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フルート吹きの休日
三大絶景の思い出
旅行をしている人は、日本人も外国人も、リタイヤした感じの人が多く、私と家人はちょっと異質だったかも知れない。
グランドキャニオンに行くベースは、ラスベガスです。あまり良いイメージがなかったのですが、行って見てびっくり。ディズニーランド見たいなのが、10個位有る感じの町です。楽しかったです!カジノは良くわからなくて、ほとんど手を出さなかったのですが、1回だけスロットをやってみたら、ビギナーズラック、どんどん揃ってびっくり。ジャラジャラと出た25セント硬貨を両替に行く時は、気分爽快。1週間滞在したら、危険でしたね。
ラスベガスからグランドキャニオンへは、小型飛行機で行くのがポピュラーらしい。車だと5~6時間かかるらしい。日本を出発する前に、添乗員さんから「小型飛行機は結構揺れるので、酔い易い方は酔い止めの薬を飲んでおいて下さい。」という注意も有ったほどだ。私は乗り物酔いする方だ。だけど、あまりにも弱いので、開き直っている。「今日もどうせ吐くだろう。」乗ったとたんにエチケット袋を準備し、吐く気満々!離陸後は、フーバーダムやグランドキャニオンの始りの様な谷を、ヘッドホンから聞える日本語の説明と共に眺める。周りでゲーゲーやっている人を横目に、「こんな時、何か声をかけても無駄なんだよねー」と、冷静に。離陸後30分位で、エアポケットに落ち、全員が天井に頭をぶつけた!怖かった!それからがいけなかった。。だんだん気分はすぐれなくなり、やっとグランドキャニオン空港の滑走路が見える頃に、「ゲー!」と。しかしながら、私は乗り物酔いのプロです。すっきりした顔で「やっぱり吐いたね。」と家人に笑顔で話しながら、飛行機を降りたのでした。
エチケット袋を手に手に持って降り立った、グランドキャニオン空港。結構ひんやりした空気だった。現地ガイドさんが言うには、明後日は雪の予報だとか。ここにも日本人ガイドさんは多く、この何も無い観光地での暮らしは、食糧を買うのにも車で何時間も走らないと、店が無いそうだ。日本のコンビ二が懐かしい、と、ガイドの若いお嬢さんは言っていた。
空港からバスで少し行くと、グランドキャニオンの谷を上からのぞくポイントへと着く。その壮大さと赤い地層の重なりの美しさには、夢中になってシャッターを切るのだが、だんだん慣れてくる。ポイントを3つほど回ってくれるのだが、表情は変わるものの、感動は薄れてきた。同じような風景が気が遠くなるほど続いているのだ。最後のポイントに、駅があった。どこかの町から、鉄道が来ているそうだ。帰りは時間がかかっても、列車で帰りたい!と思ったのは、わたしだけでは無いはず。
ラスベガスの最後の夜は、超人気のパリスのバフェに行った。「バフェ」とは、バイキングレストランの事だ。どのホテルにもたいていバフェがある。パリス(ホテルの名)に足を踏み入れて、びっくり。建物の中に青空があり、町並みが再現され、エッフェル塔の足がニョキっと有った。ガイドブック通り、並んで並んで、やっと入る。すごい海老やカニは食べ放題だし、料理やデザートも充実していた。
ちょっと遠いけど、歩いてみようと、ディスカウントのお土産やなどを冷やかしつつ、わがホテル、ピラミッド型のルクソールへ帰る。やらないつもりのスロットを、思い出にね、と、やってみる。出るわ出るわ!!でも、残念ながら時間がすごい時間で、部屋へ帰る。翌朝家人が「実は、寝静まってから一人でもう一度カジノへ行こうかと思ってたけど、先に寝てしまった!!残念!!」うーん、私も行きたかったかも・・・
朝6時集合。
ラスベガス→ロサンゼルス→トロント→ナイアガラ
という移動日。テロの影響も有るのだろう。ロスの空港はチェックが厳しい。入国の際もそうだったが、バッグからケイタイやカメラを出し、なんと靴も脱がされ靴のチェックも有る。しかも、男性はベルトで引っ掛かり、女性は下着のワイヤーでも引っ掛かる。ゲートで止められると、ボディチェックも入念に、足を前後に開いたり椅子に座って足を上げたり、いろいろな格好をさせられる。何だか罪人になった気分。
