EMILIVE(feel relaxed)

EMILIVE(feel relaxed)

5 JUNE 前編




ゆうべは疲れきってよく眠れた。
朝はコーヒーだけ飲みに16Fへいく。


8:40~ オアフ島北方面ツアーへ。
「この木何の木」→ドールパイナップル農場→ノース・ショア→サンセット・ビーチ→ハレイワのツアー。
「この木何の木」とドールは興味ないんですけど。ツアーなので仕方なし。
6人家族と一緒になって、車中でも肩身が狭い。


ガイドさんがアジア系の人で、ルーズで不親切でやだった。
集合時間には自分が一番遅れてくるし、
わたしが行きたかったマツモトシェイブ・アイス(かき氷やさん)を予定からはずすし、
車の運転が超ヘタで小刻みにアクセル踏むから「うっ、うっ」ってなんの。
酔うっちゅうねん。


それでも、行きたかったノース・ショアとハレイワの町はすごーくよかった。


ノース・ショアは青く透き通った海。
町の雰囲気は、湘南の住宅地に似ている。
平屋の一軒家が多く、庭に背の低い木が植えてあり、色とりどりの花。
海沿いにはサーフボードshopが並び、カラフルなボートが立っている。
色とりどりの正方形の布が、軒先に吊るして干してあり、みどりによく映える。


サンセットビーチに降り立つ。
海はたっぷりとしている。
肉厚って感じ。
なんていうか、砂浜が盛り上がっている。
砂は、粒の丸い白いさらさら。
よく小瓶に入っているような。
小さい貝の破片が混ざっている。ブレンドされている。
白い。白くて、もこっとしてて、波まで急に下っていく。


砂にしゃがんで、遠くのサーファーを眺める。
波は穏やかで、荒々しいという冬の波の気配はまったくない。


「写真撮ってもらえますか?」と、キレイめなお姉さんに声をかけられる。
boyfriendらしき白人男性とデートに来たみたい。
付きあいはじめたばっかだな、これ。
思わず「こちらに住んでるんですか?」「ええ」「いいですねぇ」なんて会話する。
これは、きみたち、ちょっと初々しくてぎくしゃくしてんのわかるよ、っていうイミです。
2人分のカメラを頼まれる。
彼女の方を先にふつうに写して、彼のカメラではせっかくなので構図を考えて
ズームにしてとったった。ラブラブポートレート風。
カメラを返して挨拶すると、彼がカメラチェックして「オー!!」と喜んでた。フフ


・・むなしいぜ。でも別に。


ハレイワへ。ハワイの土地民芸品店に入る。
かわいい、そうね、18歳? くらいの、そうね、インリンちゃんみたいな
唇ぷっくり目ぱっちりの子が応対してくれる。
「ハワイで作ってます」と書いてある紐ブレスレットを見ていたら
よかったらこっちにもあるよ、と言われる。
合いそうなサイズを彼女が選んでくれて、つけてみる。
色は、ベージュと黒と茶。ベージュと黒を買う。
サーファーっぽい。ポストカードも買う。


英語で話すの楽しい。
なんか楽しい。
ちゃんと通じる。ハワイではな。


集合までまだ少し時間があるので、コーヒー専門店へ。
アイス・カフェラテを買う。smallでも大きい。
さすがにワイキキと違って、日本語も書いてない。
外で座って飲む。


隣のテーブルに、ギター一本で歌っている男の人。
ひげをはやして、痩せてて、裸足で、ヒッピーサーファーって感じの人。
こっち見て歌ってる。めちゃめちゃ見てる。
ああ、目が合うけどどうしたらいいの。
その前には少年が座って聴いている。ハタチそこそこ?
サーファーかな、ハワイ人+アメリカ人の混血って感じ。
リズムをとって聴いている。煙草をすってる。


乾いたギターの音が気持ちよくて、歌もうまくて、いい声している。
たぶん現代の英語の歌を歌っている。originalかなぁ?
きれいで少し悲しい曲。


小雨がぱらつく中で胸にしみた。


話しかけられなかった。
何度もこっち見てたのに。ニコリともできなかった。
少年に煙草一本くれる? とでも言えばよかった。
さすが初一人旅。
どうやって人と出会うのか聞いてくるの忘れたよ! って、また思った。


最後に彼らの脇を通る時に、ギターの人が振り返ったから拍手してみせた。
that's all.


ああ。しゃべってみる勇気があったら、そこに一つ出会いが生まれたのに。
忘れられない会話ができたのに。くやしい。
言いたいことがあとからいっぱい浮かんで消えた。


でも、ギターの人の目、ぎらぎらしててヒッピーさんぽかったんだよねぇ。
(あとから聞いた話によると、サーフィンからドラッグに走る少年が増えてて
ハワイでも社会問題になってるんだって。そういう目、なんだよなぁ・・)


帰り道、ノースショアとハレイワにものすごく郷愁を感じていた。
また来ようって思った。
冬のサーフィンも見たいし。
ワイキキとは別世界。
のんびりしていて、心が深そう。
たぶんこっちは、人が少なくて、海がきれいで
人が少ないってことは、人恋しいってことで優しいんじゃないのかな。


車中、「わたし、ハワイに住もうかな」という思いが降ってきた。
湧いたんじゃなくて、降ってきた。
びっくりして、また涙でてきた。
隣のおじさん疲れて眠ってるから、こっそり泣いた。
たしかに、この土地になつかしい感じを感じるんだ。
そんなの初めてなんだ。
一人旅のせいなのかな? 
でも。


+++


午後、ワイキキに着く。
パイナップルパウンドケーキ食べて、お腹空いていないからホテルに戻る。
フロントで電話の掛け方を聞いて、マサさんのツアー会社に電話する。
女性が流暢な日本語で、丁寧に対応。
あー、バナナケーキの人かも・・と思う。


わたしがいる期間に他のツアーはないんだって。人が集まらないためらしい。
ハーブを煎じて飲む「カヴァカヴァ・ナイトツアー」とか怪しくて、すごく行きたかったのに。
後ろ髪ひかれて電話を切る。
ふーーーー。会えないんだ。がくり。
マサさんともっと話してみたい。会いたい。


山をゆく彼の姿、が見えた。




© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: