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「サッカーの3要素」

よく言われるけど「サッカーの3要素」って知ってる?


 サッカーは、「スピード」 「角度」 「バランス」が大事な三要素といわれています。
ボールを止めて蹴ることがもちろん大事だけど、
ボールを止めて・・・トラップ
蹴る・・・キック
この2つだけでも、サッカーはできない。
えっどうして?と思われた方はこの話はおもしろい。かも?

 ワールドカップをみて、Jリーグよりレベルが高そうだけど、どこがどういうふうにって、答えられるかな?案外難しい。

パスの精度?じゅあ、プレーの精度って具体的には?

体の強さ? じゃあスウェーデンやドイツよりも、体が強いわけでもないブラジルが優勝したのはなぜ?

スピード? それって走るスピード? パスのスピード? じゃあ、考えるスピードや、判断のスピードは?


ワールドカップのプレーを見て、「どこが強いの?」「どこが上手いの?」と感じているひとも多かったのでは?
 ただはしゃぎたいだけだった人たちもいたけれど、
「サッカーってなんだろう?よく分からないけどすごいプレーがある。」って思った女の子やおじさんたちも多かったみたい。

 サッカーの真髄を(ってゆうかサッカー理論の本に必ず載ってる)分かりやすく書いていきます。

まず、今日は、「スピード」です。
 走るのが単に速い。カケッコが強い「=野人岡野のような」足が単に速いという意味でのスピード。ナイジェリアなどアフリカ勢は全員足が速いように思う。岡野も速かったし、さらにオーウェンも足が速い。
 もちろん足が速いのもサッカーの武器の一つですが、「足が速いだけ」なのはサッカーではあまり意味がない。
 サッカーには「3つのサッカースピード」というのがあるんです。「サッカーの3つのスピード」でもいい。
 それが、
「考えるスピード」
「判断のスピード」
「ボールのスピード」
の3つです。意外ですか?筋力的な面より頭脳的な面が多いでしょ。それがサッカーの真髄。奥の深さなんです。日本のマスコミがいつまでも勉強しようとしない面白さがここにあります。

 サッカーというスポーツは、常にボールが動き、選手も動きます。決まった形がほとんどありません。決まった攻撃のバリエーションや守備のセオリー(定則・決まりごと)もありますが、それらは個人技(セネガルやブラジル3R)に今回もあっさり破られましたよね。

全てのサッカーのプレーにおいて、まず選手は 
1、ボールを見つけます。
2、次に味方を確認します。「広い視野」が要求されます。
3、ポジションを取るため「動き出し」ます。
4、敵の選手と(ダマス動きをして)駆け引きしながら、
5、ボールが出る(来る)と予測したスペースに移動
6、ボールにタッチ(トラップ)そして
7、意図(メッセージ)をボールに込めて、キック。
また1から7の繰り返し。
 途中、味方のミスや敵のインターセプト(パスカット、タックル、シュートがGKにキャッチされるなど)で1、に戻って繰り返しです。


 ボールがどこにあり、味方がどういった体勢でボールを持っているか?(囲まれてないか、奪われそうか、突破しそうかetc)
 その状態をみてポジションをとり、
パスが出る瞬間、自分がどういうプレーをするのか、相手と駆け引きをしながら判断。(トラップするかダイレクトかドリブルかスルーかetc) 次にどこへパスあるいはシュートを打つのかを決断しトラップする、
 出すパス、シュートにはどういった意図を込めるのか?(ワン・ツーかラスト(キラー)パスかダイレクトシュート用のパスかetc)
その時のボールのスピード(強さ)は?
などの攻防がひたすら続きます。

 ボールをもらう前からパスまたはシュートを打つまでのスピードが優れているのが「動き出しの速い」、「思考・判断スピード」サッカースピードのある選手です。

「ボールのスピード」とは強く速いボールを蹴ればいいというわけではありません。最適のスピードという意味です。もちろん速い強烈なシュートが必要な場合も、ごくまれにあります。しかし弱くシュートを打てばいい場面で、リキんでシュートを大きく外すことが多すぎますよね。
 最適のスピードで味方にパス。奪われにくく攻め易い、速いパススピードを要求されているのが今のサッカーです。敵が守備陣形を整える前にシュートレンジまでボールを運ぼうという戦術です。我が日本代表もようやく、パススピードサッカーが得意になってきました。速いパスが次々と繋がって敵ディフェンスを切り裂いてゆく・・・。見る者にとってこれこそまさに快感ですね。今Jリーグでは、なおもジュビロ、最近マリノス、かつてはエスパルスやヴェルディが得意としていました。レオナルドがいたアントラーズも速いパススピードのサッカーをしていました。今は小笠原、本山、中田浩ら若手に期待しています。

