ぬの　と　てしごと

2021年の10月に投稿したものです。

今日はこちらの画像の続編・・・。

でも、

上の花柄かぶりベストの方じゃなくて

下のパンツ。

ビッグシルエットのパンツですが

頂いた着物を解いて縫いました。

素材はシルクウールなのではないかと思います。



長らくアトリエで待機していたパンツですが

めでたく今月お嫁入り。

で、このパンツを購入された方が

「同じ生地で上物も出来ないかしら？」と。

たっぷり生地を使って

幅広のパンツを縫ってしまったので

家で残りの生地を確認してみるものの

微妙な感じ。

なんとか縫えるかな？

でも、袖付きはもう無理。

かぶりのベストタイプならなんとか行けるか？

という訳で縫いました。










小柄なマダム世代の方です。

生地に余裕がなくて

短めの丈になってしまいましたが

それが逆にマッチしていてよい感じです。

大喜びして頂けました。

ホッ。


お顔を入れないので写真撮ってもいいですか？と

お聞きして承諾を頂きました。


昨日がお渡しの日だったのですが

「クリスマスを待つ子供みたいに

後２日、後1日って毎日楽しみに待っていたの」

との事で、

聞いた私もとてもうれしい気分に。

こういう瞬間がお仕事をしていて一番の喜びですね。





さて、

今日のテーマ

「脳の不思議」について・・・


私は、

自分でいうのもなんですが

色の組み合わせ、素材の組み合わせ辺りが

作り手としては、

私の最も強みのある部分かな、と思っています。

構築的な分野においてはやや劣る。

カットやラインで見せるというより

素材感、色のコンビネーションでハッとさせるタイプ。

というのが自己分析。


こんな私ですが

服飾の学校を出た後

アパレルの会社でデザイナーとして働きました。

そこでは

展示会に向けた次のシーズンのサンプルは

デザイナーがパターンを引きました。

ファーストパターンはデザイナーが引いて

実際に生産に入る時にはパタンナーさんが

最終のパターンを引いていました。


という訳で

当時は日々パターンを引く生活で

この時代にかなり訓練されました。

働き始めて数年後には

平面でパターンを見ても

仕上がりがパッと想像できる感じになっていました。

肩の傾斜とか袖ぐりとか

全体のボリューム感とか・・・

容易に思い通りにラインが引けた。




が、

その後、

生活に色々と変化があり

子育ての時期もあり

バッグ類やクッションなどは作っても

着るものは作らない時期がありました。

ある日気が付くと

当時のパターンに関する感覚が

どっかに行っちゃった！と。

その時期には

あれれ？？？

身幅ってどのくらいだったっけ？

後ろの襟ぐり中心からウエストまで何センチ？

見事にまるっきり失われてしまった。


このブログを見て頂けるとわかるように

個人で活動するようになってから

10年は経っています。

その間、

失われた感覚を取り戻すべく

そこそこに着るもののパターンも

引いていたのですが

なんか靄の中をかき分けるような感覚。

手探り、手探り。

時々、

「いいじゃないこれは！」

というパターンもあって

手応えもそれなりにありましたが

常に努力して

頭の中からパターンを引っ張り出す感じ。



それが・・・

ここ数ヵ月でしょうかね。

なんかスルスルッと楽に考えられるようになりました。

何があったのか

自分では原因がわからないのですが

あの頃の感覚が取り戻せつつある。


何年経っても

なかなか感覚が戻らないので

もう無理なんじゃないか、と思っていただけに

自分の変化に

自分でビックリ。



固く結んであった結び目が

やっと解れたような、ね。

不思議ですね。






前回書いたように

7月中にワンピースのパターンを仕上げて

試作を縫う予定だったのですが

8月にずれ込みです。

いよいよ夏休み本番というか

世間はお休み気分になりつつありますが

今のうちにがんばっておきたいと思っています。

進め進め～♪　（笑）