ノミによる皮膚炎





~人間にも被害を及ぼす~


ノミが犬の血を吸うとき、その唾液が原因となってアレルギー性の皮膚炎をおこすもので、これをノミアレルギー性皮膚炎といいます。この病気を治すには、幹部の治療と同時に原因となるノミを犬の生活環境から駆除しなければなりません。

症状
犬の体表の、とくに耳の後ろや背中から腰にかけて、あるいは尾から肛門や陰部の周りの皮膚に、脱毛やプツプツとした赤い発疹がみられます。かゆみを伴うため、犬は患部を引っ掻いたりなめたりして、傷をつくります。大量のノミに寄生されるとはげしいかゆみで睡眠不足になり、それがもとで貧血になることもあります。このような症状の犬の体表に、体長が2ミリほどのすばやく動き回る黒褐色の虫がいれば、それがノミです。黒い粉のようなノミの糞は、濡らした紙にのせると血液が乾いたあとのような褐色のしみになります。床に置くとコロコロとよく転がる0.5ミリほどの白いのみの卵も見つかります。犬小屋の敷物などに2~3ミニほどのノミの幼虫(ウジ)が動いていることもあります。

原因
ノミの唾液にはハプテンと呼ばれる物質が含まれており、これが犬の皮膚から吸収されてアレルギー反応をひきおこし、皮膚炎(発疹)となります。犬に寄生するノミにはイヌノミとネコノミがいますが、日本で寄生するほとんどがネコノミです。ノミアレルギー性皮膚炎に似た別の皮膚病もあるので、ノミがいなくなっても皮膚症状が治らないときは、獣医師の診察を受けることをお勧めします。ノミが大量に寄生しているにもかかわらず、皮膚にまったく変化がなく、かゆがらない犬もいて、ノミの寄生に対する反応は個体によって異なります。

診断
腰から背中にかけて、毛を刈ってみると、皮膚炎の状態がよく分かります。さらにノミが寄生していることを確認すれば、ノミアレルギー性皮膚炎であると診断できます。

治療方法
まず、犬の体やその生活環境からノミを駆除します。ノミは屋内の畳の間やじゅうたんなどでも繁殖し、ほかに犬や猫を飼っているとそれらにも寄生しているので、広い範囲で駆除をおこないます。駆除薬には、内服薬、ノミ取り首輪、皮膚につける滴下剤、浴剤などさまざまなものがあり、これらを組み合わせて使います。ノミによる被害を受けた皮膚には、かゆみを抑える外用薬を塗ります。また、アレルギー反応を抑える薬(抗アレルギー薬)やかゆみ止めの薬、皮膚の保護を目的としたビタミン剤などを服用させます。ノミが人間を刺すと、ひざから下にはげしいかゆみをともなう発疹(ノミアレルギー性皮膚炎)が出ます。また、ノミは犬や猫に寄生する瓜実条虫を媒介します。普段から、犬にノミを寄生させず、ノミを繁殖させないよう、犬の生活環境に気配りをすることが必要です。

予防方法
予防のために動物病院でフロントラインという皮膚につける滴下剤を購入することが出来ます。これを定期的に滴下することをおすすめします。

最後に
身の回りを清潔に保つように心がけてください。




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