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………14日。今日はもう24日です。10日以上経ってます。
アップするのが遅くなりまくりな自分が果てしなくダメすぎる!( ̄□ ̄;)!!
【可愛くてしゃーないんです】
長い、長い石段が上へと続く。
両脇を竹林に挟まれ、外部の音はほとんど届かない。
角がとれて丸みを帯びた、年季の入った石段を登りきると、
二人の見張りを携え、大きな木製の門が現れる。
そこを抜けると、手入れの行き届いた美しい庭園と巨大なお屋敷が視界に飛び込む。
その更に遠くから聞こえる大勢の人間の掛け声、足音、
そして竹刀と竹刀のぶつかり合うけたたましい音が、
屋敷を囲む竹林の中へと吸い込まれていく。
道場の中では、細い目をした長髪の少年が、年上に混じって大人顔負けの実力を見せている。
眼鏡をかけた者、首や耳に飾りをつけた者、年の割にガタイの良い者が
その後を追うように剣を振るっている。
集団から少し離れた所では、ひどく小柄な老人が黒髪の少女を相手に
竹刀で容赦無く攻め立てている。
目に涙を溜めながら、少女は必至にそれを剣を受け続けている。
少年はチラチラと、頻繁に少女の方に目を向ける。
少年よりもずっと幼い、いや、この道場において最若の、
まして少女が、最も厳しい訓練を受けている。
日は高く昇り、外では陽気な風が吹きぬける。
少年が休憩時間に入っても、少女はまだ剣を受けている。
既に汗だくの少年は、広い屋敷の厨房へと走った。
氷を貰い、手に持っていた手ぬぐいの中に包むと
それを抱えて出来るだけ早く戻った。
戻ったとき、少女は外の廊下に腰を下ろし、扉に背を預けて俯いていた。
体から吹き出た汗が、木目に染みを作っている。
袴からのぞく細い腕は何箇所も赤く腫れ上がり、
いくつかは気持ちの悪い紫色になっている。
「若」
少年は持っていた手ぬぐいを差し出した。
少女は生気の抜けてしまったような顔を向け、
ぽつりと、聞き取れないようなか細い声で、礼を言った。
冷えた手ぬぐいを腕に当てると、少女はほんの少し、落ち着いたようだった。
「水でもお持ちしましょうか?」
少年が尋ねると、少女は左右に首を振った。
もう飲んだ、ということらしい。
しかし、少女から流れる汗の勢いは衰えない。顔色も悪い。
少年は少女の指導をしていた老人の所へ行き、少しして老人と共に戻った。
老人は少女の顔をのぞき込み、暫くの間眺めた後、
少年の方を向いて一度だけ頷き、道場の中へと戻って行った。
「もう少し日陰に行きましょう」
少年は少女の手を優しく引いて、水飲み場のすぐ隣の木陰へといざなった。
そこでじっとしていると、道場の中から再び竹刀のぶつかり合う音が聞こえてきた。
「戻らなきゃ」
少女はハッとして立ち上がり、竹刀を掴んだ。
それを少年は止め、座るように促す。
「今はお休みするようにと、敏木斎様が仰いました」
少女は一瞬動きを止め、少年の細い目を見上げた。
「しっかりと休息を取ることも、立派な侍の仕事の一つですよ」
少女はもう一度道場に目をやると、小さく溜息をついて岩の上に腰を下ろした。
少女の体からは汗も大分引いてきて、頬には微かに赤みがさし、血の気も幾分か戻ってきたようだ。
東城は安堵の息をつき、先程の手ぬぐいに包まれた氷を手渡した。
ところが、顔色は良くなっても、少女の表情は曇ったままであった。
練習を休んでいることに、罪悪感でも感じているのだろうか。
先刻から幾度も道場の方を見ては、表情を沈ませている。
「若はきっと、剣において天賦の才をお持ちなのですね」
少年は少女を元気付けようと、言葉を紡ぎ出した。
「私なんて、あっという間に追い抜かれてしまうことでしょう」
少年は少女の邪魔にならぬよう細心の注意を払いながら、次から次へと言葉を吐いた。
少女はただ黙ってそれを聞いていたが、少年の言葉が途切れた時、ふと言った。
「お前も、僕のこと男扱いするんだね」
少年は胃に鉛が落ちたような衝撃を受け、口が利けなくなった。
少女はそれきり何も言わない。少年は少女から目を離すことが出来なかった。
