NO-NAMEの隠れ家

NO-NAMEの隠れ家

桑田佳祐(1)

作品レビュー

1stシングル
『悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)』
(1987.10.6)

1.悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE) ★★★★
2.LADY LUCK ★★★★

1985年9月の『kamakura』を最後に活動休止したサザン。桑田さんは1986年4月から1年間限定でKUWATA BANDでの活動を行います。ロックを追求したKUWATA BANDの活動終了後、今度はソロ活動に突入。ソロ第1弾シングルとしてリリースされたのが今作です。A・B面とも、『kamakura』以前のサザンともKUWATA BANDとも異なる、新たな音楽性を提示してくれています。
この作品から小林武史を編曲及びプロデューサーとして迎えました。以後、彼は桑田ソロのみならず、1990年代前半のサザン本体の活動に深く関わるようになります。
表題曲『悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)』に関しては、『Keisuke Kuwata』のレビューで触れるために割愛。
c/w『LADY LUCK』は、ホール・アンド・オーツのジョン・オーツがコーラスで参加している全英語詞のナンバー。補作詞はKUWATA BANDに引き続きトミー・スナイダーが担当。ニューヨークでレコーディングされました。作り込まれたアレンジメントにウットリしてしまう隠れた名曲。
(記:2008.8.14)










2ndシングル
『いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)』
(1988.3.16)

1.いつか何処かで (I FEEL THE ECHO) ★★★★
2.SHE'S A BIG TEASER ★★

前作から5ヶ月ぶりとなるソロ第2弾シングル。前作とはまた違った曲調の2曲を収録しています。
表題曲『いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)』に関しては、『Keisuke Kuwata』のレビューで触れるために割愛。
c/w『SHE'S A BIG TEASER』は、前作収録の『LADY LUCK』と同じく全英語詞ナンバーで、ホール・アンド・オーツの2人と共同レコーディング。吐血するほど体調を崩してしまいながらのレコーディングだったそうです。テンポの良いロックンロールですが、今聴くとちょっとヌルイかな。
(記:2008.8.14)










1stアルバム
『Keisuke Kuwata』
(1988.7.9)

シングル2曲を含む、初のソロ・アルバム。自身に加え、小林武史・藤井丈司との3人でのプロデュースにあたった作品です。全体としてはシンセサイザーを多用したポップスという言葉で乱暴に表現出来ますが、様々なタイプの楽曲が揃っています。桑田さんがルールに縛られず自由な素材を用いて形にした詞曲を、3人のアレンジで磨き上げた1枚と言えそうです。
「サザンとソロとの違い」という点に関しては、近年は桑田さん自身はそれほど意識しなくなっていますが、この時点では当然ながら、初のソロ・アルバムについて、サザンとは異なることが出来る、そうしなくては意味のない場だというように捉えていたことでしょう。そして、そうした思いがこのアルバムの音にしっかりと表れていると感じます。サザンとは明らかに違う「桑田佳祐」のエッセンスが溢れている、なんでも詰め込んだ一枚と言えるでしょう。名作・佳作レベルの楽曲がしっかりと収録されている半面、トータリティとしては他のアルバムにやや見劣りするところもあるのですが、初のソロ・アルバムとして、その意義はしっかりと果たせていると感じます。

1.哀しみのプリズナー ★★★★

新鮮なアレンジメントがインパクト大の打ち込みポップス。サザンとははっきりと違う「ソロ」の音を打ち出しており、アルバム1曲目としては大正解でしょう。

2.今でも君を愛してる ★★★★

箱庭的世界観の美しいラブ・ソング。コンパクトな構成ながら凝ったメロディーの流れと、ほのかに漂う余韻が見事。

3.路傍の家にて ★★★

日本語・英語を自由に操った歌詞が流石の軽快なポップ・ナンバー。歌詞は社会風刺的な一面もありますが、それよりも音の響きの側面に重点を置いて作ったのでしょう。

4.Dear Boys ★★★

陰のある曲。鬱々とした雰囲気のあるこのサウンドに、子供達への愛情を込めた歌詞を乗せるのが逆説的というか。いや~、しかし、この人の歌う「ラララ…♪」は、どうしてこんなに味があるんでしょうね。

5.ハートに無礼美人 (get out of my Chevvy) ★★★

ベース・ラインで始まる攻撃的なナンバー。ここでも韻を踏みまくった歌詞が印象的。ノリが良いためか、ソロ・ライブではかなりの頻度で演奏されています。

6.いつか何処かで (I feel the echo) ★★★★

2ndシングル。1988年3月16日リリース。メロディーの良さとアレンジの良さが一体となった綺麗なバラッド。完成度が高いですね。キーボードも派手な使い方を極力控えて、シンプルな味付けにとどめるなど、あまり「大衆向け」に作ったような形跡が見られないのも好印象の要因でしょうか。また、この曲は桑田さんのヴォーカルじゃなきゃ駄目ですね。この声、この歌い方によってこそ、この楽曲に「生命」が吹き込れるのだろうなと感じます。

