Being系グループの一つ。浅岡雄也(Vo)、小田孝(G)、小橋琢人(Dr)、安部潤(Key)の4人で、1994年2月に前身バンド「view」としてデビュー。シングル2枚をリリースした後、「FIELD OF VIEW」として再デビュー。安部潤の脱退後、短期間の3人時代を経て、新津健二(Ba)が加入。 ミリオンヒットを記録した『突然』の他、『君がいたから』・『DAN DAN 心魅かれてく』等がヒット。スーツを着込んだスタイルで、爽やかな楽曲をリリースし続けました。 2001年には「the FIELD OF VIEW」と改名。2002年解散。
作品レビュー
1stアルバム 『FIELD OF VIEW I』 (1995.10.10)
さて、FIELD OF VIEWです。彼らはもともと、前年に前身バンドviewとして活動していたのですが、それまでのラフな服装から一転、スーツに身を包みイメージチェンジ。FIELD OF VIEWとして再デビューしました。 デビューシングル『君がいたから』がいきなりドラマ主題歌として大ヒット。続く2ndシングル『突然』は、CMソングとしてオン・エアーされ、その爽やかな歌声が人々の耳に浸透しミリオンセラーとなるなど、最高の滑り出しを見せました。 そんな彼らの1stアルバムが今作です。
2ndシングル。 FIELD OF VIEWの名前は知らなくても、「突然の風に吹かれて~♪」というフレーズを聞けばわかるという人も多いのではないでしょうか。ポカリスエットCMソングとして、100万枚を売り上げた彼らの最大のヒット作であり代表曲。1stシングルの『君がいたから』に続いて、作詞・坂井泉水、作曲・織田哲郎というゴールデンコンビが手がけています。 やっぱり浅岡さんの歌声は、爽やかで、かつ、吸引力があって素敵ですね。 「突然に熱い夕立に 夢中で車に走ったね」というフレーズは、泉水さんの手掛けた歌詞の中でも、個人的にかなりお気に入りです。
今作では浅岡曲の比重も増えて、半分以上が彼による作曲となっています。 また、3rdシングル『Last Good-bye』の後、キーボード担当の安部潤が脱退。4thシングル『DAN DAN心魅かれてく』を3人でリリースした後、5thシングル『ドキッ』からベースの新津健二が加入して再び4人体制になっています。 この頃、少年だった諸君は『DAN DAN~』と言えば『ドラゴンボールGT』を思い浮かべるのでは!? DEENとFIELD OF VIEWの区別はついていましたか?(笑)
1. Rainy day
★★☆ 2. Last Good-bye
★★★ 3. ドキッ
★★★ 4. Growin' Love
★★★ 5. DAN DAN心魅かれてく
★★★☆ 6. Wake up!!
★★★ 7. PROMISE YOU
★★★☆ 8. Believe myself
★★★ 9. 夢見続けて今も
★★★ 10. The way of my Life
★★☆ 11. 君の声が聴きたくて
★★★
総合 ★★★
あぁ、もう、イヤになるほどFIELD OF VIEW(笑) (記:2006.3.27)
ベストアルバム 『SINGLES COLLECTION +4』 (1997.10.8)
FIELD OF VIEW初のベストアルバム。タイトル通り、これまでの全シングルと、4曲の新曲が収録されています。新音源が多いので、それまでFIELD OF VIEWの楽曲を聴いてきたファンとしても新鮮に聴くことのできる一枚だと思います。 ただ、楽曲・サウンドとしてどうかというと、僕にとっては、正直なところ、途中で退屈になってきます。相も変わらず彼らの音楽が貫かれているのですが、破綻もないが、普通以上の良さを認められる点もないという徹底した爽やかサウンドに飽き飽きしてしまいます。 売上的には、6thシングルの『Dreams』でコケて以降、衰退を続けていくことになる彼ら。確かにシングルにしては地味な楽曲だもんなぁ、『Dreams』って。タイトルも印象に残りづらいし。エフェクトのかかったギターによるメランコリックなイントロが印象的な7thシングル『この街で君と暮らしたい』は、小松未歩による詞曲。 前身バンドVIEW時代の1stシングルである『あの時の中で僕らは』は、落ち着いたバラード。終わったかと見せかけてサビの最後にもうひとフレーズがあるというのが巧く、そこだけで印象が格段に良くなっています。 「+4」の新曲は、『ある晴れた日』がやや劣るといったところで、あとはどれも甲乙つけ難いかな。1曲目に置かれた『もう一度』なんかは本当に爽やかですね。まさに多々納+明石=この曲ってな感じです(笑)。 ってなわけで、いかにもBeing臭のするアルバムというのは、彼らにとってこれが最後でして、これ以後は売上も衰退していきます。しかし、アルバムの内容なんかは、これ以後の作品ほうが自作曲も増えてもっと面白くなってきます。今作は、いわばBeingの呪いのかかった時代のFOVの集大成といったところでしょうか。