やっとの思い出視線をずらすと、今度は元に戻せなくなった。
うろうろと、地面を跳ねる虫や雑草ばかりが目に入ってきた。
やがて少女は腰を上げ、本邸の方へ行ってしまった。
その日、少年は夕餉を食べることが出来なかった。
頭を抱え込み、キリキリという胃の痛みと戦いながら、部屋で布団に篭っていた。
三人の少年が入れ替わり立ち代わり様子を見に来たが、布団から出ようとはしなかった。
頭の中をぐるぐると、昼間の少女との会話が回っていた。
再び襖を叩く音がしたが、少年は答えなかった。
もう一度同じように叩く音が聞こえる。
その次に聞こえたのは、小さな小さな、あの少女の声だった。
少年はがばと起き上がり、ボサボサの頭で襖を引いた。
外には自分より、二回りも三回りも小さな少女が、手を後ろに組んで立っている。
「ごめんなさい」
少年の顔を見るなり、少女は礼儀正しく頭を下げた。
「僕があんなコト言ったから、元気なくなっちゃったんだよね?」
少年の顔からは血の気が一斉に引き、あたふたと、懸命に言葉を搾り出した。
胃の痛みは激しさを増していった。
少年は無理やりに笑ってみせた。おどけてもみた。
しかし何を言っても、何をしても、少女は頭を上げてくれない。
最早何も思いつかなくなり、少年の涙腺が緩み始めてしまった時、ようやく少女はその凛々しい面を上げた。
「これ、あげる」
少女は後ろで組んでいた手から、小さな紙を少年に渡した。
小奇麗な和紙に、桃色の花が貼り付けてある。丁寧に仕上げされた栞だった。
「その押し花、僕が作ったんだ。けど父上やお爺様に見つかると怒られるから、貰ってくれる?」
少年は度肝を抜かれ、わなわなと手を震わせた。言葉が出てこなかった。
「・・・嫌だった?」
少年は千切れんばかりに首を振った。
少女はほっと息をつき、輝くような ―少なくとも少年にはそう映ったー 素晴らしい笑顔を見せた。
少女はくるりと向きを変え、廊下を歩いていった。
「わ、若!!!」
少女は動きを止め、振り返る。
「若は、女の子です。輿矩様や敏木斎様がなんと言おうとも」
少女は目を大きく見開いて、少年の方を見ている。
「私はそう思っています」
少女は暫くの間止まっていたが、遠くから名前を呼ばれ我に返った。
そしてもう一度少年に最上級の笑顔を残すと、足早に声の方へと向かった。
少年は襖を閉めた。
手の中の栞を眺め、それを大切に机の中央に飾った。
「一生ついて行きます」
少年は一人、拳を握り締めて呟いた
【完】
ぶっちゃけ、ぽっぽさんに頂いたSSとは何の関係もないんですが、「可愛くてしゃーないんです」っていうタイトルを見てたら、そういえば、すげぇかわいく色塗りしていただいた九ちゃんイラストがあったってことを思い出したわけですね!☆(≧▽≦)☆!
というわけで(どんなわけで?)小さい頃の東城さんと九ちゃん。
すげぇ かわいくないですか?
っつかね、ぽっぽさんのメールがかわいいです。
「前半の九ちゃんは脱水症状なりかけというか、
そんな感じです。
きっとそういう細かい所にも彼は気づいていただろうなぁと。
東城さんと清明さんとか、話が合いそうだなあ。」
私は、自分がリクエストを受けられないので、リクエストをしようって気があまり起きないんですが……起きないはずなんですが。
東城さんと晴明さんの会話がすげぇ読みたいです!!
銀さんと土方さんのうちのコ自慢も大好きなんですが、この二人も会話もめっさうっとうしそう……ゲフンゲフン。すげぇ楽しそうです。いいなあ、それ。それ、いい!
と、思わず晴明さんスキーのあまり語り倒したくなったりもするんですが(笑)、ぽっぽさんは「笑う話」と仰ってますが、私としては「ときめく話」が正解だと思います♪
ぽっぽさん、ありがとうございました!☆(≧▽≦)☆!
最近、折角のSSをご紹介するのが遅れててすみませんm(_ _)m
「銀魂」で誕生日SS(※要注意)を頂きまし… 2012年03月31日
【お祝い】<二> ※要注意 2012年03月31日
【お祝い】<三> ※要注意 2012年03月31日