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書籍の感想です。今回は「火狩りの王2 影ノ火」です。火狩りの王〈二〉 影ノ火 [ 日向 理恵子 ]破滅的な世界だと思う。もう世界は息切れしたかのようで、人がまともに住める場所はほとんどありません。結界を張ったエリアに住むだけです。なのにそれを奪い合ってさらに世界を汚してしまう。ナウシカと同じね。巨神兵なんて使ったら世界は簡単に滅んじゃう。この火狩りの王の世界も破滅に向かっているように見えます。何とかそれを阻止しようと神族の姫神が自身の分身を使って各村を守ろうとしている。しかし、姫神の力も衰えてきて、揺るる火を欲している。みんなが色々な理由で揺るる火を求めていて世界を無茶苦茶にしようとしている。灯子と煌四は出会い、かなたを返すことができました。しかし、煌四は自分のやっていることに疑問を持ち、緋名子はいつの間にか改造されちゃってます。そもそも飲水に何かしら入っているのかな。次巻はついに蜘蛛かな。そもそも揺るる火って何なんだろうね。人口衛星かと思ったんだけど、ロボットなのかな。
2025.09.30
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書籍の感想です。今回は「A君(17)の戦争7 はたすべきちかい」です。【中古】 A君(17)の戦争(7) はたすべきちかい 富士見ファンタジア文庫/豪屋大介(著者)前巻の敵首都強襲で束の間の猶予を得た魔王国ですが、この強襲は人間族に恐怖を呼び起こすには十分すぎる内容でした。シレイラは猫の皮を脱ぎ捨て、自国だけでなく、コレバーン、パライソといった国々をまとめ上げ、20万を超える軍隊を仕立てて、魔王国に向けて侵攻を開始したのです。正直、魔王国は積極的な侵攻を行っておらず、脅威と感じる理由がそもそもありません。もはや、「人間族じゃないから」とかいう良く分からない理由ではありますが、戦いは進んでいってしまいます。戦力差は4倍以上あり、魔王国は絶対絶命です。そんな侵攻に対して魔王国は極力戦闘を避け、後退に後退を繰り返します。かと思うと、リアちゃんに反撃を命じたり、剛士の作戦は読めません。ひたすら撤退している時は焦土戦術なのかなと思ったのですが、そこまで徹底はしていないようで不思議です。兵站が続かなければ20万もの部隊は持ちません。少ない戦力で勝つとしたらそれしかないかなと思うのですが、果たして・・・8巻で決着するのかな?
2025.09.27
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書籍の感想です。今回は「天神さまの突撃モノノケ晩ごはん」です。天神さまの突撃モノノケ晩ごはん (マイナビ出版ファン文庫) [ 烏丸紫明 ]人間関係に疲れ果てた、というか、母親からの仕打ちがトラウマとなり、人との関わりが怖くなってしまった愛。古い建物をこよなく愛する愛は京都に古い空き家を見つけ、住むことにしました。そこは手間はかかるけど、その手間も愛おしい愛の至福の空間です。他の人に話すと「それ、何が楽しいの?」と変人扱いされるのが嫌で人と関わらない、自分の事を言わないで過ごしてきました。そんな愛の幸せの空間に変人、いや、神様がやってきて愛の作るご飯を食べていくのです。しかも、人数は段々と増えていき、1つ目童、タヌキ、猫又、女郎蜘蛛と個性的な子ばかり集まります。最初は自分の空間が侵食される事を不快に思っていた愛でしたが、いつしか皆と食べるご飯こそ美味しいと感じるようになります。ある日会社でいざこざがあり、会社の雰囲気は最悪になります。今までの愛なら我関せずというところですが、実は何もしない事も不快な事がある事に気付かされるのです。そして愛は勇気を振り絞って、ちょっとだけ行動してみるのでした。神様は天神さまの梅の木の精、輝夜だったのですが、「神様は人を幸せにはできない。人を幸せにするのは人だ」というのはとても素敵なセリフだと思いました。もちろん、神様の力をある特定の個人の願いを叶えるために使えば幸せにできるのかもしれません。