この人が出演している映画には“ハズレ”がない。

そう思えるようなパワーと存在感を持った女優の一人に、ウーピー・ゴールドバーグがいる。

「カラー・パープル」「ゴースト」「天使にラブソングを」「ボーイズ・オン・ザ・サイド」
「コリーナ.コリーナ」「ライオン・キング(声)」、、、、

彼女は、8歳のとき初めて舞台に立って以来、歌と踊りと演技に、人生の大部分を費やしてきた。

彼女が主演する、スピルバーグ監督の「カラー・パープル」を観た時には、自分の身体の中にこれほどの余分な水分があったのかと驚くほど、涙が出た。

最初から最後まで、涙が乾かなかった。

映画の中で、美人歌手がウーピーを一目見るなり、大笑いしながら言う。

"You sure are ugly!! Ha,ha,ha,ha,,,,!"
「あなたって、ほんとに、ブスね!」

やがてこの2人は、交流を深める間に、親友になってしまう。

そんなストーリーの流れが自然に感じられるのも、ウーピー・ゴールドバーグという女優の、表層的な容貌の美醜を超越した人間的スケールの大きさと、心の内面から溢れ出す透明な魅力の為せる業だろう。

世界の映画界の中でも、最も美しく輝いた女優の1人だと思う。


 “美は幸福を約束するものに他ならない。”

         ----- スタンダール




先日、弟が、数年連れ添っている彼女を連れて、遊びに来た。

久しぶりに弟の恋人と会って、美しくなったなあ、、と、正直、呆然とさせられてしまった。

そして、同時に、頑張っているなあ、と思って、微笑ましい気持ちになった。

年齢とともに美しくなる女性は、相当の努力をしている、と思う。

そういえば、ちょっと前に別れた自分の元相方も、まるで、生きていることの意味の半分以上は「美」であるかのごとく、日々、外面的・内面的に美しくあるための努力を続けていた。

化粧、服装、髪型、アクセサリー、肌の手入れ、徹底した菜食主義、禁酒禁煙、運動、学習、、、

ときに痛々しいほど無理をしているように見えることもあったが、僕はそんな彼女を尊敬し、心から、美しい、と思った。


“天才とは、他人の4倍、5倍の努力をした者のことなのです。”

                   ----- 野口英世





美は、醜く汚れた人の心を癒し、澄み渡った透明なものに戻してくれる。

美は、人が生きるために必要な希望とエネルギーを与えてくれる。

美は、ただ、それ自体に、価値がある。


 “『美』----それは、恐ろしいものだ。
   それが恐ろしいのは、それを規定することができないからである。”

                 ----- ドストエフスキー





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