7.Big Blonde Boy ★★

ホール&オーツに会った印象を歌にしたもの。「Oats」と「オツ(な)」という掛け言葉は…。歌詞は全体的にスベっている感があるかも。サウンドも印象度薄し。

8.Blue ~こんな夜には踊れない ★★★☆

典型的な桑田節といったメロディーの歌謡R&B。全体的に低音キーで歌われおり、怪しげな雰囲気を醸し出していますね。

9.遠い街角 (The wanderin’ street) ★★★★

まさに秋の街角が浮かんできそうな切ないナンバー。静かながらツボを押さえたアレンジメントが見事。コーラスには竹内まりやが参加しています。

10.悲しい気持ち (Just a man in love) ★★★★

1stシングル。1987年10月6日リリース。桑田ソロ・シングル第1弾となった、夏の終わりを彩る王道ポップス。発売から実に20年以上が経過したわけですが、今でもまったく古さを感じさせないどころか、より鮮やかに胸をときめかせるじゃないですかぁ! 後年、桑田さん自身は「打ち込みが失敗だった」と話していますが、いやいや、我が素人耳にはこのシンセのアレンジがこの曲に良く似合っているように感じます。タイトルから予想されるイメージを裏切るアップ・テンポなサウンドですが、なるほど、この『悲しい気持ち』というタイトルにこの詞曲…、聴けば聴くほどピッタリですね。

11.愛撫と殺意の交差点 ★★

これまた面白い曲が登場ですね。タイトルだけで、「おっ!」と思わせ、イントロなしでいきなり始まるのも意表をつきます。メロディーは気だるい雰囲気で、アレンジは賑やかな遊園地風へと変化。「雨のち涙の気象台」なるフレーズが印象に残りました。当時2歳の桑田さんの愛息も声で参加しています。

12.誰かの風の跡 ★★★★☆

シンプルなアレンジメントのバラッド。桑田さんがファルセットで歌います。美しいとしか言いようがないですね。本当に素晴らしいです。

総合 ★★★☆

(記:2008.8.20)










企画アルバム
『フロム イエスタデイ』
(1992.6.27)

1.悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)
2.いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)
3.SHE’S A BIG TEASER
4.LADY LUCK
5.BLUE ~ こんな夜には踊れない
6.誰かの風の跡
7.BAN BAN BAN
8.スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)
9.MERRY X’MAS IN SUMMER
10.ONE DAY
11.SHE’LL BE TELLIN’ (真夜中へデビューしろ!!)
12.YOU NEVER KNOW (恋することのもどかしさ)
13.RED LIGHT GIRL (街の女に恋してた)
14.北京のお嬢さん
15.クリといつまでも

KUWATA BAND、桑田ソロの楽曲に加え、1991年に桑田さんが結成したロックバンド「SUPER CHIMPANZEE」の2曲も加えた、この時点でのソロ・ワークスの集大成的なアルバム。KUWATA BANDのシングルは当時まだCD化されていなかったため、今作で初めてCD音源で聴けることとなりました。ベストアルバムではなく、「企画盤」という位置付け。
2002年にそれまでのソロ活動を総括する2枚組ベストアルバム『TOP OF THE POPS』がリリースされ、今となっては今作の存在価値は薄くなっていますが、それでも3、4、14といったところは現在までで収録されているアルバムは今作のみ。聴く価値はあると思います。
(記:2008.8.7)










3rdシングル
『真夜中のダンディー』
(1993.10.6)

1.真夜中のダンディー ★★★☆
2.黒の舟唄 ★★★

『いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)』以来、およそ5年半ぶりのソロ・シングル。サザンの活動と並行してのリリースでした。桑田ソロ・シングルとしては、初のオリコン1位を獲得、約70万枚のセールスを記録しました。
表題曲『真夜中のダンディー』に関しては、『孤独の太陽』のレビューで触れるために割愛。
c/w『黒の舟唄』は、1972年に長谷川きよしが発表した楽曲のカバー。カバー音源の収録は、サザン・ソロを通じて初めてのことです。桑田さんの渋みのある歌声が、この曲にピッタリですね。
(記:2008.8.6)










4thシングル
『月』
(1994.8.24)

1.月 ★★★★★
2.A LOVER’S CONCERT ★★★

ソロとしては通算4作目のシングルで、アルバム『孤独の太陽』先行シングル。
表題曲『月』に関しては、『孤独の太陽』のレビューで触れるために割愛。
c/w『A LOVER’S CONCERT』は、1965年にザ・トイズがヒットされた楽曲のカバー。小学校の音楽の教科書にも掲載されるなど、世界的に有名な1曲です。優雅なメロディー・ラインの楽曲を、エレキ中心のハードロック風アレンジと桑田さんの荒っぽい歌い方で、新たなイメージに生まれ変わらせています。
(記:2008.8.6)