 「3つのスピード」日本代表ではなんといってもナカタ選手、柳沢選手がこの能力にずば抜けています。プレー前から瞬時に次のプレーが決まっていて状況に瞬時に対応します。
 ボールをもらう前に、つまりボールのないところでサッカーのプレーの勝負は70%決まっています。
 1試合で一人の選手がボールに触れるのはほんの2~5分です。ボールのないところでのプレーがいかに大事かわかります。それはスタジアムでしか見ることの出来ない貴重なプレーです。偽りのプレーや、敵を背中や肩で押さえ込むプレー、わざと歩いたり、スーッと走ってみたりしています。
  そういえばストイコビッチ(ユーゴスラビア代表 名古屋グランパス愛称=ピクシー)がボールのないところで足が痛いよぅと寝そべっていてマークの中村(浦和レッズ元代表)が呆れて離れた瞬間、飛び起きてゴールを奪ったことがありました。ずる賢いですね(笑)

 「考えるスピード」瞬時に状況分析し、
 「判断するスピード」最も可能性のあるプレーを瞬時に選択し
 「ボールのスピード」最適の強さでパス・シュートをキックする

3つのサッカースピードでした。
次回は「角度」、やはりその次に「バランス」です。



パート1に続く パート2、「角度」です。

 サッカーを観ているだけだと、「あーもう。どうしてそこでミスするのっ」って思っちゃうけど、実際、自分がボールを蹴るとなるとやたらと難しい。テレビで観ていると、サッカーはまるで2次元の平面に見えてしまう。
 しかし、ピッチに立っている選手達は前後左右の「360度の角度」+足元、ひざ下、腰、胸、頭、空中の「高さの角度」に差があるプレーをしている。高さによって状況に違いがありボールや敵選手の足や頭や(腕も)出てくる。
 サッカーにおいての角度の理解がサッカーの3要素の中では最も難しい。他のスポーツには置き換えて理解し難いからだ。
 ボクシングでは敵のパンチがストレートは前方、フックは左右横、アッパーは下の角度から出てくる。相手に対する体の角度もサウスポーは左に開き右を前に持ってくる。バスケットは手を使うためサッカーよりは簡単にボールキープ出来る、背が高い方が有利で空中でのプレーが多いから角度の重要性がサッカーよりかなり低い。
 サッカーは地面をボールが行き交うためドリブルなど背の低い選手が地面に視点が近く活躍できる事が多い。空中戦では不利になりがちだ。しかしタイミングと角度の予測+ポジションさえキチンとしていれば背の低い人も空中戦に勝てる。

 ボールが落ちてくる角度、蹴り上げる角度、カーブをかける角度、走って行く味方選手にボールが渡る角度etc
 出したパスのボールの角度、立っている選手のゴールに対する体の角度、そしてトラップを持っていくボールの角度で次のプレーが全く変わる。ボールをもらう体の角度がなっていないと、付いている敵選手にボールを奪われたり、後ろ向きに自陣に向けてドリブルすることになったり・・・。

3つの角度
 「体の角度」
 「プレーの角度」
 「ボールの角度」

 敵味方ポジションを争っている選手と、ボールを持っている選手を見ながら、「移動しながら瞬時に」自分のポジションを決める。
 敵選手と駆け引きしながらボールをもらう準備をする。

 その時の「体の角度」によって、ボールをもらった時に相手からのプレッシャー、
 そしてトラップが変わります。
「体の角度」で、すでに勝負が決まっていることも多いのです。

 そんな動き方、角度のつけ方がに日本で群を抜いて優れているのがナカタ選手。常時、強く激しいプレッシャーのセリエAでプレーしてきたナカタの持ち味です。
 シュートを打つ直前のラストパス(キラーパス)をもらう「体の角度」が最高に上手いのが中山雅史選手です。お尻や腰でマークの選手を押したり、スクリーニング(背中でスクリーンのように壁を作りMyプレーを確保)、ショルダーチャージ(肩で押す)、多様なダマス動きからマークを外しゴールマウスに向かって半身になり一瞬でシュート体勢に持ってゆきます。

