NO-NAMEの隠れ家

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奥田民生

作品レビュー

1stアルバム
『29』
(1995.3.8)

奥田民生のソロとして始めてのアルバム。30歳を間近に控えた時期にリリースされたため、タイトルは『29』。
ユニコーン解散後の本格ソロ初シングルとなった『愛のために』が、いきなりミリオンセラーになるという、ユニコーン時代では到底ありえなかったセールスに本人も一時は戸惑ったようですが、アルバム自体からは、まったくそんな焦りやうわついた感は見て取れませんね。
ソロデビュー作にして、早くも今の彼の音楽の基本形は出来上がってしまったような。もう、民生さんとしか言いようがないようなアルバムです。音の隙間が違う。じっくりと腰を据えて、しかし決して気張らずにリラックスして製作に向かっているのがわかります。とても20代の人間が作るシロモノじゃないよ、これ(笑)
ミリオンヒット『愛のために』以外にも、弾き語りでむなしさを歌う『674』、重厚な『ハネムーン』、シングルリリースされた名作『息子』、テンポの良い『愛する人よ』、退廃的な『30才』、牛の視点で描かれる『BEEF』、ささやくような歌唱が染みる『人間』、セッションが本当に楽しそうな『奥田民生愛のテーマ』と、楽曲はユニ時代と変わらず様々なタイプが揃っています。サウンドはほとんどが生音主体のロックで、心地よいバンドアンサンブルを堪能できますね。
しかしながら、本当に漂うムードが、リラックスした感じ。肩の力を抜いていますよね。
この「頑張り過ぎない」佇まいをいつのまにか作り上げていて、それでいて許される、いや、それが似合う人なのです。奥田民生。

1.674 ★★☆
2.ルート2 ★★☆
3.ハネムーン ★★★
4.息子 (アルバム ヴァージョン) ★★★★
5.これは歌だ ★★☆
6.女になりたい ★★★
7.愛する人よ ★★★☆
8.30才 ★★★☆
9.BEEF ★★★
10.愛のために ★★★
11.人間 ★★★
12.奥田民生愛のテーマ ★★★

総合 ★★★☆

(記:2005.12.14)


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