朝日新聞朝刊 朝日俳歌壇から
プーチン・ロシアのウクライナ侵攻は世界中の一人ひとりに何らかの影響をもたらして、もう少しで 1 年の時が過ぎようとしている。そんな動きが、毎日曜日に掲載される朝日新聞の読者の投稿の俳歌壇欄にも如実に反映される。
NATO 対ロシア陣営の対立図式から・・・
山茶花の散る年の瀬に戦争へ急に舵切る岸田政権 (小牧市 白沢英生さん)・・
佐佐木幸綱氏選
次に来ること徴兵かもしれず思いもよらぬほどの急変 (東京都 中澤隆吉さん)・・・佐佐木幸綱氏選
侵攻から一年で、中立を標ぼうしていたロシアの隣国フィンランド、スウェーデンが NATO 入りを宣言して、ロシアに対して実線を引いた。日本政府はこのウクライナ侵攻を戦争ムードの煽りに変えて、対中国、北朝鮮、ロシアに過剰な反応ぶりを示し、タモリ氏指摘の、「戦前の日本のようになる」とも言わしめた軍事費の大幅アップは、アメリカの最新兵器購入で、 NATO を支えている。そんな世相を俳壇欄では
戦争が氷のやうに笑ひをる (柏市 物江 里人さん)・・・高山れおな氏選
・・・と、詠む。
プーチン・ロシアが軍事進攻を始め、ウクライナをぼろぼろにした。兵士や戦車を失ったが、自国は攻撃されていない。この侵攻の責任をロシアに取る気なんてさらさらないとは思うが、侵攻を止める責任は厳然とある。
アンチ・プーチンのロシア人よ、目覚めよ。世界中の平和を願う市民に愛想をつかされぬ前に。