 「プレーの角度」は体の角度と重なりますが自分がボールキープ時に或いはその直前に、プレーの角度を何処に持ってゆくかということです。
 代表のボランチ(ポルトガル語でハンドル)戸田選手が最終ラインからボールを受け、最前線のFW柳沢に出すときには強いキックを蹴るので利き足の右足をやや引いた角度でパスを受けます。上がり目になり、近くのナカタに「ミスの許されないパス」を出すときの基本は、ナカタがキープしやすいようにナカタ利き足の右足内側に向けて左の軸足をナカタに向け正面姿勢から速いインサイドキックでボールを蹴ります。「プロの世界では基本に忠実なプレーだと敵選手にも読まれる」ので顔の向きや軸足の向きをわざと違う方向にしてパスを出すこともしばしばなのでそれも「プレーの角度」の面白いところです。右に出すプレー角度で左に出す、ゴールに向かってシュートするプレー角度でちょんと横にパスをする。決まると観客を魅了しますが、失敗すると監督から怒鳴られますね。

 最後に最も素敵な「ボールの角度」です。小野伸二選手が鈴木隆行選手に出したパスは天才的なものでした。鈴木の走るスピードとゴールキーパーの前に出るスピード、ディフェンダーの走って戻るスピードを計算し、GKとDFの間に左から触れてシュートすればいいという意図(イメージ)を持ったパスを送りました。イメージを共有し見事に応えたFW鈴木もよかったですが、伸二の一発の長いパスはボールが向かい落ちる角度が針の穴を通すように芸術的ですらありました。
 チェニジア戦ナカタがきめたヘディングシュートも市川のゴール前の垂直なプレーの角度からナカタが垂直にゴールに向かって角度を変えたシュートでした。コーナーやセンタリングからのヘディングシュートは全てボールの角度を変えてシュートするプレーです。 バイシクルシュートやボレーシュートもボールの角度を変えて力を加えゴールを狙うものです。ボールの角度を利用したり操るのが上手い選手は天才的な一面を持っているといえるでしょう。

 どんなにテクニックを持っている選手でも、この角度を間違えるとまったく機能しません。
味方の動きを把握し次のプレーに沿った「体の角度」「プレーの角度」を取らなければなりません。ボールが来るときにも「ボールの角度」を予測し、次の角度をつけたボールを味方やゴールマウスに出さなければならないのです。 
 サッカーは常に「ボールと人が動き」ます。選手たちは常に細かくポジショニングを修正しながら次の事態に備えています。守備をしているポジショニングからボールを奪った瞬間、攻撃が始まるので、一瞬で、攻めのイマジネーションを作らなければなりません。「攻撃において守備を忘れず、守備は攻撃のために。」です。

 次回は「バランス」です。今回の「角度」は苦労しました。まだまだ未成熟の説明だとお詫びを添えておきます。
 皆さんでそれぞれTVを見たときやスタジアムや草サッカーでプレーを見たときに、サッカーの角度の理解を深めてください。



最後に「バランス」です。

 「バランス」はサッカーにおいて最も重要な要素です。

それは日本語に訳せば「調和」というものです。
 言うのはそれほど難しくなくとも、習得には比類なき奥の深さがあります。
どんなプロ選手でも完璧なバランスはなく、サッカーの上達に終わりはないのです。

サッカーのバランスは大きく2つ、細かく5つのバランスに分けられます。

1、 「チームバランス」
   「戦術バランス」

2、 「メンタルバランス」
   「テクニックバランス」
   「ボディーバランス」
「メンタル、テクニック、ボディーのバランス」はあえて日本語における「心・技・体」といってもいいでしょう。

 では1、の「チームバランス」と「戦術バランス」から書いてみます。

 「チームバランス」は90分間途切れることなく必要なものです。延長やたとえPK戦でもそうです。戦術バランスとも関わるのですが「チームワーク」、「ディシプリン(=規律)」、「攻守イメージの共有」や「ポジション(フォーメーション)のバランス」、「マークの徹底」、それに、「個とチームのバランス」などです。