3rdアルバム 『FIELD OF VIEW III ~NOWHERE NOWHERE~』 (1998.9.30)
3枚目のオリジナルアルバム。それまでのBeでコテコテに固められたサウンドから脱出し、ほぼ全ての楽曲が、メンバー自身の手によって書かれています。また、編曲も大部分が「池田大介&FIELD OF VIEW」名義。それまでの彼らの楽曲の編曲者は結構バラバラだったのですが、ここでは池田大介を「5人目のFIELD OF VIEW」として固定し、統一された音作りに取り組んでいます。 そうして出来上がった楽曲は、どれもバンドロック色が強く、過去のアルバムとは違いFOVの個性としてのバンドサウンドを聴かせてくれるものとなりました。メンバーそれぞれが曲を書いて、ほぼメンバーだけが中心となって演奏して…というように、デビュー時から彼らは「Beingのビートルズ」を意識していたようですが(スーツを着込んで演奏していたのもそのせいだとか)、それが楽曲の面でもよりそれらしくなってきたかなという印象です。 『めぐる季節を越えて』・『君を照らす太陽に』といった、自身の手によって書かれた楽曲をシングルリリース出来たのも彼らにとって大きな意味がありますね。 小松未歩の詞曲で、PAMELAHの小澤正澄さんが編曲した8thシングル『渇いた叫び』は唯一の提供曲ですが、それほど浮いている感じはありませんね。この曲のサビの「駆け引きがカギ~♪」というフレーズは、タイアップしたアニメ『遊☆戯☆王』に合わせてでしょうね(笑)。 どっしりと重いバンドサウンド『君がいないだけ』、軽快で疾走感のあるバンドロック『ナチュラル』、奇麗な構成のミディアムナンバー『想い出すよ 君の笑顔を』と、中盤にも曲が揃っていて、最初から最後までどの曲もすごく良いメロディーなのですが、ただやっぱり中庸感は拭えないところ。悪く言えばどこにでもある曲だし、聴き終わっても、最後には何も残らない。それは前と変わらないんですよね。ただ、彼ら自身の手によって曲が書かれるようになってきたというのは大事な点。以前のアルバムと、この作品と、どっちを聴いていたいかというと、絶対こっちの路線を聴いていたいです。
1.風よ
★★★ 2.終わらない恋 ~ひとつになれる~
★★★ 3.渇いた叫び
★★★ 4.君を照らす太陽に
★★★ 5.everywhere
★★★ 6.君がいないだけ
★★★☆ 7.ナチュラル
★★★ 8.想い出すよ 君の笑顔を
★★★ 9.ながれる雲
★★★ 10.I’m thinking a lot of you
★★ 11.めぐる季節を越えて
★★★
総合 ★★
(記:2007.5.7)
4thアルバム 『LOVELY JUBBLY』 (1999.8.25)
11ヶ月ぶりのオリジナル4th。 前作ではほとんどの楽曲で池田大介をアレンジャーに迎えていたのですが、今回は池田氏の他に、徳永暁人、大島康祐をアレンジャーとして迎えています。 そのためかどうかは分かりませんが、前作よりもやや統一感の薄いアルバムになりました。それがむしろ良いほうに作用していて、1曲1曲が少なくとも前作よりは印象に残ります。前作のように「全部の曲が同じような雰囲気のために途中で飽きる」というようなことがありませんでした。どの曲が特別良いというわけでもないのですが、何故かアルバムの印象としては結構良かったりするのです。 もちろん、楽曲はどれも既存の「FIELD OF VIEW」のイメージを外さないものなのですが、例えば12thシングルの『青い傘で』も、異国風のイントロと、『突然』や『ドキッ』とは違ったタイプのキャッチーさをもつメロディーが新鮮。 『Fly to Xxxx』・11thシングルの『CRASH』の2曲では、ハードなアレンジを試みており、新たなFOVの可能性を感じさせます。 また、『夏の片隅で』は、湿度の高さを感じさせるオケの構築と、そこに乗るアッパーな浅岡さんのヴォーカルの微妙なバランスがまさに「夏の片隅」を想起させるものがあり、面白いなぁと思いました。『Sunday morning』でのこれまでにないリズム感も印象的。 彼らは基本的に引き出しの少ないバンドでした。浅岡さんのヴォーカルも一本調子で適応力に欠けるところがあるし。ただ、このアルバムは、そんな彼らが新たななんとかフィールドを広げようともがいているのを感じ取ることが出来るし、実際これまでと違う新たなFOVの可能性が少なからず感じられました。