しかし、神様の力はもっと大局的なことに使われることが多く、その先、幸せになるかどうかは人同士の関わり合いの中から生まれてくるという訳です。さて、愛の根本的な人嫌いは母親からの仕打ちにありました。しかし、母親もただ理不尽だったわけではありません。愛は「視える」体質だったのです。愛が人には視えないものが視えることで色々面倒事が起き、母親は何とか「普通の女の子」になって欲しいと祈祷やお祓いなどを試したようです。しかし、一向に改善しないことをつい愛に辛く当たるようになってしまいます。一番愛して欲しい、今のままで良いよと言って欲しい母親からの拒否は愛を極度の人間不信に育て上げたのでした。愛に素敵な気付きを与えてくれたのは輝夜でしたが結局愛を助けてくれたのは人でした。違っていること、それを肯定できるようになったことは愛を大きく成長させたのでした。
2025.09.26
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書籍の感想です。今回は「A君(17)の戦争6 すべてはふるさとのために」です。【中古】 A君(17)の戦争(6) すべてはふるさとのために 富士見ファンタジア文庫/豪屋大介(著者)前巻の続きで、敵の首都直撃作戦いよいよ決行です。ドラゴンを戦闘攻撃機と考えれば納得の作戦です。戦闘攻撃機で無給油で敵首都を攻撃しようなどと思いません。空母や空中空輸機などの手配をしますよね。魔王国が、剛士が考えたことも同じ。自力で飛ぶ必要がないから元気いっぱいなドラゴンが敵の軍事施設だけを徹底的に叩きます。民間の住居などを攻撃しないところも考え抜いてます。人道的な理由ではありません。魔王国は攻撃してこない民間人は敵とはみなさないですよ、というアピールであり、復讐に燃えた士気の高い兵士を生み出さないための処置なのです。というわけでほぼ作戦通りにことは進み、最後の最も重要な目標に進みます。しかし、そこにいたのはランバルトの天才策士シレイラでした。ギリギリで剛士の目的を見抜き、そして・・・これは痛み分け、ですかね。さて、戦いの推移の他にとても興味深い問いがありました。曰く、人の人生にどんな意味があるのか。曰く、休日の反戦運動に何の意味があるのか。私は人の人生に、自分の人生に意味があると思いたいです。しかし、世界の始まりはビッグバンだと言われており、その後世界がどのように形作られてきたのか研究は進んでいます。しかし、ビッグバンにどんな意味があるかと言われれば「ない」と答えるしかありません。となるとそここら派生した我々の人生にも意味はないのではないか、というのが、拗れまくったほのかの意見です。後は雰囲気だけの反戦運動に怒ったフィラです。平日は仕事があるから、休日に行われる反戦運動に参加しようという考えは、自らの命をなげうって戦争を止めようとしているフィラには我慢ならなかったのでしょう。色々考えさせられました。
2025.09.23
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書籍の感想です。今回は「A君(17)の戦争5 すすむべきみち」です。【中古】 A君(17)の戦争(5) すすむべきみち 富士見ファンタジア文庫/豪屋大介(著者)後書きにありますが、今巻もページ数の関係で2冊になったみたいですね。だからか、展開としてはややおとなしめ。仕込み期間という感じでしょうか。とはいえ、新キャラのコレバーン連合王国の第三王女、フィラさん素敵です。自国を守るために剛士に押し掛けプロポーズをしてきます(笑)ある意味、ものすごく迷惑な訳ですが、とはいえ、剛士クンの新しい「話せる」仲間になれる存在で剛士は魔王国に受け入れる決意をします。結婚はまた今度ね。その辺のヘタレぶりは相変わらず。スフィアとの距離感が心配ですね。スフィアは頼って欲しい訳です。スフィアは剛士のどんなダメな姿でも受け入れる覚悟があります。なのに剛士は段々と総帥として力を自分だけで体現することが多くなっているのです。嬉しい反面、嬉しくない気持ちのスフィアはどうなっちゃうのかな~そして、鍛錬により、ドラゴン部隊の練度が限りなく高まったことで、剛士は新たな作戦を発動させるのでした・・・うーん、次巻はドラゴン大活躍の予感ですね。楽しみです。ちなみに、今までの人生の中で最高な時間を過ごしている田中魔王。虜囚の身でありながら、己の欲望のまま走っている訳ですが、仮に魔王国が救出に成功したとしても、魔王国に帰るかな?帰りたくない、とか言いそう(笑)あー、でもリアには会いたいか?そのへんも気になります。
2025.09.22
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書籍の感想です。今回は「あなたのためのショコラショー」です。あなたのためのショコラショー (角川文庫) [ 内山 純 ]私、チョコ大好きです。チョコそのものも好きだし、チョコ味の食べ物も好き。なので、アイスもケーキもチョコ味が好きです。柿ピーのチョココーティングはあまり好きではありませんが(笑)さて、この小説、チョコそのものが何かを解決してくれるわけではありません。でも、嬉しい時も悩んだ時も困った時も、いつも側にいてくれるチョコが心を軽くしてくれるのだと思います。チョコ大好きな靖羽は高校生の長女、小学6年の次女、旦那と暮らしています。ひょんなことから財団法人で働くこととなります。専業主婦が長かったこともあり、なかなか仕事に慣れることができない靖羽でしたが、美味しいチョコが、癒してくれます。そして、高校生活でのいざこざに悩む長女、財団法人で仕事の進め方でぶつかり合う人々をチョコは優しい味で包みこんでくれます。美味しいものを食べると、心のトゲトゲも柔らかくなりますよね。あと、小説の中で語られるチョコの説明もとても良いです。靖羽の家族も全員チョコが好きなのですが、次女が自由研究としてチョコのことを調べ始めます。そんな経緯もあり、次女から語られるチョコの歴史はとても面白かったです。それが困っている人を助けるヒントになったりして・・・ココアとショコラショー(ホットチョコレート)は厳密には違うとのこと。大雑把に言うと、ドロドロかサラサラかということなのですが、その2つは相反するものではなく、お互い良いところがあるのどなあと感じたり。面白かったです。
2025.09.19
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書籍の感想です。今回は「メイデーア転生物語6 片想いから始まる物語」です。メイデーア転生物語 6 片想いから始まる物語 (富士見L文庫) [ 友麻碧 ]やっとここまできた、というのが、感想ですかね。マキアは元々は現代からの転生者だと思っていましたが、さらにその前はメイデーアの世界の大魔道士の一人であり、それも転生した姿の一つでさらには世界を作った十柱の神々まで遡るというのです。この巻は重要な内容が多いのです。紅の魔女と黒の魔王との出会いと確執、そして回収者の悲哀が明らかになります。神様十柱が考えたという緻密な規則の裏をかくことはできるのでしょうか。しかも裏をかくという事はルールを壊すということだと思います。ルールは世界を壊さないためのものなので、逆に言うと、ルールを壊すことで世界を破滅を導いてしまうのではないかという心配もあります。今まであまり伏線ぽい内容がなかったからなあ。今後、どうなるのかなー
2025.09.18
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書籍の感想です。今回は「本好きの下剋上 第五部 女神の化身11」です。本好きの下剋上第五部「女神の化身Ⅺ」(5-11) [ 香月美夜 ]さて、今回は王族との次期ツェントを誰にするか決める会議です。今まで散々振り回されてきたマインとフェルディナンドですが、今回はマインちゃんに女神が降臨したことを逆手に取り、マインちゃんの方が立場が上という姿勢で会議に臨みます。その上、グリトリスハイトをマインちゃんが譲ってくれるというのですから、王族も下手に出るしかありません。しかし、立候補したジギスヴァルトはまだ自分の立場が分かっていません。このような混乱を生んだ王族は有無を言わせず処刑でもおかしくないところです。それを生きる道を示し、さらに王になれる選択肢まで与えられているのです。フェルディナンドノ筋書き通りの業腹な内容ではあるものの、想定よりはずっと良いはずです。結果、ある方が次のツェントになることが決まりました。この結果がフェルディナンドの想定通りかは分かりませんが、範囲内ではあるようです。というわけで、グリトリスハイトをツェントに譲渡し、マインちゃんはアーレンスバッハを図書室都市の改造に邁進できるかと思ったのですが、女神のちょっとした意趣返しでマインちゃんの命がピンチです。体内の魔力が増えすぎて何もしないと体が耐えられない状態です。有り余る魔力を使おうと様々手を尽くしていきます。その結果が短編に描かれているのですが、とてもその話が好きです。アーレンスバッハがいかに魔力が枯渇していたかがよく分かるエピソードでそれを改善したマインちゃんの人気は爆上がりだろうなあ。
2025.09.16
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書籍の感想です。今回は「火狩りの王1 春ノ火」です。火狩りの王〈一〉 春ノ火 [ 日向理恵子 ]いやー、凄いワクワクするお話です。世界はナウシカの世界のような全面戦争後の世界です。かつての技術はわずかに受け継がれているものの、地表のほぼ全てが黒い森に覆われた世界。しかも人々は火が近くにあると体内から発火してしまうという恐ろしい細菌に感染しています。炎魔と呼ばれる恐ろしい生き物から取れる炎だけは安全に使えるのですが、火狩りと呼ばれる人々が炎魔を討伐し、手に入れたものを分配してもらうしかありません。各村は村ごとに割り当てられた特産品をひたすら作るだけで細々と生きていくしかないのでした。そんな世界で灯子はある火狩りに助けられます。その際、命を落とした火狩りの遺品を家族に届けるために、危険な旅に出るのでした。一方、その火狩りの息子である煌四は父親の伝手で裕福な社長の家に招かれます。そこで、世界を守るために、雷火から武器を作るよう依頼されます。雷火は普通の炎魔の火よりさらに高い熱量を持っており、その雷火を使った武器が必要と言われます。自分のやっていることが本当に世界を救うことになるのか躊躇いと、病弱な妹の治療も行ってくれる社長への感謝で、煌四は段々と迷走していくのでした。灯子の旅は苦闘続きで、装甲車のような機械式の車で向かうはずでしたが、途中で襲われ、大破。木々人と呼ばれる人の助けで何とか村まで行き、そこで明楽と言う火狩りに会い、首都までの護衛をしてもらえることになりました。しかし、権力の奪還を目指す蜘蛛と呼ばれる一族の攻撃で中々思うように進めません。どこかで灯子と煌四は会うのだと思いますが、もうちょっと先ですかねーナウシカの世界観と似ていると言いましたが、パクリとかそういう悪い意味ではありません。むしろ良い意味で発展された展開にワクワクしています。今から次巻が楽しみで仕方がありません♪
2025.09.14
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書籍の感想です。今回は「今宵も喫茶ドードーのキッチンで。」です。今宵も喫茶ドードーのキッチンで。 (双葉文庫) [ 標野 凪 ]喫茶ドードーという可愛らしい名前のちょっとした気付きと奇跡の物語です。奇跡と言っても、そんなびっくりすることが起きるわけではありません。お客さんが困っていることにぴったりなスペシャルメニューを店主であるそろりが用意してくれる。そんな感じですね。お客さんは困ったり、悲しくなったり、くたびれたりしています。そんなお客さんをドードーは都会にあるとは思えないゆったりとした空間で寛がせてくれます。このパターンはお客さんが自ら気付きを得るパターンもありますが、そろりは結構自分の思いを言うタイプ。ただ、ちょっとおとぼけなそろりの斜め上の発言にゆっくりと強張っていた心を解きほぐしていきます。そして、そのままの自分で良いと自分を認めたり、同僚などの言葉をやり過ごすすべを見いだしたり、頑張りすぎないことを学んだりしていきます。さりげなく、各話が繋がっているのも良いですね。可絵が憧れている丁寧な暮らしを続けるsayoさんも実は色々苦しんでいるし、sayoが拠り所と思った感染に気を配る美容院も、色々なお客さんに悩んでいるのです。誰もが悩み、誰もが誰かの救いになっている、というメッセージはとても素敵だなと思いました。