5thシングル
『祭りのあと』
(1994.10.31)

ソロ・ライブ・ツアー『さのさのさ』の途中にリリースされたソロ第5弾シングル。
表題曲『祭りのあと』は、ソロとしては初めてのドラマ主題歌として起用されヒットしました。c/w『すべての歌に懺悔しな!!』は、アルバム『孤独の太陽』からのカットですが、この曲の歌詞の内容をめぐり、マスコミを巻き込んだ大論争が巻き起こりました。

1.祭りのあと ★★★★★

日本テレビ系ドラマ『静かなるドン』主題歌。サウンド的には『孤独の太陽』のアコースティック・バンド路線の流れを汲んだ1曲。「お前だけが死ぬほど好きさ」なんて歌っていますが、女性へのストレートなラブ・ソングではなく、むしろ寂しさも数多く経験した桑田さんだからこそ歌える同性への応援歌と言っていいでしょう。歌詞の一言一言がズンと胸にきます。本当にここまで泣ける曲というのは僕は他に知らないです。Bメロで落としてから声を張り上げるサビもたまらないですね。この曲を聴くと、男に生まれて良かったと感じます。桑田ソロで最も好きな楽曲。
2002年のベストアルバム『TOP OF THE POPS』が出るまでは、長いことアルバム未収録でした。ソロのライブでは大抵ラストに演奏されますね。

2.すべての歌に懺悔しな!! ★★★

元々はアルバム『孤独の太陽』収録曲で、今作にシングルカットされたわけですが、この歌詞の内容が実在するロックミュージシャンを中傷したものであるとしてマスコミが反応しだしました。対象とされる人物は矢沢永吉と長渕剛の2人に絞られ、過剰な報道が連日繰り広げられました。矢沢永吉は「僕はいいけど、こんな騒ぎになって桑田君は大丈夫か」と大人な対応を見せたのに対して、長渕剛は「俺は桑田佳祐を許さない!」と激怒。桑田さんは「あの曲は自分のことを歌ったものである」という釈明をするという騒ぎに。最終的に1995年1月に長渕剛が大麻取締法違反で逮捕され、事態は一気に沈静化しましたが、実際のところ、この曲って誰のことを指しているんでしょうかね。

(記:2008.8.14)










ライブビデオ
『すべての歌に懺悔しな!! -桑田佳祐 LIVE TOUR '94-』
(1994.12.21)

1.漫画ドリーム
2.ミス・ブランニュー・デイ
3.エロスで殺して (ROCK ON) ~ しゃアない節
4.飛べないモスキート(MOSQUITO)
5.月
6.悲しみはメリーゴーランド
7.悲しい気持ち
8.祭りのあと
9.僕のお父さん
10.貧乏ブルース
11.ボディ・スペシャルII
12.すべての歌に懺悔しな!!
13.ヨイトマケの唄

BONUS TRACKS

14.真夜中のダンディー (Promotion Video)
15.月 (Promotion Video)

アルバム『孤独の太陽』をひっさげて、1994年9月29日~12月31日の間に行われたライブツアー『桑田佳祐 LIVE TOUR '94 -さのさのさ-』の模様を、オフ映像等を交えて収録した1本。
1曲1曲がぶった切られていたり、バラバラな公演日のものだったりするので、擬似的にライブを体験できるといった側面は弱いのかもしれませんが、それでも演奏でかなり魅せてくれる楽曲が多く、充実した1本です。
アルバムのコンセプトからいって当然ではあるのですが、『孤独の太陽』に収録されている楽曲はどれもコンサートで生で演じることによってパワーを発揮するものばかりだということがやはり証明されています。『エロスで殺して』・『月』・『貧乏ブルース』なんかは、CDで聴くより数段良いと感じるし、『すべての歌に懺悔しな!!』も桑田さんのパフォーマンスと相俟って、盛り上げナンバーとして想像以上に機能しています。『kamakura』のラストナンバーだった『悲しみはメリーゴーランド』も、重厚なアレンジに変身していて、スタジオ録音を遥かに凌ぐカッコ良さ。
そして、これまた痺れるのが、本編ラストに収録された『ヨイトマケの唄』。後にベスト盤『TOP OF THE POPS』にも収録されるこの曲ですが、感情の籠もった桑田さんの歌い上げで泣かせてくれます。
(記:2008.4.24)










6thシングル
『波乗りジョニー』
(2001.7.4)