  気づいた選手、各個が味方に指示を与えたり、スタッフ(監督)やキャプテン、そして心の支えとなるベテラン選手が味方選手を鼓舞し、手をたたいたり、指示したりして「チームバランス」をとります。また、たとえ若くても代表候補のような誰もが認める実力がある選手もその役目を担います。
 「チームバランス」は、個々の選手として重要なバランスをチーム全体で行うのです。バランスのとれた理想的なチームは選手全員が、ボールを奪われたり、カウンター攻撃などの状況に対して、「まるで一つの生き物のように」、手足を縮めて守りを固めたり、翼を開いたりするのものなのです。

 「戦術バランス」はおかしな言葉かもしれません、「サッカーの戦術自体がバランスを取るために組織されたもの」だからです。4-4-2や3-5-2といった戦術システムも「攻守のバランス」が取れるように開発されたものに過ぎません。最新のサッカーではフィールドプレーヤー(GK以外の10人)全員のMF化が進み、誰でも何でも出来なければならないようになってきています。DFでも上手くシュートしてゴールを決めなければならないし、FWでも守備能力が高くなくてはならない。2000年欧州大会のフランス代表が可能性を見せてくれました。全員のMF化は理想的な戦術です、だからこそ世界選抜のようなスーパーチームにしかいまだ実行されないのかもしれません。
 「戦術バランス」は「個人技」vs「戦術規律」との調和もそうです。2002セネガル代表はその調和、バランスが上手くいっていました。「試合の流れを読み」相手の勢いが強いときには守り、味方の攻勢が強いときには攻撃参加するというのも「戦術バランス」です。

  次に2、の「サッカーにおける心技体」です。
 選手の全てのプレーを支えるのが「メンタルバランス」です。チーム全体や個々のメンタル、精神面の疲労・回復をバイオリズムで表したりそれによってトレーニングスケジュールを変更したりします。「モチベーション=動機付け」が叫ばれるのもメンタルバランスが重要だからです。スタッフ(監督)が選手の悩みを解消したり、選手の目標をギリギリ届くところに置かせはっきり確認させたりします。試合前やハーフタイムにスタッフ(監督)が闘志を高めさせたり、自信を持たせたりするのも重要です。
 試合中ピッチでは緊張をほぐせるようにしたり、混乱した選手を落ち着かせたり、自信を取り戻させるようにキャプテンやスタッフは的確な言葉をかけたりパスを出してボールを触らせたりします。強いチームにはそういったケアを出来る経験豊富な選手が必ず複数います。日本代表ではナカタや戸田、宮本がピッチでそうしているの姿が印象的でした。

 面白いのは逆に相手の選手の自信をなくさせ「メンタルバランスを崩させる」行為。チェニジア戦、戸田の非紳士的行為ギリギリの座り込んだ敵選手への恫喝。あいてFWをおちょくるDFのパスの繋ぎがあり、メンタルバランスの奥の深さや「マリーシア(=ずる賢さ)」の真意を痛感しました。相手がメンタルバランスを崩して(切れて)手を出せばレッドカードでしょうし、その選手が必要以上にむきになれば敵チームはバランスを崩します。今までされる立場だった日本から盛んにそうしたシーンが見られた試合でした。戸田は単に怒り易いのかもしれませんが・・・効果的でした。ボールにタッチする瞬間の敵選手に胸や背中をポンポンと軽く叩く等の「メンタル妨害」もプロのプレーです。日本が強くなったのはプロ化して勝敗に生活が掛かり、単なるスポーツマンシップ時代から卒業したことも大きな要因だと言えます。

 試合で力を出し切れるようにどんな状況にも戦えるように、体が大きい選手や名のある選手にも「気持ちで負けない」ように選手たちは日々「メンタルバランス」を強化しています。真剣な練習や試合での修羅場の経験こそが最もメンタルの強化になります。成功プレーのイメージトレーニングや日常生活の夜遊び等の「誘惑に打ち勝つ生き様」までもがサッカー選手には重要です。遊びでナンパするJリーガーなど辞めさせて、彼らに幼稚園でサッカーを教えさせて欲しいものです。ジーコいわく「サッカー以外の全てをサッカーのために」それが出来る選手こそが一流の選手です。サッカー選手としての人生は選ばれた者だけが送れる至福です。そのための責任も重いはずだと思います。心の面を考えると日ごろからの生き様がピッチで如実に現れるのがサッカーだとつくづく思うのです。

