MOOMIN KINGDOM 2

MOOMIN KINGDOM 2

1・5  沢下遙 

「私ね…」




1994年の私の誕生日。

8歳になる私の誕生日は家族みんなで湖に行こうということになった。

そこは以前からニュースや旅番組などでも紹介された程最高の観光スポットらしく、かなりめずらしい野鳥が見れるらしい。

そんなことより私は久しぶりに家族で遊びに行けることがうれしかった。

当日私は幼いながらも自分が一番かわいいと思う服を着て自分の中の最高の笑顔と共にドライブに出発した。

現地について外に出てみると本当に空気がおいしくて最高だった。

これが自然なんだ・・・

まだ私にはよくわからなかったが初めて体感した自然の広さにどこか違和感を覚えた。

都会から離れて周りに高層ビルが全くないこの場所。

落ち着けるのだけれどどこか不思議な感覚にさせられる場所。

私達はまず湖の周りを散歩し、家族で遊んだ。

一旦戻って昼ごはんを食べてからまた散歩に出ようということになった。

昼ごはんのときに前から欲しかったくまの人形を誕生日プレゼントとしてもらった。

そしてそして昼ごはんを食べた後、私達はまた散歩に出た。

すこし北の方へ進むと雑木林から丘へ通じる道があった。

私は丘へ上ってみたかった。

「ねぇ、お父さん。」

「なんだい?」

「この道行って来てもいい?」

「あぁ、いいよ。行っておいで。また車に戻ってくるんだよ。」

「はぁい。」

ちゃんと許可も得たし行ってみよう。

私は雑木林を進んで丘までたどり着いた。

空が・・・きれいだった。

あまりに美しかった。

天に広がる大きな大きなどこまでも続く空。

私はそこに寝転がって大空を眺めた。

「・・・・・・?」

なんだろう、あの光は・・・

思った瞬間にその光は私をつつんで・・・



「…それで気がついたらここにいたの。ここがどこか分からないしなんでここにいるのかも分からない。でも…何か変な力がついてる。予知能力っていうのかな。テレビで聞いたことがあるんだけどそんな力が私についてるきがするの。」

「そっか…遙ちゃんは1994年から来たんだよね。お母さんとお父さんは一緒じゃなかったんだよね。」

「うん。」

「だったら捜索願いが1994年に出てるかもしれない。ちょっとお兄ちゃん調べてくるね。今日はありがとう。じゃあね」

「うん。ばいばい」


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