アメリカ大陸を西から東へ横断する。砂漠の大地から穀倉地帯へと変わり、窓から五大湖が見えてきて、トロントへ。そこからバスでナイアガラへ。着いたのは夕暮れ。
ナイアガラの町は、滝を中心に対岸はアメリカ・ニューヨーク州だ。賑やかなネオン、カジノも有り、観光客がそぞろ歩いていた。ホテルの部屋からもカナダ滝が目の前。到着後、滝のライトアップを見るべく、散歩にいそしむ事に。滝の近くへ下る坂が無く、結構遠回りして滝へ。ライトアップの色は様々に変わり、写真に撮るが、やはり肉眼で見るような感動は切り取れない事に気がつき、しっかりと眼で見る事に。
ナイアガラの滝での朝は、爽やかだった。ホテルの目の前にテレビで見た事がある、「OKギフトショップ(OK=大橋巨泉)」が有り、出発までの間、皆さんお土産買いに走っていた。
いよいよ、「霧の乙女号」乗船。配られるレインコートは着まわしの場合が有り、外国人が着た後は凄く臭い!と、聞いていたので、Myレインコートを¥100ショップで購入していたのだが、その情報は古く、現在はすべて使い捨てだった。鮨詰めの船首部分に陣取り、カナダ滝に近づくと暴風雨さながらになる。滝が目の前に現れるが、暴風雨と前の人のレインコートに風が入り拡がっていて邪魔!!こんな時はうどの大木、家人の出番だ!人の頭の上からカメラを出し、目の前のカナダ滝を臨場感たっぷりに撮影に成功。
ナイアガラの滝が見えるレストランで食事をした後、ナイアガラオンザレイクという町へ向かう。この町は、まるでヨーロッパの小さな町です。ドイツにもこんな町がありました。のんびりとウィンドウショッピングをしながら町を散歩。慌しいツアーの中の、良いアクセントでした。
この町を後に、カナダの大都会トロントへ。ナイアガラからのガイドのお兄さんが、とっても面白く、バス内は和気藹々。トロント市内のいくつかの観光ポイントを押さえつつ、本隊と別れOPツアーの「ロブスターとCNタワー」へ向かう。このロブスター、もの凄く大きい!!美味しかった事。CNタワーも、世界最大のタワーらしく、トロントの夜景が素晴らしく満足したOPでした。
次の朝が早いので、ホテルは空港近く。ホテルに着いた後、寝酒を探しに周辺をウロウロするが、全くコンビニも無く、この日は寝酒に有り付けませんでした。
早朝のトロント空港から、カルガリー空港へ。カルガリーは冬季オリンピックが開催された町だから、名前を知っていた。道路に面してジャンプ台が有り、史上不評のジャンプ台だったそうだ。跳ぶ選手は行く手の道路の車の列に突っ込むのではないか、と、不安になったそうだ。この辺りは紅葉ではなく黄葉だ。もう始っていた。
カナディアンロッキーが見えてくる。固有名詞の「ロッキー山脈」に、何も考えた事はなかったが、ロッキー山脈はその名の通り、岩山だった。岩盤の地層が斜めに入っており、昔地層が隆起した事を教えている。想像を絶する巨大な岩山の連なり。以前にモンタナ州のロッキー山脈を見たが、こんなに感動はしなかった。その岩山を分け入り、バスはバンフの町へと向かう。バンフはスキーの町なので、知っている。すごく楽しみにしていた。
バンフの町に降り立った。冷たい空気。ロッキーの山々に囲まれ、毅然としている。目抜き通りは商店が立ち並び、こんな小さな町に何故こんなにたくさんの人がいるのだろうと思うほど、人通りが有った。夕方になると、昼間のツアーから帰ってきた人が増えて、もっとすごい人出になるそうだ。そうだ!夏の軽井沢、大分の湯布院、そんな感じ。
サルファー山のゴンドラに乗る。もうこの時点で軽く2,000mを越えていると思うが、ゴンドラ駅の向こう側の峰まで、遊歩道が続いていた。足に自信が有る人は登りだした。思ったより時間がかからず(但し私は「もうへたるよー!」と連発しながら)向こう側の更に高い峰に着いた。そこは絶景!360度見渡せる。はるか下方にバンフの小っちゃな町が見える。いい気分だ!
