1.悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)
★★★★ 2.LADY LUCK
★★★★
1985年9月の『kamakura』を最後に活動休止したサザン。桑田さんは1986年4月から1年間限定でKUWATA BANDでの活動を行います。ロックを追求したKUWATA BANDの活動終了後、今度はソロ活動に突入。ソロ第1弾シングルとしてリリースされたのが今作です。A・B面とも、『kamakura』以前のサザンともKUWATA BANDとも異なる、新たな音楽性を提示してくれています。 この作品から小林武史を編曲及びプロデューサーとして迎えました。以後、彼は桑田ソロのみならず、1990年代前半のサザン本体の活動に深く関わるようになります。 表題曲『悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)』に関しては、『Keisuke Kuwata』のレビューで触れるために割愛。 c/w『LADY LUCK』は、ホール・アンド・オーツのジョン・オーツがコーラスで参加している全英語詞のナンバー。補作詞はKUWATA BANDに引き続きトミー・スナイダーが担当。ニューヨークでレコーディングされました。作り込まれたアレンジメントにウットリしてしまう隠れた名曲。 (記:2008.8.14)
2ndシングル 『いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)』 (1988.3.16)
1.いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)
★★★★ 2.SHE'S A BIG TEASER
★★
前作から5ヶ月ぶりとなるソロ第2弾シングル。前作とはまた違った曲調の2曲を収録しています。 表題曲『いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)』に関しては、『Keisuke Kuwata』のレビューで触れるために割愛。 c/w『SHE'S A BIG TEASER』は、前作収録の『LADY LUCK』と同じく全英語詞ナンバーで、ホール・アンド・オーツの2人と共同レコーディング。吐血するほど体調を崩してしまいながらのレコーディングだったそうです。テンポの良いロックンロールですが、今聴くとちょっとヌルイかな。 (記:2008.8.14)
1.悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)
2.いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)
3.SHE’S A BIG TEASER
4.LADY LUCK
5.BLUE ~ こんな夜には踊れない
6.誰かの風の跡
7.BAN BAN BAN
8.スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)
9.MERRY X’MAS IN SUMMER
10.ONE DAY
11.SHE’LL BE TELLIN’ (真夜中へデビューしろ!!)
12.YOU NEVER KNOW (恋することのもどかしさ)
13.RED LIGHT GIRL (街の女に恋してた)
14.北京のお嬢さん
15.クリといつまでも
KUWATA BAND、桑田ソロの楽曲に加え、1991年に桑田さんが結成したロックバンド「SUPER CHIMPANZEE」の2曲も加えた、この時点でのソロ・ワークスの集大成的なアルバム。KUWATA BANDのシングルは当時まだCD化されていなかったため、今作で初めてCD音源で聴けることとなりました。ベストアルバムではなく、「企画盤」という位置付け。 2002年にそれまでのソロ活動を総括する2枚組ベストアルバム『TOP OF THE POPS』がリリースされ、今となっては今作の存在価値は薄くなっていますが、それでも3、4、14といったところは現在までで収録されているアルバムは今作のみ。聴く価値はあると思います。 (記:2008.8.7)
3rdシングル 『真夜中のダンディー』 (1993.10.6)
1.真夜中のダンディー
★★★☆ 2.黒の舟唄
★★★
『いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)』以来、およそ5年半ぶりのソロ・シングル。サザンの活動と並行してのリリースでした。桑田ソロ・シングルとしては、初のオリコン1位を獲得、約70万枚のセールスを記録しました。 表題曲『真夜中のダンディー』に関しては、『孤独の太陽』のレビューで触れるために割愛。 c/w『黒の舟唄』は、1972年に長谷川きよしが発表した楽曲のカバー。カバー音源の収録は、サザン・ソロを通じて初めてのことです。桑田さんの渋みのある歌声が、この曲にピッタリですね。 (記:2008.8.6)
