『ママぁ、あのね。』
夕飯の時に学校での出来事を話してくれる娘。
『国語の時間にね、リナね泣きそうになってね
涙が出そうになってね、我慢したら
お鼻のここのとこがツーンッて
痛くなったんだよ。』
うんうん、ママも我慢してツーンッてなるよ、
で、どうして泣きそうになったの??
『あのね、エルフって犬のお話なんだけどね』
と、教科書を取りに行く。
『ここのね じゅういさんのとこがかなしくて…』
1年生の国語の教科書には
『ずっーと ずっと だいすきだよ』がある。
人間であれ動物であれ、
好きだと言う気持ちは言葉にして伝えなければ。
死んでしまってからは気持ちは伝えられない。
言わなくても分かるだろは自分よがり。
生きている時間。
大切な気持ちは言葉にして伝えなければ…。
リナは今、授業で命の限りを学んでいる。
『ずーっと ずっと だいすきだよ』
ハンス・ウィルヘルム/著・画
久山太市/訳

好きだと言う気持ちは
ちゃんと言葉にして伝えなければいけない。
死んでしまってからでは伝えられない。
植物であれ動物であれ人間であれ、
相手が何であっても…。
リナは獣医さんに出来ることは何もないと
エルフは歳をとったんだよと言われて
涙が出そうになって我慢したんだよと言う。
三年前、畑に羽の折れたメジロが
ピョコタンピョコタン歩くのを見つけ
野良猫だらけのその畑から保護した。
段ボール箱にタオルを敷き、
すりリンゴと半分にカットしたミカンを与えた。
ペロリと平らげたメジロはピョコタン元気に
箱の中を歩き、追加のすりリンゴをまた食べる。
翌朝メジロは固くなっていた。
野良猫に食べられる事なく、
最後にお腹いっぱいに食べて天国へ
メジロは羽ばたいて行ったのよと
リナには教え、一緒にお墓を作った。
メジロの記憶を思い出して国語の時間に
先生にメジロの記憶と似ていると話したそうだ。
命には限りがある。
死は必ず訪れる。
リナは言う。
『ママぁ、リナより先に死なないで』
うん、死なないよ、と答えた。
ママが死んだらずっーとずっとリナを空から
見守っているからねと心で呟く。
『死ぬ時はリナとママは一緒に死のうね』と言う。
ママはそうなったらいいねと答える。
リナの居ない世界は考えられない。
『地球が爆発する日は一緒にいようね』と言う。
ママは地球が爆発する日は、
リナとママのお父さんお母さんとも居たいと言った。
『リナもぉ♪おじいちゃんおばあちゃんも一緒』
地球が爆発せずとも、
いつ事故に遭うやもテロに遭うやも
病気で倒れてしまうやもしれない。
命を落とす時に悔いがないように
丁寧に大切に生きていきたい。
『ずっーと ずっと だいすきだよ』
大切な事を思い起こしてくれる絵本である。
短いこの絵本は大人でも涙が出そうになる。
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