ソロとしては7年ぶりのシングルで、初のマキシシングル。今回のソロ活動は、大森隆志の活動休止に伴いサザン本体としての活動を見合わせていたためであり、表題曲『波乗りジョニー』は元々はサザン名義で発表される予定でした。なお、大森は8月に正式にサザンを脱退。
『波乗りジョニー』・『黄昏のサマー・ホリデイ』に続き、3曲目には前年からフジテレビ系で放送されていた『桑田佳祐の音楽寅さん ~MUSIC TIGER~』オープニング・テーマを初CD化。また、4曲目には前年10月に行われたPRIDEの試合前に弾き語りを披露した模様をそのまま収録。
前年から続く『TSUNAMI』熱に加え、『波乗りジョニー』がコカ・コーラCMソングとして大量ON AIRされていたこともあり、ソロとしては初のミリオン突破、2001年のオリコン年間チャート4位にランクインする大ヒット・シングルとなりました。

1.波乗りジョニー ★★★★

コカ・コーラCMソング。既に春頃からサビの部分がON AIRされていました。このサビから最初に作られ、後に他の部分を作るといったスタイルで制作されたとのこと。タイトルの『波乗りジョニー』というフレーズは桑田さんが学生時代に思いつき、以来ずっと温めていたという話は有名。ポップ志向が全面的に押し出された躍動感溢れるナンバーで、この爽快感は『希望の轍』に匹敵するほど。跳ね上がるBメロ、表情を変えて展開するサビのアレンジメント等も、ポップス・ライターとして見事としか言いようのない仕事。2つのヴォーカル・パートを重ね合わせたサビも面白いです。っていうか、どうこう言うより、単純に良い曲。

2.黄昏のサマー・ホリデイ ★★★☆

蒸し暑い夏によく似合うナンバーが登場。一方では『さくら』の世界観を引き継いだようなけだるい感じを持ちながら、一方ではキュインキュインと鳴るギターや「What A Jiri-Jiri Day!!」というサビのフレーズ、原坊の「Sha la lalalala~♪」というコーラスなどといった開き直ったかのようなキャッチーぶりが強烈で、セルフ・パロディー的楽曲かな、とも。「風が哀愁誘う海辺で陽を遮る鳶の舞」というフレーズがとても好きです。英語補作詞としてクレジットされている岩本えり子さんは、桑田さんの実姉。

3.MUSIC TIGER ★★★

フジテレビ系で放送されていた自身の音楽番組『桑田佳祐の音楽寅さん ~MUSIC TIGER~』のオープニング・テーマとして制作・使用されていたのがこの曲。桑田さんは、ヴォーカル、エレキ・ギター、ベース、ドラム、パーカッション…と、打ち込み以外の楽器を全て一人で担当しています。ハイテンションな合いの手を入れているのは、番組で競演していたユースケ・サンタマリア。遊びで作ったわりにはなかなかカッコいいロック・サウンドを聴かせてくれます。歌詞は楽屋オチ。

4.PRIDEの唄 ~茅ヶ崎はありがとう~(Live in 大阪城ホール) ★★★

2000年10月31日に大阪城ホールで行われたPRIDEの試合前にリング上で披露した弾き語りの音源。小川直也と佐竹雅昭に対して愛情たっぷりに歌っています。サブタイトルの「~茅ヶ崎はありがとう~」とは、小川直也がこの年に行われた茅ヶ崎ライブで開会宣言をしたことに対して。この曲の演奏の模様も、上記『音楽寅さん』の番組内にてON AIRされました。

(記:2008.8.14)










7thシングル
『白い恋人達』
(2001.10.24)

前作『波乗りジョニー』と同様、表題曲『白い恋人達』はコカ・コーラNo Reasonキャンペーン・ソングに。『波乗りジョニー』での「夏」に続いて、今回は真正面から「冬」。ポップス作家としての徹底した仕事ぶりですが、個人的にはこの曲のヒットがその後の活動において「売れる」ことを常に意識せざるを得ない状況にサザン及びその周辺を持っていかせたように思えてしまいます。「常に売れてなきゃ困る」・「いつも大衆的なサザン」みたいな雰囲気が出来上がってしまって、以前のように、実験的な側面に大きく傾いたようなシングルは出ることはなくなりました。マーケットの反応に気を遣うようになり、マニアックな側面が押し出されることは少なくなってしまったのが明らかに見てとれますね。もちろん、次回作『東京』のような、一般向けとはいえないシングルもあるにはありますが、それでも売り方としては一般受けする工夫を少なからず施してあったりしているわけです。ここらへんは、桑田さん自身も絶対に悩んでいたんでしょうけどね。昔のように「周囲の反対を押し切ってでも『Big Star Blues』をシングルで出す」というようなことは、もはや出来ない状況になっていたわけですから。
…と、ややネガティブな方向に筆を進めてしまいましたが、いち楽曲としては今作は完璧です。また、収録曲のパッケージングやバランスも、前作同様に充実。買って損はなかったと思わせてくれる出来のシングルでしょう。
前作に続きミリオンを突破、ソロとしては最大のヒット・シングルとなりました。

