NO-NAMEの隠れ家

AEROSMITH(2)

作品レビュー…の続き

8thアルバム
『DONE WITH MIRRORS』
(1985.11)

ついにAEROSMITHはオリジナルメンバーで復帰しました。スティーブンとジョーがお互いのライブを行き来することによって、かつての溝は埋まっていったのです。1984年春、正式にジョーとブラッドがメンバーに復帰。ゲフィンレコードへと移籍し、1985年7月よりレコーディングが進められました。プロデューサーに迎えられたのは、テッド・テンプルマン。彼のプロデュースの下、ほとんどの曲を一発録りに近い方法で録音していったとのこと。ただ、それゆえ、楽曲的にはイマイチ煮込み方が甘い印象があり、ファン・本人達ともに評価は低め。どうもしっくり来ない面がありますね。復活ということで、周囲もバタバタしていて、まだ落ち着きと以前のペースを取り戻していなかったのでしょう。
それでも、ギターリフの荒々しさは、ジョーとブラッドの復帰を実感させるところです。冒頭の『LET THE MUSIC DO THE TALKING』は、ジョーのソロ時代の楽曲のリメイクで疾走感が溢れ、ひたすら格好いいです。ラストを飾る『DARKNESS』もスティーブンのシャウトと鬼気迫る演奏が迫力満点。最後にフェイドアウトしていくのはどうかと思うけど。それ以外は…そうだなぁ、あまり曲が立ってなくて、どうものっぺりしたアルバムという印象しか残らないかなぁ。ともあれ、このアルバムでは、オリジナルメンバーのAEROSMITHが戻ってきたことを素直に喜びましょう。

1.LET THE MUSIC DO THE TALKING ★★★
2.MY FIST YOUR FACE ★★☆
3.SHAME ON YOU ★★
4.THE REASON A DOG ★★
5.SHELA ★★☆
6.GYPSY BOOTS ★★★
7.SHE’S ON FIRE ★★☆
8.THE HOP ★★★
9.DARKNESS ★★★

総合 ★★

(記：2007.5.17)

ライブアルバム
『CLASSICS LIVE!』
(1986.4)

ライブアルバム
『CLASSICS LIVE! 2』
(1987.7)

9thアルバム
『PERMANENT VACATION』
(1987.8)

AEROSMITH完全復活を印象付けたアルバム。プロデューサーには、前年BON JOVIの『SLIPPELY WHEN WET』を大ヒットに導いたブルース・フェアバーンを迎え、実にアグレッシブなサウンドのアルバムとなりました。シングルも『RAG DOLL』・『DUDE (LOOKS LIKE A LADY)』・『ANGEL』と立て続けにヒット。特に『ANGEL』は全米3位となる大ヒットになりました。
全編通してポップな側面が押し出されたアルバムで、古くからのAEROSMITHファンには賛否両論なところもある一枚ですが、駄曲さえも勢いでごまかしてしまうようなアルバム全体の明るいトーンはこれまでになかったほどのもので、ブルース・フェアバーンの力に驚嘆せざるを得ません。ちょうど前年にニューヨークのラップ・グループRUN D.M.C.が『WALK THIS WAY』をカバーし、これに本家AEROSMITHのスティーブンとジョーもゲスト参加して大ヒットしたことも、追い風となっていました。
冒頭の『HEART’S DONE TIME』は、まさに幕開けにふさわしいスリリングなナンバーで、スティーブンもあの「アキャキャキャキャー!!」というキチ○イボイスをしっかり披露してくれています。続く2曲目の『MAGIC TOUCH』は、日本人好みなメロディーですね。以前はこんな曲なかった！
『RAG DOLL』・『DUDE (LOOKS LIKE A LADY)』では覚えやすくてノレるリフを、『SIMORIAH』では高速ビートを、『GIRL KEEPS COMING APART』では派手なホーンを、そして前述の『ANGEL』(ここ日本では近年フジテレビ系ドラマ『エンジン』のテーマソングとしても使用されたことで若年層にも有名？)では新境地と言える真正面からのバラードを突きつけられ、従来の彼ららしさと新たな要素を共に取り込んだ意欲的な楽曲群に驚かされます。それにしても『ANGEL』でのスティーブンの伸びやかなヴォーカルには惚れ込んでしまいます。ホレボレ。
The Beatlesのカバー『I’M DOWN』は、後年スティーブン自身が「穴埋めだった」と悔やんでいるのですが、出来としては悪くないですよね。アルバムを締めくくるインスト『THE MOVIE』では謎の日本語が聞こえます(笑)。

1.HEART’S DONE TIME ★★★
2.MAGIC TOUCH ★★★
3.RAG DOLL ★★★☆
4.SIMORIAH ★★★
5.DUDE (LOOKS LIKE A LADY) ★★★☆
6.ST.JOHN ★★
7.HANGMAN JURY ★★☆
8.GIRL KEEPS COMING APART ★★☆
9.ANGEL ★★★★
10.PERMANENT VACATION ★★★
11.I’M DOWN ★★★☆
12.THE MOVIE ★★★

総合 ★★★☆

(記：2007.5.24)

ベストアルバム
『GEMS』
(1988.11)

10thアルバム
『PUMP』
(1989.9)

ベストアルバム
『PANDORA'S BOX』
(1991.11)

11thアルバム
『GET A GRIP』
(1993.4)

ベストアルバム
『PANDORA'S TOYS』
(1994)

ベストアルバム
『BIG ONES』
(1994.11)

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