12.24
明け方、窓の外を見るとグレーに日の出のオレンジピンク。
海のまっただ中にいると、目に映るものは色ばかり。
９時頃
何か食べたくて、船酔いで調子の悪そうなさとしくんをおいて一人食堂へ。
食堂はがらがら。
揺れのせいでトレイを持つのもおぼつかない。
海藻サラダの梅じそドレ＆冷や奴。うまい。
ゆうべから顔が火照り、体の中が乾いている感じがする。
窓の外には、すでに夏っぽい湿度の高そうな雲が浮いている。
11時
一時間半遅れて13時到着予定だとのアナウンス。
もう眠るのも飽きたなぁ。
高熱の風邪の日みたいだ。眠って起きて眠って… 汗くさい。
たくさん夢を見た。
わたしという人間は「一人の人」だよ、 というような夢が多い。
どうも最近、自宅でも会社でも「さとしくんの妻」としてのわたし、だった気がする。
夢ではわたしは一人の女性として、どう人々とつながっていこうかと考えていた。
結婚しても、素敵な人と出逢って（男も女も）つながっていきたいなぁ。
ルパン（大西さん）が「脱皮」と言っていた2005年。
ハワイや御蔵はわたしの脱皮だったんだなぁ、と気付く。
御蔵で「エイミー」というキャンプネームを得る前と後の顔、全然違う。
写真を見ると、表情が別人。
脱皮すると、シンプルになる。
脱皮すると、リラックスできる。
今、小笠原へ向けて、これだけ長い時間船に揺られていると
すでに脱皮が始まっている。
ポーチにぎっしりの化粧道具なんていらなかったなぁ…と思うよ。
＋＋＋
14：00
着いたよー！！ 小笠原！
あまりに長い船旅に倦み「もう来ないよね…」と言ったけれど、いやはや。
宿まで送迎してくれる数分で、もう笑いがこみ上げてきましたよ。
ハ、ハ、ハワイが… ハワイがあるんですけど… この島。
日本なのに、植物といい、空気感といい、山といい、雲といい、光といい
リトルハワイな感じであります…
ポリネシア風土だ。
35年前までアメリカに支配されていたということで、建物もアメリカっぽい。
これからずっとお世話になる宿はペンション・キャベツビーチ。
ブルーの眩しいペンションで、前庭にはテラスもある。
食事がおいしいと評判だったので、やや贅沢をして。
宿の奥さんはマダムな感じで、お部屋も広々として清潔感があってきれい。
なにはともあれ、シャワーを浴びて気分さっぱり。
Tシャツとビーサンで散歩に出る。リラックスリラックス♪
目の前の公園で、南国風の変な木（トックリヤシモドキ）を眺めて歩けば
木々の向こうには青い白い海があるんだよ。
子どもたちが公園のブランコに頭をくっつけてのっているよ。
（小笠原の子どもは無茶だね！）
レモンに似た木の実が草むらに丸～く並んでいるよ。ミステリーサークル。
丸一日飲まず食わずだったさとしくんに遅い昼食を。
島ずしをいただきます。1000円也。
店のおじさんは無口で淡々と。
島ずしとは、サワラを醤油で漬けたものだそうな。
ワサビではなくカラシが効いている。
（普通においしいが、そんなに「おいしい～！」というわけでもない）
お土産屋さんに立ち寄り、ステッカーと小笠原の本を購入。
ステッカーはクジラとイルカ（帰って早速トランクにぺたり）。
生協で、飲み物やら島の手作りお菓子を少し買って帰る頃には
空は黒くて星チカリ。
＋＋＋
宿でのはじめての夕飯は
牛肉と赤ピーマンと玉ねぎのソテー
白身魚のにんにくソース
油なす
高野豆腐
だった。
おいしいわ～！ 評判通り！ これはよかった。うーむ。ゴハン2杯。
特別に作るクリスマスケーキも人気のようで、次々と島の人が受け取りにやってくる。
みな色が黒くて歯が白く、笑顔でやってくる。
なまっちろいな、わたし。
ちょっと期待するも、こちらにケーキは出なかった。
かわりに出てきた自家製アイスクリームはバニラビーンズがきいてておいしー。
ああ… しあわせ。
すると、キッチンの奥の方から「キャン！」という声がして二人ともピクリ。
首を伸ばして覗くと、モヘモヘしたものが動いている。
アリャ！ 茶色いトイプードルがいたよ！
まだ１歳半の遊び盛りくん。テトテト歩くからその名もテトくん。
廊下で赤いゴムボールを追い回している。
さとしくんは子供時代から白いプードルを飼っていたので
久々のプードルと戯れ、懐かしいのと嬉しいのと。
わたしは犬好きだけれど、あまり触れ合ったことがないので
はじめはお互い様子を見て警戒していたけれど
しばらくボールを取り合いじゃれあっていると
徐々に慣れて来て膝に飛び乗るようになり
やたらとクンクン匂いを嗅ぎはじめ
さとしくんには目もくれなくなり
赤ボールにも目を向けなくなり
わたしの腕にしがみつき
腰をカクカクと……
きゃ～～！！
初対面のワンコに発情され、なんかショックが…
犬に…犬に…
そんなわけでおとなしく就寝…
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