2025.09.12
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書籍の感想です。今回は「A君(17)の戦争4 かがやけるまぼろし」です。【中古】 A君(17)の戦争(4) かがやけるまぼろし 富士見ファンタジア文庫/豪屋大介(著者)4巻はうってかわった展開です。何と学園ものです。剛士は相変わらずちんちくりんですが、仲の良い友だちがいて、学祭の実行委員長として活躍し、さらには可愛いほのかという恋人もいる。こうなってくるとクラインの壺みたいですね。クラインの壺 (新潮文庫) [ 岡嶋二人 ]魔族と人族との戦争に巻き込まれ、魔族の総帥になってしまった世界と、高校生として明るく楽しく暮らす世界とどちらが本当の世界なのでしょうか。結局、剛士は高校生活があまりにも都合が良すぎることに違和感を感じてしまい、終わりを迎えてしまいますが、ちょっとだけ気になることがあります。こんな事をした神様(?)は「三度目ともなると慣れるのも早い」と言います。三度目ってなんでしょうね。4巻の中では繰り返しは2回しか行われていません。となると、一番最初に天抜にいたという記憶も夢なのでしょうか?となると、剛士たち魔王はどこからやってきたのでしょうか。神様のご都合で生み出された存在なのかな?
2025.09.09
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書籍の感想です。今回は「A君(17)の戦争3 たたかいのさだめ」です。【中古】 A君(17)の戦争(3) たたかいのさだめ 富士見ファンタジア文庫/豪屋大介(著者)ポンポコピーな剛士が活躍するシリーズ第3巻です。前巻で何とか敵を撃退したものの、相当な被害を受け、立て直しにもかなりの時間がかかりそうという状況において、剛士は攻勢に出るという。アーシュラじゃなくても、それを無謀だと感じるのは自然なことです。攻撃側は防御側の数倍の戦力が必要と言われているからで、現在の戦力はマリウクス要塞駐留部隊と大差ない戦力しか動員できないのです。この状況で攻勢に出ても、大した戦果は期待できそうもなく、無駄な出兵だとアーシュラは感じた訳です。しかし、剛士の目的は別のところにあったのです。相手が勝たなければ負けることはないのです。つまり、相手を勝てる状況から引きずり落とすということです。果たして、剛士の作戦は・・・作戦も面白かったし、ゴローズの頑張りも面白かったです。展開的に仕方なかったかも知れませんが、もっとワティアさんの活躍が見たかったなぁ。残念です。果てさて、ラストにメタ的な存在(神様?)が出てきます。ここは実験室みたいな感じなんですかね。そもそも魔王はその時その時2適切と思われる才能を持った魔王が降臨してくるというのが、あまりにも都合良すぎますよね。上位の存在が自分の実験に都合の良い要素を投入していると考えた方が納得いきます。さて、次巻で明らかになるのですかね。
2025.09.07
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書籍の感想です。今回は「京都伏見・平安旅館 神様見習いのまかない飯」です。京都伏見・平安旅館 神様見習いのまかない飯【電子書籍】[ 遠藤遼 ]仕事を失い、彼氏にも別れを切り出され、何もかも失った天河彩夢は失意を癒そうと京都旅行に旅立ちます。そこで自称神様見習いという口の悪いイケメンに声をかけられ、平安旅館にお世話になることになりました。平安旅館は何やら「訳あり」のお客様が泊まることが多く、訳ありを解消すべく、神様見習いである真人が動いているようです。しかし、真人は本当に神様見習いなのか、常識も人の機微にも無頓着でハラハラすることばかり。彩夢は仕方なく、真人のフォロー役として巫女見習いをやることになってしまうのでした。という感じのお話ですが、真人のまかない飯は絶品で人を幸せにする力があります。ただし言葉が足りません。そこを彩夢がサポートする形で離婚寸前の夫婦とその息子、怪我でバレーボールの夢を諦めかけた女性、仕事に夢中で家族に迷惑をかけたと悩んでいる母親など、様々な訳ありを解きほぐしていきます。ただ、そもそもは彩夢自身も平安旅館に来たのだから何かしら訳ありのはずです。もちろん仕事もないし、彼氏もいないので訳ありだとも言えますが、自分が目にしている方々に比べるとたいしたことはないと感じます。そんな彩夢の本当の訳あり、そして、自分の進むべき道を探すというお話になっています。真人の作るご飯がとても美味しそうで楽しい本です。
