PR

カレンダー

プロフィール

むらきかずは

むらきかずは

コメント新着

王島将春@ 本当に価値のある事のために (つづき) 極論を言えば、あなたがそのま…
王島将春@ 才女の有本さん 今から記事とは関係のない事を書かせて頂…
王島将春@ 聖書預言 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
通りすがり@ Re[1]:ブログ移転のお知らせ(04/21) akiさんへ ネトウヨ自称茶請けのカマシ発…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2007年09月01日
XML
カテゴリ: 読書感想
小説としての 「模倣犯」 は完結していますが、関わった人達にとっては、そんな簡単に終わるものであるはずもなく。
「楽園」は過去の事件に囚われた前畑滋子の、「模倣犯」との決別の物語なのか。



「模倣犯」9年――

前畑滋子 再び事件の渦中に!

自宅の床下で16年間眠り続けた少女の死体。
その死体を"透視"した少年の交通事故死。
親と子をめぐる謎に満ちた物語が幕を開ける――




あたしは知りたい。謎を解きたい。そんな資格なんかない。
権利もない。同じようなことをして、手痛い失敗をした過去もある。

なのに、あたしはまだ懲りてない。




ううむ、長い(笑)
「模倣犯」と違って2段組なわけでもないのに長い。

と感じたのは、上巻がまるまる、敏子さんの過去と等くんの能力について、コツコツ、コツコツと積み上げてるからなんでしょう。

「渡ってしまった。ルビコン河だ。」

というわけで、1冊まるまる使ってようやく渡れるルビコン河。
「ブレイブ・ストーリー」 も、冒険が始まるまでやたらと長かったですが、「楽園」も本題に入る前が長いです。
なかなかなかなか、前畑さんは 賽を投げて くれません。

ただ、冗長とも言えるほど、小さなことからコツコツと積み上げていくのが、宮部さんの真骨頂とも言えるわけで。
積み上げたものが、最後にどう崩れ、どう落ちていくのか。
ラストに待ち構えてるに違いない、どこまでもまっさらな地平に想いを馳せる。
じりじりじりじりしながら、ラストに爆発するものを思う。
宮部作品の楽しみ方は、きっと、そんなところにある。

ところで、宮部作品と言えば、少年と老人。
それが、この「楽園」では両方とも出てきませんでした。
少年は出てきます。でも、それは、生きている姿ではなく回想の中でのみ。
その代わり、物語の重要なファクターとして出てくるのは、初期の宮部作品の特徴とも言える「超能力」。
まさか、「模倣犯」に繋がる世界に、「超能力」の出張ってくる余地があったとは思いもよらず、かなり驚きました。

誰もが心の奥底に持つかもしれない圧倒的な心の闇、それを掘り下げていく物語に、「超能力」っていう、誰もが持つとは限らない超常現象を被せる必要はあったのかな?
「超能力」は「超能力」で、別の作品で掘り下げた方が良かったんじゃないかな?


上巻を読んで思ったのはそんなこと。
勢いで読み終えた下巻感想は別記事で。→ 「楽園 下」感想

なんにせよ、ページを捲る手が止まらないせいで、睡眠時間は削られ、お肌は荒れ放題。
宮部作品は 女性の天敵 ってことは間違いないんじゃないかと(笑)


【蛇足】

等君の持つ超能力ですが、ネタバレにつき反転→ 京極堂シリーズに出てくる躁病探偵、榎木津さん を思い出していけません。
大人になって、 榎木津さん みたく、友人達に囲まれて、天上天下唯我独尊に楽しく過ごして欲しかった……と無いものねだりなことを思わずにいられない。
大人なら死んでもかまわない、なんてことは思わないけれど、小さな子が死ぬのはかなり辛いものがありました。

ところで、「模倣犯」の犯人は拘禁反応が出てるそうですが、拘禁反応と言えば、真っ先に連想するのが朝青龍。
我ながら、なんだかなぁ(笑)




にほんブログ村 漫画ブログへ にほんブログ村 イラストブログへ にほんブログ村 イラストブログ 漫画ファンアートへ にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年09月25日 19時06分11秒
コメント(3) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:「楽園 上」 宮部みゆき(09/01)  
かつきねえ  さん
>なんにせよ、ページを捲る手が止まらないせいで、睡眠時間は削られ、お肌は荒れ放題。
宮部作品は女性の天敵ってことは間違いないんじゃないかと(笑)

おっしゃるとおり。
二晩ほぼ徹夜しちゃいました(^^ゞ
でもおもしろかったですね~。
(2007年09月03日 12時45分36秒)

Re[1]:「楽園 上」 宮部みゆき(09/01)  
かつきねえさん、TBありがとうございました♪

>二晩ほぼ徹夜しちゃいました(^^ゞ
>でもおもしろかったですね~。

一旦読み出すと、ずるずるいっちゃうんですよね。
さすが宮部クオリティ!
で、ラストはバスの中で泣くっていう羞恥プレイをやらかすし(笑)
宮部作品は侮れません。

(2007年09月04日 07時30分16秒)

はじめまして★^^  
Twistと申します。うんうんとうなずきながら、日記を読ませていただきました。「模倣犯」との決別の話。納得です!宮部作品って長くても意味のある長さですよね。あまり続けて読む気にはなれませんが、年に何冊かずつこつこつと読むのが楽しみでもあります。また、遊びに来ます! では♪ (2008年01月31日 23時13分09秒)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: