森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.08.22
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森田理論では神経症が治るということについて、主に次の3つの段階があると解説している。
1、精神交互作用の打破
2、思想の矛盾の打破
3、「生の欲望」に沿った生き方をめざす

森田先生は1の段階を小学校卒業程度、2の段階を中学卒業程度、3の段階を大学卒業程度と言っておられる。丸山晋先生はそのうえに大学院卒業程度のことも言及しておられる。

私の考えですが、1は今まさに神経症で、観念と生活の悪循環で生活が停滞し、蟻地獄の中にはまったような人はすぐに取り組むべき課題である。ほとんどの人は比較的短期のうちに蟻地獄から這い出る。1は蟻地獄から這い出たとしても、その生活態度自体は、堅持しないと元のもくあみとなるので注意が必要だ。

続いて2が達成されないと、生きづらさ、心のもやもやは解消しない。1の段階で森田理論の学習を止めてしまう人がいるが、生き方が改善していないので心の中はいつも曇天のような状態である。また何かのきっかけで神経症の再発を容易に招く。2の学習が不十分なのである。これは比較的大きな壁であるので、自分ひとりで乗り越えることはかなり難しい。

ピアカウンセリング、仲間との相互学習でまず理論を正しく理解すること。次に事実本位・物事本位が生活の中で実践できるようになること。森田先生がよく言われる修養を積んでいくことである。

ここが森田理論学習の最大の難所となる。こうゆうときは仲間の力を借りることである。ここを乗り越えれば、どんな状況に遭遇してもほぼ乗り越えてゆける。その道は確かに森田理論学習と実践の中にある。


森田先生は次のように説明されている。この善し悪しとか苦楽とかいう事は、事実と言葉との間に非常な相違がある。この苦楽の評価の拘泥を超越して、ただ現実における、我々の「生命の躍動」そのものになりきって行く事が大学卒業程度のものであろうか。

私は大学卒業程度については次のように理解している。
比較対象のない世界だと思います。自然と同化し、なりきった世界。「かくあるべし」が小さくなった世界。つまり思想の矛盾を乗り越えて、事実に服従するような態度が出来上がってみると、それは実に自由な満足感に満ちた生活がよみがえってくる。本来の人間の生き方に立ち戻ることができる。どこまでも「生の欲望の発揮」に邁進するような状態になってくる。そのことを言っているのだと思う。

次に丸山先生の言われている、大学院卒業程度であるが、これは「小我に生きるのではなく大我に生きる」ことと言われている。
私の考えはこうだ。大学を卒業して、どこまでも「生の欲望の発揮」に邁進するような状態というのは、反面とても危険な面をもっている。つまり「生の欲望」の暴走が起こることである。
ここでは不安の制御が働いたうえでの「生の欲望の発揮」でならないといけない。制御が働いてくれば「生の欲望の発揮」が一人暴走することはない。
本来の「生の欲望の発揮」というのは、将来が今より良くなること、他の人のために尽くすこと、この二点に集約されてくるものと考えています。






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Last updated  2013.08.22 06:59:48
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
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