1.白い恋人達 ★★★★☆

穏やかな旋律から、渾身のサビへと展開するウインター・バラッド。1コーラス終了→2コーラス目、という流れがとてもスムーズですね。最後の大サビは『クリスマス・ラブ』と同じパターンなんですが、やっぱりイイですねぇ。

2.踊ろよベイビー1962 ★★★☆

タイトルの「1962」とは、The Beatlesのデビュー年。曲調ももちろんのこと、歌詞中にもThe Beatlesの曲名をふんだんに盛り込んで、彼らに対する愛情が伝わってくるチューンに仕上がっています。

3.あの素晴らしい愛をもう一度 ~ アミダばばあの唄 [MEDLEY] (Live Take from 「古賀紅太 No Reason!ライブハウスツアー」) ★★★

加藤和彦・北山修が歌い、現在では合唱曲としても使われるなど世代を越えて親しまれている『あの素晴らしい愛をもう一度』と、桑田さんが作詞・作曲し「アミダばばあ&タケちゃんマン」が歌った『アミダばばあの唄』のライブ音源のメドレー。映像を伴わない「音」でしか味わうことが出来ませんが、それだけでも臨場感たっぷり。観客との近さがすごいですね。サザンとは違う桑田ソロのライブの魅力が十分に伝わってくるトラックです。

(記:2008.8.14)










8thシングル
『東京』
(2002.6.26)

『波乗りジョニー』・『白い恋人達』の2枚のミリオン・ヒットを送り出した2001年。11月30日~12月2日には『Act Against AIDS 2001』としてThe Beatlesの38曲を熱唱。ライブ初日には奇しくもジョージ・ハリスン逝去の訃報が報じられ、ステージで黙祷が捧げられました。12月22日~24日には札幌市でクリスマス・ライブを開催。札幌の冬景色に『白い恋人達』は良く似合いました。
2002年になって初のシングルが今作。表題曲『東京』は前2作のようなキャッチーさは薄い、重量感のあるナンバー。しかもノン・タイアップで、久々に桑田さんが自身のやりたい音楽を突き詰めた楽曲です。この『東京』が、収録曲のうち(繋ぎ的なトラックである3曲目は別として)、最も遅い解禁となりました。
逆に、『夏の日の少年』・『可愛いミーナ』は、早くからCMソングとしてON AIRされており、特に『可愛いミーナ』は「コカ・コーラ3部作」の最終作として、発売前にはこの曲がA面になるのではないかと予想されていました。『波乗りジョニー』・『白い恋人達』と来て『可愛いミーナ』までA面にしてしまったらあまりにも大衆に迎合し過ぎではないかと考えるファンも当時は多かったのですが、結局のところは幸いにも(?)『可愛いミーナ』はカップリングで収録されることとなりました。しかし、表題曲である『東京』が桑田さんのラジオ番組内で初ON AIRされた際のネット上でのサザン・ファンの感想はというと、「うわぁ~、売れなそう」・「何故これがA面に…」といったものが大半で、こういった曲をA面にしたらしたで叩かれるなんて桑田さんは可哀想だなぁと思ったものです。

1.東京 ★★★★
2.夏の日の少年 ★★★
3.EBOSHI RADIO STATION ''Hits from Coast to Coast'' (DJ:SHANTI) (評価なし)
4.可愛いミーナ ★★★★

『東京』及び『夏の日の少年』に関しては、『ROCK AND ROLL HERO』のレビューで触れるために楽曲の細かな紹介は割愛。なお、『夏の日の少年』は『ROCK AND~』収録のものとは別テイク。最後のサビの歌い方が異なるので分かりやすいかと。『東京』も、アルバムとシングルでミックスだか何だかが違ったような記憶があるんだけど…(調べるのが面倒)。
ラジオ番組を模した曲紹介のトラック『EBOSHI RADIO STATION』に続いて、「コカ・コーラ3部作」の最終作としてON AIRされていた『可愛いミーナ』。これは元々サザンの楽曲としてレコーディングされていた楽曲で、サウンド的にも『波乗りジョニー』・『白い恋人達』と同じ流れにあるポップなラブ・ソングです。間奏のスライド・ギターは『BLUE HEAVEN』を彷彿とさせます。「Oh oh oh」という間奏明けのフェイクは『祭りのあと』っぽくて良いですね。「ロマンティックが」・「ひとりぼっちの」といった促音をリズム良くはめ込む歌詞は、今更ここで説明するまでもないですが、『涙のキッス』・『波乗りジョニー』等でも見られた定番の手法ですね。しかし、この曲、単なる焼き直しには終わっていません。これで終わりかと見せかけて最後に待っている大サビ。これは泣かせてくれますね。第3次ソロ活動における桑田ソロ・ポップ・サイドの最終ナンバーとして、文句のない仕上がりです。
(記:2008.8.15)










3rdアルバム
『ROCK AND ROLL HERO』
(2002.9.26)

『孤独の太陽』以来、8年ぶり3枚目となるオリジナル・アルバム。このアルバムのために演奏集団BALDING COMPANYを結成して制作にあたりました。生音バンドサウンドをコンセプトに掲げており、統一感のある作風になっています。『波乗りジョニー』・『白い恋人達』といった前年のシングル曲は、演奏メンバーも違い、今作の音楽性にはそぐわないため収録されていません。
久々に桑田さんがやりたい放題やった作品といった印象で、大衆向けポップス・ライターの桑田佳祐とはまた違った顔を見ることができます。こうしたアルバムを作ってくれて嬉しいかぎりですね。
そして、ロック・サウンドを貫いた今作から2ヵ月後には、『波乗りジョニー』・『白い恋人達』・『可愛いミーナ』等のポップ・サイドを余すことなく収録したソロ・ワークの集大成『TOP OF THE POPS』をリリースすると。今見てみても完璧な流れですね。

1.HOLD ON (It's Alright) ★★★★

ディラン風のナンバーからスタート。オープニング・ナンバーにしていきなり序盤のヤマと言えるかも。歌詞のはめ方はここでは引用しませんが、相変わらずすごいです。

2.ROCK AND ROLL HERO ★★★☆

前年から続く「コカ・コーラ」キャンペーン・ソング。『波乗りジョニー』・『白い恋人達』・『可愛いミーナ』で3部作が終わった後も、CM自体はそのまま続けられました。
冒頭のエレキ・ギターのおかげで馴染みやすさが格段にアップしています。Bメロの崩し方が絶妙ですね。歌詞はアメリカ追従の日本のあり方を痛烈に皮肉ったもの。

3.或る日路上で ★★★

四字熟語を多用した歌詞が新鮮。小川菜摘(ダウンタウン浜田雅功の妻)との交通トラブルが歌詞のモチーフになっているという噂。歌詞中に「Down Town」という単語が出てくるのも偶然ではないのかもしれませんね。…と思ったら、wikipediaによると桑田さんはこのことが歌詞の元ネタになっているのを否定しているんだとか。

4.影法師 ★★★☆

ジョン・レノンを意識したナンバー。こちらもコカ・コーラのキャンペーン・ソングとして使われましたが(「風の向こうに秋がいて~♪」の部分)、CMに合っていなかったですよね(笑)。

5.BLUE MONDAY ★★★☆

青山学院大学の後輩であるLOVE PSYCHEDELICOが参加したナンバー。この曲もディランの影響が強いですね。

6.地下室のメロディ ★★★

桑田節メロディーを’60年代ロック・サウンドに仕立てたナンバー。ギターとオルガンの絡みがカッコイイですね。

7.東京 ★★★★

8thシングル。2002年6月26日リリース。ロックもブルースもジャズも歌謡曲も演歌も、その全ての要素を取り入れたような重量感のあるナンバー。アルバムにしっかり溶け込みながら、同時に強烈な存在感を放っています。

8.JAIL ~奇妙な果実~ ★★★

チープな感じのするロックン・ロールで、歌詞はSMプレイ。実際に連れて行かれたSMクラブで、歌詞のアイデアが浮かんだそうです。

9.東京ジプシー・ローズ ★★★

雅ロック。和のテイストの濃い楽曲です。スピード感あるサビはわかりやすくノリが良いので、ライブに合う楽曲かもしれませんね。ジプシー・ローズは伝説のストリッパー。

10.どん底のブルース ★★☆

ファンなら誰もが『私の世紀末カルテ』を思い出すであろうフォーク・ソング。タイトルだけでどんな曲かが多少想像できるかと思いますが、重くてとても何度も聴けません。「もう人間なんて嫌だ」というストレートなサビの歌詞を始め、「隣のあの娘が輪姦(まわ)されて 綺麗なサンゴが汚れても」なんていうフレーズも…。
ただ、『私の世紀末カルテ』に比べ、やや達観した感を受けるほか、聴き手側の顔色を見ながら制作にあたったようなイメージも、この曲からは感じられますね。そういった諸々を含め、全体的な雰囲気では僕は『私の~』のほうが好みです。

11.夏の日の少年 ★★★

ここでガラッと雰囲気が変わり、アルバム中では少ないメジャーで明るいトーンのフォーク・ロック。シングル『東京』のc/wですが、テイクが異なります。
こういった曲調でも歌詞にはどこか陰があるのが、『孤独の太陽』の『鏡』や『飛べないモスキート』を思い出させますね。

12.質量とエネルギーの等価性 ★★★☆

今作中で最もリスナーの度肝を抜くラウド・ロック。アルバムでは唯一の現代的なロック・ナンバーです。デジタル色も濃く、中盤にはラップも差し込まれているなど、45歳のオヤジによるこの偏執的なまでの作り込みぶりは異常。ちょっとこれは笑ってしまいました。カッコイイです。

