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2007年03月10日
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カテゴリ: 読書感想
ミステリではありますが、ハードボイルド要素がかなり加味された1冊でした。





三つの魂が絡み合う哀切のハード・サスペンス。



文庫本の帯のコピー 「かつてこれどほ切ない犯罪小説があっただろうか。」

……それは、普通にあるんじゃないの?と身も蓋もないことを思ってしまいました(笑)
とりあえず、思いつくのは 「青の炎」 とか。



連作短編です。作品を追うごとに、兄と弟の関係もすこしずつ揺らいできます。
短編ごとのミステリ部分も楽しいですが、修一と啓二のイレギュラーな状態でい続けることの不自然さが、読み進むうちに大きくなり、この2人は最後にどこにたどり着くんだろうという興味で一気読みしてしまいました。

出てくる犯罪者たち(この場合は職業がということではなく、その人の本質がということで警察官も含みます)も、それぞれの特技やら性格やらが特徴的で興味深い。
泥棒刑事は「ドロケイ」っていうのはともかく、忍び込みを指す「ノビ」に始まってハコ師やら波引きやらバンカハズシやらっていう知らない隠語が山のように出てくるのも楽しかったです。



一つは、兄の修一が法曹界を目指していたって割には、その設定がたいして生かされてなかったこと。折角の設定が勿体無いように感じました。

で、それ以上に気になったのが、ハードボイルドは好きでそこそこ読むんですが、なんでこうも都合のいい女性しか出てこないんでしょう?
ヒロインの久子は、修一をただ待つだけ。修一のとる行動に応じて動くだけ。
修一が犯罪を重ねるが故にその身にもたらされる理不尽な仕打ちに、少しは抵抗してみせたっていいのに、なされるがまま。
修一が戻ろうと思えば、いつでもその先に待ち構えている。
修一には、いつでも帰れる場所がある。

う~ん………男性側にしてみれば願ったり叶ったりな女性なんでしょうが、こうも受身でしかない女性ってのは好きになれない。

よっぽど 友人の玲子の方が人間味溢れてて好感がもてます。とはいえ、行動原理が恋愛至上主義なのはやっぱり気に食わないけれど。
全部がそうだとは言わないものの、ハードボイルド小説に出てくる女性ってのはどうしてこうも恋愛至上主義者ばかりなのか。世の中、他にも大事なことはあるんじゃないか?と野暮なことを言いたくなります。
作家さんの理想が女性の登場人物に投影されてるのかもしれませんが、某漫画家さん(男性)の言葉を借りるなら、「女なんてねェ みんな こえだめから生まれてきてんのよ 銀蠅の飛び交う中闘ってんのよ」。
これ、ものすごく至言だと思います。そんな心意気を持った女性が出てくると、ハードボイルド小説ももっと面白くなるのに。


これで女性がもっと魅力的だと言うことなしなんですが、その辺がちょっと残念でした。

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最終更新日  2007年03月10日 09時51分30秒
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