2025.09.06
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書籍の感想です。今回は「こころのカルテ 潜入心理士・月野ゆん」です。こころのカルテ 潜入心理師・月野ゆん [ 秋谷 りんこ ]自殺の原因に絡みというものがあり、それを解くことで自殺したいという考えを解消できるという技術が開発されました。解消するためには患者の心に潜って、物理的に解きほぐす必要があり、潜入心理士と呼ぼれています。月野はその潜入心理士でその活躍が描かれます。という面白い設定だと思うのですが、何か解決方法があっさりしていて、もっと色々困難があっても良いんじゃないかなと思いました。まあ、潜入は治療であり、確実に解消することが重要であること、一度の潜入で絡みを解消できなかった場合、医療事故相当の問題とのことなので、危険は少ないのかも知れませんが。後半で同僚が自殺未遂を起こし、その解消のために潜ることになります。知人の場合の影響が分からないので、知人への潜入は禁止されています。しかし、緊急事態のため、仲間を救うため、危険を冒して潜入することになります。なので、想定外のことが次々と起きるのですが、こういう話メインならもっとワクワクしたかも。
2025.09.03
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書籍の感想です。今回は「ラブカは静かに弓を持つ」です。ラブカは静かに弓を持つ [ 安壇 美緒 ]本屋大賞2位を獲得した作品なのでご存知の方も多いかも。本屋大賞2位といえば「お探し物は図書室まで」ですね。大好きな作品で、人からおすすめの本は?と聞かれたら、これを答えています。お探し物は図書室まで (ポプラ文庫 日本文学 461) [ 青山 美智子 ]さて、ラブカは静かに弓を持つですが、著作権を扱ったお話です。著作権のある楽曲を扱う場合、使用料を払わないといけないというやつですね。この小説では、現実世界でも話題になった音楽教室での演奏に著作権料の支払いを求めたことで、その差し止めを求めて音楽教室側が提訴したところから始まります。主人公の樹は著作権協会の社員で、上司から音楽教室への潜入調査を命じられます。レッスンで著作権のある音楽、要はポップスの使用が常態化していることを掴むことが目的で裁判を有利に進める証拠集めです。樹はできればその仕事はやりたくありませんでした。それはスパイまがいな行為が嫌なのでなく、あるトラウマになる事件があり、そのせいでチェロから離れたという過去があるからです。それ以来、チェロを弾いたこともないし、できる限り目にも入れないようにしてきました。社命としてイヤイヤレッスンを始めたのですが、講師の浅葉の指導、弓使いなどにより、次第にチェロを楽しいと思うようになります。それは、その事件以来、不眠に悩まされていた樹の精神安定剤になるくらい。しかし、彼はスパイなのです。毎日、レッスンの内容を録音し、証拠集めをします。経歴も市役所職員と嘘をつきます。しかし、嘘であるレッスンの時こそ喜びを感じ、生きているという充実感を覚えるのです。やがて、潜入調査の期間が終わりを迎えます。裁判に向け、樹は音楽教室を退会しないといけません。しかし、ただ、退会するだけで良いのか?仲良くなった仲間や師匠の浅葉のことを考えた樹は・・・この物語は著作権の話ではあります。しかし、それを軸にした樹の再生物語でもあります。樹は過去の事件をきっかけを人との接し方が分からなくなってしまったのだと思います。音楽との接し方も。浅葉との出会いが樹の殻を破ったのかなと思います。とても素敵なお話でした。
2025.09.02
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