13.ありがとう ★★★

原坊のピアノとストリングスをバックに歌う唱歌風の楽曲。ロックンロールを貫いたこのアルバムの最後にこういった曲がくるというのも、なかなかいいものですね。

総合 ★★★★

(記:2008.8.15)










ベストアルバム
『TOP OF THE POPS』
(2002.11.27)

第3次ソロ活動の最後にリリースされた、これまでのソロ・ワークスの集大成となる2枚組作品。『フロム イエスタデイ』は現実的にはベストアルバムではないため、今作がソロとしては初めてのベストアルバムということになります。
オリジナル/ベストの違いはあれど、2ヶ月前にリリースされた『ROCK AND ROLL HERO』と今作とで、音楽家・桑田佳祐の2つの顔が象徴されているというわけです。本当に上手い流れですよね。ソロ活動も通算では長きに渡っており、『フロム イエスタデイ』だけではソロ活動を総括するアルバムとしては不十分だったので、ベストアルバム発表も丁度良い頃合いでしたね。
ソロ名義での楽曲・KUWATA BAND名義での楽曲・SUPERCHIMPANZEEで発表した『クリといつまでも』に加え、Mr.Childrenと組んだ『奇跡の地球』をアルバム初収録、奥田民生とコラボした『光の世界』を初音源化、AAAライブで披露した『ヨイトマケの唄』のカバーの収録など、ファンにも嬉しいトラックが多数収録されています。DISC-1のラストに収録されている『素敵な未来を見てほしい』の歌詞は、公式サイトでファンから募集したフレーズをもとに、桑田さんが完成させたもの。楽曲そのものは、まぁ普通ですが…(笑)。

この後、デビュー25周年にあたる2003年6月25日に、『勝手にシンドバッド』のボックス・セットを発売、6月28日に建長寺ライブを行った後、7月23日に『涙の海で抱かれたい ~SEA OF LOVE~』をリリースして、サザンは本格的に活動を再開します。

DISC 1

1.波乗りジョニー
2.黄昏のサマー・ホリデイ
3.白い恋人達
4.踊ろよベイビー1962
5.月
6.哀しみのプリズナー
7.Blue ~こんな夜には踊れない
8.悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)
9.JOURNEY
10.飛べないモスキート(MOSQUITO)
11.真夜中のダンディー
12.可愛いミーナ
13.素敵な未来を見てほしい

DISC 2

1.MERRY X’MAS IN SUMMER
2.BAN BAN BAN
3.スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)
4.ONE DAY
5.鏡
6.いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)
7.遠い街角 (The wanderin’ street)
8.誰かの風の跡
9.クリといつまでも
10.奇跡の地球
11.光の世界
12.ヨイトマケの唄 (Live at パシフィコ横浜国立大ホール)
13.祭りのあと

(記:2008.8.15)










9thシングル
『明日晴れるかな』
(2007.5.16)

およそ5年ぶりにソロ活動を再開。ソロ名義では4作連続となるオリコン1位を獲得。
全曲タイアップ付き。4曲目には、初回盤Bonus Trackとして、『こんな僕で良かったら』のCMで使われたインスト・バージョンを収録。初回盤と通常盤で収録内容が違うのは、サザン名義・ソロ名義を通じて初めてのことです。

1.明日晴れるかな ★★★★

フジテレビ系ドラマ『プロポーズ大作戦』主題歌。
静かなピアノで始まり、オーケストラをバックに壮大に展開するバラード。淡々と流れていくAメロの美しさは『白い恋人達』を彷彿とさせます。当初は公式サイトにてサビのみが試聴可能でしたが、Aメロ・Bメロからサビへのつながりはスムーズで、全編通して聴くことで更に味わい深く聴こえます。
ラストの「明日晴れるかな~♪」というコーラスに子供達を迎えたのは、『CHRISTMAS TIME FOREVER』を彷彿とさせますね。

2.こんな僕で良かったら ★★★

アメリカンエキスプレス「MORE THAN JUST A CARD」キャンペーンCMソング。
楽曲は大人っぽいジャズです。最後の「押しあててパパイヤ」・「口づけてバナナ」というフレーズが非常に印象的ですね。

3.男達の挽歌 ★★☆

本人出演のダンディハウス「ニッポン ダンディ?」キャンペーンCMソング。
楽曲はブルースロックです。キャッチーなメロディーが耳に残ります。曲自体はなんてことないですが、歌詞に注目すると、「付録cky」・「呪縛cky」など桑田さんらしい造語がみられたり、夏目漱石『草枕』から、「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。」というフレーズを引用するなど、こだわりが覗えます。

