れいんぼータウン

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復讐

十字架
この度、私の友達、淺川 湊は彼氏の跡部 景吾に復讐するといいました。
それも、殺すといいました。
ただ、自分が嫌われたってそんなことは言っちゃいけない・・・。


復讐



「ねぇねぇ、彌捺。最近、景吾が私のことシカトするんだけど・・・。」

「シカト?してる?」

「彌捺。真面目に聞いてよ。お願い。景吾に何があったか聞いてみてよ。」

「へ?」

「いいでしょ。」

「いいけど。」

そう、そういう風に私に従ってれば良いのよ。
じゃないと、私のキックを喰らうわよ。
あの、サウンドバック割ったみたいに、あなたの腹も割るわよ?

「ねぇねぇ、景。湊のことシカトしてるの?」

「あぁ。なんでだ?」

「嫌いになっちゃったの?」

「湊にこう伝えてくれ。俺は、お前のことが嫌いだと。」

「嫌。自分で言って。」

「もう、アイツと会話したくないんだ。」

「酷い。」

「お前に俺の何が分かるんだよ。もう、あっち行け。」

「じゃぁ、1つ聞く。ほかに好きな女でもできたの?」

「まぁな。」

「誰?」

「綾香?」

「あぁ。」

「嘘。すごい愚痴ってたじゃない。」

「実は、昨日告られた。で、答えはまだ言ってない。ただし、好きじゃない。ただ、気になるだけだ。」

湊になんて言ったら良いの?
正直に言うべき?
それとも、嘘を言う?
でも、嘘を言えば、後がどうなるか・・・。
聞かれるまで黙っておこう・・・。

「彌捺。答えは?」

いきなりかよ・・・。

「実は、綾香が気になるんだって・・・。
で、湊のことはもう好きじゃない。嫌いだって・・・。」

「そう。分かった。」

「大丈夫?」

「うん。でも、私、景吾に復讐する。」

「どういうことよ。」

「殺す。」

こいつなら、やりかねない・・・。
新宿で、高校生殴ったって言ってたし・・・。
それに、サウンドバックは割るし・・・。
ホントに景が死んじゃう・・・。

「止めたら?」

「何?彌夏は景吾のことが好きなわけ?」

そうきたか・・・。確かに好きだけど・・・。
これだけは言えない。

「嫌い。でも、湊。あなたのことを考えていってるの。」

「あっそう。でも、やるから。」

そう言って、アイツは、いつもかばんに入れてる、カッターとスタンガンを取り出して、ちょっと、野球部まで言ってくると言って消えた。

「景。逃げて。お願いだから。じゃないと、殺されちゃうよ・・。」

「誰にだよ。」

「湊に・・・。」

「はぁ?」

「逃げて。」

「ヤダ。」

そう言って、景も消えた。

放課後になり、湊が景に手紙を渡してた。
きっと、呼び出したのだろう・・・。
危ない・・・。
助けなきゃ・・・。

「景~。何処に居るの?」

私は叫び続けた。
そして、湊を見つけた。

「湊!景は?」

「いいもの見せてあげる。」

そういって、部屋に招かれた。
そこには、部屋の中心に吊るされた景が居た・・・。
気を失ってるらしい・・・。

「よく見てなさい。」

そう言って、湊は、野球部から借りたと見られる、金属バットを高く持ち上げ、景の頭にすごい力で振り落とした。

「いやぁぁぁぁぁ!景!止めて!」

「くっ・・・。」

景が目を覚ましたみたい・・・。
景が・・・。死んじゃう・・・。

「止めて・・・。湊・・・。景が死んじゃう・・・。」

「最初に言ったはずよ。殺すと。」

「だからって・・・。」

気づくと、いつの間にか、景は気を失っていた・・・。
そして、もう一回バットを景の頭に振り落とした。

「景!景!死んじゃいやぁぁ!」

「もう、こいつは死んでる。何言ったって無駄。」

「酷い!酷すぎる!」

「酷いのはこいつ。私を裏切った。それでも、私のことを酷いと?」

「えぇ、そうよ!当たり前よ!」

「彌捺。ホントあんたって煩い!お前も死ね!」

そう言って、私に向かって歩いてくる。
そして、バットを持ち上げ、おもいっきり振り落とした。
それから、私は息を途絶えた・・・。
私が最後に聞いた言葉は、

「景吾。あなたって血に塗れても綺麗なのね。でも、私のほうが綺麗なの。
どうしてか分かる?あなたの血に塗れてるからよ!」

そして、湊は甲高い声で笑い続けた。
そう、気が狂ったみたいに・・・。

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