日本テレビ系ドラマ『静かなるドン』主題歌。サウンド的には『孤独の太陽』のアコースティック・バンド路線の流れを汲んだ1曲。「お前だけが死ぬほど好きさ」なんて歌っていますが、女性へのストレートなラブ・ソングではなく、むしろ寂しさも数多く経験した桑田さんだからこそ歌える同性への応援歌と言っていいでしょう。歌詞の一言一言がズンと胸にきます。本当にここまで泣ける曲というのは僕は他に知らないです。Bメロで落としてから声を張り上げるサビもたまらないですね。この曲を聴くと、男に生まれて良かったと感じます。桑田ソロで最も好きな楽曲。 2002年のベストアルバム『TOP OF THE POPS』が出るまでは、長いことアルバム未収録でした。ソロのライブでは大抵ラストに演奏されますね。
アルバム『孤独の太陽』をひっさげて、1994年9月29日~12月31日の間に行われたライブツアー『桑田佳祐 LIVE TOUR '94 -さのさのさ-』の模様を、オフ映像等を交えて収録した1本。 1曲1曲がぶった切られていたり、バラバラな公演日のものだったりするので、擬似的にライブを体験できるといった側面は弱いのかもしれませんが、それでも演奏でかなり魅せてくれる楽曲が多く、充実した1本です。 アルバムのコンセプトからいって当然ではあるのですが、『孤独の太陽』に収録されている楽曲はどれもコンサートで生で演じることによってパワーを発揮するものばかりだということがやはり証明されています。『エロスで殺して』・『月』・『貧乏ブルース』なんかは、CDで聴くより数段良いと感じるし、『すべての歌に懺悔しな!!』も桑田さんのパフォーマンスと相俟って、盛り上げナンバーとして想像以上に機能しています。『kamakura』のラストナンバーだった『悲しみはメリーゴーランド』も、重厚なアレンジに変身していて、スタジオ録音を遥かに凌ぐカッコ良さ。 そして、これまた痺れるのが、本編ラストに収録された『ヨイトマケの唄』。後にベスト盤『TOP OF THE POPS』にも収録されるこの曲ですが、感情の籠もった桑田さんの歌い上げで泣かせてくれます。 (記:2008.4.24)
蒸し暑い夏によく似合うナンバーが登場。一方では『さくら』の世界観を引き継いだようなけだるい感じを持ちながら、一方ではキュインキュインと鳴るギターや「What A Jiri-Jiri Day!!」というサビのフレーズ、原坊の「Sha la lalalala~♪」というコーラスなどといった開き直ったかのようなキャッチーぶりが強烈で、セルフ・パロディー的楽曲かな、とも。「風が哀愁誘う海辺で陽を遮る鳶の舞」というフレーズがとても好きです。英語補作詞としてクレジットされている岩本えり子さんは、桑田さんの実姉。
『波乗りジョニー』・『白い恋人達』の2枚のミリオン・ヒットを送り出した2001年。11月30日~12月2日には『Act Against AIDS 2001』としてThe Beatlesの38曲を熱唱。ライブ初日には奇しくもジョージ・ハリスン逝去の訃報が報じられ、ステージで黙祷が捧げられました。12月22日~24日には札幌市でクリスマス・ライブを開催。札幌の冬景色に『白い恋人達』は良く似合いました。 2002年になって初のシングルが今作。表題曲『東京』は前2作のようなキャッチーさは薄い、重量感のあるナンバー。しかもノン・タイアップで、久々に桑田さんが自身のやりたい音楽を突き詰めた楽曲です。この『東京』が、収録曲のうち(繋ぎ的なトラックである3曲目は別として)、最も遅い解禁となりました。 逆に、『夏の日の少年』・『可愛いミーナ』は、早くからCMソングとしてON AIRされており、特に『可愛いミーナ』は「コカ・コーラ3部作」の最終作として、発売前にはこの曲がA面になるのではないかと予想されていました。『波乗りジョニー』・『白い恋人達』と来て『可愛いミーナ』までA面にしてしまったらあまりにも大衆に迎合し過ぎではないかと考えるファンも当時は多かったのですが、結局のところは幸いにも(?)『可愛いミーナ』はカップリングで収録されることとなりました。しかし、表題曲である『東京』が桑田さんのラジオ番組内で初ON AIRされた際のネット上でのサザン・ファンの感想はというと、「うわぁ~、売れなそう」・「何故これがA面に…」といったものが大半で、こういった曲をA面にしたらしたで叩かれるなんて桑田さんは可哀想だなぁと思ったものです。
1.東京
★★★★ 2.夏の日の少年
★★★ 3.EBOSHI RADIO STATION ''Hits from Coast to Coast'' (DJ:SHANTI)
(評価なし) 4.可愛いミーナ
★★★★
『東京』及び『夏の日の少年』に関しては、『ROCK AND ROLL HERO』のレビューで触れるために楽曲の細かな紹介は割愛。なお、『夏の日の少年』は『ROCK AND~』収録のものとは別テイク。最後のサビの歌い方が異なるので分かりやすいかと。『東京』も、アルバムとシングルでミックスだか何だかが違ったような記憶があるんだけど…(調べるのが面倒)。 ラジオ番組を模した曲紹介のトラック『EBOSHI RADIO STATION』に続いて、「コカ・コーラ3部作」の最終作としてON AIRされていた『可愛いミーナ』。これは元々サザンの楽曲としてレコーディングされていた楽曲で、サウンド的にも『波乗りジョニー』・『白い恋人達』と同じ流れにあるポップなラブ・ソングです。間奏のスライド・ギターは『BLUE HEAVEN』を彷彿とさせます。「Oh oh oh」という間奏明けのフェイクは『祭りのあと』っぽくて良いですね。「ロマンティックが」・「ひとりぼっちの」といった促音をリズム良くはめ込む歌詞は、今更ここで説明するまでもないですが、『涙のキッス』・『波乗りジョニー』等でも見られた定番の手法ですね。しかし、この曲、単なる焼き直しには終わっていません。これで終わりかと見せかけて最後に待っている大サビ。これは泣かせてくれますね。第3次ソロ活動における桑田ソロ・ポップ・サイドの最終ナンバーとして、文句のない仕上がりです。 (記:2008.8.15)
