の真摯な思いが、一つの共同体をここまで強固にするものなのか。
こどものころの純粋さ、ひたむきさを無くすことなく年を重ねていったマカトオバァ、チヨオバァ、樹王の生き様に圧倒されるばかりでした。

そして、彼らの思いは新たな世代へと受け継がれていく。

自分も、何かに対してそこまで熱い思いを持つことができるだろうか。登場人物たちのひたむきさが、ただただ羨ましい、そんな小説でした。

あいかわらず、行間からほとばしるエネルギーと奔放な想像力には脱帽です。脱いだ帽子を思わず食べちゃうくらい。
確かに、ストーリーの流れにはいろいろ無理やり感はありました。それは否定しません。最後の博志のエピソードなんか、かなり力技です。

でも、それが何?
そんなこと気にならなくなるくらい読後感は心地よかった。力技な博志のエピソードに気持ちよく泣くことができました。

今まで読んだ池上作品はどれも怒涛の勢いでハッピーエンドへと突き進みます。道具立ての一つ一つはバカバカしいものだらけなのに、なんでこうも感動するかな。


ちょうど文庫にもなったことだし、少しでも興味をもたれたなら、是非読んでみてください。
何度も読み返したくなる、そんな小説です。

感想を読ませていただいた素敵サイト様
本を読みながら日記をつけるBlog juice78



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最終更新日  2007年02月09日 21時33分37秒
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