初回盤 Bonus Track

4.こんな僕で良かったら (Trampet & Jazz Piano Trio : CM Version) ★★★

アメリカンエキスプレス「MORE THAN JUST A CARD」キャンペーンの「ただいま」篇のために製作されたインスト・バージョン。1分16秒という短い収録時間になっています。

(記:2007.6.28)










10thシングル
『風の詩を聴かせて』
(2007.8.22)

約3ヶ月ぶりの新曲。
表題曲は、ソロとしては初の映画主題歌に起用されました。
前作に引き続きオリコン1位を獲得。2001年の『波乗りジョニー』から5作連続の1位獲得となりましたが、男性ソロアーティストによる5作連続の1位は、1982年に近藤真彦が達成して以来の史上2人目となる快挙。
今回も、3曲とも違ったタイプのナンバーを聴かせてくれています。

1.風の詩を聴かせて ★★★★

映画『Life 天国で君に逢えたら』主題歌。
夏の終わりによく似合うバラード。アコースティックな全体像で、極力シンプルなアレンジにとどめています。片山敦夫さんによるキーボードと、成田昭彦さんによるパーカッションの音が印象的。実に素朴な作風のナンバー。そして、桑田さんのヴォーカルがまた味わい深いです。
聴き込むことで印象が良くなる楽曲。ソロとしては『いつか何処かで』に印象が近いかもしれません。

2.NUMBER WONDA GIRL ~恋するワンダ~ ★★★☆

素朴な表題曲の後は、カップリングでまたファンを喜ばせてくれます。とにかくファンに受けるぞ~といった感じの情熱的なロックンロール。
本人出演のアサヒ飲料『WONDA』CMソング。CMのために書き下ろされた楽曲です。
歌詞はエロティックで、ちょっと聞いただけじゃ何て言っているのか分からないという桑田さんらしいものになっています。鋭いヴォーカルも見事。清水美穂さん・安奈陽子さんの女性2人によるコーラスも、この曲の魅力を大幅に高めています。

3.MY LITTLE HOMETOWN ★★★

開放的なレゲエナンバー。キャッチーなメロディーは流石ですね。
少年時代の茅ヶ崎での思い出を綴った1曲で、「CHIYAMA」という実在するレコードショップの名前も登場します。
ラストには、茅ヶ崎で夏に行われる「浜降祭」での、『茅ヶ崎甚句』の「どっこい どっこい」という掛け声が使用されています。

(記:2007.9.25)










11thシングル
『ダーリン』
(2007.12.5)

ソロ名義では初となる、年間3枚のシングル発表。そして、12月にシングルが発売されるのは、サザン・ソロを通じて初となります。
今作も、三者三様の良さを感じさせてくれます。6作連続・通算7作目の1位獲得。

1.ダーリン ★★★★

『NUMBER WONDA GIRL』に続き、本人出演のアサヒ飲料『WONDA』CMソングに。
「ド・昭和歌謡」を狙ったと本人が言っていたわけですが、疑いなく「J-POP」としてのフィールドに整理される楽曲で、結局のところ、ポップス職人・桑田佳祐による昭和歌謡へのオマージュであり、「昭和歌謡」というテイストで脚色したセルフパロディーでもある…そういう曲かな。「歌謡曲」という言葉で想起するイメージは人によってまちまちで、もっと暗いというか、重いというか、淀んだというか(笑)…僕を含め、そういうものを期待していた人もいるだろうから、フタを開けてみたら極めてキャッチーなポップスとして仕上がっていたこの曲に驚いたとしてもおかしくないですね。
歌詞は、韻を踏む、地名・固有名詞が入り混じる、全体は切ないラブストーリーという…、ホントにいつもの桑田さんです(笑)。まぁ、「いつも」の水準がこれだけ高いということで、よしとしましょう。お馴染みの横浜を舞台にしていて、クリスマスソングでもあるんですね。PVの撮影も、横浜で行われています。

2.現代東京奇譚 ★★★

映画『闇の子供たち』主題歌。大衆的な『ダーリン』を素直に受け入れた人もいる反面、ガッカリしたファンも絶対にいるはずだけど、そんな人達にとっては、この曲は好印象だったんじゃないかな。哀感漂う桑田節と泣きのヴォーカルが見事。「階段を下りるように沈む夕日」という比喩表現が絶望感をよく表していて凄い。

3.THE COMMON BLUES ~月並みなブルース~ ★★★

タイトル通りのブルースロックなわけですが、目新しいところがないというわけではなく、聴き所は何と言っても、各楽器のソロプレイを含む長い間奏。これだけ長い間奏って、サザン名義を含めても『Computer Children』くらいしか頭に浮かばないんだけど(笑)。
歌詞は、音楽をやっている人なら分かるであろう、楽曲製作の過程を歌ったもの。「昨夜DVDで見た若手を妬む俺」というフレーズが笑わせてくれます。

(記:2008.1.11)


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