サルファー山を降りて、ボウ滝へと移動。ボウ滝は、マリリン・モンローが映画「帰らざる河」のロケを行った所だと言う。しかし、その映画を見ていない。年配のツアー仲間は感動しつつ、写真を撮ったり、映画の思い出を語ったりしていた。近くのバンフスプリングスホテルという、超有名な老舗ホテルは、お城のような作りで、北海道キロロのホテルピアノを思わせた。しかし、泊まった事ある人の話だと、歴史がある為古い館で、怖くて夜廊下を出歩く気にはなれない感じだったそうだ。
その後、バンフの町へ戻り、日本料理店で食事。私達は外国に出ても、日本食を渇望しない。郷に入っては郷に従え。せっかくのカナダの夕食が日本食とは、ちょっと残念だが、ツアー仲間は、皆さん喜んでいた。それから私達は地元のスーパーが大好きだ。あと、目ざとくホテルのコインランドリーを探し出し、洗濯もした。バンフの冬はスキー客がいっぱいなので、コインランドリーの設備があったのだ。
バンフの町は大満足です。それにしても、日本人が多い。住んでいる人も、ワーキングホリデーで働いている人も。きっと今度はスキーで来るぞ!
旅の観光の最終日。三大絶景の最後はコロンビア大氷原だ。氷河も楽しみだが、その前に立ち寄る、たくさんの湖、果たしてパンフレットのような色なのか??詳細はまた明日。
ロッキーの宝石、レイク・ルイーズ。この辺りの湖は、いずれも氷河が溶け出したもので、ロッキーの岩肌も一緒に削ってきたので、その岩の成分が湖に堆積しており、光が差し込んだ後青い光だけが撥ね返ってくるので、湖面が青いのだそうだ。
今日は生憎の天気で曇ったり雨がパラパラ来たり、だったが、ガイドさんの話では、晴天だと氷河の氷の白さの照り返しがきつく、氷の青白い美しさを見る事が出来ないそうです。ボウ湖では、その曇りがちの天気のお陰で、劇的な素晴らしい写真が撮れた(フリーページに掲載してます!)。点在する湖の中でも、特に素晴らしかったのは、ペイトー湖!本当に、ガイドブックのトルコブルーは自然のままの本物だった。ガイドさんによると、どの湖も、高い所から見た方がより青い色が美しいそうだ。そして、見る高さによっても色が変わるらしい。不思議だね。
いよいよ、氷河が近づく。氷河ハイウェイと呼ばれる道、すでに標高2,000mは越しているはずだ。到着したアイスフィールド・センターからは、コロンビア大氷原へのツアーが出ている。しばらく順番待ちをして、シャトルバスで氷河の近くまで、そこからスノーコーチと呼ばれる、人の背丈ほどあるタイヤをつけたバス(雪上車)に乗って、氷河の上を走り、自分で歩いても危険がないポイントに着く。ついた氷河は、コロンビア大氷原と、ツアーパンフなどには有るが、実はアサバスカ氷河という所で、その流れ出している上に名古屋市ほどの大きさのコロンビア大氷原が広がっているそうだ。なんとも壮大な話。コロンビア大氷原からは6つの流れ出し氷河が有るそうだ。アサバスカ氷河上に立つと、ちょうどスキー場くらいの寒さだった。目ざとく、氷河の雪解け水が流れて出している所を見つけ、飲んでみる。冷たさのせいか、味は感じなかった。何世紀も前の水だ。ロマンですねー。雪上車で連れて行ってもらった場所以外は、ガイドがいないと危険で、数年前に、勝手に氷河をハイキングした日本人親子の子供が、クレバス(裂け目)に落ちてなくなる事故があったそうだ。ミルウェル(井戸)も車上から見えた。何しろ、降り立った所で足元の氷は300mの厚さが有るそうなので、裂け目に落ちたら最後だね。ガイドさんに聞いたら、夏に氷河が滑り落ちる場面に出くわしたそうだ。雷が落ちる感じらしい。自然って、すごい。
