2003年09月25日
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mountain2



早朝、薄暗い中を懐中電灯を使いながら、
少しの化粧をする。
といっても、日焼け止めをぬって、眉かいて、口紅くらい。
髪はうしろにひっつめて、ひとつである。

頭が少し痛いけれど、バスに乗らずにすむし
これからは歩き!と思うと、14kmとはいえ、うれしい。
気持ちははずみ、入り口では、にっこりポーズで写真。

ぽつぽつと雨が降っている。

この余裕はどこからきていたのかわからないが、
山用の雨具は購入しておらず、アノラックにスポーツパンツ、そして、ドンキで買った、ビニールのレインコートといういでたち。
みんなは上下の山用雨具。
リュックは父が使いふるしたもの借用してきたので、
雨がしみないように、内側にごみぶくろ、外側にも、
ゴミ袋をつけた。  
今思うとおそろしい外見である。
ゴミ袋にビニールのレインコート・・・
(できあがった写真も相当笑えました^^)

歩きはじめると、やはり終日ちんまりとバスに寝ていたせいか
体を動かせることが気持ちいい。

みんなの真ん中ぐらいを歩く。早くもなく、遅くもない。
いいペースだったと思う。

思ったよりも体が疲れないので、
”さては、サルサで持久力がついたな・”と思い、
そういえば、ここ3ヶ月ぐらい、ジムがよいをしていたのも

やっぱり、すべては流れだったんだ!と
知らないうちに、このたびへの準備をしていたような気がして、
運命すら感じている。
・・が、サルサの持久力やジムがきいていたとしても、
それならマックス3時間。
これも、自分ではなんとなくわかっていた。

道のりには、テントともいえない、ぼろぼろのきれを
はった、茶屋があり、そこでお茶をする。
あっけなくついたなぁと、体はご機嫌で、
後ろの人たちを待っている。
頭も少し痛いけど、その地点で10kmは歩いていたので、
もうあと1/3ほどだ。 
いけそう!!!

皆がそろい、たっぷり休憩をしたあとで、また出発する。
歩く。。 休んだせいか少しだるい。
そして、どうしたわけか、体が急にハイテンションになり、
足がぱたぱたと前へ進む。
早くつきたいとあせったのか、自分でも明らかに
ハイピッチなのである。
が、頭も働かず、もう、足がとまらない。
体は、どんどん疲れてくる。
じぶんでわかる。
コントロールできていない。
でも、勝手に足が前へ前へと、他人の足みたいに出てしまう。

また2kmぐらいのところで、茶屋があり、
せめてそこまでいかなくては、、、と進む。
つくなり、こしかけると、心臓の音が早い。
後から来た人々に、”先にいってください。”と伝え、
休むが、なかなかたてない。

そこへ、添乗員が馬にのって、”いかがですか?”という。
このお馬は・・・・・
みんなの中で、なんとか、できるなら乗らずに
自分の足で・という気持ちがある。
私もとりあえず、断って、またすすむ。

もう、ヨロヨロである。
添乗員は馬にのって、ゆっくり後をついてくる。
ヨロヨロ、、、ヨロヨロ、、、
もう誰も見えない。
でも、乗りたくないから、ゆっくりでも、行こうと思う。
まだ日は高い。

と、しばらく行くと、少し小高くなっていて、
あたり一面誰の姿も見えない。
後ろにいるはずの添乗員も見えない。
どうやら、一瞬のうちに、先に行ってしまったらしい。
ない・・・道がわからない。

”あ~、こんなところで、一人で、たった一人で、
私、このまま夜とか、野宿とかするんだろうか?”と
頭によぎる。

が、そんなにタイヘンなところなら、置いてけぼりには
しないだろう!と気を持ち直し、
あたりを見て、道らしいところを何とかみつけてみる。
歩いてみる。

岩だらけだ。
周り中、岩と石でゴロゴロで、歩くのがいっぱいいっぱい。
頭は痛いし、何だか足の筋肉も急に疲れてしまった気がする。
どうしよう、、でも、まだ日は高い。
太陽はそこにある!

ヨロヨロ・・・ ヨロヨロ・・

そして、くだりが見えた頃、そこには広がる
キャンプ場が。。
人がいた!  みんながいた! 

もう、一歩も歩けないーー。
頭も痛いし、何がなんだか、わからない。

とりあえず、集合写真をというので、またヨロヨロ歩き
みなさんに断って、テントへ直行。

そのあとは、ひたすら、”治って、治って・・”と
願いながら、びっしょりにぬれたTシャツをぬぎ、
寝袋にくるまった。
かわいたTシャツや靴下がこれほどありがたかったことはない。
かわいているだけで、暖かい。
その上に、長袖のTシャツ、フリース、長いダウンコートを着て、
寝袋にくるまる。

夜、夕食のとれない私に、
添乗員さんが、はちみつ飴とか、食べる酸素、
日本からのおせんべいなどをもってきてくれる。
でも、もう何もはいらない。

せめて梅干でも、、と思い口にする。
うーん、すっぱい!

と思ったあと30秒後、今度は吐き気。
あわてて靴をつっかけ、外に出る。
もう食べてないから、何もでようがない。
でも、もどしてしまう。

しばらく横になると今度はトイレに行きたくなった。
ずっと便秘だったのである。(もう、あきらめていた)
テントをはって、下には穴をほってあるという
簡易トイレに、ティッシュペーパーをつかみ、
いく。
このときは少しばかり、スッキリした。
下痢でもない。

穴は深いので、その上に土をかぶせる。
足でフンフンと土をかぶせていると、
”私っていつから犬になったんだろうか??”と
ちょっと笑えた。(苦しいのにね)
土とか草の匂いしかしないので、かえってすがすがしい。
これが、自然でいることの醍醐味?

また寝てしばらくすると、
Nちゃんがドリスタンを飲んでみる?と暖かい
お薬をくれる。
おいしい・・・ ドリスタン、、おいしい

そして、また寝てしまう。
またNちゃんが話している。
すると、”フェニシアちゃん、空に星が満点なの。
先生が、めったに見れないから、みることができたら
本当にラッキーだといってたの。
だから、つらいだろうけど、外で見ない?”という。

そっかーー、そんなにめずらしいのかぁ・・・
と朦朧としながら靴をつっかける。

!!!!本当に満点の星が、頭上に広がる。
みえすぎるくらい見える。
大きく光っている。 あぁぁぁ

テントに戻り、話もあまりできず、
また眠る体制にはいる。今度は寝袋をもうひとつ借りた。

目をつぶっていると不安になってくる。
ここには病院どころかお医者さんもいない。
もし、明日ひどくなっていたら、車も来れない。
ひょっとしてヘリコプターとか呼ぶのかな。
私みんなと一緒に上へいけないのかな。
でも、ここで一人で残ることもできない。
どうにも、できない。
明日いかなきゃ、上で修行している先生たちにも会うことができない。
ここまできて、こんなところで苦しくなって、
リタイアしたら、何のためにやってきたのか、
全然意味なくなっちゃうな。
あぁ、私、明日はどうなるんだろう。
この苦しいのは、少しはひいてくれるのかな。

そうやって、また、ふぅふぅいいながら、
眠りに落ちていったのである。







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最終更新日  2003年09月25日 13時02分35秒
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