 さて、「テクニックバランス」です。
 右足ではいいプレーができるけど、左足は全然だめ。というのは草サッカー選手にはよくあることです。プロの選手では得意不得意はあっても最低限のテクニックラインはヘディングでも、左右のキックでも、ドリブルでもフェイントやマークやターンでも様々な技術に落第点があってはなりません。それがビデオで研究され対戦相手チームに狙われ、克服する前に解雇になるかもしれないからです。よくあるのが左右のアンバランスで選手はふつう利き足を持っていますが右足利きの選手は右足でキックするので敵選手は右側に付き纏ってプレーを妨害します。それを克服するには左足をそこそこ上手にすると同時に工夫して敵選手を跳ねのける体やフェイントのテクニックやプレースピードを身に付けるしかないのです。テクニックもある程度均整と調和の取れたものが望ましいのですが、全てが70点のプレーヤーには魅力はありません。ヘディング50点、右足60点、フィジカル(体の強さ)60点、でも、左足とFKは120点の選手にこそ魅力を感じませんか?弱点を強化するのももちろんですが左足を150点に上げるのもやり方ですね。チームとしても左サイドばかり強くて右サイドが守備一辺倒なチームはバランスが悪く弱点として狙われます。システムを変えたり、選手を獲得したり、短所を補うほど長所を強化するなどして工夫してその問題を乗り越えなければなりません。

 「ボディーバランス」はダッシュ、ドリブル、パス、シュート、ディフェンス、ボールキープなど全てのプレーにおいて必要な要素です。全身の筋肉をバランスよく鍛えプレーで使えることが重要です。
 相手に体をぶつけられながらのボールキープ、そしてドリブル&パス、トラップ&シュート。全てのプレーに足腰だけでなく、上半身の筋力も必要です。ディフェンスでは、突然のボール、相手へのプレスにも応対できるバランスが必要です。 バランスはボディー(筋力)だけではなく、「倒れないボディーバランス」、ゲームの流れの中で、頑張りどころで頑張れる、危ないところで踏ん張れるスタミナやペース配分を含めたボディーバランスが重要です。

 どんなことにも通ずるメンタル、テクニック、ボディーの強さとその調和は、古今東西普遍なもののようです。選手個々においてと、チーム全体としても高め調和をとっていくことが重要です。

 今回は、サッカーの3要素の最後、「バランス」でした。
 サッカーの重要な要素を「スピード」「角度」「バランス」に分けて書き綴ってきました。
 岡ちゃんいわく「サッカーは答えのないゲーム」です。実はサッカーを観、プレーし、サポートするみなさんそれぞれが、全く正しい答えを持っているといえると思います。ある人がある選手のプレーをTVで観て、「そこはシュートだ!」と、思っても、現場の監督はパスを望み、選手はドリブルを選択することがしばしばです。どれも正解なのです。バランスの面でも書いたのですが、完璧に均整のとれた選手、チームがNo1ではありません。もちろん求められますが、例えば、ヘディングの選手、ドリブルの選手、パスの選手が合わさってチームとしてバランスが取れていれば強いチームが出来上がるのです。システムにおいても新しい3-3-2-2システムの方が4-4-2システムより強いことにはなりません。選手がそのシステムにフィットしているかどうかの方が勝敗を分けます。ひょっとしたら100年前のイングランド代表が今のブラジル代表に勝つかもしれませんし、選手の資質もシステムの流行や観客の好みによって評価も変わってしまうのです。
 ただ、サッカーの基本的な要素である「スピード」「角度」「バランス」は、人類の祖先が四足で木の実を蹴った時代から、日本の平安時代の蹴鞠御前大会においても、英国でサッカーが始めてルール化された時代においても最も重要な要素だったはずです。
 自由にサッカーをプレイしたり観戦したりしてください。ひょっとしたら将来、日本サッカーから革新的なシステムが生まれるかもしれません。サッカーは全てのサッカーファンのものですから。皆さん一サッカーファンの私に付き合って頂き本当にありがとうございました。


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