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2008年10月30日
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カテゴリ: Hiekka aikaa
alain 81


ダスニエール橋の上で出食わし、流血を見た。
苦もなく説明のつく喧嘩であるが、解剖してみると非常に有益である。
あんまり用心が過ぎると、どういう具合に情熱は暴力と化するかを明示する例だ。
恐怖の念の動きというものは、実際の原因はなくとも、
非常に強く僕等に働くもので、又苦痛さえ伴うもので、
僕等は其処に常に一種の警報を見たがるものだ。
恐らく、二人の臆病者は、歩調を緩め、迂回し乍(なが)ら進んだだろう、
用心深い行為は、狡猾な攻撃に実に酷似している、
そこで二人とも恐怖心をいよいよ募らせたろう、
恐らく、一人が素早く通り抜け様とした、もう一人は武器を取った。
つまり、狂気染みた疑心と記号の拙劣な解釈とがする業(わざ)である。

(後略)



(アラン著 小林秀雄訳『精神と情熱とに関する八十一章』
 新潮社小林秀雄全作品8 P.193, 194 )







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Last updated  2008年10月31日 06時27分01秒


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