3rdアルバム 『ROCK AND ROLL HERO』 (2002.9.26)
『孤独の太陽』以来、8年ぶり3枚目となるオリジナル・アルバム。このアルバムのために演奏集団BALDING COMPANYを結成して制作にあたりました。生音バンドサウンドをコンセプトに掲げており、統一感のある作風になっています。『波乗りジョニー』・『白い恋人達』といった前年のシングル曲は、演奏メンバーも違い、今作の音楽性にはそぐわないため収録されていません。 久々に桑田さんがやりたい放題やった作品といった印象で、大衆向けポップス・ライターの桑田佳祐とはまた違った顔を見ることができます。こうしたアルバムを作ってくれて嬉しいかぎりですね。 そして、ロック・サウンドを貫いた今作から2ヵ月後には、『波乗りジョニー』・『白い恋人達』・『可愛いミーナ』等のポップ・サイドを余すことなく収録したソロ・ワークの集大成『TOP OF THE POPS』をリリースすると。今見てみても完璧な流れですね。
第3次ソロ活動の最後にリリースされた、これまでのソロ・ワークスの集大成となる2枚組作品。『フロム イエスタデイ』は現実的にはベストアルバムではないため、今作がソロとしては初めてのベストアルバムということになります。 オリジナル/ベストの違いはあれど、2ヶ月前にリリースされた『ROCK AND ROLL HERO』と今作とで、音楽家・桑田佳祐の2つの顔が象徴されているというわけです。本当に上手い流れですよね。ソロ活動も通算では長きに渡っており、『フロム イエスタデイ』だけではソロ活動を総括するアルバムとしては不十分だったので、ベストアルバム発表も丁度良い頃合いでしたね。 ソロ名義での楽曲・KUWATA BAND名義での楽曲・SUPERCHIMPANZEEで発表した『クリといつまでも』に加え、Mr.Childrenと組んだ『奇跡の地球』をアルバム初収録、奥田民生とコラボした『光の世界』を初音源化、AAAライブで披露した『ヨイトマケの唄』のカバーの収録など、ファンにも嬉しいトラックが多数収録されています。DISC-1のラストに収録されている『素敵な未来を見てほしい』の歌詞は、公式サイトでファンから募集したフレーズをもとに、桑田さんが完成させたもの。楽曲そのものは、まぁ普通ですが…(笑)。
この後、デビュー25周年にあたる2003年6月25日に、『勝手にシンドバッド』のボックス・セットを発売、6月28日に建長寺ライブを行った後、7月23日に『涙の海で抱かれたい ~SEA OF LOVE~』をリリースして、サザンは本格的に活動を再開します。
DISC 1
1.波乗りジョニー
2.黄昏のサマー・ホリデイ
3.白い恋人達
4.踊ろよベイビー1962
5.月
6.哀しみのプリズナー
7.Blue ~こんな夜には踊れない
8.悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)
9.JOURNEY
10.飛べないモスキート(MOSQUITO)
11.真夜中のダンディー
12.可愛いミーナ
13.素敵な未来を見てほしい
DISC 2
1.MERRY X’MAS IN SUMMER
2.BAN BAN BAN
3.スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)
4.ONE DAY
5.鏡
6.いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)
7.遠い街角 (The wanderin’ street)
8.誰かの風の跡
9.クリといつまでも
10.奇跡の地球
11.光の世界
12.ヨイトマケの唄 (Live at パシフィコ横浜国立大ホール)
13.祭りのあと
フジテレビ系ドラマ『プロポーズ大作戦』主題歌。 静かなピアノで始まり、オーケストラをバックに壮大に展開するバラード。淡々と流れていくAメロの美しさは『白い恋人達』を彷彿とさせます。当初は公式サイトにてサビのみが試聴可能でしたが、Aメロ・Bメロからサビへのつながりはスムーズで、全編通して聴くことで更に味わい深く聴こえます。 ラストの「明日晴れるかな~♪」というコーラスに子供達を迎えたのは、『CHRISTMAS TIME FOREVER』を彷彿とさせますね。
2.こんな僕で良かったら
★★★
アメリカンエキスプレス「MORE THAN JUST A CARD」キャンペーンCMソング。 楽曲は大人っぽいジャズです。最後の「押しあててパパイヤ」・「口づけてバナナ」というフレーズが非常に印象的ですね。