氷河に降り立った後、帰路に着いたのだが、帰り道でもう一つ湖に寄る。モレーン・レイクだ。これまでの湖めぐりで、湖畔で見るより高い所から見る方が色が綺麗だという事がわかった。モレーン・レイクでは、ロッキーの瓦礫が堆積した山が有り、そこに登る事がお奨めだ。のぼりの途中で、すごい声を発する者が居り、直感的に「鳴きウサギだ!」と思った。当り!!見た事ないのに、何でわかったのか、自分でも不思議。瓦礫の山の上からの湖は、最高に素晴らしかった。また、帰ってきたバンフ駅の手前でも、へら鹿を見た。こんなに町の近くに居るなんて、びっくり。
今回のツアーで、現地ガイドにかなり恵まれたと思う。ナイアガラ・トロントのお兄さんはすごく面白く、車内の案内もつい聞き入ってしまうし、人の扱いに大変慣れて、上手だった。トロント大学付近で渋滞した時も、ネタが尽きた、なんて言いながら、渋滞を感じさせない話で繋いでくれた。バンフのお姉さんは、相当ガイド慣れしていそうな、多分、地元のガイドの中でも名物ガイド的な人だった。何でも良く知っているし、細かいポイントもしっかり押さえている。住民制限がされているバンフに住んでいると言っていた。雪上車で他の3団体と一緒になった時も、他の団体客から「すごく楽しかったよ!ありがとう!」と、言われていた。「あの人、うちのガイドだよ!」と、自慢したくなる程だった。
最後の夜の食事はアルバータ牛のステーキだった。地元で人気のステーキハウス。アルバータ牛は有名らしい。柔らかいのを極上と思っている日本人には、やはり硬いかな?食事後は、最後のお土産ショッピングだ。「PICAと言う店が安いですよ!」と、旅の仲間が教えてくれた。行って見たら、今まで見た中で、いろいろな物が一番安かった。もっと早く気がつけば良かった!!私はお土産好きだ。そんな私に付き合いきれなくなると、家人は近くの路上のどこかで辛抱強く待っている。感心だ。そんな家人が、添乗員さんを飲みに誘ったらしい。仕事とは言え、一人で皆さんをまとめて来た労をねぎらおうという訳だ。あまり飲めない、と言う彼女を、自分たちの趣味でアイリッシュパブへ案内する。様々な話をし、なかなか面白いひと時だった。ここのギネスのドラフトも、なかなか。ギネスのドラフト(生)は、注ぎ方が難しいので、ダメな店はダメなのだ。こうやって、最後の夜は過ぎていった。
バンフを後にする。途中、先住民の居住区があり、この辺りの先住民の方は土地から石油が出て、大変裕福だ、と聞いた。それぞれの民族を大事にするカナダらしさで、先住民の方々はある程度自分たちの習慣や行事を守りながら暮らしているそうだ。映画で見た三角テントみたいな物があった。
トロントからバンクーバーへ、そして一路成田空港へ。長時間の飛行機は、私と家人にとって、そんなに苦痛ではない。私は、日頃忙しくしているので、飛行機で何もする事が無く、映画を見たり、雑誌を読んだり、ボーっとしたりするのが好きだ。しかし、成田空港の国内線乗り換え時間は、さすがに疲れていて、店を散策する元気も無かった。
空港で、旅の仲間達はそれぞれの方向へ散り、添乗員さんとも別れた。おそらく、旅の仲間達はこの後一生会う機会はないだろう。そう考えると不思議なものだなーと、ナイアガラの集合写真を見た。
おわり
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